Information Knowledge Database. Title ドイツ - 東京女子医科大学

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ドイツにおける法医学の教育
澤口, 聡子; 澤口, 彰子
東京女子医科大学雑誌, 63(12):1525-1531, 1993
http://hdl.handle.net/10470/8910
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
81
〔書橋薦53襟,幽遠〕
調査報告
ドイツにおける法医学の教育
’)東京女子医科大学 法医学教室
2)東京都監察医務院
サワ グチ トシ コ サワ グチ ァキ コ
澤口聡子1)・澤口彰子1)2)
(受付平成5年8月18日)
German Graduate Medical Education Programs in the Field of Forensic Medicine
Toshiko SAWAGUCm1}and Akiko SAWAGUCHI1)2)
DDepartment of Legal Medicine, Tokyo Women’s Medical College
2)Tokyo Medical Examiner’s Office
The author devoted herself to the studies and researches of Forensic Medicine at Institute fαr
Rechtmedizin der Freien Universitat Berlin and Landesinstituts fUr gerichtiliche und soziale Medizin
Berlin from 1992 to 1993 after the utilization of West Germany and East Germany. The present state
of Forensic Medicine in F, R, G, especially regarding as graduate medical education in the field of
forensic medicine, is introduced in this report.
緒 言
年)に含まれる.
東西ドイツ統合後,1992年から1993年にかけベ
第1次国家試験:理論医学2)(病理学,薬理学,
ルリンに滞在し,ベルリン自由大学法医学教室お
微生物学,免疫学,人類遺伝学),診断学,臨床検
よび厚生省の所轄機関で日本の監察医務院に相当
査,放射線医学
するLaudesinstituts fUr gerichtliche und
第2次国家試験:内科,外科系各科,社会医学
soziale Medizin Berlin1)において,ベルリン自由
(法医学を含む)
大学の客員研究員として,ドイツ法医学の教育,
第3次国家試験:内科,外科,口頭試問
研究および実務活動を体験した.統合後のベルリ
何れも2回の不合格で受験資格を失う3).
ンにおける法医学と併せてドイツにおける法医学
ベルリン自由大学における法医学の講義として
の教育について報告する.
は法学部学生を対象とするものと医学部学生を対
1.ドイツの法医学教育
象とするものとがあり,後者は疫学課程の一部に
ドィッの医学部あるいは医科大学はすべて国立
含まれ医学概論に続くものとして位置づけられて
(州立)である.夏冬2学期24週で各学期に新入学
いる,.何れも法医学全般を概観するものであり,
可能であり,6年12学期5,500時間で医学課程を修
剖検見学も組み込まれている.ベルリン自由大学
了する.2年間の前臨床学期と4年間の臨床学期
における1992∼1993年度の法医学時間割りを表1
から構成される.前臨床学期の終了時および,臨
に示す.日本の大学院制度に相当するものはドイ
床学期の1年,3年,4年終了時に試験があるが,
ツにはないが,臨床学期2年目から実験を基とす
臨床学期に入ってからの3回の試験は国家試験で
る学位論文に取り組むことができ,早い者は大学
ある.この3回の医師国家試験の内容は次の通り
終了時にDoktorの称号を得る.医師国家試験に
であり,法医学は第2回め国家試験(臨床学期3
合格した者はArzt, Arztinであり,大学での教育
一1525一
82
表1 ベルリン自由大学における法医学時間割
ループ以上の専門科を標榜することは許可されな
(1992∼1993年度)
い(1924年号。
Themenplan
2)家庭医,一般医職務との併任の制限;専門医
16.10.1992
Tatort/Leichenfundort
は家庭医としての実務を行ってはならない.一般
23,10.1992
Tatort/Leichenfundort
医の業務を職業として行う場合,原則的に専門医
30.10.1992
P16tzlicher Sauglingstod
06.11.1992
genetischer Fingerprint
を標榜してはならない(1924年).
13.11.1992
Atema!koho1/Begleitstof〔analyse
3)一般医学の規定化された凹凹研修とそれに
20.11,1992
BTM−Intoxikation
27.11.1992
Exhumierung
04.12。1992
Leichenzersttick61ung
(この時点で一般医学とは家庭医としての実務の
11.12.1992
Verletzungen durch Tiere/TierfraB
基盤になるものを示す).
18.12.1992
Abtreibung/Kindstδtung
08。01。!993
BakteriGlogie in der Rech捻medizin
4)専門分科を身に付けたいと思う者は,総合領
よる一般医という標榜科目を採用する(1968年)
15,01,1993
Todesfalle beim Sport
域で卒後研修を修了,すなわち最初に内科医ある
22.01.1993
Identi丘zierung/Massenunfalle
29.01.1993
Thema wird noch bekannt gegeben
いは外科医とならなければならない(1968年).
05.02.1993
Thema wird noch bekannt gegeben
5)最初に連邦規則,連邦医師規則および免許規
則によって医師が誕生し,次いで州の法律によっ
て,卒後研修により医学の領域において医師とし
資格取得のためには更にDoktorを得ることが不
ての職業をもつことが決定される.州医師会は職
可欠である’3>.
業および専門医規則を発布する権利がある(1968
ドイツにおいては,1924年目14の専門領域から
年).
なる専門医制度(卒後研修規則)が発足している.
6)関連ある専門科目を複数標榜することは認
これはブレーメンにおけるドイツ医師会議で決議
められなけれぽならないが,一般指針に照し例外
され,ブレーメン指針と称される.ドイツにおけ
的な事例として除外規定に該当しない時は専門領
る専門医制度はドイツ医師会議によって認定さ
域外での従事を禁止する(1968年).
れ,その専門医規則の制定と専門医認定は各州医
7)卒後研修の終了として口頭試験を設ける
師会に依存しており,日本のように学会主導型の
(1973年).
専門医制度とは異なっている.また専門医認定は
8)卒後研修をする者は全員卒後研修指導者並
Doktorの資格取得とは別個のものとされてい
びに卒後研修機関を少なくとも1回は替えなけれ
る.
ぽならない(1973年).
ドイツ立法府は医師の自治組織である医師会
に,職業規則および卒後研修規則に関する2つの
9)全日制主勤務を原則とする.やむをえぬ場合
任務を委譲している.後者は,医師の自治組織と
る(1985年).
最高4年間を半日制とし期間は半分として算出す
して後継者対策の一助となることを期待されたも
10)卒後研修は防衛義務科学的事項に関する
のであるが,面面研修規則すなわち専門医教育に
委託,妊娠または病気のような理由で中断するこ
よってのみこの問題を解決することは困難である
とができる.卒後研修の総合計期間は中断によっ
とみなされている2).
て短縮することはできない(1982年欧州共同体
医学をどこまで専門化できるか,どこまで専門
(EC)評議会).
化するのが有効か,どこまで制度として専門化し
11)開業のような医療行為に従事した期間は専
なけれぽならないかに関する問題認識は諸国共通
門科および専門分科の卒後研修期間として算入さ
のものであるが,ドイツの専門医規則は以下の点
れない5).
で特徴的であり4)∼7),日本のものと異なっている.
12)専門科として算入されうる期間は原則とし
1)専門領域の制限:1つ以上あるいは1グ
て研修の開始の時点で設定すべきである5).
一1526一
83
13)研修期間の中で最低1年間は,卒後教育全
medizinであり,小児および青少年精神科医学・神
般について資格を与えられた1名の医師の指導の
経治療科・公衆衛生学・病理学・薬理中毒学・精
下に行われる.
神医学の各科に関しては関連ある専門科として複
“一般医”という概念は一つの専門概念として
数の専門科資格を所得し併記して標榜することが
把えられその一方で,あらゆる専門医教育の基盤
許される5).
概念としての一般医学が把握されている.1986年
また,近年国境を越え複数国にまたがる司法事
目C評議会によって「一般医学の特別な教育に関
件もみられること,国際共同研究等により研究者
する評議会指針」が発布され,ヲーロッパ各国は
交流がより頻繁になってきていることから,EC
次の条件をみたす一般医学における特別な教育の
内で法医学専門医資格要件を統一・しょうとする動
導入が義務づけられた4).すなわち,最低6年の二
きがあり7)ドイツのProf. Dr. Med. Brinkman等
二教育を修了して証明を受け,少なくとも2年の
を中心に資格統合が検討されている.ドイツ以外
全日制教育を当該官庁の監督の下に達成しなけれ
特にEC加盟国内での二二研修は,ドイツの卒後
ぽならない.この2年間は,理論的なものよりも
研修規則において柔軟に取り扱われている.
実際的な性質のものであり,最低6ヵ月間は相応
当該医師がEC加盟国の国籍であり,加盟国で
の設備と相応の科を持った認定病院で,最低6カ
取得した専門に関連する免許・試験の証明書・資
月は認定された一般医学または初期診療のための
格証明書を有する場合,医師会への申請によりド
認定されたセンターで行われる.この実際的教育
イツにおける専門医認可を取得できる.当該医師
は認定された施設あるいは一般医学と関連する国
の証明書内容が,ECの要網による卒後研修の最
民保険業務であってもよい.
低期間を満たさない場合,卒後研修の実際に行わ
法医学は医学的および医学自然科学的知識の司
れた期間と卒後研修に示された最低期間との差の
法への応用を包括するものと定義つげられ,その
2倍に相当する期間を該当する医療行為に事実上
卒後研修期間は卒後研修施設における5年間と規
および合法的に従事したという出身国または教育
定されている.その内訳は,
を受けた国の該当機関の証明を,医師会は当該医
1)6ヵ月精神医学
師に請求でぎる.EC加盟国の国籍を有し,何れか
2)1年病理学
3)3年6ヵ月法医学教室
であり,法医学教室における3年6ヵ月間に,6
の加盟国で専門医教育を修了したがそれがECの
要網による卒後研修の最:低期間を満たさない時,
ヵ月の臨床,基礎医学,一般医としての実務また
することができる.EC加盟国以外の国籍の医師
医師会はその二丁研修を二二研修実績として算入
は公衆衛生関連の実務を含めることができる.二
がEC加盟国以外で行った卒後研修については,
二研修の内容は,法医学専門医としての実務を裏
当該医師が目的とする専門科・専門分科・特殊科
付けるに足る深い知識と経験を習得することであ
における最低12ヵ月の卒後研修をドイツ国内で
るが,これは具体的には,法医解剖技術および死
行った場合のみ,全部または部分的に算入される.
因並びに法医学的精神病理学的問題とその因果関
このような専門医に関する諸規程の審査は州医
係に関する鑑定(書類,口頭による)を含むもの
師会に依存し,審査委員会・異義審査委員会・各
である.更に,二二血痕等法医学的資料の保存,
委員長の任命権は州医師会、にあり,州内務省に
生体および死体損傷の判定,犯法学的な中毒の判
よって定められた委員に拘束されることはない.
定,医師の法的立場および医療行為の法的因果関
受験資格の決定あるいはその取消しも州医師会に
係,法医血清学,法医学的物体検査および保険医
よる.審査委員会は3名の医師(内2人は当該専
学に関する知識の習得を必要とする.このように
門科)の多数決によって決まり,同数の場合は委
して取得された法医学の専門医資格を有する医師
員長採決となる.卒後教育者および教育機関の認
は,RechtsmedizinerあるいはArzt fUr Rechts一
可,専門名称標榜の認可,審査料は全て州医師会
一1527一
84
表2
国 名
Greek
発足年
1957
法医学専門医制度におけるEurope諸国間比較
研修内容/研修形式
研修内訳
研修期間/機関
3年/大学
1年間 病理学
Gross anatomy&
histopathology
2年間Forensic
pathology
Forensic
toxicology
Thanatology
試 験
終了時に口頭試験
Forensic pathology
Forensic histopathology
Clinical forensic pathology
Clinical forensic histopathology
Principles of forensic toxicology
Forensic criminalistics
Medical law
Deontology
Insurance medicine
実務主体,実務を通して知識をえる
400の法医解剖
Italy
約1950
4年/28大学
2年共通領域
P年専門領域
P)Legal and P lnsurance
medicine
2) Forensic
psychopath一
ology
3)Forensic toxi・
qology
Spain
1955
4年/指定3大学
Thanatology
各年時終了時に
eorensic pathology
eorensic histopathology
@ 口頭試験
blinical forensic pathology
Forensic toxicology
Forensic criminal量stics
Forensic psychiatry
Principles of forensic odontology
ecourse終了時に
@論文討論
Medical law
聡舷門実務、。。時間、。。の法和解音ぽ
1)病院巡回
oathological
@ anatomy
fynecology
Thanatology
入学試験
kow and medical deontrogy
eorensic pathology
e年度末各course、 終了時の理論およ
soxicology
Internal medi一
P
blne
T「aumatology
Psychiatry
2)研究所実習
Criminalistics
Toxicology
Criminalistics
@ び実務試験
Forensic haematology
Identi丘cation
Forensic odontology
Examining bodily harm
Insurance medicine
Labour legal medicine
Forensic sexology
Forensic psychiatry
糊騰農medicine
法廷および学会参加
Germany
1975
5年/大学
1年間病理学
Uヵ月間法医精神医
学
3年6ヵ月間法医学
教室
30の書類鑑定
20の精神鑑定
200の法廷証言
10の複合鑑定
Finland
1950
6年/5大学
Thanatology
研修終了時に
eorensic pathology
Forensic histopathology
@ 口頭試験
Clinical forensic pathology
Clinical forensic histopathol.ogy
Toxicology, Forensic criminalistics
Principles of forensic psychiatry
Medical law, Deontology, Medica1
1喘麗騨a稿躍蹄理解音唾
2年間一般研修
1年間病理学教室
3年間法医学教室
Thanatology
Forensic pathology
Forensic histopathology
最終年次に
筆記試験
Clinical forensic pathology
Forensic criminalistics
Trafヨ。 medicines
Principles of forensic psychiatry
Principles of forensic odontrogy
Principles of insurance medicine
Medical and clinical law
Deontology
Paternity cases
500の法医解剖
実務研修と毎週のseminarと講義への参加
Portugu1
1988
5年
mational college
2年間一般研修
R年間法医学教室
Thanatology
eorensic pathology
Forensic histopathology
Clinical forensic pathology
Forensic toxicology
Criminalistics, Forensic odontrogy
ForenSiC haemogenetiCS
Medical lurisprudence
Principles of forensic psychiatry
一1528一
course終了時に理
@論および実務試験
85
表3 法医学各領域における研修項目
領
域
Thanatology
化している国家もある.ドイツの法医学専門医制
度はEC諸国の中でも比較的厳正であり実務主導
研 修 項 目
で実験病理を基盤に有するものであるが,現実に
Definition of death
External examination of
は統合前後において法曹関係者,医師,医療職種
corpse
Certi五cation of death
Estimation of time of death
Identi丘cation of corpses and
の就職状況は楽観を許さず,Doktorの称号や専
門医資格の有無が就職状況を好転させるものでは
human remains
Crime scene investigations
Forensic pathology
Unnatural causes of death
Investigation of sudden un−
expected death
Diagnosis of vitality of
Age determination of
wounds
が,日本においては厚生省からの解剖資格認定証
Reconstruction of events in−
cluding traf丑。 accidents
明種目法医学あるいは日本人類遺伝学会認定の臨
Investigations of survivers
床遺伝学認定医以外関連する専門医資格は存在し
of all crimes
Investigation of suspects
Investigation of accident vic−
tims with regards to recon−
ない.また,アメリカにおいては,法病理学専門
医はその前提として病理学専門医であることを条
struction
Forensic toxicology
このようにヨーロッパ諸国間においては一応の
統合の動きが企図される法医学専門医欄度である
trauma
Forensic clinical
ない.
件とするなど,欧州諸国の法医学専門医制度との
Crime・related alcohology
Drug abuse
Forensic criminalistics
Biological trace
Medical law
Medical jurisprudence
Medical secrecy
Medical ethics
間に制度格差が存在する.
更に,法医学は,医学の法的問題への応用であ
り,専門医制度統合の背景に,各国間の法体系の
Deontology
差違が明らかになる.一般的に刑事に関しては比
較的統合がとられてやすいが,民事に関しては各
国間に相違が大きいとされる.
に依存する6).法医学legal medicineが公的に認
2.ドイツ法医学の現状
められているEC 4力国すなわちギリシャ・イタ
統合前の西ドイツに監察医制度はなく,いわゆ
リア・スペイン・ドイツを中心として,EC指導基
る行政解剖は東ドイツのみで執行されていた.統
準による法医学専門医制度の調和が1991年から意
合後は諸制度が西ドイツ側の形式に統一されたた
識的に図られている7)が,公式の研修条件および
め,法医解剖をめぐる諸制度も統合前の西ドイツ
専門医制度の各国間比較を表2に示す.更に専門
の形式に準じ,行政解剖は施行されていない.行
医研修の内容として併記される各分野について具
政解剖制度が存在しないため,ドイツの法医解剖
体的項目を表3に示す.研修機関には現在2年か
率は,他のヨーロヅパ諸国に比べて低い.但し法
ら6年の差がある(イギリス5年,フランス2年,
医解剖の対象となる不自然死ないし不明死概念が
スエーデン5年,オーストリア6年,スイス5年)
日本の変死概念と異なるため,日本の法医解剖率
が,ヨーロッパの最低基準として4年とすること
よりはるかに高く,ベルリン自由大学のみで年間
が最優先への総合課題とされている.デンマー
3,000余数の法医学術解剖がある.
ク・アイルランドのように事実上の専門医制度を
ドイツでは死亡の届出に関し,刑事訴訟法159条
もつが公的な規定の存在しない国がある一方で,
(連邦法)および埋葬法(州法)の二法によって規
ベルギー・オランダのように専門医制も公的認定
定されている8).前者によって警察と市町村役場
も存在しない国がある.オランダのように,法律
に,後老によって検屍医に届出義務が付与され
によってすべての医師は内科・外科・産科・法医
る8).現在,ベルリンで使われている検案書を表4
学の試験に合格することが義務づけられ,一般病
に示す.届出条件は①不自然死,②身許不明死で
理・一般精神医学の専門医あるいはpublic health
あり,二法とも同一である8).屍体は,自然死,不
o伍cersと呼ばれる内科医によって法医実務を消
自然死,不明死の何れかの区分に三分目れる.不
一1529一
86
i4 -<iv
woitRS
Vom Atzt auszuru11en
- zuvor Bltitter 5-7 abirennen Bitte Hinweise euf der RUckseite des letzten Blattes beachten!
Leichenschauschein
Hinweise tUr den Anieigenden
Hinweise f"r den Arzt
Be+m Standesamt sind die Per$onenstandsurkunden Uber die GeburL ggf,
Uber die EheschlieBung und die Aul-
Bitte Klartext bzw. Daten in die vor
16sungderEhedesVefstorbenenund
vOfgesehefie Kastchen mlt ein
der Personalausweis des Anzeigenden vorzvlegen. Der Personalausweis und ・- soweit vorhanden - der
ReisepaB des Verstorbenen sind bei
einerMeldestelledesLandeseinwoh-
- Nieht vertraulicherTeU Vem Standesbeemten zu bearbeiten
Bei SterbefSllen im Krenkenhaus
Standesamt
Aufnahme-Nr.
SIerbebuch-Nr.
Aufnahme-Tag
links neben der iutref{enden Anlw
Kreuz versehen. Zuntichst Blatt t
im Durchschreibevertahren auslUllen,
Danach weitere Eintragungen auf
Blatt 5 im Durchschreibeveriahren
vornehmen, Dieses Blatt A - vveiB-
!
ist abzutrennen und dem Angeh6rigen oder dessen Beauftregten I
zur Vorlage bei einer Metdestelle
'neramts Berlin voriutegen.
desLandeseinwohneramtsBerlin i
1
auszuhindigen,
1
Angaben U ber den Verstorbenen
.Familienneme
sehenen Felder eintragen, ggf. d
Geburtsname
o
M Monat an
diTag
Vorname(n)
GebuAsta
O we)bl-ch
mannlich
Jahrin
Gebu[tsort
g
AnschrUi
Bei aufgelundenen Verstorbenen/
Slerb.eort
O Narne des Verstorbenen unbekannt
Sind Sterbeort und FundorNdentisch?
'
unbekannt
neln
Zeitpunkt des Todes
Falls Angabe m6glich
o
Oja O
Falls ja, vermutiiches AMer in Jahren und vvebtere Merkmale
MTag N Monat M Jahr
m Uhrzeit
Std. {O-24 Uhr)
Min.
vermutlich
o
Eine Angabe ist
nicht m6glich
'
Ort, Teg und Uhrzeit der Todesfeststellung (Ort)
MTag M Monat am Jahr M Uh rzeit
Std. {O-24 Uhr)
M Minl
Bei Todesfeststellung in einem Krankenhaus
O [?ParnTkOednhiSatui$" e9'Lngeer7reten O .Die,',gP/8?8?{b.e,n,ed,iS,t tO' O ES iSt
unbekannt, ob der Tod innerhalb oder
auBerhalb des Krankenhauses eingetreten ist
Bei Kindern, die weniger als 24 Stunden gelebt haben, Angaben der Lebensdauer in Stunden
Hat der Unterzeichner den Verstorbenen
Falls
O nem
O ja
behandelt?
nicht, wer hat den Verstorbenen behandelt?
N' athe
Todesart
o
o
natUrlicher Tod
und Anschritl
nicht natOrlicher Tod '}
O ungewiB
') Bei nicht natUrlichem Tod
Beschreibung des Ereignisses,
das zum Tode gefUhrt hat
Welche Verletzungen oder Einwirkungen
(z. B,
tiuBere Anzeichen einer gewaltsamen Einwirkung} wurden testgeslellt?
l
:
r
Llegen Anhaltspunkte fUr eine Meldepflicht nach dem Bundes-Seuchengesetz vor?
Besteht die Gefahr einer KrankheitsUbertragung (Seuchengefahr}?
O Ja
O ia
o
o
J
I
neln
neln
lch habe die Leiche untersucht und bin tUr obige Angaben verantwortIich
Berlin
,den
l9
UntersChrM
Name und AnschrM des aussteUenden Arlles (ggt, S:empel)
1530 -
I
'
87
自然死概念に明確な定義づけは無いが,純医学的
ドイツにおいては,臨床第3年次の第2次国家
なものとみるか法的な価値判断を含むものとみる
試験中の社会医学の中に法医学が含まれその授業
かによって異なってくる8}.ドイツにおいては一
は疫学課程の中で行われる.医学部学生のみなら
般に前者の立場が採択され,日本においては一般
ず法学部学生を対象にした法医学の講義も設けら
に後者の立場が採択される.このような解剖対象
れている.
概念の把握の相違により,行政解剖制度のある日
ドイツの専門医制度は州医師会に依存するもの
本において,行政解剖の制度のないドイツにおけ
である.、法医学領域においては,その卒後研修機
るよりも法医解剖率が低いというような矛盾した
関は5年(6ヵ月精神医学,1年病理学,3年6
状況が出現している.
ヵ月法医学教室)とされている他,鑑定,経験並
ベルリン自由大学法医学教室のProf. V.
Schneiderにより,行政解剖の推進と検屍制度の
びに法廷証言経験と500の法医解剖,100の臨床病
理解剖が要求されている.現在,欧州共同体内に
再検討が統合前に強く提唱されたが,統合後この
おいて,法医学専門医制度における戦後研修;期間
ような丁丁は見られない.このことから,統合前
を4年とする統合が企図されている.
の東ドイツにおける行政解剖の対象が必ずしも純
文 献
医学的な不自然死に限られなかった事実,あるい
1)Strauch H, Wirth I, Klug E:Kurze chronik
が付与されていた可能性が示唆される.
der Gerichtlichen Medizin in Berlin.加Uber
die Gerichtliche Medizin in Berlin. ppH7,
Berlin(1992)
医師の社会的地位は高く,医療過誤に対する認
2)Winau R:Die theretischen Institute.∫ηMed−
識もアメリカあるいは日本とは相違する.医療過
izin in Berlin(Winau R ed). pplgH96, Walter
はこのような法医解剖体制に何等かの政治的意義
誤剖検例の中には不自然創を伴う事例もあり,ま
de Gruyter, Berlin・New York(1987)
3)鈴木庸夫:西ドイツの法医学活動(1).法医の実
た医療過誤に関する不起訴は高率である.病理解
際と研24:147−153,1993
剖中であっても不自然死の疑いが生じた場合,解
4)Swering HJ:Von der“Bremer Richtlinie”
剖医は速やかに警察に届け出なけれぽならないと
zur Weiterbildungsordnung. Dtsc Aerzteblatt
84:A−2299−A−2306,1987
5)Weiterbildungsordnung fuer Aerzte Bayerns in
埋葬法中に明記する州も少なくないが,滞在中に
このような事例には遭遇しなかった.医療行為の
適否が問題とされる病理解剖事例の公開によっ
て,医療過誤訴訟数は増加するであろうことが予
測される.この一方,鑑定時において医療行為に
おける不可抗力を重要視する態度が,アメリカに
おいてもドイツにおいても明瞭となってきてい
る.
1985(ドイツバイエルン州の法律)
6)岡嶋道夫:ドイツにおける専門医制度一般と法医
学専門医制度.「法医学の教育と実務に関する外国
の資料」(岡嶋道夫編)pp47−59,東京医科歯科大
学法医学教室,東京(1993)
7)岡嶋道夫:ECにおける法医学の調和.「法医学の
教育と実務に関する外国の資料」(岡島道夫編)
pp67−72,東京医科歯科大学法医学教室,東京
(1993)
結 語
8)山本啓一,山本淑子,渡辺 博ほか:西ドイツに
統合前の西ドイツに監察医制度はなく,行政解
おける自然死一二自然死問題特に医療行為が関
剖は東ドイツのみで施行されていた.統合後は諸
係した場合の死亡について.犯罪誌56:
171−176, 1990
制度が西ドイツ側の形式に統一されたため,現在
ドイツにおいて行政解剖は施行されていない.
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