[ 2005年日本ブドウーワイン学会論文賞受賞講演要旨 ] 造用ブドウの

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[205
日本ブドウ・ワイン学会論文賞受賞講演要旨]
醸造用ブドウの D N A
多型解析に関する研究
後藤(山本)奈美
東広島市鏡山 3-7-1
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〒 739-046
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の塩基配列の多様性、すなわち多型を容易に検出する方
法が種々報告されている。これらの方法は、栽培条件などの影響を受けない点で、植物の形態や生理
的性質による分類・識別方法よりも有利であると考えられる。そこで DNA
多型解析を用いたブドウ栽
培品種及び野生種の類縁関係の推定、並びに品種の同定を検討した。
Random
Amplifed
Polymrphic
DNA
(
)
DPAR
解析のフラグメント非共有率に基づいて樹形図を作成
したところ、野生種及び栽培品種が一部の例外を除いて大きく 2 つのクラスターに分かれ、さらに収
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と収 acsurbal
度の高いAmplifed
がそれぞれのクラスターを形成した。また、臥PD 解析よりも多型の検出感
Fragment
Length
Polymorphism
(
)
PLFA
解析によって、 .
V arefinv
の生態学的
な分類ともよく一致する樹形図を作成することができた。これらの解析結果から、わが国固有のブド
ウ品種である甲州は、同じく固有品種の甲州三尺と類縁関係が高いこと、並びに両品種とも東洋系の
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る説や和田紅の子孫と推定する説もあるが、リボゾーム DNA
noitcrseR
限酵素断片長多型 (
Fragment
Length
のスベーサー配列をプロープに用いた制
、)
PLFR
Polymrphis
解析の結果、甲小ト￨からは竜
眼や供試した他の栽培品種には認められないマイナーなフラグメントが 2 本検出され、少なくとも竜
眼や和田紅の実生ではないことが明らかになった。
Simple
Sequnce
Repat
解析はマイクロサテライト解析とも呼ばれ、ゲノム中に散在する繰
(
)
RS
り返し配列の長さの違いを PCR
研究、 Vits
で検出する方法である。当所はブドウの SR
Microsateli
マーカーを開発する共同
に参加し、 9 種類のマーカーを実用化した。また、欧米の
Consrtium
解析を行い、これらの品種が西洋系品種と異
研究グループが解析を行っていない東洋系品種群の SR
なる遺伝的パックグラウンドを持つ貴重な遺伝資源で、あることを示した。 RAPD
解析や AFLP
解析も品
解析が有用と考えられる。
種の異同や交配品種の親子関係、の証明に有用であるが、品種の同定には SR
データは研究グループによって若干のズレがあるものの互換性があり、し、くつかのグループから
SR
多くの品種について報告されている。カベルネ・ソービ.ニヨンやシャルドネなど共通に解析されてい
る品種のデータでズレを補正することで、不明品種の同定が可能であった。また、品種同定の受託分
析も行っている。
海外ではこれらの DNA
多型をマーカーにした有用形質との連鎖解析も行われており、今後は育種へ
の応用も期待される。
最後に、本研究は所内・所外の多くの方のご指導・ご協力を頂いて行ったものであり、この場をお
借りしてお礼申し上げます。
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