相似な図形

第3学年2組
数学科学習指導案
期 日
指導者
場
1
単元名
所
平成 年 月 日(
T1 ○○ ○○
T2 ○○ ○○
3年2組教室
)
相似な図形
2
単元の目標
(1) 図形の拡大・縮小の意味や相似な図形の性質に関心をもち,積極的に図形の考察に活用しよう
とする。
(数学への関心・意欲・態度)
(2) 三角形の相似条件を見いだし,その三角形の相似条件を利用して,図形の性質を考察し,それ
を証明することができる。
(数学的な見方や考え方)
(3) 相似な図形の性質を用いて,対応する辺の長さや角の大きさ,間接的に距離や高さなどを求め
ることができる。
(数学的な表現・処理)
(4) 相似な図形の意味や性質,三角形の相似条件,平行線と比の性質,中点連結定理について理解
する。
(数量,図形などについての知識・理解)
3
単元と生徒
(1) 単元について
小学校では,ものの形についての観察や構成などの活動を通して,図形を構成する要素に少し
ずつ着目できるようにし,基本的な図をかいたり,作ったり,それを用いて平面を敷きつめたり
することを学習している。1学年では,小学校で学んできた基本的な図形を対称性の観点からと
らえ,見通しをもって作図したり,作図方法を対称性に着目して見直すなどの活動を通して,平
面図形についての理解を深め,直感的な見方や考え方を養うとともに論理的に考察する基礎を培
ってきている。2学年では,平行線の性質や三角形の合同条件を用いて,三角形や平行四辺形な
どの多角形の基本的な性質を論理的に確かめることを学習している。本単元では,三角形の相似
条件を用いて,三角形や平行線と比に関する図形の性質を中心に論理的に確かめ,数学的な推論
の意義と方法についての理解を深めることをねらいとしている。
(2) 生徒について(男子12名,女子11名,計23名)
学級の実態は,数学の学習への取組が真面目で,明るい雰囲気の中で授業が展開できている。
しかし,学習内容の定着には個人差があり,基礎学力が定着していない生徒も数名いる。また,
自分の考えを積極的に述べることができる生徒が限られており,全体的に表現力が乏しい。レデ
ィネステストの結果は次の通りである。
番
問
題
正答率 番
問
題
正答率
1 三角形の合同条件をいいなさい。
87% 4 次のxの値を求めなさい。
4(1)
2 次の図は,PQ//BCです。図の中
(1)1:2=x:16
91%
の等しい角をすべて記号で答えなさ 2(1)
(2)9:x=5:3
A
4(2)
い。
52% 5 二等辺三角形ABC
83%
(1)
A
(2) P
Q
2(2)
の等しい辺AB,A
65%
C上に,右図のよう
D
E
A
P
Q
に,BD=CEとな
52%
3(1)
るようにそれぞれ点 B
C
B
C
B
C 91%
D,Eをとり,BとE,CとDをそ
3 次の比を簡単にしなさい。
3(2)
れぞれ結びます。このとき,CD=
(1)24:16
(2)1.2:3
83%
BEであることを証明しなさい。
課題として次の点が挙げられる。
① 平行線と角の関係を再確認する必要がある。
② 図形の性質について,ほとんど理解できていない生徒が数名いる。
以上の点に留意し,補充しながら学習を進めていく必要がある。
(3) 指導について
本単元における基礎・基本は相似の意味,三角形の相似条件ととらえ,それらを三角形や平行
線と比に関する図形の性質を論理的に確かめる中で定着を図っていく。また,直接測定すること
が困難な高さや距離を求める場面で,相似の考えを活用することができるようにする。本校の研
究主題を受け,数学科では,「問題の解決過程を重視し,学び合いを深める指導の工夫」を教科主
題として取り組んでいる。本時は,多数の生徒の予想を裏切る学習問題を用意することによって,
必要感のある学習課題を設定し,意欲的に問題解決に当たらせたい。また,解決過程を個,グル
ープ,そして一斉というように学習形態を生徒の思考過程に合わせて変化させながら,学び合い
を深めさせたいと考えている。
- 7 -
4
単元の指導・評価計画(全17時間)
学習内容
時間
1
縮尺を求めた
り,その縮尺を
使って実際の距
離を求めたりす
る
1
2
図形の相似の
意味を理解した
り,性質を考察
したりする
3
3
三角形の相似
条件を用いて三
角形の相似を判
断したり,図形
の性質を証明し
たりする
3
4
節のまとめをする
1
観 点 別 学 習 状 況 の 評 価 規 準
数学への関心・意欲 数学的な見方や考え 数学的な表現・処理 数量,図形などに
・態度
方
ついての知識・理解
拡大図や縮図が身
のまわりにあること
に関心をもち,それ
らを通して相似な図
形の性質を考察しよ
うとする。(観察)
縮尺を求めたり,
その縮尺を使って実
際の長さを求めたり
することができる。
(学習シート)
相似な図形の性質 相似の中心を使っ 相似の意味が分か
を考察することがで て相似の位置にある り,相似を表す記号,
きる。(発表)
図形をかくことがで 図形の性質を理解し
きる。
(学習シート) ている 。(学習シー
図形の相似比を求 ト)
めることができる。 相似の中心と相似
相似な図形で,対 の位置の意味を理解
応する辺の長さを, している 。(学習シ
比例式を利用して求 ート)
めることができる。
(学習シート)
2つの三角形が相
似になるための条件
について関心をも
ち,それを調べよう
とする 。(観察・学
習シート)
三角形の合同条件 三角形の相似条件
三角形の相似条件
を よ り ど こ ろ に し を用いて,相似な三 を理解している。
(発
て,三角形の相似条 角形かどうかを判断 表)
件を考察することが することができる。
できる。
(学習シート) (学習シート)
相似の考えを利用 三角形の相似条件
して具体的な事象を を用いた図形の性質
考察し,その結果が の証明を読み取った
適切であるかを振り り,表したりするこ
返って考えることが とができる 。(学習
できる 。(話し合い シート・発表)
のようす)
直接求められない
高さや距離などを,
相似の考えを利用し
て求めることができ
る 。(学習シート・
観察)
(第1時から第7時までの学習の確認)
5
三角形と比の
3
定理を利用して
辺の長さを求め
本時
たり,中点連結 (2/3)
定理を利用して
図形の性質を証
明したりする
平行線の性質や三
角形の相似をよりど
ころとして,三角形
と比の性質を考察す
ることができる。(話
し合いのようす・学習シート)
三角形の相似や三
角形と比の性質をよ
りどころとして,中
点連結定理が成り立
つことを考察するこ
とができる。(話し合い
のようす・学習シート)
6
平行線と比の
定理を利用して
線分の長さを求
めたり,図形の
性質を証明した
りする
2
7
相似な図形の
面積比や体積比
と相似比の関係
を理解したり,
それを利用して
面積や体積を求
めたりする
2
8
節のまとめをする
1
(第9時から第15時までの学習の確認)
9
単元のまとめをする
1
(単元の学習の確認)
線分を自由な整数
比に分けられること
に関心をもち,実際
にやってみようとす
る 。(観察・学習シ
ート)
三角形と比の定理
を利用して線分の長
さを求めることがで
きる。
(学習シート)
中点連結定理を利
用して線分の長さを
求めたり,図形の性
質を証明したりする
ことができる 。(学
習シート・発表)
平行線と比の性質 平行線と線分の比
を利用するために, の定理を利用して,
補助線を引くなどし 線分の長さを求める
て考察することがで ことができる 。(学
きる。
(学習シート) 習シート)
平行線と比の性質
を利用して線分を整
数比に分けることが
でき,図形の性質を
証明することができ
る。(学習シート)
面積比と相似比の
関係を利用し,相似
な図形の面積を求め
ることができる。
(学
習シート)
体積比と相似比の
関係を利用し,相似
な図形の体積を求め
ることができる。
(学
習シート)
- 8 -
相似な平面図形の
周や面積の比と相似
比の関係を理解して
いる 。(発表・学習
シート)
相似な立体の表面
積や体積の比と相似
比の関係を理解して
いる 。(発表・学習
シート)
5
本時の計画(本時 10/17)
(1) ねらい
・三角形の相似や三角形と比の性質をよりどころとして,中点連結定理が成り立つことを考察す
ることができる。
(数学的な見方や考え方)
・中点連結定理を利用して線分の長さを求めることができる。
(数学的な処理・表現)
(2) 学習過程
段階
学
1
活
A
か
D
Q
む
動
次の問いの答えを予想する。
つ
10
習
B
P
形態
・留意点
一斉
T1
○教師の支援
DEとQRは
どちらが
長いだろうか。
E
◇評価
T2
機器・資料
学習シート
板書用定規
○T1が図を写させながら問題を
説明するので,T2は聞く,写
す活動がしっかりできるよう
机間指導する。
R
C
2
予想を確かめる。
3
本時の学習課題を設定する。
個
○より本時の学習課題への関心・意欲
を高めるよう,実測させる。
一斉
DEとQRの長さが等しいことを証明してみよう
4
追
究
す
る
30
どうやったら証明できるかを考
える。
個 ○自分の考えをまとめられるよう十分時
↓
間を確保する。
グループ ○どうしても方向性を
↓
見いだせない生徒の
個
ためにグループにし
ヒントカード
て話し合いをさせ
る。
5 等しい長さになることを全体に 一斉
説明する。
◇三角形の相似や三角形と比の性質を
よりどころとして,中点連結定理が
成り立つことを考察することができ
6 中点連結定理をまとめる。
一斉
る。(数学的な見方や考え方)
(C)個別にヒントを与える。
○気づいたことから中点連結定理
をまとめられるように,2つの
内の1つの三角形を覆って,D
EとBCに着目しやすくする。
ま
と
め
る
10
7
練習問題を解く。
個
◇中点連結定理を利用して線分の長
さを求めることができる。
(数学的な表現・処理)
8 本時のまとめをし,次時の学習 一斉 ○できた生徒には丸付けをし,ワークの問
内容を確認する。
題をやるよう指示する。
(3) 授業の視点
・ 発表の場や考えを練り合う場の設定は適切であったか。
・ 評価の場の設定が,本時のねらいを達成するために効果的であったか。
- 9 -
6
板書計画
三角形と比
めあて
DEとQRの長さが等しいことを証明してみよう。
定理5 中点連結定理
A
A
〔証明〕△ADEと△ABCにおいて
AD:AB=AE:AC=1:2…①
D
P
Q
∠Aは共通…②
E
D
①,②より,2組の辺の比が等しく
R
B
△ABCの2辺AB,ACの中点を
C
その間の角が等しいので
B
△ADE∽△ABC
DEとQRは
ゆえに,DE:BC=1:2…③
どちらが
同様に,△PQR∽△PBCより,
長いだろうか。
QR:BC=1:2…④
それぞれD,Eとすると,次の関係
E
が成り立つ。
C
1
DE= BC
2
DE//BC
練習問題
③,④より,DE=QR
- 10 -