雑音除去法について

雑音除去法について
松本英敏
環境建設技術系
はじめに
1
いろんな研究や実験をやっていると,取得したデータに対してつい平滑化したくなることがある。そこで
今年,某研究室で平滑化処理のプログラミング・ゼミを行ったので報告する。 図 1 が演算処理による雑音
除去法の分類であるが,積算平滑化については,同じデータを N 回測定し,分散の平方平均で評価するため
今回は除外した。
単純移動平均法
直接処理法
2
直接処理法として移動平均法に
ついて報告する。今回は単純移動
平滑化
適応化平滑化法
平均法,多項式適合法,適応平滑
化法の 3 法について述べる。
2.1
周波数領域法
Parzen,Hanning,
Hamming,FFT
による方法
演算処理による
雑音除去法
単純移動平均法
積算平滑化
一般的には対象点の前後にバン
ド幅を設定して,その領域の範囲
図 1 雑音除去法の分類 1)
を平均してその点の値にすればよ
1
いが異なる。図 2 は,取得した過剰間隙水圧のデータについて
0.8
単純移動平均法を適用したもので。バンド幅 50,繰り返し回数
10 回の処理結果が赤線(-)である。
多項式適合法
過剰間隙水圧比
い。後は,繰り返し回数を何回するかにより,滑らかさの度合
2.2
多項式適合法
2・3次多項式適合法
移動平均法
0.6
0.4
0.2
各サンプルデータの近傍で
w( j )
0
多項式曲線として表現できる
0
5
10
15
20
時間(sec)
と仮定し,2・3 次多項式を適用
図 2 単純移動平均法
した。図 3 は重み関数例であ
平滑化点を中心に重み
関数を適用し,2 次多項式を解
B
いた。図 4 にバンド幅 150 の
図 3 重み関数
処理結果を示す。
2.3
1
j
適応化平滑化法
0.8
過剰間隙水圧比
る。
0.6
0.4
0.2
前の 2 法は,信号が全データに渡って,ほぼ同程度の滑らか
さを持つと仮定しているが,この処理法はバラツキの度合い
(ノイズの分散  n )を考慮し,次式で平滑化を行っている。
2
0
0
5
10
15
時間(sec)
図 4 2・3 次多項式適合法
20
 y2 (i )   n2
y (i)  y (i)  y (i)
yˆ (i ) 
 y2 (i )
1
(1)
過剰間隙水圧比
0.8
ただし,区間平均および区間分散は
1 m
y (i ) 
 y (i  j )
N j  m
 y2 (i ) 
0.6
0.4
0.2
1 m
2
 y (i  j )  y (i)
N j m
0
(2)
0
10
20
図 5 適応化平滑化法
10 で処理を行った結果が図 5 である。
1
0.8
過剰間隙水圧比
周波数領域法
時間領域における観測データとエルセントロ地震波形に対
して,フーリエ変換による周波数分析を行い平滑化した。更に,
0.6
0.4
パワースペクトルに変換した後,各種フィルタ関数を比較した
0.2
ので報告する。図 6 は同データに対して,0.4Hz のハイカット
0
0
5
10
15
20
時間(sec)
フィルターを施した後,時間領域に戻した結果である。
3.1
15
時間(sec)
同じサンプルデータについて,バンド幅 150,ノイズの分散
3
5
図 6 ハイカットフィルター
スペクトルの平滑化
図 7 は観測地震波に対して,sinc 関数である Parzen ウインドウ 2)およびディジタル・フィルタである Hanning
ウインドウについて比較したものである。Parzen ウインドウは 0.8Hz で綺麗に平滑化できているが,一方の
Hanning ウインドウは,周波数領域における移動平均が 10 回と少ないため,フィルタの効果が出ていない。
解を得た。
参考文献
[1]
南 茂夫編著
2000
2000
2
3
Power spectrum(cm /sec )
3
0.1Hz は全く同じ
Power spectrum(cm /sec )
10 回と parzen の
2
また Hanning の
-Power spectrum,
-Parzen 0.8Hz
1000
-Power spectrum
0
0
0
“科学計測の
-Hanning 10 回
1000
2
4
6
8
10
0
2
4
Frequency(Hz)
6
8
10
Frequency(Hz)
ための波形
[2]
大崎順彦著
“新・地震動
のスペクト
ル解析入門”,
鹿島出版会
Power spectrum(cm /sec )
3
Hanning ウインドウ
1000
Parzen ウインドウ
2
3
1000
2
CQ 出版
Power spectrum(cm /sec )
データ処理”,
-10 回,-150 回
500
-0.1Hz,-0.8Hz
500
0
0
0
2
4
6
Frequency(Hz)
8
10
0
2
4
6
Frequency(Hz)
図 7 Parzen ウインドウと Hanning ウインドウの比較
8
10