(12)【公報種別】公開特許公報

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平7−50434
(43)【公開日】平成7年(1995)2月21日
(54)【発明の名称】LED集合ランプ
(51)【国際特許分類第6版】
H01L 33/00
N 7376-4M
L 7376-4M
F21Q
3/00
C 9032-3K
G09F 13/04
D 8621-5G
13/20
G 8621-5G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願平5−194819
(22)【出願日】平成5年(1993)8月5日
(71)【出願人】
【識別番号】390018315
【氏名又は名称】メトロ電気工業株式会社
【住所又は居所】東京都品川区上大崎4丁目4番8号
(72)【発明者】
【氏名】川合
誠治
【住所又は居所】愛知県安城市横山町寺田11番地1
メトロ電気工業株式会社愛知工場内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】石田
喜樹
(57)【要約】
【目的】
ランプの取付場所に応じ庇部を最適位置に調
整して、LEDの光軸がどの方向へ傾いていても常に優
れた遮光機能を発揮できるように構成する。
【構成】
多数の楕円形の広角LED3を配列したプリ
ント基板4を筒形のケーシング2に収容する。ケーシン
グ2の基端に広角LED3の照射方向を変更する傾斜取
付面5を形成する。ケーシング2の先端にそれと別体に
成形したリング部材11を嵌合する。リング部材11に
ケーシング2の外側へ突出する庇部12と、ケーシング
2の内側へ突出するアンカー部13とを一体形成する。
リング部材11を回動して傾斜取付面5に対する庇部1
2の位置を調整し、アンカー部13が埋まるように広角
LED3の隙間に絶縁シーラ14を充填して、プリント
基板4及びリング部材11をケーシング2に一体的に組
み付ける。
特開平07-050434
(2)
【特許請求の範囲】
ーシングの基端にLEDの照射方向を変更する傾斜取付
【請求項1】
多数のLEDを配列したプリント基板を
面を形成し、ケーシングの先端にそれとは別体に成形し
筒形のケーシングに収容し、ケーシングの基端にLED
たリング部材を嵌合し、リング部材には、ケーシングの
の照射方向を変更する傾斜取付面を形成し、ケーシング
外側へ突出する庇部と、ケーシングの内側へ突出するア
の先端にそれとは別体に成形したリング部材を嵌合し、
ンカー部とを一体形成し、リング部材を回動して傾斜取
リング部材には、ケーシングの外側へ突出する庇部と、
付面に対する庇部の位置を調整し、アンカー部が埋まる
ケーシングの内側へ突出するアンカー部とを一体形成
ようにLEDの隙間に絶縁シーラを充填して、プリント
し、リング部材を回動して傾斜取付面に対する庇部の位
基板及びリング部材をケーシングに一体的に組み付けて
置を調整し、アンカー部が埋まるようにLEDの隙間に
構成される。
絶縁シーラを充填して、プリント基板及びリング部材を
【0006】
ケーシングに一体的に組み付けてなることを特徴とする
【作用】この発明の集合ランプにおいては、製作に際
LED集合ランプ。
し、リング部材を回動して、庇部の位置を調整した後、
【発明の詳細な説明】
絶縁シーラを充填してLED及びアンカー部を埋設す
【0001】
る。こうすれば、ランプの取付場所に応じて庇部を最適
【産業上の利用分野】この発明は、電光掲示盤等の大型
位置に調整できるとともに、絶縁シーラを利用してプリ
表示装置を構成するランプ、詳しくは、多数のLEDを
ント基板及びリング部材をケーシングに簡単かつ強固に
配列したプリント基板を筒形のケーシングに収容し、ケ
組み付けることができる。
ーシングの基端にLEDの照射方向を変更するための傾
【0007】
斜取付面を形成してなるLED集合ランプに関するもの
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
である。
に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、本実
【0002】
施例の集合ランプ1はポリカーボネイト等の耐候性合成
【従来の技術】この種のLED集合ランプとして、従
樹脂材料により有底筒形に成形されたケーシング2を備
来、図7及び図8に示すような技術が知られている。従
え、その内側には楕円形の広角LED3を多数個配列し
来の集合ランプ31は、合成樹脂材料により有底筒形に
たプリント基板4が収容されている。ケーシング2の基
成形されたケーシング32を備え、その内側には多数の
端には広角LED3の照射方向を変更するための傾斜取
LED33を配列したプリント基板34が収容されてい
付面5が形成されている。
る。ケーシング32の基端にはLED33の照射方向を
【0008】傾斜取付面5には、実装板6の孔7に位置
変更する傾斜取付面35が形成されるとともに、先端に
決めされる突起8、取付ボルト(図示略)が螺合するナ
は外部からの光を遮る庇部36が一体的に突設されてい
ット9、及びゴムパッキン10が設けられている。そし
る。そして、傾斜取付面35に埋設したナット37にボ
て、集合ランプ1の取付位置に応じ広角LED3の光軸
ルト(図示略)を締め付け、集合ランプ31の取付位置
を任意の向きに傾けた状態で、ケーシング2を実装板6
に応じLED33の光軸を任意の向きに傾けた状態で、
に取り付け、実装板6上に多数の集合ランプ1を並設し
ケーシング32を実装板38に取り付け、実装板38上
て電光掲示盤等を構成できるようになっている。
に多数の集合ランプ31を並設して電光掲示盤等を構成
【0009】ケーシング2の先端には、それと同じ合成
できるようになっている。
樹脂材料で別体に成形されたリング部材11が嵌合され
【0003】
ている。図5及び図6に示すように、リング部材11に
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の集合
は、外部からの光を約180゜の範囲で遮る庇部12が
ランプ31によると、庇部36がケーシング32に一体
ケーシング2の外側へ突出する向きで一体形成されると
形成されているので、LED33の光軸を例えば図8の
ともに、T字形をなす4枚のアンカー部13がケーシン
(b),(c)に示す方向へ傾けた場合に、ケーシング
グ2の内側へ突出する向きで一体形成されている。
32と共に庇部36も横向きになって、その遮光機能が
【0010】そして、集合ランプ1の製作に際しては、
著しく低下するという問題点があった。
図2及び図3に示すように、そのランプ1の取付場所を
【0004】そこで、この発明の課題は、ランプの取付
考慮して、ケーシング2の内側にプリント基板4が広角
場所に応じ庇部を最適位置に調整できて、LEDの光軸
LED3の長軸を水平にした角度で収容され、ケーシン
がどの方向へ傾いていても常に優れた遮光機能を発揮で
グ2の先端にリング部材11が嵌合され、そのリング部
きるLED集合ランプを提供することにある。
材11を回動することによって、傾斜取付面5に対する
【0005】
庇部12の位置が調整される。その後、図4に示すよう
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
に、アンカー部13の大半が埋まるように広角LED3
めに、この発明のLED集合ランプは、多数のLEDを
の隙間にシリコン等の絶縁シーラ14が充填され、これ
配列したプリント基板を筒形のケーシングに収容し、ケ
により、集合ランプ1がプリント基板4及びリング部材
特開平07-050434
(3)
11をケーシング2に一体的に組み付けて構成される。
ば、ケーシングと別体に成形したリング部材に庇部とア
【0011】上記のように構成された本実施例の集合ラ
ンカー部とを一体形成し、アンカー部が埋まるようにL
ンプ1によれば、リング部材11がケーシング2と別体
EDの隙間に絶縁シーラを充填して、プリント基板及び
に成形されているので、そのリング部材11を回動する
リング部材をケーシングに一体的に組み付けて構成した
ことによって、庇部12を集合ランプ1の取付場所に応
ので、集合ランプの取付場所に応じ庇部を最適位置に調
じた最適位置に調整できる。それ故、広角LED3の光
整して、LEDの光軸がどの方向へ傾いていても常に優
軸がどの方向へ傾いていても、常に優れた遮光機能を発
れた遮光機能を発揮できるとともに、絶縁シーラを利用
揮することができる。特に、楕円形の広角LED3の場
して各構成部品を簡単かつ強固に組み付けることができ
合は真円形LED33(図8参照)と比較して外乱光に
るという優れた効果を奏する。
よる影響を受けやすいが、本実施例の集合ランプ1によ
【図面の簡単な説明】
れば、どの方向からの外乱光も庇部12によって確実に
【図1】本発明の一実施例を示すLED集合ランプの断
遮られるため、広角LED3特有の優れた発光性能を遺
面図である。
憾なく発揮することができる。
【図2】図1のLED集合ランプの正面図である。
【0012】また、リング部材11のアンカー部13を
【図3】図2とは異なる組付形態を示すLED集合ラン
絶縁シーラ14で埋設するように構成されているので、
プの正面図である。
目止め用の絶縁シーラ14を利用し、その充填工程にお
【図4】図1のA−A線に沿う部分断面図である。
いて同時に、プリント基板4及びリング部材11をケー
【図5】図1のLED集合ランプのリング部材を示す断
シング2に強固に組み付けることができ、もって、ネジ
面図である。
等の組付部品を省略できるとともに、製造工程の簡略化
【図6】図5のリング部材の正面図である。
を図ることができるという利点もある。
【図7】従来のLED集合ランプを示す断面図である。
【0013】なお、この発明は上記実施例に限定される
【図8】図7のLED集合ランプの問題点を指摘する正
ものではなく、例えば、ケーシング2又はリング部材1
面図である。
1の形状を適宜に変更したり、真円形LEDを配列した
【符号の説明】
集合ランプに適用したりするなど、本発明の趣旨を逸脱
1・・集合ランプ、2・・ケーシング、3・・広角LE
しない範囲で各部の形状並びに構成を任意に変更して具
D、4・・プリント基板、5・・傾斜取付面、11・・
体化することも可能である。
リング部材、12・・庇部、13・・アンカー部、14
【0014】
・・絶縁シーラ。
【発明の効果】以上に詳述したように、この発明によれ
【図1】
【図2】
【図4】
【図3】
【図5】
特開平07-050434
(4)
【図6】
【図7】
【図8】