(12)【公報種別】公開特許公報

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平10−20009
(43)【公開日】平成10年(1998)1月23日
(54)【発明の名称】光ビーコン車載機
(51)【国際特許分類第6版】
G01S
1/70
B60R 11/02
G08G
1/09
H04B 10/105
10/10
10/22
【FI】
G01S
1/70
B60R 11/02
W
G08G
1/09
F
H04B
9/00
R
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願平8−179096
(22)【出願日】平成8年(1996)7月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
(72)【発明者】
【氏名】上出
浩嗣
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
シャープ株式会社内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田
勝
(57)【要約】
【課題】
光ビーコン車載機において、その通信に使用
する受発光部の最適な方位角を自動的に発生させること
で、この受発光部の設置を容易にし、かつ自動車の走行
状態にかかわらず、高効率・高信頼性を有する光通信を
実現する。
【解決手段】
光ビーコン車載機の受発光部を左右方向
に回転可能で、かつその受発光部が、自動車の走行状況
に対応した常に最適な方位角を生ずる構造とする。具体
的には、光ビーコン車載機の受発光部が、鉛直な回転軸
を持ち、この回転軸の他端に回転駆動装置を接続し、こ
の回転操作を、この受発光部が接続されているナビゲー
ションシステムに内蔵されているCPUとナビゲーショ
ンシステムに内蔵または接続されているジャイロセンサ
ーユニットからの舵角情報と自動車のECUからの車速
パルスを用いて行う。
特開平10-020009
(2)
【特許請求の範囲】
ーコン車載機との位置関係が設計時と同等の位置関係に
【請求項1】
なるように、光ビーコン車載機が設置されたとしても、
少なくとも光ビーコン信号を介して情報
を受信する受光素子および情報を送出する発光素子から
この光ビーコン車載機を搭載した自動車の走行状態等
なる受発光手段を備えた光ビーコン車載機において、前
(この自動車が車線に平行に走行していない等)によっ
記受発光手段が所定の方位角を保つように方位角設定手
ては、光ビーコン路上機と光ビーコン車載機間の通信が
段および方位角保持手段を備えたことを特徴とする光ビ
正常に行われず、ナビゲーションシステムの機能を十分
ーコン車載機。
に生かせないという問題がある。
【請求項2】
前記方位角設定手段は、車の走行状態を
【0007】そこで、本発明は、上記問題点を解決する
検出する車速パルスデータ検出手段と舵角情報検出手段
ため、光ビーコン車載機において、その通信に常に最適
と、前記検出手段からのデータを蓄積するRAMと、走
な受発光部の方位角(左右角)を自動的に発生させるこ
行状態解析アルゴリズムを備えたROMと、前記データ
とで、この発光部の設置を容易にし、かつ自動車の走行
を計算するCPUを備えたことを特徴とする請求項1記
状態にかかわらず、高効率・高信頼性を有する光通信を
載の光ビーコン車載機。
実現する光通信装置を提供することである。
【請求項3】
【0008】
前記方位角保持手段は、光ビーコン受発
光手段が光ビーコン車載機の筐体底面に対し垂直な回転
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
軸および前記軸の回転駆動装置により構成されることを
するために、光ビーコン車載機の受発光部を左右方向に
特徴とする請求項1記載の光ビーコン車載機。
回転可能で、かつその受発光部が、自動車の走行状況に
【発明の詳細な説明】
対応した常に最適な方位角を生ずる構造とする。具体的
【0001】
には、光ビーコン車載機の受発光部が、鉛直な回転軸を
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビーコン車載機
持ち、この回転軸の他端にステッピングモータを接続し
において、その通信に常に最適な受発光部の方位角(左
た構造とする。また、上記回転操作を、この受発光部が
右角)を自動的に発生させる機能を備えた、光通信装置
接続されているナビゲーションシステムに内蔵されてい
に関する。
るCPUと、同ナビゲーションシステムに内蔵または接
【0002】
続されているジャイロセンサーユニットからの舵角情報
【従来の技術】光ビーコン路上機との交信が可能な光ビ
と、自動車のECUからの車速パルスを用いて行う。
ーコン車載機における発光部は、そこから発する光ビー
【0009】上述した光通信装置によって、光ビーコン
コンのアップリンクエリア内において、光ビーコン路上
車載機の受発光部の設置において微妙な方位角の調整が
機に規定の光量(2μW/cm
2
)が得られるように設
不要になる、つまり受発光部の設置が容易になり、さら
定されている。また、この発光部の素子数とその素子に
に、自動車の走行状態にかかわらず、高効率・高信頼性
流れる電流を最小化するために、この発光素子上にレン
を有する光通信が実現できる。
ズを乗せるなどして、アップリンクエリア内でのみ規定
【0010】
の光量が得られるための工夫がなされている。
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を用い
【0003】従って、このアップリンクエリア内で、光
て、以下に説明する。図1は本発明の光通信装置を含む
ビーコン路上機が光ビーコン車載機からの規定の光量を
ナビゲーションシステムの構成図であり、大きく分類す
確実に得るためには、光ビーコン路上機と光ビーコン車
ると光ビーコン車載機11とナビゲーション本体17と
載機との位置関係(地上からの高さ、上下左右の角度
モニタ19と遠隔操作装置(リモートコントロールユニ
等)を設計時と同等の位置関係になるように、光ビーコ
ット)21とジャイロセンサーユニット22から成る。
ン車載機を設置する必要がある。
光ビーコン車載機11は、受発光部27と光インターフ
【0004】
ェース12とから成る。ナビゲーション本体17は、C
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
PU13とそれに接続されたRAM(Random
ば自動車のダッシュボードに光ビーコン車載機を設置し
ccess
ようとする場合、光ビーコン路上機が光ビーコン車載機
Only
からの規定の光量を確実に得るためには、光ビーコン車
18とCD−ROMプレーヤ20から成る。ECU(E
載機の微妙な取付けの方位角も調整しなければならず、
lectronic
その設置が煩雑であるという問題がある。
はこの自動車に搭載されており、CPU13と接続され
【0005】また、この角度と設計時の角度のずれが大
ている。また、遠隔操作装置21と、自動車の舵角を測
きな場合には、光ビーコン路上機と光ビーコン車載機間
定するジャイロセンサーユニット22も、CPU13と
の通信が正常に行われず、ナビゲーションシステムの機
接続されている。
能を十分に生かせないという問題がある。
【0011】図2は図1における、光ビーコン車載機1
【0006】さらに、たとえ、光ビーコン路上機と光ビ
1の詳細図であり、受発光部27上に発光素子28と受
A
Memory)14とROM(Read
Memory)15とディスプレイドライバ
Control
Unit)16
特開平10-020009
(3)
光素子29が設置されている。また、この受発光部27
間の光通信が正常に行われる。
は、それが持つ鉛直な回転軸を介してステッピングモー
【0016】
タユニット30中のステッピングモータの回転軸31と
【発明の効果】本発明の光通信装置によれば、光ビーコ
接続されている。光インターフェース12は、LEDド
ン車載機の受発光部の設置において、微妙な方位角の調
ライバ23,受信回路25と、ステッピングモータユニ
整が不要になる。つまり、受発光部の設置が容易にな
ットに接続される駆動パルス発生器26、駆動パルス増
り、さらに、自動車の走行状態にかかわらず、高効率・
幅器24から構成される。
高信頼性を有する光通信が実現できる。
【0012】図3は図2における受発光部27とステッ
【図面の簡単な説明】
ピングモータユニット30の詳細な構造図であり、軸3
【図1】光ビーコン車載機11を含むナビゲーションシ
2を介して受発光部27とステッピングモータ31が接
ステムの全体構成図である。
続されている。また、このステッピングモータ31は筐
【図2】図1における、光ビーコン車載機11の構成図
体33に固定されている。図4は図3に示す構造図と視
である。
点を90度回転させ、真横から見た図である。
【図3】図2における受発光部27とステッピングモー
【0013】例えば、この光ビーコン車載機が接続され
タユニット30の構造図である。
たナビゲーションシステムを搭載した自動車が走行して
【図4】図3に示す図の視点を90度回転させたときの
いるものとする。このとき、CPU13はECU16か
構成図である。
らこの自動車の車速パルスを、ジャイロセンサーユニッ
【符号の説明】
ト22からこの自動車の舵角情報を連続して得る。それ
11
光ビーコン車載機
らのデータはCPU13に接続されているRAM14に
12
光インターフェース
連続して蓄積される。CPU13は、この連続して蓄積
13
CPU
されたデータと、ROM15にあらかじめ記録されてい
14
RAM
る走行状態解析アルゴリズムを用いて、その瞬間でのこ
15
ROM
の自動車の走行状態(直進中、左20度左折中等)をほ
16
ECU
ぼリアルタイムで算出する。
17
ナビゲーション本体
【0014】さらに、CPU13は、この算出結果と、
18
ディスプレイドライバ
ROM15にあらかじめ記録されている方位角調整アル
19
モニタ
ゴリズムを用いて、受発光部が、自動車の走行状況に対
20
CD−ROMプレーヤ
応した常に最適な方位角を生ずるように、光インターフ
21
遠隔操作装置(リモートコントロールユニット)
ェース12中の駆動パルス発生器26に、ほぼリアルタ
22
ジャイロセンサーユニット
イムで連続してコマンドを送る。駆動パルス発生器26
23
LEDドライバ
は、CPU13から送られてきたコマンドを解析し、ス
24
駆動パルス増幅器
テッピングモータ31を駆動するための駆動パルスに変
25
受信回路
換し、それを駆動パルス増幅器24に送る。駆動パルス
26
駆動パルス発生器
増幅器24では、送られてきた駆動パルス電流を、ステ
27
受発光部
ッピングモータ31を駆動するのに十分な大きさに増幅
28
発光素子
し、それをステッピングモータ31に送る。ステッピン
29
受光素子
グモータ31と受発光部27とは回転軸32で接続され
30
ステッピングモータユニット
ており、したがって、受発光部が回転する。
31
ステッピングモータ
【0015】このように、受発光部が適当な角度だけ回
32
軸
転することにより、光ビーコン路上機と光ビーコン車載
33
筐体
機との位置関係が設計時と等しくなり、したがって両者
特開平10-020009
(4)
【図2】
【図1】
【図3】
【図4】
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.
H04B
6
識別記号
10/22
庁内整理番号
FI
技術表示箇所