見る/開く - 奈良教育大学学術リポジトリ

へき地における児童・生徒の学習意欲と学習遺性*
**
上田敏見・杉村 健・玉瀬耕治
(心理学教室)
先の研究(上田・杉村・玉瀬,1975)においては,吉野郡上北山村の小・中学校の児童・生徒
を対象にして,学習意欲と学校への適応状況を調べ,およそ次の結果を得た。 (1〕学習意欲一
全体的にみると,中学生は小学生に比べて学習意欲(特に達成)が低い。小学生では知能が高い
者は低い者に比べて内発的意欲が特に高いが、知能と計画性との関係はない。小・中学生ともに
学業成績のよい者は学習意欲が高い。(2)学校適応
全体的にみると,中学生は小学生に比べて
登校拒否傾向が強いが,友人関係はよい。小学生では技能教科の成績がよい者は学校適応がよく,
中学生では知能が高い者の学校適応がよい。
本研究の目的は,へき地における児童・生徒の学習意欲と学習適性の実態を調べ,学業成績と
の関係を検討することである。学習意欲については先の研究と同様に,奈良県障害児学校・学級
放送教育研究会(1975)が作成した調査項目を用いた。学習適性については,小学校1年から4
年までは教研式学習適応性検査(A A I)を,小学校5,6年生と中学生では学力向上要因診断
検査(FA T)を用いた。この2っはいずれも標準化テストである。
方
請査対象
法
表1に示したように,調査対象は奈良県吉野郡下北山村の池原小学校,桑原小学
校,寺垣内小学校の児童196名と,下北山中学校の生徒129名の合計325名であった。
表1.調査対象の人数
小
学
校
中 学 校
1年2年3年4年5年6年 1年2年 3年
男171612152419 232022
女152312111715
全体 32 39 24 26 41 34
41 43 182323
45
調査内容
(1)学習意欲一新しいことに自発的にとりくむ内発的意欲,困難なことを最後ま
* Childr㎝,s Motivati㎝for School Work㎜d Their Academic Adj凹stm㎝t in
a Remote Mo皿ntain Village
** Tosbimi Ueda,Takesbi S㎜gim凹ra,a皿d Koji Ta㎜ase
(Department of Psyc止。logy,Nara Ulliversity of Ed1』cation,Nara)
一63一
でやりとげる達成意欲,および計画を立てて実行する計画性と実行意欲のそれぞれについて,1O
項目ずつ合計30項目からできている(付表参照)。
(2)数冊式学習適応性検査(AAI)一小学1,2年月は①自分からやる気を出し,進んで
計画的に勉強するかどうかをみる勉強の態度, ②積極的に授業をうけ,それを生かすようにし
ているかどうかをみる授業のうけ方, ③家庭の物理的環境を活用し,家庭の雰囲気を勉強に役
立てているかどうかをみる家庭環境, ④学校の環境を積極的に活用し,勉強に望ましい友人関
係をっくっているかどうかをみる学校環境,および⑤自分のことは積極的に自分で行い,不安
が大きいかどうかをみる自主性の5つの下位テストからなっている。小学3,4年生用は,①
勉強の態度, ②授業あうけ方, ③能率的に本を読み,ノートを活用し,そしてじょうずな覚
え方,考え方をしているかどうかをみる勉強の技術, ④家庭環境,⑤学校環境, ⑥自分の
ことは積極的に自分で行い,不安が大きいかどうかをみる心の健康(小学1,2年月の自主性と
同じ), ⑦神経過敏の程度,身体が健康であるかどうかをみるからだの健康の7つの下位テス
トからなっている。
(3)学力向上要因診断検査(FA T)
健康,学習態度,対人関係,環境の4つの分野に分か
れ,それぞれについて2つずつの領域がある。健康は,情緒が安定し,明朗で,生活意欲が旺盛
であるなどの精神的健康状態をみる精神的健康と,身体的に健康であり,病気や欠席などがない
かどうかをみる身体的健康からなっている。学習態度は、勉強の計画のたて方,実行の仕方,習
慣などをみる勉強の方法と,自ら積極的に勉強しようとする意欲があるかどうかをみる学習意欲
からなる。対人関係は友人との関係が望ましい状態であるかどうかをみる友人関係と,先生との
関係が望ましい状態であるかどうかをみる教師関係からなる。環境は,家庭環境が勉強するのに
望ましい状態であるかどうかをみる家庭環境と,住んでいる近隣社会環境と学校の施設・設備な
どが望ましいかどうかをみる近隣・学校環境からなっている。
宇部き
調査はそれぞれの学校の教室または講堂で,昭和51年10月16日に実施した。この調
査は,勉強について思っていることや,勉強の仕方などについて調べるものであって,学校の成
績とは関係がないから,思った通りに答えるようにという教示を与え,学習意欲調査,AA Iま
たはFA Tの順に実施した。学習意欲調査はそれぞれの質問に対して,“はい,いつも”,“は
い,ときどき”,“いいえ”の3件法で答えさせた。A A IとFA Tは手引書に従って実施した。
学習意欲調査の採点は,学習意欲が高いとみなされる回答,すなわち項目番号1,2,3,4,5,
7,1Oの7項目は“いいえ”その他は“はい,いつも”に2点を与え,“はい,ときどき”には
すべて1点,それ以外はO点を与えた。従って,各領域10項目ずっあるので,最低0点から最高
20点まで分布し,その得点が高いほど学習意欲が高いといえる。A A IおよびF A Tは手引書に
従って採点し,得点が高いほど望ましい状態を示す。
結 果 と 考 察
学習意欲調査
表2は,学習意欲調査の平均値を学年男■」に示したものである。小学校にっい
一64一
ては,奈良市,桜井市,王寺町の小学校児童合計2154名について調査した結果(七条養護学校,
1975)を括弧内に示してある。全体でみると,三年生と6年生が平坦部に比べて低い傾向が認め
られ,これは主として内発的意欲と計画性と実行意欲の低さによるものである。しかしその他の
学年ではあまり大きな違いはない。また,平坦部では1年生から4年生にかけて学習意欲がかな
り弱まるが,へき地では6年生が特に低いだけで,その他の学年にはあまり違いがみられない。
中学生については学年差はほとんどみられない。小・中学校を通じてみると,達成意欲は5年生
あたりか一ら弱まる傾向があるが、内発的意欲と計画性と実行意欲については顕著な変化はみられ
ない。全体的にみると,小学生に比べて中学生の方がやや低いようである。
妻2 学習意欲の平均点
領
域
内発(O{20)
小
校
学
1年 2年 3年 4年 5年 6年
1O.2
11,5
10,8
11,7
10.5
中一学 校
1年 2年 3年
9.O
9.2
8.9
9,4
10.3
9.7
9.5
(14.1)(12.5)(11.9)(11.8)(11.7)(11.9)
達成/0山20)
13,2
14,3
13,O
13,6
11,9
10.3
(13.8)(13.1)(12.2)(11.7)(1O.9)(1O.8)
計画(0∼20)
8.0
8.0
7.7
9,7
8.8
6.5
8.8
9,8
10.8
28,4
29.7
(11.9) (1O.9)( 9.9) (10.O)(1O.4)(lO.5)
全体(O−60)
31,4
33,8
31,5
35,0
31,2
25.8
28,3
(39,8)(36.4)(34.O)(33.4)(33.O)(33.2)
/注)(
)内は平坦部(M=2154)の平均点
学習意欲と学業成績の関係をみるために,各学校1学期の成績に基いて,全教科,知的教科(小
学校では国語,社会,算数,理科の4教科,中学ではそれに英語を加えた5教科)および技能的
教科(小学校では音楽,体育,図工,家庭の4教科,中学では音楽,保体,技術家庭)のそれぞ
れについて,上位の者と下位の者を選んだ。それぞれの測度について,小学校3,4年をこみに
して上位,下位それぞれ14名(全体の約23%)すっ,5,6年をこみにして各20答(全体の約27
%)すっ,中学1∼3年をこみにして各30名(全体の約23%)ずつを,各学級の人数にほぼ比例
させて(但し,男女の数は考えない)選び出した。したがって,同じ者が3つの測度すべてにつ
いて選ばれた場合もあるし,また1つか2つで選ばれている場合もある。なお,小学校1・2年
生についてはこの分析は行わなかった。
表3は,このようにして選んだ成績上位群と下位群について学習意欲調査の結果を示したもの
である。表4は,上位・下位の群を被験者間要因とし,領域および群と領域の交互作用を被験者
内要因とした分散分析の結果である。まず,群の主効果は中学の3つの測度と小学5,6年生の
2つの測度で有意であり,表3の全体平均からわかるように,上位群が下位群よりも学習意欲が
高いことを示す。小学3,4年生の3つの測度と5,6年生の技能的教科は統計的に有意ではな
かったが,標本値の上ではいずれも上位群の方が高くなっている。次に,領域の主効果は小学3,
4年生と5,6年生で有意であり,群をこみにしたときに,達成意欲,内発的意欲,計画性と実
一65一
行意欲の11買になっていることを意味し,これは表2についてもいえる。中学生では領域の主効果
が有意でなく,3つの領域の平均がほぼ等しいことを示す。なお,交互作用はどれも有意ではな
かったが,小学3,4年生の知的教科と技能教科の場合に,計画性と実行意欲でほとんど差がな
いことがわかる。
表3 学業成績が上位の者と下位の者の学習意欲の平均
内 発
小
意干達成
全 体
内
下位
上位 下位
上位 下位
11.9
9,9
12,1
12,4
10,9
14,0
11.7
13,7
11,9
14.6
1215
9,4
7.9
8.5
8,0
35,3 29,5
34,3
11.6
8.1
l1,4
校・達
成
12.6
9.4
1219
六計
画
6.7
8.6
年
8.6一
全 体
中
学
技
32.8 2412
内 発
1011
達 成
32,9
11,3
31,2
発
字五
技能的教科
上位
四計画
年
小
知的教科
全教科
領 域
9.1
9,7
6.8
25,6
10.1
37,1
9.6
33.O
10.9
8.8
11,5
10.4
8.8
712
31,2
26,4
8,6
1O.4
8,5
10.3
8,5
11.O
8.5
10.7
8,6
10.8
8,3
計 画
1O,6
9,1
10.1
8,8
10.6
9,0
全 体
31.7
26.2
31,2
25,9
31,7
25.8
表4 表3の分散分析
学 業 成 績
変動因
小
学三
校由
年
小
学五
校⊥
ノ、
年
中
学
校
A
B
C
A
B
C
A
B
C
上位・下位
頷
知的教科
全教科
域
2.7
11.O**
1,6
28.3**
A × B
O.l
上位・下位
9,8**
6.4**
18.7**
20.5**
領
域
A × B
上位・下位
領
1.1
1O,4**
O.8
O.8
9.4**
技能的教科
1,3
14.2**
O,7
2,2
18.4**
O.4
12.I**
域
O.8
0.3
O.4
A × B
1.O
O.5
0.7
**P〈.01
A A1
表5は,A A Iの各下位テストの平均,総点の平均とその偏差値を示したものであ
る。括弧内は標準化の資料である。偏差値は50前後であって標準とほとんどちがいがなく,下位
テストについても顕著な差は認められない。
一66一
表5 AAIの平均
領
学
域
年
勉強の態度
授業のうけ方
2 年
年
3 年
4 年
5,9(6.6)
6.3(6.O)
16.7(17.4)
18.1(16.7)
6.8(6.8)
6.5(6.0)
14.O(15.6)
16.1( 15.1)
14.3(16.3)
14.7( 16.2)
勉強の技術
家庭環境
6.7(7.3)
6.8(7.2)
17.4(18.4)
18.3( 18.5)
学校環境
5.3(6.1)
6,O(6.6)
18.5(18.7)
19.9(19.O)
自主性
5.9( 6.8)
6.5( 6,7)
工8,2(18.O) 18.7(18,1)
心の健康
20.8(18.8) 20.5(19.O)
からだの健康
総点
50(50) 49 (50) 51 (50)
48(50)
偏差値
(注)(
32,1(32.5)n9.8(122.9)126.3(122.6)
30.6(33.6)
)内な標準化された得点
表6は,先に選んだ小学3,4年生の成績上位群と下位群について,A A Iの各下位テストの
平均と偏差値を示したものであり,妻7はその分散分析の結果である。3つの測度において上位
群のA A Iは下位群よりも高いが,統計的には全教科だけが有意であり,技能的教科における群
差はわずかである。このように全教科の場合にはどの下位テストでもかなりの差がみられるが,
技能的教科の場合には,授業のうけ方,勉強の技術,心の健康,およびからだの健康において,
上位群と下位群の差はほとんどない。つまり,技能的教科の成績どこれらの下位テストで測られ
た学習適応性の間には関係がないといえる。なお,AA Iの手引書によれば,3,4年生におけ
る国語と算数で成績値が十5以上のオーバー・アチーバーは,一5以下のアンダー・アチーバー
よりも有意にA A Iの総点がよいことが示されている。
表6 学業成績が上位の者と下位の者のA A Iの平均
領 域
全教科
知的教科 技能的教科
上位 下位 上位下位 上位 下位
勉強の態度
18.1
14,9
17,9
15.O
18,9
I7,4
授業のうけ方
15,9
13,9
15,3
13,9
15,9
15,9
勉強の技術
15.1
12,1
14,8
12,2
15,6
15,4
家庭環境
18,7
16,1
17.8
15,8
19.1
17,4
学校環境
20,6
16,8
2014
17.O
19,6
18,4
心の健康
19,7
17,0
19,3
17.O
18,4
18,9
21,6
19.1
20,9
19.2
20.6
20.1
か・らだの健康
総 点
偏差値
129.8 110.0 126.3 110.1 128.4 123.5
53
45
5I
45
一67一
53
50
表7 表6の分散分析
変動因
学業成績
全教科
知的教科
A 上位・下位 6.3*
4.0
B頷 域13.4**
C
A × B
技術的教科
12.8**
O.2
O.3
*P〈.05
FAT
0,3
8.O**
0.5
**P〈.O1
表8は小学5,6年生の偏差値について,全員,上位群,下位群それぞれの平均を,
表9は中学生にっいてのそれぞれの平均を示したものである。表10は,表8と表9の上位群と下
位群に関する分散分析の結果である。標準化の資料は偏差値であるので,全体も,どの領域も50
が平均になっている。
小学校5,6年生全員についての総偏差値は49,4で標準とほとんど変わりがないが、50からの
へだたりが大きい領域を拾ってみると,勉強の方法と友人関係が低く,近隣・学校環境が高くな
っている。つまり,標準に比べて勉強の計画・実行・習慣が劣る傾向があり,また友人関係にも
やや問題があるのに対して,近隣環境や学校環境はやや良いといえる。次に,全教科について上
位群の偏差値は51.9,下位群では46.6であり,また,知的教科についてもそれぞれ52.8と45.7で
あって,ともに上位群の方が有意に高い学力向上要因を示している。また,全教科と技能的教科
には群と領域の有意な交互作用があった。全教科の場合は,勉強の方法,学習意欲(P<.05),
友人関係,教師関係,家庭環境において,上位群と下位群の差が大きい傾向があり,技能的教科
の場合もほぼ同じ傾向があった。交互作用は有意ではなかったが,知的教科においても類似の傾
向があり,それ故,この標本においては,上に述べた5つの領域が学業成績ととくに関連がある
といえよう。
中学生全員についての総偏差値は46.5であって標準よりやや低い。領域別にみると教師関係と
友人関係が特に低く,次いで身体的健康,家庭環境が低くなっている。上位群は下位群に比べて
3つの測度で高得点を示したが,全教科についての偏差値は48.1と43.9で有意であった。全教科
と知的教科には群と領域の有意な交互作用が認められた。全教科の場合は,勉強の方法(P<.05),
学習意欲(P<.05),友人関係,家庭環境(P〈.05)において上位群と下位群の差が大きく,この
傾向は知的教科についても認められる。
一68一
表8 学業成績が上位の者と下位の者のFATの平均(小学校5・6年)
領
全教科
域
知的教科 技能的教科
全員
上位 下位 上位 下位 上位 下位
M(精神的健康度)
52,4
52,9
51,7
53,2
50,8
54,4
50,9
P(身体的健康度)
47,8
47,9
46,6
47,9
46,0
49,8
48,3
43,6
H(勉強の方法)
46.3
48,4
42,9
48,6
44,3
48,6
S/学習意欲〕
4817
52,5
42,2
53,3
43,9
51,6
44,9
F(友人関係)
46,5
48,6
43,6
49,8
43,5
47,3
43,7
T(教師関係)
53,0
55,5
50,0
56,6
50,1
55,9
50,8
D(家庭環境〕
51,5
54,1
48,9
54,5
48,7
55,3
47,7
E(近隣学校環境)
54,6
53.5
55.3
54.7
54.2
53.7
55.9
総
合
4914
51,9
52,8 45,7
46.6
52,4 46.4
表9 学業成績が上位の者と下位の者のF A Tの平均(中学校)
頷
M
全教科
域 全員
上位
下位
知的教科
上位
技能的教科
下位
上位
下位
(精神的健康度)
46,5
47,1
45,1
46,8
46,1
48,1
44,5
P
H
(身体的健康度)
45,1
42,5
46,9
42,2
48,3
44,5
46,7
(勉強の方法〕
52,2
55,0
50,2
54,0
49,7
53,1
49,8
S
/学習意欲〕
48,8
51,3
45,6
51,1
46,2
50,9
47,8
F
T
D
E
(友人関係)
43,2
45,8
39,2
45,8
40,4
44,4
40,8
(教師関係)
40,9
41,9
39,8
41,3
39,6
43,5
38.9・
(家庭環境)
45,5
47,1
41,8
47,9
42,9
45,7
41,9
47.2
46.7
47.4
47.1
48.3
45.8
総合46,548.1
43,9
/近隣学校環境)
47.6
47,8
44,9
48,1
43.9
表10 表8と表9の上位群と下位群に関する分散分析
学業成績
変動因全教科
知的教科 技能的教科
小 A 上位・下位 4,6*
学五
校六B 領
7.O*
域 7・9**
6.8**
O.8
1O.6**
年CA×B 2.3*
1,4
2.1*
中 A 上位’下位 4・5*
2.1
3,7
学B頷 域11.7**
校CA×B2.9**
10.9**
3.4**
1O.4**
1.O
*P<.05,**P〈.O1
一69一
要
約
へき地の児童・生徒に,学習意欲調査と,教研式学習適応性検査(AA I)または学力向上要
因診断検査(F A T)を実施し,次の結果を得た。
(1)学習意欲一小学1年生と6年生で平坦部より内発的意欲と計画性と実行意欲がやや低いが
他の学年ではあまり差がみられない。全体として,小学生より中学生の方が学習意欲が低い。学
画性と実行意欲の11贋に高いが,中学生では領域による差がない。
(2)A A I一標準化の資料との間に顕著な差はない。全教科の学業成績のよい者は,A A Iの
得点が高いが,技能教科の成績による差はない。
(3)FAT一小学5,6年生では勉強の方法と友人関係の得点が低く,近隣・学校環境は高い。
学業成績のよい者は,勉強の方法,学習意欲,友人関係,教師関係,家庭環境の得点が高い傾向
がみられる。中学生では,全体として教師関係と友人関係の得点が低い。学業成績のよい者は勉
強の方法,学習意欲,友人関係,家庭環境の得点が高い。
引 用 文
献
松原達哉 1967 学力向上要因診断検査(F A T)手引 東京:日本文化科学社.
奈良県立七条養護学校 1975 あゆみ第2号 奈良県立七条養護学校紀要.
辰野手寿 1973教研式改訂学習適応性検査(A A I)手引(小学校1年∼4年月〕 東京:日
本図書文化協会
辰野千寿 1974 教研式改訂学習適応性検査(A A I〕手引(小学校5年∼高校3年月) 東京
日本図書文化協会.
上田敏見・杉村健・玉瀬耕治 1976 へき地における児童・一生徒の学習意欲と学校への適応 奈
良教育大学教育研究所紀要 12,57−64.
〈付記〉 本研究をおこなうにあたり,吉野郡下北山村 北 教育長,平井 下北山中学校
長,谷本 寺垣内小学校長,中谷 池原小学校長,児島 桑原小学校長,諸先生方,ならび
に連合PTA会長のお世話になりました。また,資料の整理に際しては,心理学専攻生上村勇
一郎君,赤松邦子さん,林成子さんの協力をえました,厚く感謝します。なお,本研究の資
料蒐集と並行して,教育講演と教育相談を行っ一 スことを付記します。
一70一