旅行業特有の業務内容に対応可能な SFA/CRMパッケージ - 大塚商会

株式会社小田急トラベル
旅行業特有の業務内容に対応可能な
SFA/CRMパッケージで営業力をアップ
モバイル活用でリアルタイムの状況把握を実現
導入の狙い
売上目標に対する達成状況や各案件
の進捗状況の把握
営業日報などの共有化による営業全
体のスキルアップ
導入システム
SFA/CRMパッケージ
『戦略箱ADVANCED』
オーダーメイドシステム
『ロマンスカーWeb予約システム』
『提携旅行社管理システム』
導入効果
各自の目標の達成状況や商談進捗状
況の可視化
旅行業特有の業務に対応し、事務効
率をアップ
スマートデバイスによる外出先から
の情報伝達を実現
商談履歴などのリアルタイムの共有
による営業力の強化
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
株式会社小田急トラベル
●業種:旅行業
●事業内容:国内/海外の募集型企画旅行、オー
ダーメイドの受注型団体企画旅行、国内宿泊
クーポンの販売および他社への委託販売、交通
機関の乗車券や宿泊券の発売など旅行業全般
●従業員数:303名
(2013年4月現在)
営業を結果だけでなく経過を含め管理できる態勢
を整えた株式会社小田急トラベル
2013年10月取材
グループ会社との連携を生かしながら工夫を凝らした企画を次々に立案し、団体・個人を問わず多くの旅行者を楽しませる
株式会社小田急トラベルは、箱根関連の旅行商品で豊富な品ぞろえを誇り、多くの
リピーターに支持されている旅行会社だ。今回、団体旅行を手がける外販営業部
の業務上の課題を解消し、さらに営業力のよりいっそうの強化を図るため、SFA/
CRMパッケージ『戦略箱ADVANCED』
を導入。SaaS版にも関わらず、カスタマ
イズによって旅行業界特有の業務に柔軟に対応し、スマートフォンによる外出先か
らの利用や商談履歴の共有化などを実現。今や同社の売上アップに貢献する必須
の営業支援ツールになっている。
箱根関連の旅行商品が強み
地域密着型の団体旅行も好評
部門を担っているのが、株式会社小田
急トラベルだ。1976年の創立以来、
顧客のニーズに応えるべく、高品質で
日本最大のターミナル駅である新
値頃感のある旅行商品を数多く提供
宿駅を起点に小田原や片瀬江ノ島な
している。
どへの鉄道ネットワークを展開する小
とりわけ、グループ会社の小田急電
田急電鉄株式会社を中心とし、運輸、
鉄や箱根登山鉄道を使って都心部か
流通、不動産、サービスなど生活に密
ら気軽にアクセスできる箱根の旅行
着したさまざまな事業を展開する98
商品は、他社の追従を許さない豊富
社からなる小田急グループ。その旅行
な品ぞろえを誇る。価格も手頃なこと
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株式会社小田急トラベル
から、集客実績でトップシェアを誇る。
そのため、競合他社との価格競争に巻
特に小田急電鉄のロマンスカーの
き込まれやすい。
乗車券と箱根の宿泊施設をセットした
そこで同社は、箱根の旅行商品な
旅行商品は人気が高い。また、車で向
ど自社の強みを最大限に生かしなが
かう旅行者も多いため、マイカープラ
ら、ほかの旅行社との提携販売やイン
ンも用意している。2013年3月には
ターネット販売も行っている。
箱根の旅行商品を専門に扱う
「はこね
その業務基盤として、大塚商会に
旅市場」もオープンさせるなど、さま
オーダーメイド型でロマンスカーの予
ざまな切り口から箱根を楽しむための
約システムと連動した箱根・伊豆宿泊
魅力的なサポートを行い、売り上げを
予約サイトの構築を依頼し、IT化を積
伸ばし続けている。
極的に推し進めた。
一方、海外旅行では、台湾やマレー
さらに今回、SFA(営業支援システ
シア、スイスの鉄道を巡る旅など、鉄
ム)を新たに導入し、団体旅行におけ
道を組み合わせた企画商品に力を入
る業務上の課題を解消しながら、営業
れることで他社との差別化を図り、人
力の強化を図る取り組みを開始した。
取締役 総務部長 岡本 裕之氏
「大塚商会さんはマルチベンダーとして、当
社の実情や条件にマッチした最適な提案を
してくれるコーディネート力があります。時間
や費用などを含めたプロジェクト管理も確
実に行ってくれるので、スムーズにシステム
化を図ることができました」
気が集まっている。
また、団体旅行にも注力。東京外販
奈川外販営業部が主に小田急沿線の
営業活動の進捗状況の管理や
収益率の効率的な把握が課題
団体旅行を取り扱う。このうち、神奈
毎月の営業の目標管理について、
川外販営業部は、町田販売センターを
同社の外販営業部では、各営業所や
中心にエリア別の営業活動を展開して
販売センター、各営業担当者がどの
いる。
種別の旅行商品をどれだけ販売する
特にオーダーメイド型の小規模な団
のか予算目標を掲げ、その達成率を
体旅行の件数が多い。全体の4割を占
Excelで集計していた。また、各営業
める学校関係の旅行のほかに、自治会
担当者がExcelのワークシートに毎月
や老人会といった小規模なものから
の実績数字と見込み数字を記入し、そ
企業研修のような大規模な団体旅行
のワークシートを使って日報を入力で
まで手がけている。
きる仕組みを整えていた。
家族旅行など個人単位の相談にも
しかし、この運用では集計結果の報
細やかに応じており、地域に根付いて
告にしか利用できず、各営業担当者の
いる点が大きな特長だ。その分手間は
目標に対する達成状況や各案件の進捗
かかるが、チケットの手配などはバック
状況を把握することが困難だった。その
ヤードのサポートメンバーが行うこと
うえ、それぞれの情報はExcelで個別
で効率化を図っている。
に管理されていたので、社内でリアル
こうした独自の企画力や細やかな対
タイムに共有することができなかった。
応が好評を受け、同社の事業は好調
「お客様の情報も、各営業担当者が
だ。しかし、旅行業界自体は為替や景
個別に管理している状態でした。また、
気の変動に大きく左右され、現在も企
それぞれの担当者が過去にどんな案件
業の団体旅行は年々縮小傾向にある。
を担当したのか調べるのにたいへん手
営業部が都心の団体旅行を担当し、神
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神奈川外販営業部
町田販売センター 所長 岩下 直樹氏
「メーカーさんや大塚商会さんは、毎回打
ち合わせに参加してくれたので、距離を感
じずにプロジェクトを進めることができまし
た。今回の導入をきっかけに、
『 戦略箱
ADVANCED』
がさらに進化して、旅行業
によりフィットするものになるといいですね」
顧客の旅行に添乗することもあるなど、営業担当者は非
常に多忙。
『戦略箱ADVANCED』
の導入で、状況の把
握がスムーズになったことは大きな収穫だ
間がかかっていました。そのため、エリ
ンターフェースの分かりやすさだった。
アの担当者が交代するときに、スムーズ
「 S F A は 日 常 的 に 使うも の な の
に引き継ぎができないという問題も抱
で、シンプルで分かりやすいものが
えていました」
と取締役 総務部長の岡
一番だと思います。その点、
『戦略箱
本 裕之氏は、当時の課題を振り返る。
ADVANCED』はポータル画面が非
さらに、旅行商品の正確な収益率を
常に見やすいですね。さらに利用しや
効率的に把握する仕組みを構築する
すいように画面構成を入れ替えたり、
ことも重要な課題の一つだった。例え
部署ごとに抽出する情報を変更したり
ば、同じ価格の旅行商品でも、飛行機
といったアレンジがしやすいことが大
を利用するプランと新幹線を利用する
きな魅力でした」と神奈川外販営業部
プランでは収益率が異なるほか、依頼
町田販売センター 所長の岩下 直樹
種別(受注型企画旅行や募集型企画
氏は語る。
旅行、航空券の手配など)によって手
インター ネットを介して利 用 する
数料の比率が異なるのだ。
SaaS版での運用にしたため、社内に
また、団体旅行の大型案件では、複
サーバを設置する必要がない。それに
数の営業担当者が一つのチームとし
も関わらず自社の運用に合わせたカ
て携わることがよくあるが、その際、
スタマイズが可能で、旅行業界特有の
各担当者に実績を振り分ける作業に
情報管理に柔軟に対応できる点も大
多くの時間を要していた。
きな選定理由だった。
同システムを利用することで、これ
旅行業界特有の業務に対応でき
情報が見やすいシステムを選定
まで抱えていたさまざまな課題が解
消。例えば、各案件の見込み収益額を
自動的に計算してデータを集計するこ
2011年、同社は外販営業部にお
とが可能になった。また、一つの案件
けるこうしたさまざまな課題を解消す
に複数の営業担当者が携わる場合に
るために、SFAの導入を検討。数社の
は、担当者およびサブ担当者に、それ
システムベンダーに提案を依頼し、比
ぞれ売り上げの何%を割り振るかとい
較検討を行った。
う実績の案分も行える。さらに、顧客
ところが、このときはいずれのシス
と契約を交わした受注日と、実際に旅
テムも旅行業界特有の情報管理にう
行に出かけて売り上げを計上した日の
まくフィットできず、実際に導入するま
両方を同時に管理することも可能だ。
でには至らなかった。
これで長年の課題だった手間のかか
その後、2012年12月に改めて別
る事務処理が簡素化された。
のシステムベンダー数社に提案を依
さらにP Cだけでなく、スマートデ
頼。その結果、大塚商会から提案を受
バ イ スを 使って 営 業 日 報 の 入 力 や
けたSFA/CRMパッケージ『戦略箱
ス ケ ジュー ル の 確 認 、顧 客 情 報 の
ADVANCED』の採用を決定した。
閲 覧 などが 行 えることも 、
『戦略箱
選定の決め手になったのは、一つの
ADVANCED』を採用した理由の一
画面上でどこに必要な情報があるのか
つ。営業担当者は、顧客との打ち合わ
一目で直感的に把握できる、ユーザイ
せなどで外出する機会が多く、担当顧
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株式会社小田急トラベル
客の旅行に添乗するケースもある。そ
などを行う取り組みも始まっている。
のため、外注先や出張先から営業日報
海外から社内のサーバにアクセスする
などを入力できる環境を整えることは
と情報漏えいなどのリスクが付きまと
必須条件だった。
うが、
『戦略箱ADVANCED』のSaaS
版を利用することで、そうしたセキュリ
外出先や出張先での利用や
情報共有の推進で営業力を強化
ティ面の不安を心配することなくシス
テムを利用できるようになった。
また、かつてのExcelによる営業日
新たに『 戦略箱A D V A N C E D 』を
報は、結果報告の枠を出なかった。し
導入するにあたり、同社ではまず、大
かし現在は、リアルタイムでの状況把
塚商会が同社の業務内容に基づいた
握が可能になっている。
Fit & Gap分析を行い、打ち合わせ
「売上目標に対して現時点でどの程
を重ねながらカスタマイズなどのシス
度達成しているのか、グラフ化して一
テム構築作業を進めていった。そして
目で確認できるので、営業担当者は今
2013年7月に社内で操作説明会を
後の行動計画を立てやすくなります。
実施し、同年8月から本格的な運用を
上司は、部下が目標を達成するために
スタートさせた。
どう行動すべきか助言しやすくなりま
「まずは第一段階として、営業日報
した」
と岡本氏はそのメリットを語る。
を入力することを徹底しています。導
さらに、顧客情報や商談情報などが
入当初は違和感を覚えるスタッフもい
一元化され、営業担当者間で共有でき
ましたが、すでに営業会議では
“戦略
るようになったことも大きい。これによ
箱”
という言葉が飛び交うようになって
り、営業担当者の引き継ぎもスムーズ
おり、新システムは着実に浸透しつつ
に行えるようになった。
あります」
と岩下氏は語る。
「今後、データが蓄積されてくれば、
拠点によって営業担当者が使ってい
ほかの営業担当者が目標に向かって
る用語が微妙に異なるため、今回の導
どのような行動をしているのか分かる
入を機に社内での用語を統一し、営業
ようになるので、自身の営業活動の参
日報の社内での標準化も進めている
考になりますし、良い刺激になると思
という。
います。それによって、社員一人一人
本格的な活用はこれからだが、すで
のスキルがアップすれば、全体の営業
に多くの導入効果が現れている。そ
力の底上げにつながります」と岡本氏
の一つが、商談の進捗報告がスマート
は今後の情報活用に期待を寄せる。
フォンを使っていつでも行えるように
同社では、特に情報を活用する第
なったことだ。報告だけにとどまらず、
二段階へステップアップする来年度が
それに対する上司のコメントのやり取
勝負だと考えている。各営業担当者
りもリアルタイムに行える。特に秋の
が活動状況を報告し、それに対して上
繁忙期は、出張が数日間続いて会社に
司がコメントで適切なアドバイスをす
なかなか戻れないことがあるため、大
る―。その繰り返しが定着すること
いに役立っているという。
で営業マインドを高め、収益率や売上
海外の出張先から、営業日報の確認
アップを図ることが最終的な目標だ。
株式会社小田急トラベルのホームページ
http://www.odakyu-travel.co.jp/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2013年12月に作成されました。
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