第28号 平成23年10月1日 豊かな人生と経営を考える 発行人:中小企業診断士 伊藤秀樹 発行所:〒963-8814 郡山市石渕町 8-4 H ITO 通信 . ●ビジネスの視点 TEL&FAX 024-943-8676 E-mail [email protected] URL http://sozo10.fan.coocan.jp もし孫子がいたら 謹んで地震災害のお見舞いを申し上げます。被災地で懸命の救援活動をされている方、福島原発 で命がけの作業をされている方へ敬意を表します。 先月は日本各地を台風が襲いました。「二百十日」ならぬ台風12号は紀伊半島を中心として甚大な 被害を与えましたが、21 日には大雨と強風をともなった台風 15 号が郡山市や須賀川市などを直撃しま した。昭和 61 年の 8・5 水害程では無いにしても、市街地の浸水や交通機関のマヒ、農産物への被害 等産業や暮らしに深い爪痕を残しました'昭和町周辺ではまだ後片づけが続いています(。 さて、2500年前の中国'春秋時代(に、諸子百家の兵家に属する『孫子』がいました。「孫子の兵法」 で著名ですが、現在は、経営やビジネスという観点から、経営の哲学、戦略・戦術、リーダーシップ等の 思想・方法論に共感する経営者が多くいます。もし、孫子がいたら、現在の経済の六重苦に加え、世界 経済の減速、政治の混迷、放射能拡散という「九重苦」の環境'天・地(に対して、どのような処方箋を 施すでしょうか。 浅学の私にはよく判りませんが、「彼'顧客、 他社(を知り、己'自社、経営資源(を知らば、百 戦してあやうからず'第三篇:謀攻(」とありま す。また、「彼を知り己を知らば、勝あやうから 天 彼 策 己 ず。地'市場、業界、ポジション(を知り、天'時 代、環境、タイミング(を知らば、勝全うすべし '第十篇:地形(」ともあります。 したがいまして、我々の仕事や暮らしは、この 4 界'天地彼己(の中で生き、生かされるので、 地 現状を直視し、現状打開の策を練る必要があると考えます。策を8つ程、八策を挙げると、理念'大義 名分(・不戦'戦略的ポジショニング、ブランド、M&A、連携(・不敗'逆境・おごり・模倣・リスクに負けな い態勢(・情報・形勢'主導権・先手必勝・迂直の計・風林火山陰雷(・補給・人'五徳(・組織です。 10月 風の力 林の力 火の力 山の力 雷の力 天を知り 地を知り 人を知り 攻めに転じて 禍を転じて福'島(となす神無月 1 ●観光 観光を元気に! 観光で元気に! 先月は観光産業に関連する企業の社長さん等と接点がありましたが、原発事故による放射能問題に よる風評被害は甚大です。顧客対策や新商品づくり、首都圏での営業強化等で奮闘されています。 テーマの題『観光を元気に! 観光で元気に!』は東北観光推進機構の高橋宏明会長の挨拶文'第 2 期中期実施計画(からです'HPから引用(。元気や活力は、人やモノが動くところから生まれ、活力が 活力を呼ぶような循環を、観光を通じて東北に創りだし、東北を元気にしたい・・・ともあります。私も、 人やモノが動き、動く暮らし、人やモノを動かす産業は基本的な営みと痛感しています。「観光」の語源 . . は中国の易経「国の光を観る」からと云われていますが、光≒国民の平和で幸福な様子は、ここ福島 県では3・11の東日本大震災や放射能拡散で一変したと感じています。いつの世も満足と不満、正と 邪の混在する世の中ですが、ここ福島県では3・11の“前と後”ではそのレベルが違うと感じています。 しかし、「生き切らねばなりません」。陶芸家河井寛次郎先生の言葉に、「いのちはたったひとつの目的 を持つ 生き切るというたった一つを」とあります。また、8 月 30 日に第 57 回角川俳句賞を受賞した須 賀川市の永瀬十悟'とうご(氏'キャリアカウンセラー、58 歳(は、震災、特に原発事故が生みだした不 条理と対峙し、その中に希望を見つけ出し生きると述べています'福島民友新聞;9 月 7 日(。 今月号は「観光」についての資料を紹介します。それで、「サイコーの善循環によるサイコー」と「孫子 をキャリア形成に応用する」はお休みします'気分で書いていて申し訳ありません(。 1.「東北観光、再生の処方箋」 '西川りゅうじん氏( '日経MJ新聞 平成 23 年 8 月 22 日( 西川りゅうじん氏の地域観光の恐慌状態を突破する処方箋を図示しました。 2 2.「BOJ 最近の観光動向と今後の課題について」 '日本銀行福島支店 平成 23 年 8 月 5 日( 福島県の観光産業について、日銀福島支店からのレポートが発表されました。“観光業の再興 今後 の課題”の要点を図示しました。'詳細は日銀福島支店のHP等で( 今週、県北の温泉旅館に行ってきましたが、時間が 1 日過ぎますと、山の木々の色がやや黄色や紅 色が増し、秋の紅葉シーズンの幕開けを感じました。しかし、日銀レポートでは、旅館や旅行会社の営業 強化の動きはあるものの、原発事故の収束や食の安全の確保が思うように進まない中、客足が戻る には、今暫く時間を要するものと見込まれると述べています。したがって、今後は、復興までの間、補償 や公的支援等の政策対応を行うことに加え、中長期的な課題'上の図表(に取り組む必要があると。 3.「東北の交流人口を増やして東北をもっと元気にしよう」 '東北観光推進機構 平成 23 年 3 月( 東北観光推進機構 第 2 期中期実施計画の概要を図示しました。'詳細は機構のHP等で( 3 来月も紅葉が美しく、月も美しく冴え渡っていると思います。来月は磐梯熱海温泉で数十年振りに中 学校の同級会、秋保温泉で毎年恒例の大学の同級会があります。新・磨・広・結があるのでしょうね。 4.「国内の旅行消費額」 '国土交通省観光庁 平成 21 年 12 月( 平成 20 年度'2008 年度(の国内の旅行消費額は下図になります。 福島県'企画調整部(における「県内での旅行消費額'平成 19 年度(」は 2,789 億 1,200 万円とありま すので、全国シェア約 1.2%としますと、宿泊費約 385 億円、土産代・買物代約 336 億円、飲食費約 260 億円程度等と凡そ簡易計算できます。なお、県では産業連関表等で経済波及効果を計算しています。 4
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