V形シリーズ 6.構造の概要 6.1 各部の名称 6.1.1 浅井戸ポンプ ホッパーキャップ 呼び水のしかた 据え付け後、運転のはじめに ホッパーキャップを外して呼 び水(約200mL)を入れます。 操作コントローラ コントローラ モータ ホッパーキャップ ポンプカバー 逆止弁 ●モータ、コントローラ、リアク 自動空気補給装置 サーミスタ (ケーシング裏側) 圧力センサー トルなどの電気部品に水がかか らないように注意してください。 ホッパー キャップ ポンプヘッド アース金具 ●数分で揚水しない場合は、再び 呼び水をしてください。 付属品 (取り付けかたは〔据付工事に ついて〕の項を参照ください) 押しばね 吸上げ高さが3mより浅いとき、 または押込揚程のときは、逆止 弁の中に入れます。 ストレーナー 吸込管の先端に接続します。 配線図 ポンプカバー 内側です アース線 リアクトル 吐出口 圧力タンク コーティング材の吸湿に よって表面が白く見える 場合がありますが、特に 機能には影響しません。 3相ポンプ用 サブコントローラ (WT-K200Vのみ) 吸込口 第1図 浅井戸ポンプ各部の名称 ポンプカバーの外しかた 1 ねじを外します。 2 ツメ部から外して引き上げます。 ●作業終了後、ツメ部にはめて、 ねじで固定してください。 1 ねじ 2 ツメ部 15 V形シリーズ 6.1.2 浅深両用ポンプ ホッパーキャップ 呼び水のしかた 据え付け後、運転のはじめ にホッパーキャップを外し て呼び水を入れます。 ホッパーキャップ 圧力センサー コントローラ サーミスタ 操作コントローラ コントロールバルブ (CT-P250V・ CT-K250Vのみ) モータ ポンプカバー ●浅井戸配管時の呼び水量 CT-P150V 約1.5L CT-P250V CT-K250V 約2.0L 自動空気補給 装置 ポンプヘッド ● モータ、コントローラ、リ アクトルなどの電気部品に 水がかからないように注意 してください。 吸込口 圧力口 アース線 ホッパー キャップ アース金具 配線図 ポンプ カバー 内側です ● 浅井戸配管のとき、数分で 揚水しない場合は、再び呼 び水をしてください。 圧力タンク コーティング材の吸湿に よって表面が白く見える 場合がありますが、特に 機能には影響しません。 リアクトル 吐出口 3相ポンプ用 サブコントローラ 第2図 浅深両用ポンプ各部の名称 ポンプカバーの外しかた 1 ねじを外します。 2 ツメ部から外して引き上げます。 ●作業終了後、ツメ部にはめて、 ねじで固定してください。 1 ねじ 2 ツメ部 16 V形シリーズ 6.1.3 浅井戸コンパクトポンプ 配線図 (ポンプカバー内側です) コントローラ 操作コントローラ ホッパーキャップ リアクトル 逆止弁 圧力タンク (窒素ガスが加圧封入されています) 吸込口 口径:125Wは20mm 200Wは25mm 圧力センサー 予備フランジ 予備フランジ (吸込) 凍結防止用ヒータ (吐出水路の凍結防止用) ケーシング カバー止めねじ アース接続ねじ ケーシングカバー アース線 予備フランジ (吐出) 吐出口 サーミスタ (ケーシング裏側) 口径:125Wは20mm 200Wは25mm 電源プラグ 第3図 浅井戸コンパクトポンプ各部の名称 凍結防止用ヒータ 周囲温度により、凍結防止用 ヒータに通電します。 ●通電中は、凍結防止用ヒータが高温 になっていますので、手を触れな いでください。 ●凍結防止の効果は、周囲温度 −5℃までが目安です。 ホッパーキャップ 呼び水のしかた 据え付け後、運転のはじめにホッ パーキャップを外して呼び水を入 れます。 付属品 ストレーナー 吸込管の先端に接続します。 ●モータ、コントローラ、リアクトルな どの電気部品に水がかからないように 注意してください。 ホッパーキャップ ●数分で揚水しない場合は、再び呼び水 をしてください。 17 (取り付けかたは〔据付工事につ いて〕の項を参照してください) アース線 V形シリーズ ●水通路の断面形状…水通路をうず流れに沿った 6.2 主要部の構造 6.2.1 浅井戸ポンプヘッド部(第4図) 円形に近い断面形状とすることにより、吐き出 ●分流板…ケーシングの吐き出し口から分離室に至 し側から吸い込み側への逆流を減少させて、ポ る通路を分流板によって二分しています。この分 ンプ効率を高めています。 流板により、自吸中に空気と水の混合流と分離室 内で空気と分離したあとの戻り水とが衝突して分 離作用が妨げられるのを防ぎ、速やかに戻り水を 戻します。したがって、空気と水の分離は極めて スムーズに行なわれ、吸上げ高さが高くなっても、 常に安定した高速自吸を行います。 ケーシング 流入部 第5図 ポンプヘッドの水通路 ●ケーシング隔壁の形状…隔壁と吐き出し側の羽 逆止弁 移動量 根車先端とのすき間を傾斜状に広げています。 また、羽根車の溝を千鳥状とします。(第7図)こ れにより、圧力脈動が減少され、騒音が抑制さ れます。 第4図 ポンプヘッド部の構造 ●水通路抵抗…水を吸上げて吐出すまでには水通 路が狭いなどの抵抗が生じており、揚水量アッ プの障害となっています。水通路抵抗を改善す 第6図 ポンプヘッドの隔壁形状 ることにより揚水量アップの効果があります。 1 逆止弁上下移動量拡大 水を吸上げると逆止弁は上方へ移動します。 その移動量を大きくし、水通路面積を約5.5% 拡大しました。 2 ケーシング流入部幅拡大 羽根車前面と 後面の歯車が 千鳥状 逆止弁を通過した水がケーシング内へ流入す る開口部を約30%拡大しました。 ●ポケット部…ケーシングおよびケーシングカバー の吸い込み側の水通路深さを深くしてポケット部 第7図 千鳥状の羽根車 を設けています。これにより、吸上げ高さが高く なった場合にキャビテーションが発生して、流水 ●メカニカルシール…特殊セラミック(ハロックス の抵抗となるのを防ぎますので安定した揚水性能 酸化アルミナ)製フローティングシートとカーボ が得られます。 ン製シーリングを組み合わせた、耐摩耗性の優れ た寿命の長いメカニカルシールです。 18 V形シリーズ ●コントロールバルブ(第9図参照) 浅深両用ポンプに使用していますコントロール バルブは、ポンプを浅井戸に使用する場合、ジェ ット部およびタービンポンプで生ずるキャビテー ションによる耳ざわりな音を抑制します。また深 井戸に使用する場合はポンプの吐き出し側の弁を 全開にした場合でも、ジェット部の押上げ能力を 維持し、揚水不能を防止するものです。コントロ ールバルブはポンプヘッドと圧力タンクを連通す る水通路に設けています。 ポンプには第9図のようなコントロールバルブを 使用しています。動作原理はCVばねにより押され ているバルブはポンプヘッド内の圧力の高低によ り開度が決定されるようになっています。すなわ ち、ポンプヘッド内の圧力が高い(揚水量が少な い)場合……バルブは最大に開いて水の通過に損 失を与えないようにする。またポンプヘッド内の 圧力が低い(揚水量が多い)場合……バルブの開 度は小さく水の通過を制御し、ポンプヘッド内の 圧力すなわちノズルに戻る圧力水の圧力を一定以 上に保ち、浅井戸時の耳ざわりな音の低減、深井 戸時の揚水量の安定化を図っています。 コントロールバルブの調整圧力は、ポンプ No.B031 住設機器No.296“V形シリーズ”の2項 『浅深両用ポンプ用ジェット』の6項「運転」をご 参照ください。 6.2.2 浅深両用ポンプ ●渦巻ポンプ(第8図参照) 浅深両用ポンプの地上に設置するポンプは、揚 水量の中の相当量を圧力水として循環させなけれ ばならないので比較的大水量、高圧力で運転する タービンポンプ(渦巻ポンプ)を使用しています。 第8図 タービンポンプ(渦巻ポンプ)の主要部 構造はモーターの軸端に直接取り付けられた高精 度の羽根車によってすぐれた特性を発揮するのみで なく、振動も少なく静かな運転をします。ポンプ軸 封部は摩擦損失が少なく、水漏れのないセラミック 採用のメカニカルシールを用いています。 タービンポンプの作用は、ポンプ内の水に羽根車 の回転により速度を与え、半径方向に飛ばします。 羽根車から離れた水は、速度の形でエネルギーを持 っていますが、この水はガイドベーンに入ってから 第9図 コントロールバルブの主要構造 は次第に速度をゆるめ、そのエネルギーを圧力の形 ●ジェット部品…ポンプ本体には標準ジェットや深 井戸専用ジェット、深井戸用シングルジェットは 付属しておりません。浅深両用ポンプのタービン ポンプは別売の標準ジェット部品や深井戸専用ジ ェット部品および深井戸用シングルジェット部品 と組み合わせて使用する必要があります。 ジェットの構造などについてはサービスガイド ポンプNo.B031 住設機器No.296“V形シリーズ”の 2項『浅深両用ポンプ用ジェット』をご参照くだ さい。 に変えてケーシングに送り込まれ、ここで集められ 吐き出し管に送られます。 ポンプ内の水がこうして外に運び去られると、そ れと同時に吸い込み側の圧力が減少し、大気圧との 差により水が吸い上げられます。 また浅深両用ポンプのケーシングは浅井戸に使用す る場合は自吸時の分離室の役目も兼ねています。 19 V形シリーズ ダイヤフラムは押しばねによって押し付けられて 6.2.3 サーミスタ います。吐き出しニップル内に水があるためボー ケーシングに直接取り付けることにより、ポンプ ルは浮いています。 ヘッドの過昇温や凍結をいち早く検知します。 2 ポンプ起動・運転時 サーミスタ ボールが移動し 穴をふさぐ バルブカバー から吸われる 水 WT-P200V 押しばねが縮む ダイヤフラムが反転 サーミスタ 第12図 自動空気補給装置の動作(2) ポンプの起動により押しばねが入っている部分が バルブカバー(吸い込み側)により吸われます。 これにより、ダイヤフラムが反転します。 この際、ボールは吐き出しニップル内の水と一緒 に移動し、穴を塞ぎます。穴が塞がれることで、 内部は負圧となり、エアバルブ部から空気(外気) CT-P250V が補空されます。 ポンプ運転中、ダイヤフラムは反転したままです。 第10図 サーミスタ取り付け位置 3 ポンプ停止時 6.2.4 自動運転装置 (1) ノズル 自動空気補給装置 負圧から正圧に ● 構 造 ……ケースのボール弁式ノズル部が吐き出し ニップルに取り付けられ、カバーと逆止弁部間が レンツーカンで接続されています。ケースの腹部 には補空弁が設けられています。 ボール 水 1 ポンプ停止時 ヘッド チャンバー側 押しばね バルブカバーへ (吸込側) ダイヤフラム ボール 第13図 自動空気補給装置の動作(3) ポンプが停止すると、バルブカバー側(吸い込み 側)と吐き出しニップル側は同じ圧力になります。 水 このため、ダイヤフラムは押しばねに押されて移 圧力タンク側 押しばね 動し、内部に溜まっていた空気はノズルを通って ダイヤフラム ヘッドチャンバー上部に吐き出されます。 ヘッドチャンバーに溜まった空気は、次にポンプ 吐出しニップル が起動したとき、ヘッドチャンバーの水と一緒に 圧力タンクへ運ばれ、圧力タンクに溜まります。 第11図 自動空気補給装置の動作(1) 20 V形シリーズ (2) 過空防止機構 (3) 圧力センサー ●過空防止…圧力タンク内の空気が必要以上に多く ポンプ内圧に応じて変位するダイヤフラムを介 なると、空気が吐き出し水に巻き込まれて水栓か し、コイルとコアの重なり代により変化する周波 ら「パッパッ」と飛び散るという不具合を生じま 数によって圧力を連続的に把握しています。発信 す。このようなことのないよう、一定以上の空気 回路をコントローラ側に設けることで構造が簡略 が圧力タンクにたまると、自動空気補給装置が空 化され、信頼性が向上しています。 気の吸い込みを停止するようになっています。 その原理は次のとおりです。 調整ねじ ポンプ起動時における圧力タンク内の水位が、 ハキダシナイカンの過給防止穴の位置よりも下に ばね なると、ハキダシナイカンとハキダシニップル内 の水は圧力タンク内に落ち、空気に置き換えられ ます。このため、ポンプが起動し、自動空気補給 ケース 装置のダイヤフラムが反転しても、吐き出しニッ プル内の空気がノズル部から吸い込まれるので、 補空弁部から外部の空気は吸い込まれません。こ フィルム コンデンサ のようにして、空気補給を停止させ、圧力タンク 内の空気が過剰になるのを防止します。 コイル 過空防止機構 ダイヤフラム フェライトコア 第15図 圧力センサー ハキダシナイカン 第14図 過空防止機構 21 V形シリーズ 6.2.5 DCブラシレスモータ トクボ DCブラシレスモータおよびPAMインバータ制御 により使用水量に応じてモータの回転数を変えて、 省エネ、低騒音化を図っています。 ドラム 外郭は、アルミダイキャスト製のエンブラ、ハウ ジングを用いており、部品の軽量化を図るとともに カガミ板 外部に取り付けてあるファンで効率よく冷却できま す。また、密閉構造としているため小動物やゴミの 侵入を防ぎます。 トクナ ロータマグネット ベアリング押さえ エンブラ ステータコイル ボールベアリング Oリング 巻き締め部 シャフト 第17図 圧力タンク 6.2.7 リアクトル インバータが発生源の高調波電流は、同一電源系 冷却ファン ファンカバー 水切ゴム 統に接続されている他の機器に流入し悪影響を与え ホールIC基板 ることがあります。このため、リアクトルを挿入し て高調波を低減する対策を取っています。 ハウジング ※高調波に関しましてはJISにて規制されておりま 第16図 モータ す。2005年度より判定方法が改正されましたので、 リアクトルが必要になりました。 6.2.6 ステンレス製圧力タンク ステンレス製ドラム、FRPP製カガミ板および水封 部はEPゴム製のOリングから構成されており、巻き 締めにより組み付けしています。また、ポンプヘッ ド部やフランジを取り付けるトクボおよびトクナは TIG溶接 ※1を行なっており、すき間腐食対策も万全 です。 ※1 TIG:Tungsten Inert Gas シールドガスにイナートガス(アルゴンな どの不活性ガス)を使用する方式。電極に タングステンを用いた非溶極式の溶接。 22 V形シリーズ 6.2.8 操作コントローラ 操作性、見やすさの改善として、大型ボタンを採用した操作コントローラを新たに搭載し、 操作部、表示部を分割し、操作性の向上を図りました。 数字表示素子〈7セグLED〉 通常は吐き出し圧力を表示します。 例えば のときは170kPaです。 (ムダな電力を抑えるため、数字表示素子は10分後に 消灯します。詳細は、「表示について」(P46)を参照し てください。) ポンプに異常が生じると異常を表示し、内容に応じて ポンプを停止します。 リセットボタン 異常表示の解除などに 使用します。 運転 停止 自動 リセット kPa 圧力一定(S) 高い(H) 標準(U) 標準(L) 停止/自動ボタン ポンプ運転中に押すと を表示し、ポンプが停止します。 もう一度押すと、 →機種 コード(例: )→圧力表示 運転モード 運転圧力 (例: )を表示し、運転を 開始します。 運転モードボタン 運転圧力ボタン 運転モードを切替えるときに使用します。 詳細は、「10. 運転モードについて」を 参照してください。 運転圧力を切替えるときに使用します。 詳細は、「11. 運転圧力について」を参照 してください。 ※操作コントローラは、取り外すことができます、操作しにくいときは、取り外してご使用ください。 取り付け状態 取り外し方法 スライドさせる 23
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