平成17年度事業計画書 - 全国商工会連合会

平成17年度事業計画書
【 概
要 】
平成17年度全国連重点事業計画
~商工会等変革への7つのアクションの推進~
Ⅰ.会員サービスの向上
1.全国統一事業の推進
地域経済を取り巻く環境の変化に伴い、商工会に対する会員ニーズもますま
す多様化してきていることから、それに応えるために、商工会も従来の枠にと
らわれずにさまざまな事業に積極的に取り組む必要がある。
このため、経営革新支援ガイドライン等を活用し、経営改善計画を策定する
などの経営支援をはじめ、後継者人材マッチング事業、福祉共済、ひまわりコ
ールなどの事業を全国統一事業として位置づける。
さらに、「商工会等変革への7つのアクション」の提言を実践するため、各
県連を巡回し、事業の協力要請や進捗状況の把握を行う。
なお、本年度についても、本事業に積極的に取り組んだ商工会等を商工会全
国大会の場で顕彰するほか、職員の事業への取組状況を適正に評価するため、
事業成果を人事評価に反映する仕組みを構築するよう各県連に協力要請を行
う。
<図1
全国統一事業に係る規模別商工会目標>
地区内小規模事業者数
300人以下
1.会員増強運動
(役職員1名につき2名の新規会員を獲得)
2.経営革新ガイドラインによる診断・指導
(経営指導員1名につき1件/1月)
3.福 祉 共 済
(役職員数×2)
4.ひまわりコール
(商工会2回線+役職員全員+7会員)
5.ビジネスプラン作成
(経営指導員1名につき2件)
6.後継者マッチング事業者情報登録
(経営指導員1名につき1件)
7.ネットワーク取引所
(経営指導員1名につき1件)
8.商工会カード
(会員数の10%+青年部・女性部役員及び職員必携)
9.月刊「Shokokai」
(役職員数の40%)
10.青年部・女性部の部員増強
(部員数の3%)
301~
1,001人以上
1,000人以下
新規会員
40人以上
新規会員
60人以上
新規会員
80人以上
10件以上
20件以上
30件以上
40口以上
60口以上
80口以上
40回線以上
60回線以上
80回線以上
2件以上
4件以上
6件以上
1件以上
2件以上
3件以上
1件以上
2件以上
3件以上
40枚以上
60枚以上
80枚以上
9冊以上
13冊以上
16冊以上
1部員以上
2部員以上
3部員以上
- 1 -
2.新たな会員サービスの開発【新規】
商工会地域は、少子高齢化や人口の流出による過疎化等、抱えている課題は
多く、共通しているものも少なくない。
こうした潜在ニーズに対応するため、商工会員はもとより、実施主体である
商工会等にもメリットのある新たな会員サービスの研究・開発を行い、導入実
験・検証等を経て全国的な普及・取り組みの促進を図る。
3.販路開拓・取引拡大の支援
地域で開発した特産品の新たな販売ル-ト(卸・催事等)を発掘するととも
に、「むらからまちから館2号店」の開設を検討するとともに、商工会地域の
特産品以外の製品については、他機関が実施する商談会等において、展示コー
ナーを設置するなど販路開拓の機会を提供する。
また、商工会ネットワーク取引所の活用促進・登録企業の増加を図り、商工
会員同士の取引を拡大する。
さらに、バーチャルモール等により、JAPANブランド育成支援事業の事
業事例を情報発信したり、他の物産館との事業連携を図ることにより、会員等
の取引拡大・販路開拓支援を効果的に行う。
Ⅱ.小規模事業対策への積極的取り組み
1.小規模事業対策に対する継続的な国の関与
税財政改革に伴い、平成 18 年度から小規模企業等活性化補助金の事務事業
の一部が税源とともに都道府県に移譲されることとなっている。
このため、現行補助体系を抜本的に見直し、新たな小規模事業対策制度を創
設するなど、小規模事業対策について、今後とも、予算面、制度面で国が関与
し、責任を担うための研究、提案及び要望活動等を強力に実施する。
- 2 -
2.まちづくりの推進
<図2
商工会地域のまちづくりに関する
実態調査等を行い大店立地法、中心
市街地活性化法及び都市計画法の
地区数
700
652
557
524
実効性あるものとなるよう関係
500
各方面に働きかけるとともに、
400
605
590
600
いわゆる「まちづくり三法」が
政府の施策や各地の事例など有益
中心市街地活性化への取組状況推移>
300
259
な情報やノウハウを収集・提供す
るなど、まちづくりへの取り組み
200
を積極的に支援する。
100
167
4228
175
5138
200
5439
206
64
44
5543
0
H14.6
H15.3
基本計画策定地区数
商工会地域内の3セクTMO
H15.6
H15.11
H16.12
うち商工会地域
商工会TMO
3.地域コミュニティの再生及び地域振興策の推進【新規】
地域コミュニティの再生を図るため、地域住民に密着した事業として実施し
ている地域通貨や宅配事業、さらには地域を循環する交通機関との連携による
地域振興策等の取組みについて情報収集・提供するなどして、商工会の地域振
興への取り組みを推進する。
4.JAPANブランド育成支援事業への支援
全国連から委託を受けた商工会等が実施するJAPANブランド育成支援
事業の取り組みを積極的に支援するとともに、成功事例集の作成・配布等PR
に努めることにより、事業成果の普及や継続的な販路開拓支援を行う。
<図3
JAPANブランド育成支援事業の実績等>
平成16年度
(実績)
商工会地域
17カ所
商工会議所地域
14カ所
合 計
平成17年度
(予定)
あわせて
約30カ所
31カ所
- 3 -
年月
<図4
5.創業・経営革新支援対策の推進
小規模企業政策のなかでも、創業・経
創業セミナー等の開催回数推移>
開催回数
150
営革新支援対策は中核的に位置づけられ
ており、一層充実させる必要がある。
創業支援策については、県連・商工会
100
が実施する創業塾・第二創業塾について、
講師情報の共有化等により効果的な開催
50
を推進する。
また、経営革新支援対策については、
中小企業新事業活動促進法(仮称)の施
0
H11
行により、新事業開拓への支援等が拡充
H12
H13
H14
創業セミナー
されるため、事業計画策定支援や異業種
H15
創業塾
交流等を通じて商工会地域における認定企業の輩出を推進する。
<図5
承認件数
4,500
4,000
3,500
3,000
経営革新支援法の承認件数の推移>
3,993
3,341
2,594
2,500
2,299
2,000
1,500
1,000
500
0
1,348
H11
%
H12
<図6
H13
H14
H15
年度
開業率
廃業率 (企業ベース)
開廃業率の推移>
7.0
5.9
5.9
6.0
5.6
5.0
4.3
4.5
4.0
4.0
3.0
3.8
3.8
3.2
4.0
3.6
3.5
2.7
3.1
2.0
1.0
0.0
75~78
78~81
81~86
86~91
91~96
- 4 -
96~99
99~01
年度
H16
年度
H17
第二創業塾
6.シニアアドバイザーによる質の高い支援の推進【新規】
中小企業支援のため、能力と意欲を有する優秀な経営指導員等が指定を受け
る「シニアアドバイザー」を多数輩出することにより、中小企業新事業活動促
進法(仮称)に基づく承認獲得を目指す企業等に対し、質の高いきめ細やかな
支援を積極的に実施する。
7.中小企業の金融支援対策の推進
小規模事業者の直接金融による資金調達を普及・啓発するため、
「まちの起業
家等資金調達マッチングモデル事業」を推進し、マニュアル・事例等の紹介に
よる普及・啓発を通じて、少人数私募債の発行等の支援を強化する。
また、中小企業に対する新たな金融支援策として、証券化の仕組みを活用し
た私募債発行支援策の導入を推進する。
<図7
新たな金融支援策のイメージ>
(例)
融資残高
・社債担保証券
この金利水準の
融資制度が手薄
・銀行との提携による
ビジネスローン等
会員が信用リスクに
応じて資金調達でき
るような新たな金融
支援策を検討
銀行等
商工ローン等
金利
5%
10%
15%
20%
25%
Ⅲ.商工会等の組織強化
1.商工会等職員の資質向上等
平成 16 年より導入した「全国統一演習研修(Web 研修)」について、平成 17
年度から新設されるシニアアドバイザーを数多く輩出できるよう、経営指導員
の研修参加を徹底させるとともに、経営指導員以外の職員も積極的に受講する
よう県連に協力要請を行い、「人事評価システム」と連関するための指針を作
成し、より一層の資質向上を図る。
また、経営指導員等の資格取得を積極的に支援するとともに、経営革新等に
対応するための資質向上研修を実施する。
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2.専門分野における支援体制(商工会知的ネット)の構築【新規】
経営問題をはじめ、税制、金融、まちづくり、IT等の支援分野において、
経営指導の現場で習得した専門性や事業推進ノウハウを活用した高度な助言
機能を発揮できる研究チームを全国連において編成し、商工会等の要請に応じ
て、ネットワークを活用した情報の収集・提供などの間接的支援や、現場に中
小企業診断士資格を有する職員を派遣し、経営指導員等とともに中小企業新事
業活動促進法の認定支援や課題解決に取り組むなどの直接的支援を行う。
<図8
商工会知的ネットのイメージ>
商工会等
直接的支援
経営指導員等の
参画
(職員の派遣など)
間接的支援
(情報の収集・提供など)
経営革新
情報化
創業
商工会
知恵袋
(仮称)
仮称)
金融
福祉共済
税務
まちづくり
商工会の合
併
3.商工会等の組織強化【新規】
目まぐるしく変化する社会経済環境に商工会組織が対応できるよう、組織の
現状分析等を行い、組織の強み、弱み等を把握する。
それを踏まえて、新たな事業の構築や既存事業の総合的な見直し、合併後の
商工会運営指針の提示など、時代に即応できる組織づくりを行うことにより、
商工会組織の強化に努める。
なお、全国連においても、各事業について事業評価を行い、これまで以上に
効率的かつ質の高い事業を実施し、会員サービスの向上を図ることとする。
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