平成26年度郡山市農業委員会活動計画(PDF:195KB)

平成26年度郡山市農業委員会活動計画
1 農政対策の推進
(1)原子力災害による本市農畜産物への放射性物質汚染による損失と風評被
害の拡大が今後も懸念される中で、東京電力及び国に対し迅速な損害賠償
と十分な補償を行うよう強く求めるとともに、関係機関との連携により農
地除染をはじめ風評被害を払拭する取り組みを支援する。
(2)各委員が毎月1回1農家以上を訪問し、農政情報の提供や相談活動等を
行う「新1・1・1運動」の展開により、安定的な農業経営の支援に努め
る。
(3)経営所得安定対策や米政策等の農業政策の見直しを見極め、適切な作物
生産を支援し、米及び畑作物生産者の経営安定を図る。
(4)平成 27 年度郡山市農林業施策に対し、市長へ建議するとともに、福島県
農林業予算に関する建議に対し、福島県農業会議へ提言する。
(5)地域に沿った有害鳥獣対策への取り組みをより一層強力に支援する。
(6)農政の転換期に対応するために、地域が抱える人と農地の問題の解決を
図る「人・農地プラン」の作成を、市及び関係機関と連携して積極的に推
進する。
(7)原発事故により広範囲に飛散した放射性物質により汚染された農地に対
する除染を、国及び関係機関と連携して、より効果的な方法で継続的に進
める。
(8)水害・豪雪等の自然災害時における助成、支援策の充実を図るよう関係
機関に働きかける。
2 農業生産基盤対策
(1)農業経営基盤強化のため、認定農業者等担い手への農地利用集積と農地
あっせんを推進するとともに、経営強化を図るための農業経営改善計画の
達成に向けた支援を行う。
(2)農地利用改善事業等を活用し、生産性の高い安定した農業を目指し、生
産の組織化と集落営農の推進に取り組む。
(3)優良農地の確保のため、農地の違反転用等の対策として、広報紙や農地
パトロールによる未然防止を図るとともに、違反転用に対しては関係機関
と連携し迅速な対応を図る。また農地の利用に関して発生した紛争に対し
て適切な解決を図る。
3 農業振興対策
(1)
「郡山市地域水田農業ビジョン」に基づき、米生産の低コスト化に取り組
むとともに、転作作物として生産性や収益性の高い作物の作付けを推進す
る。
(2)郡山産米「あさか舞」をはじめ、地域の生産環境に対応した適地適作の
推進、消費者ニーズに対応した新たな特産品や付加価値の高い農畜産物の
生産と加工・販売を一体化した6次産業化等の取り組みを推進し、消費拡
大を図るためのPRの強化を関係機関とともに取り組む。
(3)市民(消費者)に地元農産物のPRと食料の大切さを知ってもらうため、
郡山市民食糧問題懇話会が実施する農業生産団地研修会等の「食の啓発事
業」に積極的に参画し、その活動を支援する。
(4)食料品に対する放射能の検査体制も確立し、安全な農産物を消費者に提
供できるようになったため、PR活動等の取り組みを積極的に行い、県内
外へ郡山産品の消費拡大を図る。また、地元農産物の学校給食への導入を、
教育委員会及び保護者と協力しながら進める。
4 遊休農地対策
(1)原子力災害の発生により、中山間地域やほ場整備未実施等の条件不利地
域の農地については、大型農機具等による除染作業も不可能なことから、
今後ますます遊休化することが懸念されている。このことから、国と東京
電力に対しては、これらの農地についても生産基盤を再生し、遊休化の防
止を図ることができるよう、ほ場整備事業等の実施と併せた一体的な除染
対策について要請活動を行う。
(2)平成 21 年度耕作放棄地全体調査結果及び農地法の規定による農地利用状
況調査結果に基づき耕作再開や貸付等の指導あっせんを行うとともに、郡
山市復興基本方針に基づく東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所
事故による本市への避難農業者等に対する遊休農地のあっせんや就農支援
を積極的に行う。
(3)遊休農地の有効利用を図るため、農地中間管理機構をはじめ関係機関と
連携し、耕作再開に向けた栽培作目の選定や技術指導と農地再生のための
基盤整備を支援する。
5 地域農業活性化対策
(1)地域の農家組合等の会合において、地域における営農や生活環境等に関
する問題を話し合い、地域の活性化に向けた取り組みを推進する。
(2)農地・水・環境保全向上対策や農村生活環境整備を促進することにより
地域農業の活性化を図るとともに、中山間地域活性化のための日本型直接
支払制度の取り組みを推進する。
(3)都市と農村の交流事業や体験活動を通して、農業・農村の理解と認識を
深める取り組みを支援し、地域の活性化を図る。
6 農業就業支援対策
(1)農業経営に意欲のある後継者を確保するとともに他産業からの新規就農
希望者に対しては技術・資金・農地等に関する情報提供により支援する。
(2)経営感覚を持った担い手農家を育成するため、各種研修会や簿記講習会
等への参加を呼びかけることともに、各地区での組織化を図るための支援
に努める。
(3)農業後継者の配偶者確保については、結婚相談員及び結婚協力員との情
報交換を行い、「農業後継者縁結び事業」として、「独身男女の交流事業」
を開催するとともに、家族経営協定締結により就農環境の改善を図る。
7 環境保全対策
(1)環境保全型農業を推進するため、関係機関と連携し、堆厩肥・緑肥作物
の導入及び化学肥料や農薬の低減技術を取り入れた栽培方法を推進する。
(2)農業用資材の使用済みマルチ材の回収処理の徹底を図るため、農家に対
してその啓発を行う。
8 農業者年金対策
(1)全国統一の「加入者累計 13 万人に向けた前期3カ年運動」
(平成 25 年度
~平成 27 年度)に基づき、加入推進活動を積極的に行う。
(2)農業者年金への加入を促進するため、制度の長所をわかりやすく、農業
委員会だより等による情報提供や相談活動を行う。
9 農業団体との連携強化対策
東日本大震災と原発事故発生による農畜産物の出荷停止と風評被害、さら
に、国のTPP(環太平洋経済連携協定)をはじめとした貿易の自由化に対
する対応や、農地の除染を含めた農業再生に向けた政策等に対する対応等に
関し、農業会議やJA等の関係機関と連携し、各種の要請活動等に取り組む。
10 情報活動強化対策
(1)農業委員会の取り組みや農業の新しい政策・各種制度等、農業経営に役
立つ情報を的確に伝える「農業委員会だより」の充実を図る。
(2)農地流動化や作業受委託の参考となる農地賃借料及び農業労働賃金の情
報提供を行う。
(3)農業政策や国内の農業情勢を伝える「全国農業新聞」の購読拡大を積極
的に進める。
11 法令事務対策
(1)農地法に基づく許可事務については、許可基準等に基づき、厳正かつ公
正、公平な審議を行うとともに、透明性を確保するために審議結果の公表
を行う。
(2)許可事務の申請から許可までの流れや申請書の記入方法について、ホー
ムページ等に記載し周知を図るとともに、申請者に対しては、平易な資料
の提示と丁寧な説明に努める。
(3)農地法改正に応じた農地基本台帳の整備を図る。