副腎神経節腫 (Ganglioneuroma) の 1 例

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
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副腎神経節腫(Ganglioneuroma)の1例
岩本, 勇作; 上田, 陽彦; 鈴木, 俊明; 砺波, 博一; 高崎, 登; 古
谷, 太門
泌尿器科紀要 (1994), 40(6): 499-503
1994-06
http://hdl.handle.net/2433/115290
Right
Type
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
499
泌 尿 紀 要40=499-503,1994
副 腎神 経 節腫(Ganglioneuroma)の1例
大阪医科大学泌尿器科学教室(主 任=岩 動孝一郎教授)
岩本
勇 作,上
砺波
田
陽 彦,鈴
木
博 一,高
崎
登
俊明
済生会茨木病院泌尿器科(部 長:古 谷太門)
古
ADRENAL
谷
太
門
GANGLIONEUROMA
Yusaku
Iwamoto,
Hirokazu
: REPORT
Haruhiko
Tonami
Ueda,
and
OF A CASE
Toshiaki
Noboru
Suzuki,
Takasaki
From the Department of Urology, Osaka Medica 'College
Tamon
Kotani
From the Department of Urology, Saiseikai Ibaraki Hospital
A 52-year-old man was hospitalized for a right adrenal tumor which had been incidentally
found by abdominal CT scan for examination of colon cancer.
Laboratory and endocrine findings were within the normal limits except for increased urinary concentrations
of noradrenaline
and dopamine. Adrenal angiography revealed that the feeding artery of the tumor was the inferior
suprarenal artery. Adrenal venous blood sampling studies detected no abnormalities in the concentrations of catecholamine, cortisol or aldosterone.
Right adrenalectomy was performed and the
tumor was histologically diagnosed as ganglioneuroma.
Ganglioneuroma is a benign tumor originating from the sympathetic
nerve ganglion. The adrenal origin of the tumor is relatively rare
and 60 cases of adrenal ganglioneuroma
including our case have been reported in Japan.
(Acta Urol. Jpn. 40: 499-503, 1994)
Key words:
Adrenal
tumor, Ganglioneuroma
現 病 歴:1992年10月,済
緒
言
近年,画 像診 断 の 進歩 に よ り偶 然 に発 見 され る副 腎
腫瘍 の症 例 が増加 して い る.そ
の 多 く は 内分 泌 非 活
生 会茨 木病 院 外 科 に て大 腸
癌 の術 前 検査 中 に,腹 部CTで
癌 に対 す る手 術 の みが 施 行 され た.1993年1月
性 の腺 腫 で ある が,そ の 他 の 腫 瘍 の1つ と してgan
目的 で当 科へ 紹 介入 院 した.
glioneuromaが
入 院時 現症:身
あ る.今 回 わ れ われ は 他 疾患 の精 査
長175cm,体
中にCTで
偶然 発 見 され た 副腎 原 発 のganglioneu-
/78mmHg,脈
romaの1例
を経 験 した ので若 干 の 考察 を 加 え報 告 す
は 認 め られ なか った,
る。
偶 然 右 腎上 方 に 腫 瘤
が発 見 された.副 腎 腫 瘍 が疑 わ れた が,同 院 で は 大腸
拍66/分,整.胸
精査 の
重78 kg,血 圧126
腹 部 に 理学 的 異 常所 見
血液 生 化学 的 検 査 では,貧 血 は 認 め られず,白 血球
数,血 小 板数 も正 常 で あ った.肝 機 能,腎 機能,電 解
症
患者:52歳,男
例
性
質,脂 質 系 に も異 常 は認 め られ なか った.内 分 泌学 的
検 査 で は,尿 中 ノル ア ドレナ リソが319μg/day(正
主訴:後 腹 膜腫 瘤 の精 査
常値:10∼150 pt g/day),尿
家族 歴:特 記 す べ き こ とな し
/day(正
既 往 歴=1992年10月22日,大
その 他 の 副腎髄 質 ホル モ ソに は異 常 は 認 め られ な か っ
除 術を 受け た.
腸 癌 の ため 右半 結 腸 切
中 ドーパ ミンが2,970μg
常値:100∼700μg/day)と
高値 を示 した が
た.副 腎皮 質 ホ ル モ ンに も中 間 代謝 産 物 を 含め て異 常
500
泌 尿紀 要40巻6号1994年
訳"、
.
ノ 鳳 ∼ll
陶
傷
.髭 翻
蜂
・
の ゑい
や
纒懸謬 ・
.、糠 謬
、__ノ
帆、
Fig.1.AbdominalCTscanshowingamass
shadowintheuppersiteoftheright
kidney,3.5×3.Ocminsizewithclear
Fig.3、Theinferiorsuprarenalarteryisthe
ma「91n・
mainfeedingarterytothemasson
rightadrenalarteriography・
/!鯉、鰍
離1 孟
轡
{、.晒
R、
、
1
6
寵
ヤ 認 ∼弄
臼
、諺
鰯
累 一
,轟
鐸 麗
姻,舅
・
"ド 吻'誰
篇
灘
'
購 騨 灘顯 醐.讐警
〆ダ
リ・頑 幽 礎
Fig.2.MRI(T2-weighted)showssirnilarintensitytothatofthelivcr.(Tl-weighted
intensitywaslowerthanthatofthe
liver.)
Fig.4.Thetumormicroscopicallyshowedscatteredmatureganglioncellswithininter・
lacingneurofibrousbands.
((a)H.E.×40,(b)H.E.×200)
は 認 め ら れ な か った.
X線
学 的 検 査1排
ら れ な か った.腹
3cmの
月22日 に 経背 面 式 に 右 副腎 摘 除 術 を施 行 した.右 副 腎
泄性 尿 路造 影 で は特 に 異常 は 認 め
部CTで
は,右
腎 上 方 内 側 に3.5×
境 界 明 瞭 で 辺 縁 が 軽 度enhanceさ
が 認 め ら れ た(Fig.1).MRIで
は,腫
画 像 で 肝 よ り低 い 信 号 強 度,T2強
れ る 腫瘤
瘤 はTl強
副 腎 静 脈 血 サ ン プ リ ン グで は,カ
画,コ
ル チ ゾ ー ル,ア
部 は不
右 副 腎 動 脈 造 影 で は,腫
と周 囲 組 織 との問 に 癒 着 は ほ とん ど 認 め られ なか っ
た、
摘 出標 本:腫 瘍 の 大 きさは3,5×3×4cmで
20gで
あ った.被
膜 を有 し,表 面 平 滑,弾
った.割 面 は淡 黄 白色
重量は
性硬 で あ
均 一 で あ った.腫 瘍 の 上極 に
は伸 展 され た 正常 の 副 腎組 織 が 認 め られ た .
瘤 は
病 理 組 織学 的 所 見 ・腫 瘍 部 分 は 神経線 維 が 束 状 に走
管 の増 生 や 断
行,増 殖 して お り,そ の 中 には 成 熟 した神 経 節細 胞 が
時 に お こな った
散在 して い る.辺 縁 部 に は,圧 排 され た 正常 の 副 腎皮
下 副 腎 動 脈 に よ り栄 養 さ れ て い た が,血
裂 像 は 認 め ら れ な か っ た(Fig.3).同
調
調 画 像 で肝 と同程
度 の 信 号 強 度 を もつ 像 と して 描 出 さ れ た が,内
均 一 で あ った(Fig・2)・
び
テ コ ー ル ア ミ ン3分
ル ドス テ ロ ン の 血 中 濃 度 は い ず
れ も 異 常 は 認 め られ な か っ た.1311一 ア ドス テ ロ ー ル に
質組 織 が 認 め られ る.悪 性 所 見 は 認 め られ ない.以
上 の こ とか ら副 腎 のganglioneuromaと
診 断 した
(Fig.4).
よ る副腎 シ ソチ グラ ムでは 異常 集 積 像は 認 め られ な か
っ た.
以 上 よ り内分 泌 非 活性 副 腎腫 瘍 と診 断 し,1993年2
考
察
交感 神経系 および副腎髄質は胎生期 に神経冠か ら分
501
岩 本,ほ か:副 腎 神経 節 腫
TableLCasesofganglioneuromainJapanreportedafterTsumatanieta15)
No.報
告 者
年次
年齢
性
部位
主
訴
大 き さ(cm)重
36老
川
ら
19671FL
37梶
川
ら
】98340FR
38河
野
ら
l98547ML心
39草
場
ら
198741ML左
40平
井
ら
198739ML頭
痛
41井
ロ
ら
198838MR右
季 肋 部 痛
11×8×3.5
42福
島
ら
198958ML左
季 肋 部 痛
6.6×4.6×2.2
1十
43河
内
ら
198944MR肝
炎 の 精 査
6×5×5
83
日 臨 外 医 会 誌50:605-6】0,198g
44石
塚
ら
199055MR検
診
7×5×3
72
臨
泌44:429-431,】990
45岡
本&吉 田
199038FL不
訴
9.5×6.5×4.5
145
臨
泌
46岡
本&吉 田
19905FR肥
満 の 精 査
9.5×6.0×4.0
110
臨
泌44:615-6t8,1990
6.5×5.2×2.5
65
最
5×4×3
28
日 臨 外 医 会 誌51:1073-1079,1990
報
告
誌
小 児 科 診 療30:1541,1967
日 泌 尿 会 誌74:266,1983
窩
部
腰
定
愁
痛
11×8>く3.5175
日 臨 外 医 会 誌46:1202,1985
痛
8.3×6.5×3.9117
日 泌 尿 会 誌78:1119-1120,1987
47山
本
ら
199025MR心
48辻
村
ら
199025MR肝
炎 の 精 査
49呉
量(g)
窩
部
痛
日 泌 尿 会 誌78:1452-1453,】987
175
日 臨 外 医 会 誌49:1275-1278,1988
日 泌 尿 会 誌80:298,1g8g
新
医
⑭:615-618,1990
学45:1653-1658,1990
ら
199028FL熱
発
5.5×6.0×6.0
50加
治
ら
19914MR下
痢
7.0×4.5×4.0
63
小
51安
原
ら
199152FR肝
機 能 異 常
5×4×3.5
31
日 泌 尿 会 誌82:1190,1gg1
52脇
田
ら
199121FL腹
痛
3.8><2.7×2,7
53脇
田
ら
199135MR腹
痛
12×8×5
315
内 分 泌 外 科8:427-432,】991
54脇
田
ら
199148MR検
診
14×12×7
675
内 分 泌 外 科8:427-432,1991
55中
川
ら
199蓋57FR肝
炎 の 精 査
ら
199126MR右
胸 背 部 痛
7.5×7.0×5
120
泌 尿 器 外 科4:1307-1309,1991
101
泌
56林
高 山 赤 十 字 病 院 紀 要14:137-141,]990
児
が
ん28:227-228,1991
内 分 泌 外 科8:427-432,1991
日 泌 尿 会 誌82:H90,1gg1
57渡
部
ら
199129MR肝
機 能 異 常
7×7×3.5
58平
野
ら
199210MR左
側 腹 部 痛
7×6.5×4.5
95
泌 尿 器 外 科5:55-58,1992
5.5×3.8×3,0
27
西
3.5×3×4
20
59西
村
ら
199233MR肝
炎 の 精 査
60自
験
例
199352MR大
腸 腹 の 精査
Table2.Characteristlcsof60gang置ioneuroma
尿
日
紀
要37:515-518,199]
泌
藤4)に よれ ば1.8%a(335例
尿54:1903-1906,1992
中6例)と
非 常 に 低 い,
casesreportedinJapan
副 腎 に 原 発 し たganglioneuromaの
年
齢
性
別
発生 部 位
腫
重
瘍
1-66歳(平
均33.5歳)
男 子37例,女
3.8∼23cm(平
合 わ せ,60例
明2例)
14-990g(平
∼66歳
均186.8g)
感 神 経 芽 細 胞 系 と ク ロ ム親 性 芽 細 胞 系 の2方
向 に 分 か れ る.こ
れ らの分 化 の各 段 階 の細 胞 に発 生 す
る神 経 系 腫 瘍 が 存 在 し,交
て は,良
性 のgang1三
感 神経 芽細 胞 系 の腫 瘍 と し
〇neuromaと
悪 性 のneuroblas-
toma,ganglioneuroblastomaが
Ganglioneuromaは
神 経 節,腹
ょれ ば,
発 生 部 位別 頻 度 と し て 頸 部 交 感
ず つ を 占 め る.Enzingerお
を 集 計 し て い るが,彼
を 占 め,つ
よ びHerr1)に
腰 部 交 感 神 経 節,副
腎 髄 質 が お の お の1/3
よ びWeiss2)は88症
例
ら に よ る と 縦 隔 が 最 も 多 く39%
ま で 分 布 し ,平
女 比 は3:2と
ど 認 め ら れ な い.腫
の も の が 多 く,平
9909ま
か し,Kaser6)に
男 性 に 多 い.左
右差 は ほ とん
あ った.重
均 は186.89で
量 は14∼
あ っ た(Table
よ る と,]O%o以
症 例 も 存 在 す る,さ
ら にVIP産
の よ うな症 例は
い ず れ も 乳 幼 児 に 集 中 して い る.
臨 床 的 に は,副
腎ganglioncuromaは
頻度
に な る こ と が 多 い.副
る が,局
ほ とん どの
わ ゆ る 内分 泌非 活 性 副腎 腫 瘍 と
して 偶 然 発 見 され る た め,腺
中5例),安
生 例7)や テ ス トス テ
ロ ン産 生 例8)が 報 告 さ れ て い る が ,こ
後 腹 膜 腫 瘍 の 中 に 占 め るganglioneuromaの
部 な ど が こ れ に 続 く.
下 の頻 度で は あ るが
カ テ コ ー ル ア ミ ソお よ び そ の 代 謝 産 物 の 異 常 を 伴 っ た
場 合 症 状 を 呈 さ ず,い
よれ ばO.72%(688例
症 年 齢 は1歳
で 一定 の傾 向は 認 め ら
均8.5cmで
で 分 布 し,平
らに骨 盤
は,Scanlan3)に
均33.5歳
瘍 の 大 き さ は 最 大 径 で5∼10cm
腎22%,さ
腔,頸
い で 後 腹 膜 腔30%,副
れ らの うち記載
本 症 は 一 般 に 内 分 泌 非 活 性 で あ る と され て い る.し
あ ら ゆ る 交 感 神 経 組 織 よ り発
ganglioneuromaの
を
2).
あ る,
生 し う る が,Terzakianお
を 数 え る(Tablel).こ
の 明 らか な 報 告 例 に つ い て 検 討 した.発
均8.5cm)
れ ず,男
化 し,交
本 邦 報 告 例 は,
と わ れ わ れ の 検 索 した25例
子23例
右31例,左27例(不
径
量
妻 谷 ら5)の 集 計 し た35例
腫,癌
と の 鑑 別 上,問
題
腎腫 瘍 一般 に い え るこ とでは あ
在 診 断 の 手 段 と して は,超
音 波 断 層 法,CT,
502
泌尿 紀 要40巻6号1994年
MRI,血
管 造 影,シ
超 音 波,CTで
ン チ グ ラ ム が 用 い ら れ て い る.
報 告 され て お り,今 後 も充 分 な経 過 観 察 が 必 要 で あ る
界 明 瞭 で比 較 的均 一 な 内部 構 造
を 示 し,石
と思わ れ る.
は,境
灰 化 を 伴 う こ と も あ る.CTで
さ れ な い こ と が 多 い が,不
はenhance
呈 す る症 例 も報 告 さ れ て い る9).MRIで
調 画 像 でIow,T2強
結
均一 な モ ザ イ ク状 の所 見 を
52歳 男 性 に発 生 した 副腎ganglioneuromaの1例
は,Tl強
調 画 像 でhighintensityを
と さ れ て お り,血
管 造 影 で はhypovascularityを
す こ と が 多 い,し
か し,こ
を報 告 した.超 音 波 断層 法,CT,MRIな
示す
示
し た 副 腎 シ ン チ グ ラ ム で は,腫
な った が,そ の組 織像 を鑑 別 す るこ とは 困難 で あ る.
ルを 使用
現 時点 で は,術 前 に 副 腎ganglioneuromaの
瘍 が 大 き い 場 合 は,髄
る.
ら れ る こ と も あ る 且o).
一 般 的 に1311一ア ドス テ ロ ー ル に よ る 副 腎 シ ンチ グ ラ
本論文 の要 旨は,第143回
腎髄
文
romaarisinginaccesoryadrenalgland.Uro1-
ず し も決 定 的 な 診 断 方 法 で は な く,gang-
lioneuromaが
ogy15=401-404,1980
副 腎 癌 と 似 か よ っ た 所 見 を 呈 す た め,
か え っ て 判 定 に 迷 う こ と が あ る.現
時 点 で は,術
確 定 診 断 を え る こ と は 困 難 で あ り,病
が 唯 一 の 決 め 手 と な る た め,今
報 告 し て い る よ うに,吸
2)EnzingerFMandWeissSW:In=Tumorof
thesympatheticnervoussystem・Softtissue
前に
tumors.EditedbyHarshbergerSE,玉,1,pp.
理 組 織学 的 診 断
668-675,TheC.V.MosbyCompany,St.
後 はLay丘eldら12)が
Louis,1983
引 細 胞 診 も試 み る べ き方 法 で
3)ScanlanDB:Primaryretroperitonealtumors。JUrol81:740-745,1959
あ る と 思 わ れ る.
4)安
最 近 は,健
献
1)TertzakianGMandHerrHW:Ganglioneu-
副 腎 腫 瘍 の 鑑 別 に 有 用 で あ る と い う報 告 も あ
る が11),必
日本泌尿器科学会関西地方会に
おいて発表 した.
質 に 対 す る 有 用 な ラ ジ オ ア イ ソ トー プ と し て,今
後
i3il-MIBGが
利 用 され る も の と期 待 され る
.ま
た,
MRIが
診断を
え る こ とは 難 し く,今 後 の 診 断法 の進 歩 が 期 待 さ れ
質 腫 大 に よ っ て 皮 質 が 圧 排 され る た め 有 用 な 所 見 が え
ム で は 副 腎 皮 質 に 関 す る 情 報 しか え られ な い.副
どの 画像 診
断法 の発 達 に よ り,後 腹 膜 腫 瘤 の診 断 は か な り容易 に
れ らの所見 はいず れ も本 症
に 特 徴 的 な も の で は な い.1311一 ア ドス テP一
語
康 診 断 の 普 及 や 超 音 波 断 層 法,CTな
ど
の 画 像 診 断 法 の 発 達 に よ り内 分 泌 非 活 性 の 副 腎 偶 発 腫
瘍 が 発 見 さ れ る機 会 が 増 加 し て い る が,臨
重 要 な の は 副 腎 癌 と の 鑑 別 で あ る.と
藤
隆:後
腹 膜 腫 瘍.外
科 研 究 の 進 歩10=80-
94,1959
5)妻
床 的に 最 も
谷 憲 一,林
美 樹,田
節 神 経 腫 の1例.泌
畑 尚 一,ほ
か:副
腎 神 経
尿 紀 要35:1897-1901,1989
6)KaserH:BiochemischeDiagnostikdes
くに 副 腎 髄 質 の
Phaeochromocytoms,desNeuroblastomsund
腫 瘍 の診 断上 鑑 別す べ き悪 性 腫瘍 と して悪 性 褐色 細 胞
腫,neuroblastoma,ganglioneuroblastoma,転
移
性 腫 瘍 等 が あ る.現
性
andererneuroektodermalerNeoplasien.Helv
時 点 で は,画
像 診 断 に よ り,悪
か 否 か を 判 別 す る こ と は 困 難 で あ る.悪
PediatActa29:7-79,1972
7)加
性 腫瘍 と し
て 手 術 を 適 応 す る重 要 な 因 子 に 腫 瘍 の サ イ ズ(径)が
治
健,秋
山
洋,高
松 英 夫,ほ
症 候 群 と 低 身 長 を 呈 し たVIPの
1例.小
あ
か:WDHA
産 生 神 経 節 腫 の
児 が ん28:227-228,1991
8)AguirrePandScullyRE:Testosterone-se-
げ られ て い る.そ
の 腫 瘍 径 に つ い てPrinzら13)や
cretingadrenalganglioneuromacontaining
Glazerら14)は3cm,Belldegrunら15)は3.5cm
Leydigcells・AmJsurgPathol76=699-
,
705,1983
Abecassisら16)やAthani&Mulholland夏7)は5cm,
9)林
Copelandi8)やHowards19),Hussainら20)は6cm
を 一 つ の 目安 と し て い る が,GeelhQed&Druy2i)
やSeddonら22)は,常
に悪 性腫 瘍 の可能 性 を考 慮 し
径3.5cmと
岩 本 知 矢,今
城 徹 三 郎,島
あ ま り大 き くは な か った が,CT,MRIの
所 見 か らは
か も大 腸癌 の 手術
後 の 状 態 で あ り.転
移 性 副 腎 腫 瘍 の 可 能 性 も否 定 で き
村 正 喜,松
経 節 神 経 腫 の1例.臨
11)大
東 貴 志,谷
に 対 す るMRIの
副 腎 皮 質 の 腺 腫 と は 断 定 し 難 く,し
村 博 彦 ,ほ
多 発 した 症 例23)や 褐 色 細 胞 腫 と の 混 合 腫 瘍 の 症 例24)も
腎 神 経
田 博 人
,ほ
か:副
腎 神
泌39=951-953,1985
本 伸 弘,馬
場 志 郎
有 用 性.内
,ほ
か:副
腎 疾 患
分 泌 外 科7=367-
371,1990
12)LayfieldJL,GlasgouBJ,DuPuisMH
al・:Aspirationcytologyandimmunohisto・
chemistryofapheochromocytoma-ganglio-
な か った た め 手 術 を 施 行 し た.ganglioneuromaが
か=副
尿 器 外 科4:1307-1309,
1991
10)宮
全 例 に 手 術 を す す め て お り諸 説 様 々 で あ る.
自験 例 で は 腫 瘍 の 大 き さ は 画 像 上,長
信 義
節 神 経 腫 の1例.泌
neuromaoftheadrenalgland・ActaCyto1
31=33-39,1987
,et
503
岩 本,ほ か:副 腎 神 経 節腫
"incidentalomas"Needforsurgery
13)PrlnzRA,BrooksMH,ChurchillR,etaL:
Incidentalasymptomaticadrenalmassesde-
HowardsSS(ed),pp,72-73,YearBookMed-
tectedbycomputedtomographicscanning.
Isoperationrequired?JA】
.The
YearBookofurology.GillenwaterJYand
icalPublishers,Ch五cago,1986
〉[A248=701-704,
1982
20)HussainS,BelldegrumA,SeltzerSE,eta1.:
14)GlazerHs,WeymanPJ,stagelss,etaL乙
DiH'erentiationofmalignantfrombenign
Nonfunctioningadrenalmasses=incidental
adrenalmasses=predictiveindicesoncom-
discoveryoncomputedtomography・AmJ
Roentgenol139=81-85,1982
putedtomography・AJR144:61-65,1985
21)GeelhoedGWandDruyEM:Management
15)BelldegrunA,H【ussainS,SeltzerSE,etaL:
oftheadrenal'tincidentaloma"Surgery92:
IncidentallydiscoveredmassoftheadrenaI
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23)岩
田 良 子,森
山 紀 之,高
安 賢 一,ほ
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木 橋 法 登,八
木 橋 操 六,永
か=多
発 性 神
放 線
井 一 徳=悪
性 褐 色 細
胞 腫 に 神 経 節 腫 を 合 併 した 複 合 型 副 腎 髄 質 腫 瘍 の
1剖
検 例 一 免 疫 組 織 化 学 的 検 討 一.病
理 と 臨9=
951-957,1991
(ReceivedonDecember14,19