ノバルティス ファーマ株式会社 〒106-8618 東京都港区西麻布4-17-30 http://www.novartis.co.jp MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2009年11月9日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 世界糖尿病デーを前に、2型糖尿病患者さんを対象とした調査を実施 約9割がより改善した経口血糖降下薬を希望 ~ 患者さんの2人に1人が「低血糖が怖い」と回答 ~ ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷宏幸)は、11月14日の「世界糖尿 病デー」を前に、全国の30代から60代で、2型糖尿病に5年以上の罹患歴があり、現在も経 口血糖降下薬による治療を行っている患者さん男女300名に対し、2型糖尿病の治療に関す るインターネット調査を実施しました(実施時期:2009年10月)。 その結果、6割以上の2型糖尿病患者さんが、現在服用している経口血糖降下薬に対し、「糖 尿病が治らない」、「良好な血糖コントロールができない」、「低血糖などの副作用が怖い」 といった、アンメット・メディカル・ニーズ(満たされていない治療上の要望)を感じてい ることが明らかになりました。また、全体の約9割の患者さんが、既存の経口血糖降下薬に 改善を希望していることがわかりました。さらに、8割以上の患者さんが糖尿病治療に対す る周囲への理解を望んでおり、心理的側面におけるアンメット・ニーズも示されました。 今回の調査を監修された、天理よろづ相談所病院 内分泌内科部長 石井均先生は、次のよう に述べています。「今回の調査により、患者さんが現在行っている薬物治療において、どん なことに悩んだり困っているかといったアンメット・メディカル・ニーズが統計的に明らか になりました。特に、血糖値を下げなければならないという毎日の血糖コントロールの難し さがある一方で、血糖値が下がりすぎた際に起こる「低血糖」が患者さんにとって怖いと感 じる副作用として1番多かったことで、治療における患者さんの複雑な状況がわかりました。 また2型糖尿病の患者さんは経時的にすい臓にあるβ細胞が減少していきますが、4割以上の 方が「糖尿病が治らない」といった既存の治療薬に対する不満や、“希望する薬剤”として 「すい臓を守る薬」が2番目に選択されていたこともあり、患者さんの治療への意欲を保つ ためにも、 新しい治療法あるいは治療薬が求められているといえます。また、現在日本では、 およそ5人に1人が糖尿病を罹患しているといわれていますが1、8割以上の患者さんが糖尿 病における周囲の理解を望んでいるとの結果から、患者さんのQOL向上の実現のために、 社会全体が、糖尿病についての理解をもっと深めていくことが重要であるといえます」。 今回の調査で以下のことが明らかになりました。 ・現在の治療において、約6割の方が何らかの不満を抱えている 現在服用中の経口血糖降下薬に対して、何らかの不満があると回答した人は全体の約6割 (64%)を占めました。具体的には「糖尿病が治らない(こと)」が最も多く47.3%、「良 好な血糖コントロールが出来ない」が32.0%でした【図1】。 ・経験の有無に関わらず、患者さんの2人に1人が「低血糖が怖い」 副作用に関する質問では、「おならが出る」、「体重増加」、「低血糖」など、半数以上(56.3%) が何らかの「不快」な副作用があると回答しました【図2】。一方、「怖いと感じる」副作 用を聞いたところ、およそ2人に1人(49.7%)が「低血糖」と回答しましたが【図3】、そ 1/5 のうちの半数は実際に「低血糖」を経験しておらず【図4】、「低血糖」はその経験の有無 に関わらず、患者さんにとってアンメット・メディカル・ニーズになりうるということが示 唆されました。 ・患者さんの9割が経口血糖降下薬に改善を希望 全体の94.0%が経口血糖降下薬に改善を希望しており、具体的な改善内容としては、「良好 な血糖コントロールができる(薬)」(46.0%)が最も多く、「すい臓を守る薬」(15.0%)、 「単剤(1種類)の服用で済む」(13.3%)と続きました【図5】。 ・8割以上の患者さんが周囲への理解を希望 糖尿病の治療について周囲に理解してもらいたい事柄については、 「一生付き合わないとい けない病気であること」(69.3%)、「食事に気をつけなければならないこと」(68.3%)、 「低血糖を起こす可能性があること」(42.7%)の順に回答が多く【図6】、自由回答でも、 食事制限があることや職場の飲み会での無理な飲食の誘い、 「糖尿病は自己管理の出来ない 人がなる」といった偏見や誤解など、糖尿病に対する周囲の理解が十分でないことが示唆さ れました【表1】。 日本の糖尿病の状況について 2007年の国民健康・栄養調査では、糖尿病患者は890万人、糖尿病予備軍は1,320万人、合 計2,210万人と推定されており、年々、増加傾向がみられます。40~74歳のデータでは、約 3割が糖尿病患者・予備軍であり、男女ともに高齢になるほどその割合は増加します1。日本 では、糖尿病患者人口の95%は、インスリン分泌能低下・インスリン作用不足により発症 する2型糖尿病で2、2型糖尿病の増加が特に懸念されています。 参考資料 1. 2. 厚労省の2007年国民健康・栄養調査より IDF:Diabetes Atlas, 2006、糖尿病療養指導の手びき(日本糖尿病学会 編 改訂第3版) ノバルティスの糖尿病領域における取り組みについて ノバルティスは、糖尿病領域における画期的な研究と新薬の開発を進めております。現在、 世界60ヵ国以上で2型糖尿病の経口治療薬であるDPP-4阻害薬「ビルダグリプチン(海外で の販売名:Galvus®)」が承認されており、国内でも申請中です。また、国際的な賞である ノバルティス糖尿病賞を通じて、革新的な臨床研究・教育・診療の進歩と発展に寄与した研 究者の功績を称えると共に、 その研究の重要性を広く認知してもらうための活動に積極的に 取り組んでいます。 ノバルティス ファーマ株式会社について ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける 世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体 の2008年の売上高は415億米ドルで、純利益は82億米ドル、 研究開発費は72億米ドルでし た。ノバルティスは、約99,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売され て います。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.co.jp 以上 2/5 【調査仕様】 実施時期:2009年10月15日~18日 調査手法:インターネット調査 調査対象:全国の経口血糖降下薬による治療を行っている、30代~60代で罹患歴5年以上 の2型糖尿病患者、男女300名 【調査結果】 調査対象者プロフィール 年代(n=300) 性別(n=300) 30代 7.3% 女性 23.3% 60代 24.3% 40代 35.7% 男性 76.7% 20年以上 25年未満 5.0% 50代 32.7% この調査は、全国の30代から60代で、2型糖尿病に 5年以上の罹患歴があり、経口血糖降下薬による治 療を行っている患者さん男女300名(男性230名、 女性70名)を対象に実施しました。 罹患歴(n=300) 25年以上 3.0% 15年以上 20年未満 10.7% 10年以上 15年未満 31.3% 対象となった患者さんは、年代別では、30代22名、 40代107名、50代98名、60代73名でした。罹患歴 別では、5年以上10年未満150名、10年以上15年未 満94名、15年以上20年未満32名、20年以上25年未 満15名、25年以上9名でした。 5年以上 10年未満 50.0% 図1. 経口血糖降下薬の不満点(複数回答) <現在の治療薬に、6割以上の患者さんが何らかの不満を抱えている> (n=300) % 50 47.3 40 36.0 32.0 30 18.3 20 15.7 12.7 11.7 11.3 10 0 4.3 糖 糖 尿 尿 病 病 が が 治 治 ら な ら い な い は特 特 に なに 不 い不 満 満 ( ( 改 い改 善 要 善 望 要 点 望 ) 点 は ) な が良 良 好 出好 な 来な 血 な血 糖 い来糖 コ なコ ン いン ト ロ ト ー ロ ル ー が 出 ル まな 血 の血 で糖 たい 糖 薬 コ はのコ がン 種で ン 増ト 類薬 ト えロ )類が ロ るー ) (ル ー 増 量が えル まよ る が たく ( よ はな 種い 量 く 必合 飲糖糖 あ 加副副 、作作 要わ み尿尿 る悪 せ病 心用 が合病 悪用 に治 、( あ注 わ療治 心低( 嘔 、血低 る意 せ薬療 吐 す な にと薬 嘔糖血 る ど 注他と 吐、糖 必の ) 体、 意他 な 要薬 が重 す の ど増体 がの あ )加重 る飲薬 あ る る みの が、増 か服 服 薬 し薬 の いの タ タ イ イ ミ いミ ン グ ン が グ む が ず む か し ず 服 服 薬 薬 の の 回 回 数 数 が 多 が い 多 い 現在服用している経口血糖降下薬につい て、「特に不満(改善要望点)はない」 と回答する割合は4割以下(108人)にと どまり、6割以上(192人)の患者さんで 何らかの不満を抱えていることが分かり ました。 そ そ の の 他 他 具体的な不満点としては、「糖尿病が治 らない」(47.3%/142人)と回答する割 合が最も高く、次いで「良好な血糖コン トロールが出来ない」(32.0%/96人)、 「血糖コントロールがよくないので薬が 増える(量または種類)」(18.3%/55 人)と続きました(複数回答)。経口血 糖降下薬を服用しても、現状では根治が期待できないこと、血糖コントロールが容易ではない と感じていることが明らかになり、治療薬の改善が望まれていることが示唆されます。 3/5 図2.「不快」と感じる副作用(複数回答) <不快な副作用は「おならが出る」「体重増加」「低血糖」など> % 50 (n=300) 43.7 40 31.3 30 23.7 経口血糖降下薬で、「不快と感じる副作 用はない」と回答した割合は43.7%(131 人)である一方、56.3%(169人)が不 快に感じる副作用があると回答しました。 22.0 18.0 20 9.0 10 8.3 5.7 1.7 0 な不 不 い快 快 と と 感 感 じ る じ 副 る 作 副 用 作 は 用 な い は お お な な ら ら が が 出 る 出 る 体 体 重 重 増 増 加 加 悸低 意動 低 、 識悸 血 血 顔 糖 消、 面糖 ( 失顔 蒼( 発 )面 白発 汗 失蒼 、汗 、 )不 、 手 白 安 指 、 感手 振 不 、指 戦 意振 安 、 識 感 戦 動 消 、 、 便 便 秘 秘 、 、 下 下 痢 痢 頭 頭 痛 痛 、 、 め め ま い ま い 悪た数肝肝 くは値機機 能 な肝ま障能 る臓た害障 )のは(害 働 肝肝( き 臓 が 臓検肝 悪 の査臓 く 働の検 な き数査 る が値の ) そ そ の の 他 他 の の 副 副 作 用 作 用 悪 悪 心 心 、 、 嘔 嘔 吐 吐 具体的に「不快」と感じる副作用につい ては、「おならが出る」(31.3%/94人) と回答する割合が最も高く、次いで「体 重増加」(23.7%/71人)、「低血糖」 (22.0%/66人)と続きました。 ま 図3.「怖い」と感じる副作用(複数回答) <患者さんの2人に1人が「低血糖が怖い」> (n=300) % 60 50 49.7 40 36.0 29.7 30 20 15.0 13.7 10 9.7 8.3 7.7 2.0 0 悸低 低 意動 、血 識悸 血 顔糖 消、 面糖 ( 失顔 蒼( 発 )消面 白発 汗 失蒼 、汗 、 )不手 、 白 安指 、 感手 振 不 、指 戦 意 、 安振 識動 感 戦 、、 な怖怖 いいい と と 感 感 じ る じ 副 る 作 副 用 作 は 用 な い は 肝 悪数 ま 肝 機 く値 た 機 能 は 能 なま 障 肝 る た害 障 臓 )は ( るの 害 肝 肝 )働 ( 臓 き 肝 臓 検 が 臓 の 査 悪 働 検 の く 数 き な 査 が値 の 体 体 重 重 増 増 加 加 頭 頭 痛 痛 、 、 め め ま い ま 悪 悪 心 心 、 、 嘔 嘔 吐 吐 お お な な ら ら が が 出 る 出 便 便 秘 秘 、 、 下 下 痢 痢 そ そ の の 他 他 る い その一方で、「怖いと感じる副作用」に ついては、6割以上(64.0%/192人)の 患者さんが、怖いと感じる副作用がある と回答しました。 具体的に「怖い」と感じる副作用につい ては、「低血糖」(49.7%/149人)が 最も多く、「肝機能障害」(29.7%/89 人)、「体重増加」(15.0%/45人)と 続きました。経口血糖降下薬を服用して いる患者さんの2人に1人が「怖い」と感 じている「低血糖」は、意識の消失から、 死に至る危険もあるため、患者さんの心 労は多大なものと考えられます。 図4. 実際に経験した副作用(複数回答) <低血糖を実際に経験していなくても「低血糖が怖い」と回答した人が半数> 「低血糖が怖い」と回答した患者さんの低血糖の経験の有無 % 60 (n=149) 50 49.0 51.0 40 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 30 73人 76人 経口血糖降下薬を服用して、何らかの副 作用を経験したことのある患者さんは、 全体の約6割(64.7%/194人)に達し (「経験した副作用はない」を除く)、 そのうち「低血糖」を経験した人は31.0% (93人)いました。 20 しかし、この93人中、図3の質問で「低 血糖を怖いと感じる副作用」と回答した 0 低 低 経低低 人は73人であり、図3で低血糖を怖いと 血 血 験血血 糖 糖 糖 し糖 感じると選択した149人中、残りの76人 経 を 経 て経を 験 験 い験 者 には低血糖の経験がなかったことから、 者 なし いて 経験がなくても、低血糖が怖いと回答し 人い な た人が半数以上いたことがわかりました。 い 人 つまり、「低血糖」という副作用が、患者さんにとって重大なアンメット・メディカル・ニー ズのひとつであることが示唆されます。 10 4/5 図5. 希望する経口血糖降下薬の特性(単一回答) <患者さんの9割が経口血糖降下薬に改善を希望> 2.0% 5.3% 6.0% 12.3% (n=300) 46.0% 13.3% 15.0% 良好な血糖コントロールができる すい臓を守る薬 単剤(1種類)の服用で済む 副作用(低血糖、体重増加、悪心、嘔吐など)が少ない 当てはまるものはない 服薬の回数が少ない/服用のタイミングがわかりやすい薬 その他 最も服用したいと思う経口血糖降下薬 については、「良好な血糖コントロール ができる」(46.0%/138人)が最も多 く、次いで「すい臓を守る薬」(15.0% /45人)、「単剤(1種類)の服用で済 む」(13.3%/40人)、「副作用(低血 糖、体重増加、悪心、嘔吐など)が少な い」(12.3%/37人)と続きました。 「当てはまるものはない」(6.0%/18 人)を除くと、全体の94.0%(282人) が、経口血糖降下薬に改善を希望してい ることがわかりました。 図6. 糖尿病治療において理解してもらいたいこと(複数回答) <8割以上の患者さんが周囲への理解を希望> (n=300) % 80 70 69.3 68.3 60 50 42.7 40 40.0 30 20 15.3 14.0 10 4.0 0 一 な一 生 い生 付 病付 き 気気き 合 わ でで合 あ な あわ い るるな こと ことい い とと け な い い け 病 食 い食 事 け事 に なに 気 い気 を つ こ を い け と こつ な け と け な れ け ば い れ け ば な 低 あ低 血 る血 糖 こ糖 を とを 起 こ 起 す とこ 可 す 能 可 性 能 が あ 性 る が こ 血 で血 糖 あ糖 コ るコ ン こン ト ロ とト こロ ー とル ー が ル 大 が 変 で 大 あ 変 特 特 に に な な し し る 薬服 服 の用 用 し 種な し 類 な 類け がれ が け 多 ば 多れ いな い ば こら こ な とな とい ら 薬 な の い そ そ の の 他 他 種 患者さんが、周囲に理解してもらいたい と思うことは、「一生付き合わないとい けない病気であること」(69.3%/208 人)が最も多く、次いで「食事に気をつ けなければいけないこと」(68.3%/ 205人)、「低血糖を起こす可能性があ ること」(42.7%/128人)、「血糖コ ントロールが大変であること」(40.0% /120人)と続きました。 全体の8割以上の患者さんが、糖尿病に 対する周囲からの理解を望んでおり、糖 尿病に関する周囲の理解がまだ十分で ないことが示唆されました。 表1. 糖尿病治療について周囲から理解が得られていない状況・事項(自由記述回答) <自由回答記述:一部抜粋> ■ 飲み会などで、アルコール類を健康な人と同じように すすめられること ■ みんなと食事に行ったときなどカロリー制限している ので同じものが同じ量食べることができない ■ 少し位ならいいだろうと、お菓子やジュースをすすめ られる ■ 自己管理が出来ない人間がなる病気という解釈がとても 嫌です ■ 暴飲暴食でなって自業自得だと平気で言われる ■ 仕事の打合せが長時間に及ぶときも糖分の補給が難しい 周囲から理解が得られていない状況・事 項については、お酒、間食をすすめられ るなど、食事の量や食事の機会に関する 事柄が多く見られました。また、『贅沢 病』や『不摂生が原因』など、糖尿病へ の誤解についての意見も見られました。 誤った認識という要因のほかにも、糖尿 病の罹患自体、外見上ではなかなか分か らないということもあり、周囲からの正 しい理解を得にくい状況がうかがえま した。前述の結果(図6)と合わせると、 糖尿病やその治療に対する正しい理解 の啓発が求められているといえます。 5/5
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