多光子励起レーザー走査顕微鏡

肇
」の5催
ド
ぞe輔卿
多光子励起レーザー走査顕微鏡
中村牧
大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻(〒565−0871大阪府吹田市山田丘2−1)
Mu璽tiphoton−ExcitationScan血gLaserMicroscopy
Osamu NAKAMURA
五)6pαπ1η6n∫φApμ∫84Phy5’c3,03αんαUn’vεr5∫以2−1】勉溺α4αoんα,S配ぬ,Osαたα565−087!
(Received August,20,1999)
The principle and the characteristics of multiphoton exciting microscopy have been described。The spatial
reso茎ution and the practical setup ofthe microscopy have been shown.Recent progress on viewing dynamics
in cells such as the propagation ofCa2+wave is also shown with experimental results。The future ofmultlphoton
microscopy and its applications are investigated。
KeyWords:Mukiphoton absorption,Femtosecond laser,Confocal microscopy,Microlens anlay,Calc重umion
1,はじめに=フェムト秒レーザーが実現する
原理と最先端技術を筆者らの研究16)を中心に紹介し,この
細胞内非線形効果
分野の現状と展開をお伝えしたい.
2.何故フェムト秒レーザーが必要なのか
生物の顕微鏡観察において最も考慮されるべきは,生き
たままの状態を壊さないことに間違いない.水分,イオン
濃度,酸素や養分の流通を維持し,また,光による観察の場
顕微鏡用生物試料において,染色・標識するのに用いら
合には細胞が熱的にも光子エネルギー的にもダメージを
受けない範囲の照射量,光子エネルギーにとどめなければ
積で表されることが多い.ここで,1光子吸収の吸収断面積
ならない.
σ1と遷移確率W1の間には,
この観点から,高強度レーザーの照射を必要とする非線
形光学効果を用いて細胞を観察することは,従来非常識と
さえ思われていた.しかしながら,モードロックTi3+:Al203
レーザーなどの100MHz程度の繰り返し周波数を持つフェ
れるいくつかの色素の吸収特性については,その吸収断面
σ且=W・苑の/P
(1a)
㎎=σ1/舳・P
(lb)
ムト秒レーザーを用いると,平均出力10mWで1kWのピー
の関係が成り立つ6〉.ここでたはプランク定数/2π1のは光の
ク出力を実現することが可能であり,熱的に細胞にダメー
角周波数,Pは光のパワーである.勧伊は,単位時間の光子
ジを与えることなく,かつ容易に2光子吸収を発生させるこ
数の逆数であり,σ1は光子1個あたりの遷移確率を面積で表
とができる.また,掌サイズのフェムト秒レーザーである
している。2光子吸収の場合の吸収断面積σ2は,
Erドープ光ファイバレーザーも,多光子励起顕微鏡の光源
σ,一鴨・(肋/P)2
(2)
として十分実用に耐えるものであり,コンパクトなサイズ
で多光子顕微鏡を構成することが可能である.
とは言え,多光子顕微鏡が容易にできるからといって何
となる.σ1に比べ,σ2の単位が(面積)2×時間/光子数になっ
ている.
もメリットがなければ,わざわざ多光子顕微鏡を用いる必
細胞質や核を染色・標識するのに用いられるいくつかの
要はないのだが,予想を超えて多くのメリットを持つこと
色素の1光子吸収,2光子吸収,および3光子吸収の吸収断面
がわかってきた.たとえば,3次元分解能,侵入深さ,散乱
積をTable1に示す7).σ2,およびσ3は,σ1に比べ,30桁以上
効率,背景光,信号対雑音比,マニピュレーション,サージェ
も小さいことがわかる.したがって,先に述べたとおり,多
リー,等々に,従来のレーザー顕微鏡にはない特性あるい
光子励起にはピークパワーが大きいフェムト秒レーザーが
ははるかに上回る特性を持っている.これらについては
必要であり,また,1点あたりの励起時問(露光時間)を長く保
次節以降で詳しく説明する.
つため,後述のマルチビームの走査が望ましいのである.
本稿では,フェムト秒レーザーを用いる多光子顕微鏡の
試料中の蛍光色素1分子あたりの1光子過程による単位
812
レーザー研究 1999年12月
Table l The cross sections of dyes which has absorption
in UV region for single−photon(σ1),two−photon
(σを),and three−photon(σ3)absorptions,
80MHzのMode−LockedTi3+:Al203レーザーでは,1/(τガ=
1.25×105である.さらに,再生増幅器を用いた場合には,
例えば,τ=100fs,∫=1kHzが可能であり,このとき1/(τ∫)=
σ1 η*の η*σ3
1びoとなる8).
(atλnm) (at700nm) (at LOμm)
10−16cm2 10−50 10−83
3.多光子吸収の結像への影響
cm4s/Pわoton cm6(s/photon)2
DAPla
dansyl
1.3(345nm)
fura−2
L2(335nm)
0.25
0.16
1
0.17(336薙m)
12
前述のように,フェムト秒レーザーを対物レンズにより
0.3
30
回折限界まで絞り込むと,焦点付近では時間的,空間的に
with Ca2+
高光子密度の状態となり,物質中で容易に多光子吸収およ
20
fura−2free
1,0(362nm) 11
indo−1
1。3(340nm) 1.5
6
びそれに引き続く蛍光の発生が起きる.多光子吸収の理
論については本学会では自明であるのでここでは説明を
1.3(345nm)
2
省く.(興味をお持ちの方は,入門講座として別にまとめた
with Ca2+
indo_1free
3。5
文献重)を参照されたい)
大事なことは,この絞り込まれたレーザースポットでの
時問当たりの吸収の総量φ1は,次式のように表される.
φ、=[P/(hv・s)]・σ、
(3)
多光子吸収が,結像(ビーム走査を含めた全体の結像システ
ムにおいて)にどのような影響を与えるのか,である.過剰
ここで,P,v,およびsは,それぞれ,励起光の平均パワー,励
に強い励起光による吸収の飽和状態を除けば,2光子吸収,
起光の振動数(Hz),および励起面積である.3は対物レンズ
3光子吸収は,それぞれ,励起光強度の2乗,および3乗,に比
を用いてビームを絞った場合,
例し,そのとき発生する蛍光光子の数もそれぞれ,励起光
πイ=π(o。61λ/醐2
(4)
強度の2乗,および3乗に比例する.
このことが空間的にどのような効果をもたらすかを
である1).λ=800nm,崩=L3のとき,πr、2=0.44μm2程度
Fig.1,Fig。2に示す.Fig.1は,1光子吸収と多光子吸収の発生
である.
確率の,収束レーザービーム内における空間分布を示した
一方,2光子吸収および3光子吸収の場合の吸収σ2および
ものである.(a)の玉光子吸収では,吸収確率の空間分布≒
のは,それぞれ,
励起レーザー光の空間強度分布となる.一方,(b)の多光子
φ2=[P/(hv・3)]2・σ、
(5)
吸収では,吸収確率の分布㏄(励起レーザー光の空問強度分
布)のべき乗,となり吸収は焦点付近に局在し,焦点の上下
ψ,一[P/(hv・s)]3・σ, (6)
で与えられる.ただし,ここでは励起光には連続発振光を
ではほとんど吸収がない.これがよく言われる多光子吸
収の空間局在i生,3次元分解能である.
Fig.2(a),(b)は,焦点近傍の吸収分布(㏄蛍光の強度分
仮定している.
布)を,それぞれ1光子吸収,および2光子吸収について理論
Table lの色素DAPIの場合,σ〉はσ1より34桁も小さい.実
計算したものである.(b)ではサイドローブもほとんどな
際の吸収は,例えば,P=1mW,3=1μm2,λ=345nm(v=
くなっていることがわかる.これは高い空問分解能を実
870THz)のとき,φ1およびφ2は,(3),(4)式より,
現できることを示している.
φ1=1.7×107
(7)
φ2ニ1.9×10『8
(8)
4.ビーム走査法1高速撮像するために
前節で述べたレーザービームスポットを試料中で3次元
となる.このように連続光での励起ではφ1とφ2は何桁もそ
走査することにより,3次元蛍光像を得ることができる.
の値が異なる.従って,生物試料にダメージを与えること
Rg.3(&)はオーソドックスな走査法であり,2枚のガルバノ
なく,2光子吸収を発生させるには,パルス幅が非常に短
ミラー(高速回転ミラー)を用いて試料内にフォーカスされ
く,ピークパワーが高いレーザーを用いる必要がある.
ているレーザースポットを2次元的に走査している.Z方
パルスレーザーの場合,その平均出力P、,,は,パルス幅勾
CWlaser
繰り返し周波蜘ピークパワーPp。、kを用いて,
魂v,=窺。、k・τプ
(9)
と表され,Pp,慮=P、v,/(τ・カを基準に考えると,平均出力
ザ欝
Sample
samわ16一
λ/ lemissi・n
、X!、
P、.,のパルスレーザーを用いるときのφ2は,
φ、一1鍮/(h呵)]2・σ、・τ∫
=[環/(hVs)]2・σ,/τ∫ (10)
Pulse laser
,マ7
三 もFluorescence
Fig.1 Distribution of auorescence excited by a focused
Iaser beam,(a)through single−photon absorption,and
となり,1/(τガ倍だけ大きくなる.例えば,τ=100fs,∫=
第27巻第12号 多光子励起レーザー走査顕微鏡
(b)through multiphoton abso甲tion。
813
Dichroic
mirror
Microlens
Pinhole array
array
G
Mode−10cked 、験、鰹
Ti:SapPhire Iaser 鋤
(800nm,80fs)
撚灘
lRcuuingミ5
{組ter
Obiective lens
Y
[]
Sample
CCD camera
÷1mage intenSifier
(b)
Fig.4Setup of the realtime confocal multiphoton micro−
scope we have developed,
うに,さらにピンホールアレイディスクを用いることで共
焦点化を行った.
Fig.4に我々が開発した高速走査多光子顕微鏡の光学系
を示す.ここで,レーザービームは一度広げられマイクロ
レンズアレイによって多数の点(通常20点∼1000点)に同
時に集光される.集光された各スポットはピンホールア
レイディスク内のピンホールを透過し対物レンズにより
試料中に集光される.試料からの蛍光は再度対物レンズ
により集められ,ピンホールを通じてCCDカメラにより検
Fig。2 Theoretical calculation of the intensity distributions
出される(いわゆる共焦点検出).レーザー光と蛍光を分離
near focus,(a)for excitation laser,(b)for the square
するため,ダイクロイックミラーおよび色ガラスフィル
ターを用いている.このシステムでは,現在はCCDカメラ
of(a),which is proportional to the fluorescence dis−
tribution through two−photon absorpt量on process ex−
cited by亡he beam in(a).
のフレームレートが走査速度を決めているが,高速レート
のカメラを用いれば1ミリ秒での撮像が可能である.この
向についてはステージを上下させることにより走査を
行っている.この方式はほとんどの多光子顕微鏡で採用
シファイアを用いる.
されている走査法であり,ほぼビデオレートでの速さでの
Fig.5はこの多光子顕微鏡で撮影した心筋細胞内のCaイ
観察まで対応できる.
さらに高速の走査を行うには,複数のビームを同時に走
オン波の時間発展である.Caイオンインジケータとして
はfluo3を用い,励起レーザーは発振波長800nmのモード
査する方法が,我々を含めていくつかのグループで最近研
ロックTi3+:A董203レーザーであり,400nmから580nm(透過
究されつつある(Fig。3(b))8−lo〉.これは,1本のビームの走
率95%以上)の蛍光を検出している.不整脈と関連がある
ような場合,蛍光強度が弱いので通常はイメージインテン
査の場合,走査速度を上げるためにはレーザーの強度をひ
といわれる心筋細胞内での異常なCaイオン濃度の上昇と
たすら強くしなければならず,蛍光の飽和や多光子吸収以
伝播の様子がよく捉えられている.
外の現象が起きてしまうからである.我々はFig.3(c)のよ
Detector
Camera
Dichrolc
mirror
Dichroic
mirror
Laser
ヨッ ハむ
一
miπO「薩
Light
source
ぐ
Micro−lens array disc
○
Rotating
micrO一豆ensarray
○ 一
Obj㏄tlve
Objective
Pinhole aπay disc
Sample
Sample
(a)
(b)
(c)
Fig.3Scaming me由ods,(a)with galvano−mirrors,(b)with a rotating micro−1ens array,and(c)with a rotating micro−lens and
pinhole array for confocal detection.
814
レーザー研究 1999年12月
20碁m
%繊,.
Fig.5Multiphoton excitation images ofCa−ion concentration propagating in a living culturedheartcell ofarat。Fluo−3/AM was
used as a Ca−ion indicator。Ca−ion wave propagating upward and downward in the cell was obtained.
5.3次元構造の共焦点検出
少なく,より深部の観察が可能となることにある.このよ
うなとき,この共焦点検出系は威力を発揮するものと考え
複数ビームを同時に走査し2次元検出器で測定する場合
られる.
には,各ビームが励起する蛍光間の散乱によるクロストー
6.世界の動向
クがシリアスな問題となり,共焦点検出は必須である.現
在までに高速多光子顕微鏡で共焦点検出を実現している
のは我々のグループのみである.Fig.6(a),(b)にそれぞ
以上のような特徴を持つ多光子顕微鏡について,我々の
れ,共焦点検出,非共焦点検出した3次元的な自家蛍光像(試
グループはおもに高速観察を目的としたシステムを開発
料はユリの根)を示す.明らかに(a)の方が,コントラスト
している.
および分解能が高くなっているのが分かる.Fig.7はその
より高い空闘分解能への挑戦については4π光学系や
奥行き方向の断面である.
StimulatedEmissionDepletionを用いて,Max−Planck,Goettingen
多光子顕微鏡を用いることの目的の一つは,近赤外レー
のグループが行っている11・12).Fig.8に4π光学系を示す.
ザーによる励起を行うので試料内での吸収および散乱が
ここで励起光は対向する2つのビームであり,2つの対物レ
ンズを用いて集光される.2つの対向するビームスポット
(a〉
は干渉し,特に光軸方向に非常に小さいスポットを形成す
(籏〉
(b}
(b〉
Fig.6Three−dimensional fluorescence image of a root of
F玉g.7Longitudinal slice ofthe3D fluorescence image
Iily through two−photon excitation process,(a)con−
shown in Fig.5.(a)by confocal detection and(b)by
focal detection and(b)nonconfocal detection.
noncollfocal detection.
第27巻第!2号 多光子励起レーザー走査顕微鏡
815
る.上述のグループはこれに数学的処理を組み合わせ,驚
Laser
くべきことに50nm∼60nmの空間分解能を実現している.
この空間分解能はニアフィールド光学顕微鏡のそれに迫
り,さらに3次元的観察が可能という点を含めると,他に較
Dichroic mirror
Spectral filter
Z/
Excitation
Pinhole
べるべき手法がないほどである.
騒
他に,顕微鏡技術をベースとした多光子加工まで含める
Detector
と,マイクロマシンの要素作製のための3次元マイクロ光造
Fluorescence
“
Objective
形13),多光子光記録と読み出し14),などがある.2光子吸
鴎
収,3光子吸収以外の多光子過程を含めれば,過渡吸収顕微
Sample
鏡重5),コヒーレントアンチストークスラマン(CARS)顕微
Objective
鏡16)など,蛍光以外の検出手段をとる多光子過程顕微鏡も
研究されている.
Fig.8Typical setup for two−photon4Pi confoca1∬uores−
7.多光子顕微鏡の今後
cence mlc「oscope・
今後について述べる前に,まず,多光子顕微鏡の特長を
める必要があるだろう.4)については,高空間分解能とい
以下にまとめる.
うのみならず,より高エネルギー状態へと3光子,4光子,
1)2(あるいは3)光子吸収の発生確率は励起光強度の2乗
レーザーブレイクダウン/アブレーション等を通じて,細胞
(あるいは3乗)に比例し,収束励起ビームの焦点スポット
加工へと展開すべきと考えている.
内に,吸収/蛍光の発生/光化学反応が局在する.これは,
励起レーザー光の回折限界を超える空間分解能を,光学
参考文献
顕微鏡に与える。
2)同じ波長(振動数)の蛍光を発生させる際に,多光子吸収
1)中村牧,河田聡:分光研究48(1999)27。
では,1光子吸収の場合の2倍以上長い波長を用いるので,
2)「特集2光子科学:1」,O plus E20(1998)No.8.
3)「特集2光子科学:2」,O plus E20(1998)No.9.
顕微試料中でのRayleigh敵乱が1桁以上少なくなり,蛍光
4)中村牧,Stefan Hell:計測と制御36(1997)330.
5)河田聡,中村牧:BME12(1998)No.4,9.
測定のSN比があがる.
3)近赤外パルス光で可視域の遷移エネルギーを励起する
ことができ,励起光が焦点以外では電子遷移や分子振動
による吸収を被らず,生体試料中の奥深くまで透過する
ことができる.これは,従来言われている近赤外分光法
6)片山幹郎:レーザー化学(1)(裳華房,1985)。
7)C.Xu,R.M.Williams,W.Zipfel,andW.W.Webb:Bioimaging4
(1996)No.3,198.
8)K。Fujita,O,Nakamura,T.Kaneko,M.Oyamada,T.Takamatsu,
and S.Kawata:」.Microsc.194Part2/3(1999)528.
9)」.Bewersdo㎡,R.Pick,andS.W.Hell:Opt.Lett.23(1998)655.
10)A.H.Buist,M.MUler,」.Squier,and G.J。Brakenhoff:J.Microsc.
のメリットと同じ由来のものである.
192Part2(1998)217.
4)可視域パルス光で,紫外域の回折限界顕微観察像を得る
11)M.SchraderandS.W.Hell:J.Appl.Phys.84(1998)4033,
ことができる.つまり,紫外の光源も光学素子もいっさ
12)T.A.KlarandS.W.HelL Opt.Le眈.24(1999)954。
い使わずに,可視域の光源と素子のみで紫外域で励起さ
13)S.Mamo,0.Nakamura,and S.Kaw&ta:Opt.Lett.22(1997)132.
14)A.Toriumi,M.Gu,and S.Kawatal Opt,Lett.23(1998)1924.
れた高空間分解能像を得ることができる.
15)K.Sas欲i,M.Koshioka,and H.Masuhara:J.Opt.Soc.Am.A9
以上の4点のうちこれまでは主に玉)に関して研究が進ん
(1992)932.
16)A.Zumbusch,G.R,Holtom,and X.Sumey Xie:Phys.Rev.Lett.
でいると思われる.2)の特長を生かした,3次元空間内での
82(1999)4142.
1分子,少数分子の蛍光検出とマッピングが今後進むだろ
う.3)の特長については現在我々が取り組んでいる。適
当な色素の開発やGreenFluorescentProteinさらにそのCa2+
隻ndicatorであるCameleon17−19)の利用,等と併せて研究を進
17)A.Miyawaki,」.Uopis,R.Heim,」.M.McCaffery,J.A.Adams,
M.Ikura,andR.Y.Tsien:Nature388(1997)882.
18)R。Y.Tsien and A.Miyawaki:Science280(1998)1954.
19)G.Y.Fan,H.Fujisakl,A.Miyawaki,R。一K Tsay,R.Y.Tsien,and
M,H。EIlisman:Biophysics J.76(1999)2412.
レーザーワード
レーザー走査顕微鏡(scam量n lasermicrosco)
光学顕微鏡の光源にレーザーを用いる際に,レーザー
ビームを対物レンズによって回折限界まで絞り込み,この
する方法(ステージ走査),対物レンズヘのレーザービーム
絞り込んだレーザースポットを試料に対して相対的に二
次元走査し,最終的に一枚の画像を構成する顕微画像化
法走査型をとらずにレーザーを光源にすると,レーザー
走査する方法(ガルバノミラー走査),ピンホールを多数持
のスペックル雑音が画像上でコントラスト大となり問題
となる.走査の方法としては,試料を機械的に移動・走査
816
の入射角度を回転ミラーにより変化させスポット位置を
つ回転円板の透過像を試料上に結像し,多点で走査する方
法(ニポウデイスク走査)等がある.走査速度は,ニポウ
ディスク走査》ガルバノミラー走査》ステージ走査.
(中村牧〉
レーザー研究 1999年12月