冷間圧延における潤滑状態におよぼす後方張力の影響

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冷間圧延における潤滑状態におよぼす後方張力の影響
Effect of Back Tension on the Lubricating Condition in the
Cold Rolling of the Thin Sheet Metals
水野, 高爾; 六鹿, 寛
名古屋工業大學學報, 29: 227-236
1978-03-31
http://repo.lib.nitech.ac.jp/handle/123456789/1633
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名古屋工業大学学報
第29巻(1977)
227
冷間圧延における潤滑状態におよぼす後方張力の影響
野
水
高
爾・六
鹿
寛*
生産機械工学科
(1977年9月9日受理)
Effect
of Back
Tension
the
on
Thin
of the
Takaji
MIZUNO
DePartment
The
rolling
cases
oil quantity
parameter:
and
in the
Cold
Rolling
Metals
Yutaka
RoKUSHIKA
Engineering
1977)
the
on
are
on
a
investigated
laboratory
rolling conditions
tension
lowers
inlet pressure
meatls. Back
the
and
brightness of the rolled
roll bite, thus
stLrface
and in
decreased
by increaslng
back
in
tension. The
variation
sheet
the
coe氏cient
of friction are
dragged
in the interfaces
td-守(Uo+Ul)
Sheet
of Ihdustrial・Mechanical
(Received September
9.
mill
promotes
most
e庁ects of back tension
for three nonferrous
to enter
the lubricant
Condition
Lubricating
of
may
be estimated
by a
sheet
proposed
Uo peripheral
viscosity of lubricant,
speed
ql
back
tension.
of bite, 2kl
yield stress
and
not
only td but also reduction
and material
rolled.
rolls and
/ (α(2kl-01)) whereヮis
of roll, Ul entrance
SPeed
of sheet, a angle
Coe丘cient
on
depends
of friction, however,
Some
are
of the reasons
also sllggeSted.
である。
1.まえがき
ところで,実際の圧延作業では圧延荷重・圧延動力の
薄板の冷間圧延における材料の変形に関する力学は性
低減をはかるためにかなり高い前方あるいは後方張力が
ぼ完成の域にあるとみなされているが,実際に適用する
に当っては,圧延される材料の変形抵抗(降伏応力)
付加されているのに,張力が潤滑状態におよぼす影響を
明らかにした研究は見当らないo
の摩擦について正確な情報を必要とする.変形抵抗の温
.ミラメータtdによれ
(2kl:材料の二次元降伏応九
♂1:後
方張力)であるから,結局,
♂1はplを低下させ潤滑剤
度およびひずみ速度依存性
の界面への導入を促進して摩擦係数の低下に寄与するも
,
ロールと材料の接触の幾何学およびロールと材料の界面
および,接触圧力によるロ
は,
pl-2kl-♂1
ールの弾性変形を考慮した接触の幾何学についてはいく
のと予測される.
つかの公式が利用できるようになりつつあるが,摩擦に
ろいろなo1の下で圧延し,その結果が′(ラメ-タtdに
関してはいまだに定式化がなされるに至っていない。筆
よる予所IJとどの程度合致するかを調べることにした。
者1'
2klの異なる3種病の非鉄金属板をい
3)はかって,定性的ではあるが,界面に導入される
潤滑剤の量を評価できるパラメータとして
td-り町o+
2.臭験方法
ロ1)/(α・pl)を提案し,これによって,摩擦あるいは潤
2.1後方張力付加と先進率減定
滑状態におよぼす加工条件因子の影響を統一的に説明で
きることを明らかにした。すなわち,
td
の増大をもた
らす要因はおおむね摩擦の減少をもたらすのである。こ
こに?:潤滑剤の粘度,
速度, α:かみ込み角,
Uo:ロール周速,
Ul:材料入口
pl:入口圧力(材料の降伏圧力)
♯大学院学生,現在三菱重工業(樵)
直径100mm胴長130mmの軸受鋼(SUJ-2)製ロー
ルをもつ2段圧延扱が
0.21m/sの定速で使用された。
ロールの表面あらさは周方向0.2fLm
FLm
Rm&Ⅹ,軸方向
Rm.xである.
Fig・ 1は圧延装置で,試験片の後端にとりつけたコイ
0.4
Bulletin
228
of Nagoya
lnstitute
of Technology
γol. 29
(1977)
l r
Fig.
Rolling
I
apparatus
ルばねによって漸増する後方張力が付加され,対応する
ようにして測定した。軸AとBは下ロール軸から歯車列
圧延荷重・先進率の変化が連続減定された。先進率を求
によって駆動され
2の
めるために板の出口速度とロール周速との差をFig.
Aをネロ-ルと同じ角速度で,
Bはそ
の1.20倍の角速度で回転する.軸Aに軸受を介してとり
つけられた等速度端面カムと軸Bの押しつけロールはと
I
GearBShaftB
もに直径が100mmで,この間に圧延された板が届くと,
Fbshroll
ノ■■
,n,a/
「
-----」」---+
カムは板の出口速度U2を周速として回転するようになる。
L3JLD
Rolledspecimen
∫
u
ロ2は高々ロール周速ロ。の1.15倍であるから,押しつけ
Constantvelocityendcam
GearAShftT
とき,カムと従節(軸Aにとりつけた2枚の板ばね)は
\
rTIE」__
,nT蔓
板とロールの相対速度で作動するから,先進率
ー-+▲一ヽ
L1)Lil
■
LリJTTT
I
この
ロールは摩擦によって常に板に張りを与えているo
I.eafsrinSlipring
玩
∂-(ロ2
-Uo) /Uoは板ばねに貼られたひずみゲージが出力する変
位線図を微分することによって求められる。
Fig.
2 Continous
of forward
measurement
Fig.
3 An
example
Fig.
slip
of records
漸増する後方張力が⑧でかかり始め,
③で圧延機のスウ
ィッチが切られた。カム変位線図の①までの匂配は先進
率20%に相当し,校正値の役目を果す。
③以後後方張力
の増加につれて圧延荷重および先進率は減少し,
③では
は記録例である。
⑨で圧延が始まり,板の先
(ヽ■
≡
∈
端は①で先進測定棟構に届き先進が測定されはじめる。
3
80
喜
60
ニゴ=
EiZJ
■■
th
U1
4J
後者ほ若干負に転じている。
[∃
■一
の
2.2供試材料および潤滑剤
'て〉
供試材料は公称板厚0.3mmのアルミニウム(A
1050
亘
ラ-
P-0),鍋(TCuPl-1/4H)および黄銅(B8Pl-1/4H)であ
る。試験片の寸法は巾50mm長さ
さはいずれも0.3jLm
0
600mmで表面あら
Rm屯以下である.
と引輩試験によって求めた供試材の塑性曲線である。
0・2
0.1
Fig. 4ほ圧延
Reduction`
Fig.
4 Yield
stress
in plane
0・3
0・4
一
strain
0・5
r
名古屋工業大学学報 第29巻(1977)I
±2oC)における粘度
供託滑潤剤とその実験温度(22
はTable
Ⅰが測定された,ここでは光の入,反射角を4畠○とし標
準平面鏡における光の反射強度を基準値10とした。以下
lのようである。
Table
1 Lubricants
and
their
oil ♯60
Spindle
oil #150
J
44
oil ♯90
1
76
Turbine
oil #180
J
190
1
70
1
900
Rapeseed
3.圧延荷重および先進率
単位巾当りの圧延荷重P,先進率∂,圧下率rの後方
張力の増加に伴う変化を例示するとFig.5のようである。
Turbine
Castor
Ⅰを光沢とよぶことにする。
viscosities
Viscosity
(cSt)
at 22oC
Luricant
Spindle
229
oil
oil
∈
≡
1-Ffl
」
LrJ
2.3摩擦係数の推定
摩擦係数〃は圧延荷重あるいは先進率のいずれからも
0・40
t♪
Ul
q)
⊂
⊂
○
推定できる。しかし,圧延荷重からFLを求める場合には
0.44
l__L
_ユ亡
しJ
」=
0.48
・l一
十J
材料の圧延時の変形抵抗2kがひずみ速度および温度の
0.52
)く
山
__ ___ _■
影響を含めて精確に与えられていなければならないし,
又,ロールの弾性接触変形を考慮に入れて接触幾何(と
lQ
くに接触長さ)が正しく見積られなければならない。こ
ヽ
凸.
の2点についてはある程度の公式化がなされているとは
満
0
てJ
いえ,むしろ,この2つの田子の影響が〝の推定精度に
L.
r8
i
対して二次的でしかない先進率から〝を推定する方法に
」
丘
0.02
よった方がよいと思われる4)。
2
P
使用した圧延理論はBland-Fordの理論を5)修正して
Back
6
4
tension
J
8
CTl
10
12
kg/mm2
焼鈍材をこ高い後方張力が付加される場合にも適用できる
Fig.
ようにされたBland-Simsの理論6)である.これによれ
5 Changes
slip with
ば摩擦係数〃は次式で求められる。
1n[ (1+8) /((1+8)
ここに,
Uo
(ロ2一口o)/ロo:先進率,
:ロール周速,
r-(bl-b2)/bl
厚, h2:出口板厚,
二次元降伏応力,
exit thicknessand
back
tension.
forward
ぐ」
∈
巴E
ロ2 :板の出口速度,
:
ql:後方張九
圧下率,
⊃、ヽ
bl:入口板
tコ1
tJ)
tJ)エ
4)
ゝ_
2kn
R′はHitcbcock
:中立点における
式による接触面の曲
aQf
0
L
率半径で,
⊂
rd
4)
R′-R(1+」旦虹ゼL
7rE
で与えられる.ここに,
ポアソン比,
圧延荷重,
increasing
(1-r) -o1/2kn)]
JR7h-2・ (tan-IJr/ (1-巾-2tan-1J㌻)
♂-
in load,
二∑
・妄)
R:ロール半径,
E:ローールのヤング率,
y:ロールの
P:単位巾当りの
Lo
Ah-hl-h2:圧下量である.なお,接触孤投
影長さL′は
声一
L′- JR-rlh
(3)
Ul
てプ
で与えられる。
LII
r8
>
「■
2.4表面謝定
丘
圧延された板の表面は顕微鏡で観察され,触針式表面
あらさ測定器Taly
れた.さらに,
surf
lOはよって断面曲線が採取さ
NF粗度計によって表面の相対反射強度
Fig・
6
Drawing
Of the
iso-back・tension
lines
-ト■
U
⊃
'O
a)
〔こ
Bulletin
230
平均圧延圧力pm-P/L′
of Nagoya
Institute
of Technology
γol. 29
(1977)
0.1
0.2
と先進率∂を圧下率rに対し
Fig.
てプロットしなおせば,
6のように,
pm-r面およ
び∂-r面内に等後方濃力線を引くことができるo
Fig・ 7はTCuPl-1/4Hについてr-0.20,0.
■J
∈
≡
iZI
35,0. 50に
Spindle
oiL
8150
TurbJ'ne
oiI
#90
Rapeseed
oil
.3<D
∈
CL
0・、..
、.7t序L、ヽ
30
0.08
■■
■■-一-●
r=0.50
●●-一●-●●●●
r三0.35
0・06
・「=0.20
0.04
\
\
tQ
\
㌔
0.02
\
\、--ミ
0
0
・
G.Zl
ド.}:...ヾ
\ーl
0
0.I
0.2
0.3
ul
Fig・
7
Variation
slip with
of
back
0.4
0.5
Fig.
0.6
roll pressure
and forward
tensionand
lubricant
(TCuPl
♯150
:モ]
×
:
0
:・Spindle
Spindle
oiL
♯60
oil井150
∈
∈
Fg
8を示しているが,似た粘
♯90より
∂を示している。同様な変化をBBPl-
1/4Hについて示すとFig.
油♯150
(13sPト
∈
(44cSt)はタービン油
度の植物油・なたね油(70cSt)はタービン油
もかなり低いpmと
ward
or
i
-1/4H)
(76 cSt)より高いp.nと
8 -v-ariation of mean
roll pressure
and
back
tension and lubricant
slip with
/2kl・
おける♂1によるpmおよび∂の変化を示したものである。
♯90
0.5
u4Il)
mean
粘度の低いスピンドル油
0.4.
ul/2kl
ヽ
ヽゝ、
-0.02
0.3
8のようである。スピンドル
(44cSt)とタービン油♯180(190
cSt)との粘度
のちがいがpmおよび∂にさしたる差をもたらしていな
いこと,および,鉱物油と植物油のちがいがTCuPト1/4
tQ
Hにおけるよりも拡大されていることが注目されるo
1050
P-0ではFig・9のようで,
A
o1によるpznと8の減
少がTCuPl-1/4HやB8Pll/4Hにおけるよりも少ない
0
ようである。
o1によってもたらされる
0ム
0.6
0.8
1.0
g./ 2kl
pnの減少Apmは圧下率r
や摩擦係数FLに依存するが,理論的にほTable
0.2
Fig.
2に示
9 Variation
pressure
of meanroll
and forwal・d
$lip with back tension and lubricant (AIO50Ⅰし0)
Table
Calculated
2
in
values of the ratio of the reduction
Apn
to
the
applied
roll pressure
ol,
tension
Ap.A/ol at Ol-0. 1p.no. (Bland-
Ford's
was
theory
R′-75mm.
p.no
at
*:6くO
applied
the
for
means
\「
℃-\
l
o. 35
l
o. 50
0. 822
0.837
1
0.945
I
0.921
1
1.20
o.o5
L
o.807
1
0.826
o.o8
1
0.821
1
1.01
1
o. 12
1. 01
1. 45
】
)ー一子TTo7--i
ニニp^-\_
:
・・-・・・:
0. 1
Experimental
Coe缶cient
10
of Apm/olat
i
1 p血o
01-0.
6「
O・04e(
:
3のようでかな
(TCuPl-1/4H)
0
:
Spindle
oil
○
:
Turbine
oil
◎
:
Rapeseed
n150
H180
oil
'・ニ=
:8・'/・ =e===・===a・===-・・.tq・-I::_・
I
・o...
*
1 1.05
1 0.35t
oil #60
I.20
AIO50P-o
H
0.6
r=0.35
0.20
TCnPト1/4
0.35
'0.5
Lubricant
Spindle
o.50
r=
0.4
*:8<0
1pmo
r:
/2kl
of friction
Reduction
Material
0.3
o1.
0.0
Ap.Jqlの実験値はol-0.
values
0・2
(後述)に対
(pmo:61-0のときのp.A)の時Table
3
oiし
-謹繁簿ヰデーーー晋曾・-・-・・賢一一●
しては∠pm/¢1はかなり狭い範囲0.85-1.20を変化す
Table
Rapeseed
o・o4&:
Fig.
るにすぎない。しかるに,
:
1. 89
1
すように,本実験におけるFL-0.03-0.08
oil丑90
◎
lX---
1
0. 03
o. 20
Turbine
o.o6干ー
O-・
I
oil m5O
:
--恥、cL--cー
roll pressure
♂1-0.)
FL
spindle
o
iZg
hl-0.3mm
mean
o:
0.。8L
mean
back
231
第29巻(1977)
名古屋工業大学学報
Spindle
oil
Spindle
oil ♯150
Turbine
oil
♯150
♯90
0.50
r=0・20
J I.85
1 1.15
1 1.70
12.55
f 0.85*[ 1.60
12.70
1 0.90*1 1.40
I 2.60
0・2
0・3
G.
o・io.95 l1.10
f 1.0
0・ 1
0
Coe&cient
ll
Fig.
:
X
o.・
0・4・
0.5
0.6
/2kl
of friction
(BsPl-1/4H)
Spindle
oil
#60
spind(e
oiL
tt150
0.06
・・一
Rapeseed
oil
_..-×・一`
G!
0.04
_..._メ-
_×--一×
・1軒二聖≡蓋≡㌢
よ=ニ軒三芳デ:
)
○・
BsPト1/4B
*.'石<0
*
indicates
り大きいo
that
a
became
negative.
0
とくに, TCuPト1/4HとBBPl-1/4Hの高圧下
0・2
0.4.
率においてApm/qlフらミ大きいことは,高圧下率における
r=0・50
:
r=0・35
:
0・6
「=0・20
0・8
1・O
c./2k.
Fig.
ほど元来jLが大であり,それがql付加によって低下さ
れたことを示唆するものである。
;
Table
12
Coe缶cient
of friction
(AIO50-0)
3のような材料差などをもたらしたものと結論さ
れる。
ただし, ♂1の増大につれて∂が負となり,しかも,ス
4.摩擦および表面
4.1摩擦係数
Fig.
10.
キッディソグを起すことなく安定な加工が維持された場
ll.
12は∂から式(1)によって計算された〃
合には,
8が負に転じてからはFLはo11にともに増大す
を示す。どの材料においてもr大なるほど〃大である。
る。この結果は力の釣合いからも当然であるが,その理
TCuPl-1/4H・r-o.5ではo1が明らかに
由甘こについては後述する。
ている(Fig.
FLを低下させ
10). B8Pl-1/4Hにおけるpの変化(Fig・
ll)は同じrのTCuPl-1/4Hと似ている.一方,
P-0(Fig.
12)では¢1はかえって
ようであるo
AIO50
〟を若干増大させる
このようなFLの付随的変化がAp.Jqlに
4.2表面状態
入口圧力plは,
¢1を付加すれば,降伏応力2klから
(2kl-61)に低下されるから,
って算定される。
′ミラメータtdは次式によ
Btluetin
Nagoya
of
ln弓titute of Technology
7? (帆+Ul)
Vol.
29
(1977)
板の表面横増大分だけ油膜がうすくfJ:るものとすると,
(4)
出口油膜厚さはt。(1-I)iこ比例することになる。
入口速鼠
Uユ:板の
Uo:.=-ル周速,
ここに,り:潤滑剤の精度,
(a)
(
b
cT.=O
r=0.22
1d(l-ド)=3・2¥10ー3[Lm
.
8=
O・0412
.
13
Surface
(
Ⅰ=5・4L
1d(1-r)-p3・7xlOー'Lln
Flg・
(⊂)
Gl二0
r=0.29
1d(l-r)=2・如10T3叫¶
l=6・l
I
) cl々k.:0・35-r=O・26.
texture
d
.
6=0,O12
,
the
rolled
sheets
(e)G11=0
-=6・ん
I;・4・3
td(1-r)=1・2xlO
(TCuPl-1/4H・T11rt血e
Turbine○iL
0.4
\.0.5
0,5
6=0・Oia
.
I
=71う
・
6三O1001
3[L'm
】=7・3
.
oil #90)
囲iこはo1/2kl,
沢rも記入されているo
I
r=O146
td(トr)=7・3×1O13Llm
油♯90について示すo
5P\TdleO
.
・クーピソ
( I ) cT./2k.=Ot35.r=0・58.
S三0
td(ト「)=2.6x10ー'Llm.
Of
TCuPl11/4H
13は素面状懲の変化を
) cr,/2k.:0・23.r=0・33.
、∼Q1
4)
Fig・
LLJ.口側では
i:0.0()7
,
期待される。
ロールと
α-J肝:かみ込み角であるb
板の界面に導入される油量がtdに比例し,
t。(1-
r)は圧延された板の衷面状態と密凄な関係をもつものと
8,td(1-r),光
r,
rとともにαが増大するため,
td(1-r)は原著に減少し,表面は光沢を増しているo一
方, qlは本実験ではtd
とrの両方を増加させるため,
∪
I
\
(a) (b), (c) (d), (e) (f) の共々において素面状態に大き
\
可
I;..:.
*
な変化は認められないo
...I:`
*
13
Fig,
td(1-r)軒こは大きな変化を生ぜず,従って又,
⊂:
しかし,裏面あらさRzq&I
(基
準長さ0.8mmにおける最大高さ)と光沢Ⅰで定量する
0
邑o.
astor
【コ
8
i,-
p萱
∝
tZ?
O.14
玉
音
i
l可
≡
o
o.1
012
0.3
Rm&.は減少に転じⅠは増大-転ずる。
これは∂が負となりロールと板の相対すべり(パニシ
i∩e習
・pqg
∂が当初カlら見でその絶対値がqIとともに増大するため,
∩
0
R,a.xは増大しⅠは減少
作用)が増大するためである.粘度の高いひまし抽では,
spidEBoLL芯諾
15Z
clの増加につれて
o1をさらに増すと,
l
・-'irb*Tu'
O・ 2
0.4
015
0・6
R.nxは減少しlは増大する。
6<oの状態で安定な加工
が持続しえたのもバニシ作用によって
R℡du⊂tion
Fig.
14
Brightness
and
1/4H).
The丘gures
mental
FLの増大がもた
r
roughtleSS (TCtlPl-
surface
poidts皿ean
TCuPl-1/4モIQこつい
Iこ示すo まずタービン由♯90書こつ
するo qlが潤滑剤の界面への導入を促進L,それだけ材
I-_..曲
ll+
0.
∈
14
範..,+o..ど-㌔ 料面の変形に伴う租化が許容されるからである。しかし,
o・ 4
J=
ての結果をFig.
辛
?*
o. 6
.15∼_ 0.50)
いてみると,
■ヽヽ
′
と, ql中こよる変化が明らかとなる。
oil
EEEl
marked
61/2kl.
on
the
experi・
らされえたためと考えられるo
Fig.
15
}こB,Pl-1/4Hの結果を示す.
より高いpmを要するので,ひまし油でも
TCuPl-1/4H
8は部分的
第29巻(1977)
名言星工業大学学報
に正であり,
o1の増加(界面への導入油量の増加)計こ
伴う R.m.の増大とlの減少が明らかである.
廿ち0」
8
Fig.
・..-.'...壁..I_
6
・
0.4
1uTt)
16はAIO50P-0の結果であるo
この材料ではql
/2klによる∂の減少率が小さく
∂負でもスキッデイン
クを起さないため他の材料よりも大きな
qJ
qJ
ql/2klを加え
0.i
4
5
0.3
_⊂
o二5
\
2
.if.io
o.21
モ:
辛
0.3
O・
L′
Tu
bineoil‡180
0.
○
l
書
LSZ≡聖
Spin
d)
0
0.2
0.1
Red
Fig.
Brightness
15
喜
.J=
.望l
.仁:
∈
0・3
0,4
王
,
F王g.
r=O・29.
17
Surface
,
i
I
texture
of the
6・Ox10
rolled
sheets
JlによるⅠの変化は他の材料より
17は表面写真の例
この場合t丘(1-r)はqユによって4.4×10
から12,5×10
†d(I-r)=
Rp且、の増大がよ
Fig.
3FEm
3pmへと増大L,事実,断面曲線ほ導入
された油量がo1とともに顕著Fこ増大したことを示して
いる。しかるに,
16 Brightness
6=0
c./2kl=0・30.r=O,30-
5・0
dRznLl/a(dl/2kl)は必ずしも他の材
もむしろ小さいといってよい。
であるo
(b)
5亡0・005
ることができたoそのためqlによる
り明瞭に見られるが,
0,2
0.3
ion
0. 4
0. 5
0.6
r
.
(BsPlFig.
c7.=0
0.1
Reduct
rotlghness
surface
td(l-')=4・4xlO-3iim
料より大きくないo
0
r
uction
and
.∈
rtI
O・6
O15
l/4H)
(a)
0
【【:
l
≡
0
>-:..75
Sp7ndleo
∩
A--Ad.4
(eol.lQ1.5o
.6I.7
≡
ユ
ii]
0.5
.1=
0・
○
■⊂
l:q
..タ
王.
∈
*0
i;o1 4
E)
o.
1ど
x--ぷ柊一-I-
ヽ7
ヽヽ
㊨
辛
′
′
亡
oー2ト
+rJ/
請
⊂
o(oil
*Cas
e:5.⊥
-.∼
・\
0
邑。.
x..,I
SpindLeo了LE60/
.2
㍗--*-
∝
■■■■】
8
\
「・±
Ⅰの減少は小さt,7のである,
4.3考察
後方衷力の影響を議論する前に車力のない場合iこつい
コ[Lm
・
(⊂)
I=5・l
and
snfface
GT./2kl-OL73.r=0・33.古=D
id(llr)=T2・5xlO
(AIO50P-0・Spindle
(AIO50P-0)
rollghness
3[Lm
-
i
=
4・Cr
♯150)
oil
て考察する。
Fig.
18はⅠをt.
で材料によらずI
(1-r)をこ対してプロットLたもの
i王t。
(1-r)に第一義的に依存するこ
とがわかる。ただ,植物油ほ鉱油より若干低いlを示し,
導入されやすいようであるo
Fig.
19は接触弧上の平均油膜厚さに比例すると考えら
れる,1ラメータ
したものであるc
t。
(1-2r/3)に対して
ここでは,
FL
をプロット
I,の材料・潤滑剤依存性が
認められる.たとえばスピンドル油#150についてみる
と,
TCuPト1/4HとB.Pill/4Hほ秩似のp-td(1-2r/3)
Bulletin
234
of Nagoya
of Technology
Institute
29
Vol・
関係を示しているが,
(
q,=o.
r=o・10-0・ん8
8
6
4
⊥:
2
----
BsPl
-1/4日
:TCuPl
-1/4H
:
..__・-
8≧0
.
は同じtd(1-2r/3)千
AIO50P-0のこの挙動は一
も前二者よりも高い〃を示す。
括晶粒が大きくて表面があれやすい♯ために平均油膜厚
:
Spindle
oiL
エ60
o
:
Spindle
oiHl150
a
:
Turbine
oit 丈90
凝着しやすい性質のために境界摩擦係数が大きくなりや
o
:
Turbine
oil t[180
すいことによると思われる。
◎
:
Rapeseed
oil
◎
:
Castor
さが同じでも板とロールの接触率が高くなることおよび
潤滑剤に関しては,
oil
td
(1-2r/3)が同じでもなたね油
は鉱油よりも低い〃を示す。これは従来植物油の境界潤
Fig・ 18で植物油が
滑性能の良さに倍せられているが,
A1050P10
1
AIO50P-0
×
鉱油よりも低いⅠ'を示したことからも示唆されるように,
0
0.6
)
(1977)
4
・2
td(1
4・0
60
6
10
20
-r
)
×10-3[lm
td
(llr).(Without
t。が同じでも植物油は鉱油よりもロール間隙へひき込ま
100
れやすく,それだけ板とロールの接解率が低下すること
もー田である3)7)。
Fig.
Brightness
18
versus
back
Fig.
tension)
'( q.:o.
〃を示すことがわかる。これは以前2)8'にも指摘された
(1-2r/3)では高粘度
ことであるが,その理由は同じt。
r王0・20.0・35.0・50
.
)
・6≧0
油捻ど圧下率rが大であることに求められそうである。
すなわち,
r大なるほど変形中の材料面の粗化が著しい、
から, Fig. 20に模型的に示すように,平均油膜厚さが・
・........;A1050P_0---:TCuPト1/1H.-:BsP1-1/&H
E0.08
×:Spindleoil860
Q
o:SpindLeoiL8150
ヽ
ヽ
ヽ
0.06
同じでも接触率が高くなること,および,
○:Turbi∩e○il∬90
′■
ii
\\
i
∴\、
膜が損耗しやすいことによる。
◎:Rapeseedoil
喝\登■軒.i.Qi
○:Castoroil
...-
■一●■●■
0・02
o
Lubricant
ド
■■
、訂◎
o・6
1
2
4
6
10
20
40
(a) small
td・'(ト毒r)xlO-3叩
Fig.
r大なるほど
板とロール間の圧力と相対すべりが大きいから境界潤滑
0:TurbineoiL#180
..\
0.04
19で鉱油同志を比較すると,粘度が高い捻ど高い
19 Coe&cient
(Without
of friction
back tension)
Fig.
td(1-2r/3)
versus
(b)
reduction
(sznall
contact
reduction
(Large
Effect
20
Large
ratio)'
ratio)I
lubricating
the
on
of reduction
ditionfor
the same
contact
IFIJ
◎:Rapeseedoi1
×‥spindLre.il∬6T6W
令.'Castoroil
・o.'SpindleoiL‡150○:Tl
l⊇室⊆⊇⊆!
∴読
∴】
●●:I.:;o二
×I
TT/
甘.
I
頭
鼻
3
5
7
10
2
3
td(1-r)
*
21
Brightness
versus
td
5
7
10
10
(1-r)
3
21
3
4.
5
7
10
20
(With back
[Lm
tension)
o.2の単軸引張りひずみによって表面あらさRzn&xはTCuPl-1/4HとBsPl-1/4Hでは2・5FLmに,
では3.7FLmに増大した。
‰
A10 50 P_0
1tl
Fig.
×ー
I1
I
●
2
rl
∩
¶:uP1_V4日
con-・
oil-film thicknessl
mean
AIO50P-0
Fig・ 21はo1によ
次に,後方衷力の効果を考察する.
の変化は小さい.
td(1
Fig.
22
Coe氏cient
of friction
1号r)
versus
AIO50P-0では破線は実線から離れ,
♂1
23に例示するように
o1増加に伴う∂の減少がFig・
u
を示す。その特徴を似かよった変形抵抗をもつ既報3'7'
の軟鋼板と比べると,鉱油の粘度によってもたらされる
∫L'」処世.dx
(5)
U
:接触弧上の位置Ⅹにおける板の速度,である。
論
5.結
〃のr
〝の差がわずかであるという点では似ているが・
依存性が顕著であるという点で異なる。
S=
o
BsPト1/4Hはここでも両者の中間的挙動
増大している。
tension)
る。ここで,
はかえって若干
(1-2r/3)は増大するのにFL
よってtd
(With back
(卜2r/3)
板のロールに対する相対すべりsを増大させることであ
加した場合)と実線(無張力時)とがほぼ一致している。
これに対して,
td
10-3[lm
に,
TCuPト1/4Hでは破線(後方張力を付
みたものである。
(卜2r/3)の変化との対応を
Fig. 22はfLの変化とtd
AIO50P-0で
か、のにⅠは顕著に減少しているo道に,
o1とともに顕著に増大しているのにⅠ
td (1-r)
B8Pl-1/4Hは両者の中間で,
の増加に相応したⅠの減少が認められる。
(トr)の変化は少
TCuPト1/4Hではo1によるtd
る.
(1-r)は
はtd
(1-r)の変化との対応をみたものであ
るⅠの変化とt。
235
第29巻(1977)
名石星工業大学学報
式(4)で定義される
後方張力は入口圧力を低下させ,
パラメータtdから予測されるとおり,ロール間隙への
上述のAIO50P-0の結果については次の3つの理由が
潤滑剤の侵入を助長する。その結果,多くの場合摩擦係
考えられる。第1は,
。1増大に伴うⅠの減少がわずかで
数は減少し,圧延された板の光沢も減少する。しかしな
あったことから示唆されるように,ロール間隙へ導入さ
がら,この傾向は材質によっても影響され,
れる油量の増加が接触率の減少に有効に寄与していない
測と比べると,
ことである。第2は,接触部の摩擦せん断応力を一定と
擦係数〃の減少は相応である。
すると9), o1によるロール面圧の減少がFLを増大させる
14で述べたよう
可能性をもつことである。第3はFig・
I
BsPl-1/4Hは両者の中
Ⅰの減少は相応であるが〃の減少は少ない。従っ
て又,平均圧延圧力の減少率は圧下率や潤滑剤だけでな
く材質によって異なり,
r=0.35
何
AIO50P-0・ではⅠの減少
が少なくFLはかえって増大する.
間で,
tdによる予
TCuPト1/4Hは光沢Ⅰの減少が著しく摩
TCuPl-1/4Hで大,
AIO50P-0
で小, B8Pト1/4Hで中位であった.
=17.7
以上,後方張力付加に伴う圧延荷重・圧延動力・先進
率(材料速度)などの変化は〃一定を仮定した圧延理論
a
tn
では必ずしも正確に予測できないことを指摘するととも
4J
>
に,後方張力による〃の変化が提案されたパラメータと
-ナ・一
rt)
材質に依存する様子を明らか紅した。
a
∩
-0・08
Fig.
23
-0・04
Relative
slip
∩
0
0.04
Forward
slip
slip of
strip
∩
0.08
0・12
0・16
文
∂
献
一
to
roll
versus
forward
1)水野:塑性と加工,
7-66
(1966), 383.
2)水野・松原・木村:日本校械学会誌,
71-595
(196
236
Bulletin
of Nagoya
lnstitute
8), 1037.
6)
3)水野:塑性と加工,
4)水野:同上,
5)
Ford,
16-171
10-102
(1951), 57.
(1975), 337.
Bland,
D.R.:J.
Bland,
Eng.,
(1969), 521.
H., Ellis, F. and
lnst・, 168
of Technology
γol. 29
D.良. and
167
(1977)
Sins,
Steel
8)水野:同上,
Proc.
Instn.
(1953), 371.
7)水野・原:塑性と加工,
Iron
R.B.:
7-68
9)春日:例えば,潤軌16-10
16-168
(1975), 37.
(1966),447.
(1971), 748.
Mech