スライド 1

素材から製品までの製作工程を
組入れた機械系工作実習
~班分け・部門別ローテーション型工作実習について~
広島大学 技術センター
工学部等部門 設計・工作系技術班
(大学院工学研究科・工学部 学校工場)
○野口靖祐
向井 一夫 石原正文 森岡常雄 矢吹祐司
学校工場外観
学校工場内部
フェニックス工房
参考資料
工房利用者
利用件数 年間利用時間
H.16年度
355 件
約1700 h.
H.17年度 (9/31)
370 件
1969 h.
学校工場業務内容
・工学部機械系2年次の機械工作実習
工作機械加工作業(旋盤・フライス・NC機械)
溶接作業・手仕上げ作業等の実習指導
・受託工作
研究・教育のための機器・資料等の製作・
改良・補修等と ,設計のサポート
・フェニックス工房の運営
工房利用者の作業のサポート ,工房設備の保守
説明内容について
1.はじめに
2.実習方法の変更
2.1 班の分け方
2.2 部門
2.3 部品供給関連図
2.4 実習日程
2.5 実習内容
3.ポンプ
各部品の加工
組み立て風景
駆動部の連結
4.材料表
5.まとめ
6.ポンプ作動ビデオ
1.はじめに

これまで2年次(工学部機械系の学生)に工作実習を行ってい
ました。しかし実習を受けた学生が卒業研究に入り
フェニックス工房を利用して実験装置の部品やテストピースを
加工する際、実習での段取りを忘れ加工手順を学校工場職員
に聞くことが非常に多いという問題がありました.
実習での作業内容忘れ?(基本作業ばかりで印象が薄い?)

平成16年度より基本作業にも時間をとり,従来型実習
(5部門旋盤、フライス、NC、手仕上げ、溶接)に流れを
持たせ,製作工程を組入れた実習に変更しました
工
作
実
習
参
考
資
料
5部門をまとめたもの
A4版,40頁,製本テープ
1人に1冊 配付
図へ戻る
目
参
考
資
料
目
次
等◎
のマ
名ニ
称ュ
ア
をル
目化
かで
ら、
も機
覚械
え・
工
る具
次
手仕上げ
班分け表
1
概要・たがね作業
日程表
2
やすり作業
実習部門別内容
3
けが
機械Ⅰ
19
20・21
作業・すり合わせ作業
22
ネジ立て
23
製作する部品は?
4
ボール盤作業図
24
使用する機械
5
ハンドルアーム図
25
測定具
6
ボール盤作業
26
バイトの取付
7
リーマ・タップ
27
切削条件
8
ネジ下穴用ドリル径
28
刃先角度
9
ボール盤の切削速度
29
仕上工具形状
10
ボール盤の種類
30
金属材料・アルミニウム合金
31
機械Ⅱ
フライス加工の切削速度と回転数
11
ステンレス鋼
32
フライス加工の送り速度
12
銅合金・非金属材料,切削工具鋼
33
機械Ⅱで加工する部品図
13・14
超硬合金・その他
34
NC機械
溶接
NC工作機械とは
15
溶接について
35
プログラムに必要な命令
16
アーク溶接作業・ハンドルの製作
36
機械の操作
17
◎工作実習安全の手引き
37
プログラム例
18
ロータリーポンプ部品図・組立図
120mm
ポンプ組み立て図1
80mm
参考資料へ戻る
2実習方法の変更 2.1班の分け方
1) 2年次の学生(約120名)を
前半組と後半組に分ける (1組約60名)
2)前半組をA・B2組に
後半組をC・D2組に分ける (1組約30名)
3)A・B・C・D4組を
それぞれ5班に分ける
(1班約6名)
表1.班分け表
* は 休講
工学部
Ⅰ類(機械系)
2年次学生
(約120名)
曜日
前
班
期
後
期
水 曜 日 金 曜 日 火 曜 日 金 曜 日
A
工作実習
A-1~5班
前半組
*
設計製図
B
B-1~5班
C
C-1~5班
後半組
CAD
*
工作実習
工作実習
*
設計製図
D
D-1~5班
2組に
分ける
前・後半組を
各2組に分ける
1組 約60名
1組 約30名
*
CAD
工作実習
A・B・C・D組を
各5班に分ける
1班約6名
表2
部門
各組A~Dいずれか1組
1~5班毎週
5部門で実習を行う
機械Ⅰ
機械Ⅱ
各部門2回。各班が移動して実習を行う
溶 接
N C
手仕上
表3
5部門で製作する
ポンプ部品と
供給先
溶 接
ボス
グリップ
機械Ⅰ
機械Ⅱ
軸
ボス
ケース・蓋・底板
の外周
グリップ
ペラ厚さ
歯車
軸キー溝・固定
部
変則日程にして自分達が
部品供給関連図
加工した部品を次の部門で
加工出来るようにしました
アーム
N C
ケース内側
手仕上
アーム
ステイ
歯車セットネジ
ボスセットネジ
ケース・蓋.底板の穴あけ
ペラ外周
表4.日程表
実
回
1
機械Ⅰ
機械Ⅱ
N C
習
手仕上
部
溶 接
各組5班の日程
門
加工予備日
材料取り
VTR
他機械
備
組立・運転
考
安全教育(工作実習時の事故防止と安全確保についての説明)
2
2-①
3
2-②
1-①
4
1-①
2-①
3-①
4-②
5-①
5
1-②
5-①
2-①
3-①
4-①
6
5-①
4-①
1-①
2-①
3-①
7
5-②
3-①
4-①
1-①
2-①
4班は
8
4-①
2-②
3-②
5-②
1-①
蓋・底板,ケーシング,
9
4-②
1-②
2-②
3-②
5-②
(フライス盤加工)
10
3-①
5-②
1-②
2-②
4-②
11
3-②
4-②
5-①
1-②
2-②
3-②
5-②
4- ②’
1-②
12
13
1,3,5
4-①
5-①
4-②
3-②
材料取り内容
蓋・底板,ケーシング
4
3
VTRは,各種工作機械の加工方法や
(帯鋸盤)
2
溶接作業等のビデオを見ながら説明.他
機械は,型削り盤,スロッター,横フライ ペラ(丸鋸盤)
ス盤,平面研削盤の操作・動作説明.
アングル,帯鋼(弓鋸盤)
機械Ⅱは1回目に板の
外周切削を行う
2,4
2
1,5
14
1~5班
15
1~5班
※ 「1-①」 ・ 「1-②」は,「1班の1回目」 ・ 「1班の2回目」と読み換えます
レポート提出〆切
2.4 実習内容
・各部門2日程の,1回目は主に基本作業
2回目は応用作業(ポンプ部品製作)
手仕上げ部門での2回目の作業例
ふた,ケーシング,底板のM6ボルトの通し穴の加工
(組み立て締め付け用,6カ所)
板にケガキ線(穴あけ用補助線)引き・ポンチ打ちを行い
卓上ボール盤を使用した穴あけ作業.
3枚を重ねないで1枚ずつ穴あけを行う事でより穴の精度追求
・各班で2セット製作(2~3名で1セット)
・自分達が加工した部品を次部門へ持ち回る
(次の部門供給する).
・加工図面は,用意したものを使用.(参考資料)
表5.実習内容
1回目・基本作業
Ⅰ
機
械
Ⅱ
機
械
N
C
手
仕
上
溶
接
2回目・ポンプ部品の製作
使用する機械 ・工具
普通旋盤 ,ホブ盤の
操作・加工方法
軸,ハンドル(グリップ・ボス)
歯車ブランク , 歯車, 丸キー
普通旋盤 , ホブ盤
弓鋸盤
各種機械の操作 ・加工方法
軸のキー溝 , ネジ止め部
ケーシング・蓋・底板の外形
ペラの板厚加工、ステイ
立てフライス盤 , 中ぐり盤
平面研削盤 , 弓鋸盤
NC機械の操作 ,加工方法
プログラミング
ペラの丸キー溝 ・軸穴
ペラの輪郭
ケーシングの内側
マシニングセンター
NC旋盤
ケガキ ・ヤスリ作業
穴あけ加工
ストリングビード , ウィービ
ングビード, 突き合わせ溶接
ケーシング ・ 蓋 ・底板の
穴あけ ・ ネジ立て
ハンドルア-ム
歯車のセットボルト用めねじ
直立ボール盤 , 金切り鋸
卓上ボール盤 ,タップ
ヤスリ
ハンドルのグリップ・クランク
アーム・ボスの溶接
交流アーク溶接機
3.
ポンプは3枚の板をネジで
締め付け組み立てられています
中心板にはペラが入り
軸に連結してあります
ポ
ン
プ
本
体
軸は歯車に固定してあり
回す事によってペラが
回転して水が出る仕組みです
ボルトナット以外は全部、加工部品
各部品の加工
ケーシング底板
外周切削=フライス加工(機械Ⅱ)
ケガキ,ポンチ,穴あけ=卓上・直立ボール盤(手仕上げ部門)
穴あけ位置に正確に
ケガキ線(穴あけよう補助線)ピッチが重要・精度は
を引く
1/100まで求めるように
している
ケガキ線と穴位置
が合っている
ポンチ打ち
3枚の板(ふた、ケーシング、底板)
(穴あけよう補助穴)
別々に穴あけ加工を行います
を行う
3枚同じ位置に穴を開けなければネジや
軸が入らないのでより精度を要求される加工
にしました
3枚板(ふた、ケーシング、底板)穴あけの精度が重要
軸が入らずもし入っても
ペラを回すことができない
ふた
ケーシング
組立締め付けの際
ネジが入らない
水漏れの原因
底板
ケーシング
内側切削=マシニングセンター(NC)
蓋・底板との穴のずれ
内側NC切削
のための下穴
左右は同じ物ではありません
ふた(アクリル板)
羽(ペラ)
キー穴Φ5と軸穴φ12の
加工順について
Z軸切り込み用下穴
ペラの加工(マシニングセンター)
M12ボルト
ジグ
M12六角穴付きボルト
ペ
ラ
切
削
用
ジ
グ
(リーマボルトの役目)
ペラを2枚を固定
マシンバイスで
掴むための平行部
歯切り加工
ホブ盤での歯車加工
歯 車
平歯車:標準歯形,モジュール:1,圧力角:20°
歯数:40,基準円ピッチ:40
軸・本体固定ステイ
歯車B(フリー側)
軸 (旋盤加工)
丸キー溝 (フライス盤加工)
軸B
本体固定用ステイ
2コ(アルミアングル)
軸A
歯車A(固定側)
歯車C(駆動部連結)
連結3へ戻る
クランクハンドル
ハンドルアーム
(手仕上げ加工)
グリップ
溶接
旋盤加工
ボス部
実習内容へ戻る
ポンプ組み立て作業1
14~15週目でポンプの組み立て
を行います
水槽が2つ有り
左右にポンプ取り付ける
ポ
ン
プ
組
み
立
て
作
業
ポンプは駆動部に連結し
水をくみ上げる
ポンプ本体と駆動部連結-1
駆動部は
職員が製作
ポンプ本体と駆動部連結-2
駆
駆
動
動
部
部
軸B
セ
ッ
ト
ネ
ジ
(
羽
の 軸A
噛
み
合
い
必
要
)
歯車C
ステイ
軸へ戻る
ハ
ン
ド
ル
材 料 表
部 品 名
材
質
寸
法 (mm)
ケーシング
ジュラルミン板
t 10×85×125
底 板
ジュラルミン板
t 5 ×85×125
ふ た
アクリル板
t 5 ×85×125
ペ ラ
MCナイロン板
t10×□60 2枚
歯 車
真ちゅう丸棒
φ45×25 2枚
軸
真ちゅう丸棒
φ12×125 2本分
丸キー
鉄丸棒
φ5×10 2本
ステイ
アルミアングル
30×30×80 2本
4.まとめ
○従来の部門別ローテーション型では,自分達が加工した
部品を次部門へ供給することができなかったが,変則日程
を組むことにより,各班共,素材から製品までの工程を
組み入れての実習を行うことができた。
○班によって,日程・工程にバラツキがあるが,“ 流れを持った
“ものつくり ”を理解・体験させることができ,基本作業にも
時間をかけることができた。
○工程に沿って目に見えて製品になっていくことで,学生の
工作実習に取り組む姿勢が基本作業だけの実習の時よりも
増したように思われます
ポンプ作動ビデオ
END
2005.11.30
従来実施していた工作実習
・工学部機械系の学生・全体約120名
各班8~10名
・7・8部門(各部門職員1名専属)
旋盤・フライス・NC・手仕上げ・溶接・・・・(現在5部門)
各班が部門別ローテーションを組み毎週火(水)・金で
実習を実施していました。
実習内容
・単独で各部門ごとの機械の説明、加工法、段取りを
教えていました。
・`ものつくり`に対しての製品までの加工する流れを
教えていなかった。