プログラム - 子ども虐待防止世界会議 名古屋 2014

プログラム
子ども虐待に対する欧米諸国の実態や取り組みは従来から紹介され、日本における対策の一助となってい
る。
一方、アジア諸国を含めた新興国の実態に関する情報は依然少ない状況にある。子ども虐待の概念から
「体罰」および「性差別による暴力」
を抽出し、
この2つの課題について歴史的、文化的な観点から見直す。
午前
基調講演
子どもの権利条約では、(1)生きる権利、(2)育つ権利、(3)守られる権利、
(4)参加する権利という4つの権利が子どもに保障されている。
子どもの虐待は、これらの4つの権利を侵害するあらゆる行為を意味する。
子どもの虐待は、
「飢餓」
「貧困」
、
など社会病理に基づくもの
から子育て、しつけに関する家庭内の問題にいたるまで、
非常にスペクトルの広い社会的課題である。
基調講演では
「子どもの権利制
定」
の経緯の解説と、健康・保健、教育、社会環境、性などの観点で重篤な人権侵害の現状を知る。
基調講演1 “Culture and Violence1” 「子どもの権利制定の道のりと子どもへの暴力の撲滅に向けて」
国連事務総長特別代表 Marta Santos Pais
マルタ・サントス・パイス
国連事務総長特別代表 子どもへの暴力担当
(SRSG)
30年以上に渡り、人権問題に取り組み、
国連および政府機関に携わり、
子どもの権利に関する映画製作にも関
わった。
また、国連内外の幅広い人脈と密接な協力活動を続けると共に、
ニューヨークの国連総会とジュネーブの人
権会議において年次報告を行った。
1997年に評価・政策・計画策定主任としてUNICEFに参加し、
2001年から
UNICEFイノセンティ・リサーチセンター主任に就任。
子どもの権利委員会の報告者、
欧州理事会子ども政策調
整委員会の副議長として活躍。
2009年、国連『子どもへの暴力』の初代SRSGに就任後は、
この活動を維持し、
専門家の組織作りと意思決定へ
の子どもの参加の促進を通して、
世界中において活動の結集と政治的支援に携わっている。
『子どもの権利に関する国際ジャーナル』
編集委員会メンバー、
『子どもの権利に関する国際学際コース』顧問
委員会メンバー。
基調講演2 “Culture and Violence 2”
「西アジア(イラク)の現状:心理的、身体的暴力の犠牲」
Al-Hamdanya General Hospital in Mosul, Iraq
Lika
‘a Fasih Yaquob AL Kzayer(リカ・ファシ・ヤコブ・アルカザヤ, イラク)
午 後 2つのテーマについて解決に向けたワークショップが、分かれて同時進行で開催されます。
「体罰」
「性差別に基づく暴力」の2つの社会的問題について、
それぞれ別グループで現状の把握から課題を抽出し、
解決に向けて検討を
行う。
「防止・撲滅ガイドライン」策定を目指し、第20回世界会議での提言につなげる。
1.体罰の撲滅:アジアから世界への提言
家族・家庭、学校、地域などすべての状況を考える
話題提供 Toshihiko Yanagawa(柳川敏彦 ,日本) 和歌山県立医科大学
Jiao Fuyong(焦富勇 ジアオ・フヨン,中国) 西安大学
Sombat Tapanya(ソンバット・タパンヤ, タイ) チェンマイ大学
Yanghee Lee(李亮喜 ヤンギー・リー , 韓国) 成均館(ソンギュングァン)大学
2.性差別に基づく暴力の防止
ドメスチック・バイオレンスの現状と解決に向けての挑戦
話題提供 Julie Todd(ジュリー・タッド, 南アフリカ) 第20回ISPCAN世界大会・共同大会長
Joan van Niekerk(ジョン・ファン・ニーカーク, 南アフリカ) チャイルドライン
Maha Almuneef(マハ・アルムニーフ, サウジアラビア) ファミリーセイフティプログラム
ワークショップ終了後、全体会として発表が行われます。
総 括 Rajeev Seth(ラジーブ・セス, インド) インド子ども虐待・子ども労働防止グループ