平成24年度共同研機器分析セミナー - 大阪大学大学院生命機能研究科

平成24 年4 月4 日
平成24年度博士課程「特別科目(セミナー)
」
平成24年度共同研機器分析セミナー
大阪大学大学院医学系研究科
附属共同研究実習センター
平成24 年
講義内容・講師 午前(9:45〜10:45)
講義内容・講師 午前(11:00〜12:00)
開講あいさつ
4月
16日
(月)
科学研究とその倫理
朝野教授
(医学部附属病院 感染制御学)
勝木
18日
(水)
動物実験施設
・生殖工学ユニットの事業紹介
渡部寄附講座准教授
(医薬分子イメージング学寄附講座)
夘野助手
(医学部附属動物実験施設
生殖工学ユニット)
次世代シークエンサーによる
エピジェネティクス解析
19日
(木)
二村助教
(分子治療学講座 遺伝子治療学)
[大規模DNA シークエンサー]
田中
リアルタイム PCR 装置を用いた
遺伝子の定量
20日
(金)
-方法とその応用-
杉本特任助教
(内科学講座 老年・腎臓内科学)
[リアルタイム PCR、他]
田中
[実験動物]
勝木
次世代シークエンサーを用いた
ターゲット・リシークエンス
國府特任講師
(社会環境医学講座
環境・生体機能学)
[大規模DNA シークエンサー]
田中
Caliper 社 IVIS を用いた
生体イメージングについて
山本准教授
(微生物病研究所)
[in vivo イメージング、他]
化学薬品を用いる実験の安全
A講堂
藤堂教授
(遺伝医学講座 放射線基礎医学)
山本教授
(大阪大学 安全衛生管理部)
田中
田中
共同研
各フロア
[主な項目や設備機器名など] DNAシークエンサ、リアルタイムPCR、GeneChip システム、
共焦点レーザー走査顕微鏡、蛍光顕微鏡、フローサイトメーター、超遠心機、電子顕微鏡、
大型プリンタ、液体窒素室など ※実施項目や時間帯の詳細は別にお知らせします。
PET を用いた分子イメージング
勝木
会場
共同研設置機器のデモンストレーション
◎午前、午後を通して、共同研究棟内の
数箇所で、共同研に設置されている各種
設備機器や分析装置等を用いたデモン
ストレーションや実機説明会を行います。
[PET]
講義内容・講師 午後(3:30〜4:30)
遺伝子の取り扱いについて
田中
共同研設置機器のデモンストレーション
17日
(火)
講義内容・講師 午後(2:15〜3:15)
研究用微生物取り扱いの
法律遵守と安全管理
菊池教授(センター長)
山崎教授(愛知淑徳大学)
金田教授(副研究科長)
山下教授(大学院教務委員長)
講義内容・講師 午後(1:00〜2:00)
二光子励起レーザー顕微鏡による
細胞動態イメージング
石井教授
(免疫学フロンティア研究センター
上皮細胞生物学と顕微鏡観察
月田教授
(病理学講座 分子生体情報学)
細胞動態学)
[二光子励起レーザー顕微鏡]
老木
[電子顕微鏡、他]
老木
モノクローナル抗体と
フローサイトメーター
村上准教授
(大学院生命機能研究科
個体機能学講座
・(兼)大学院医学系研究科
感染免疫医学講座 免疫発生学)
[フローサイトメータ、他]
山崎
質量分析法と細胞分析
細胞内イメージングによる
オートファジーの解析
升島教授
(広島大学大学院医歯薬学総合研究科
分子治療デバイス研究室)
野田准教授
齋藤助教
(生命機能研究科時空生物学講座
(保健学専攻医療技術科学分野
細胞内膜動態研究室 ・(兼)
医用物理工学講座)
医学系研究科遺伝医学講座遺伝学教室)
[LC-MS、TOF-MS、他]
[電子顕微鏡、他]
山崎
老木
A講堂
実験動物用 3D マイクロX線
の利用方法とその応用
[実験動物用μX線 CT]
※セミナーの日程や内容についてのご意見やお問い合わせは、
共同研究棟7階の共同研管理室(内線3790)あるいは
スタッフ宛メール: [email protected] まで。
なお、内容や日程の変更情報等は共同研HP
( http://www.ctrlab.med.osaka-u.ac.jp/index-jp.htm )でもお知らせしています。
A講堂
勝木
A講堂
(午前中)
田中
[ ] は共同研に設置の主な関連機器、
備 考 ) 1. 原則として博士課程1年次の必修科目(講義)として2単位(会場にて出欠確認する)与える。取得単位等についての問い合せは大学院係まで。
2. このセミナーは医学系研究科教職員全員に公開。
3. 都合によりスケジュールを変更することがあります。最新情報は、http://www.ctrlab.med.osaka-u.ac.jp/index-jp.htm をご覧ください。
は共同研担当者名
平成24年度博士課程「特別科目(セミナー)」・共同研機器分析セミナー
講
義
概
要
[4月16日(月)]
9:45-12:00 科学研究とその倫理
山崎教授(愛知淑徳大学 人間情報学部)
金田教授(医学系研究科副研究科長)
山下教授(大学院教務委員長)
13:00-14:00 研究用微生物取り扱いの法律遵守と安全管理
朝野教授(医学部附属病院 感染制御学)
病原体を取り扱うというのは、社会的な責任と、研究者自らの健康安全のために、ルール
を守り、慎重に行わなければなりません。現在、本学における病原微生物等の取り扱いにつ
いては以下の3つの考え方が求められています。
1.バイオセキュリティの厳格な遵守:2007 年に感染症法が改正になり、これまで、研究者
の自主的管理に任せられていた微生物の取り扱いならびに管理が、法律によって厳しく規制
されることとなりました。これは 9.11 以降バイオテロの対象となりうる微生物の管理を厳重
に行なうことが国際的なコンセンサスとなったためです。法律の遵守義務を怠った場合には
刑事罰が科せられることがあります。
2.バイオセーフティの重要性:微生物による事故は、当該研究者のみならず施設内の他の
研究者あるいは家族にも重大な健康上の被害や、実験上の障害をもたらすことがありますの
で、適切で安全な取り扱いと保管を行なうのは、微生物を取り扱う研究者の責務です。
3.地域社会への説明責任:地域住民の安心安全の担保のために、地方自治体も条例を設け、
情報公開と安全な微生物の取り扱いに関して、本学と協定を締結しています。
以上のような要件を満たすために、本講義では、微生物取り扱い上必要な法律の知識と、
安全な微生物管理のために遵守すべき基準と技術について解説します。
14:15-15:15 遺伝子の取り扱いについて
藤堂教授(遺伝医学講座 放射線基礎医学)
分子生物学の発展により、遺伝子を人為的に改変する技術、いわゆる遺伝子組替え実験技
術が確立され、遺伝子の機能を分子レベルから個体レベルまで幅広く解析する事が可能にな
ってきた。しかしながら,この様な実験技術は自然界では起こりえない遺伝子組替え生物を
作り出し,これが生物の多様性に悪影響を及ぼす可能性が考えられる。この様な悪影響を防
止する為に、
「カルタヘナ議定書」を始めとする,様々な法的規制が設けられており、遺伝子
組替え実験はこれらの法的規制を遵守し,安全に行う必要がある。本講義では、遺伝子組替
え生物等の利用法,それに関わる法的規制,学内規則について概説する。
15:30-16:30 化学薬品を用いる実験の安全
山本教授(大阪大学 安全衛生管理部)
医学・生物学系の実験を行う上で、化学薬品の使用は必須である。化学薬品には、その毒性
や危険性に応じて、様々な法的規制がかかっており、実験者はそれらの法律や学内規制に基
づいた化学薬品の取り扱いが要求される。本講義では、毒劇物をはじめとする種々の化学薬
品の危険性、法的規制、安全な取り扱い方法について、演示実験を交えて解説する。
[4月17日(火)]
午前,午後
【共同研設置機器のデモンストレーション】
共同研究棟各フロアでの設置機器デモンストレーション
[4月18日(水)]
9:45-10:45 PET を用いた分子イメージング
渡部寄附講座准教授(医薬分子イメージング学寄附講座)
PET とは陽電子を放出する放射性核種を特定の分子にラベルし、それを生体内に投与する
ことにより、生体内における分子の挙動を、生体を生かしたままに画像化する技術である。
近年、この PET 技術を用いた分子イメージングという分野が特に創薬において重要な役割を
担いつつある。本講義では、平成 22 年に開設した PET 分子イメージングセンターの施設を紹
介するとともに、PET による分子イメージング研究を解説する。
11:00-12:00 動物実験施設・生殖工学ユニットの事業紹介
夘野助手(医学部附属動物実験施設 生殖工学ユニット)
遺伝子組換えマウスを用いた実験は近年増大し、学内外において必須となっている。遺伝子
組換えマウスを含む動物実験は実験条件を整えて実施しないと、再現性のある成績が得られ
ない。動物実験には実験に影響を及ぼす要因が多く存在するため、実験動物の品質、飼育環
境は可能な限り近い条件を維持しなければならない。動物実験は実験計画に従って行い、良
質な実験動物を使用し、適正な飼育環境下での飼育・個体管理が良い結果を得るために重要
となる。
このうち飼育環境下で重要な項目の一つが微生物制御である。医学部附属動物実験施設(以
後「動物施設」)における実験動物の微生物制御は SPF(Specific Pathogen Free)を基準とし
ている。しかし SPF という基準は、他施設を含め動物飼育施設ごとにそれぞれ異なる。その
ため動物施設の SPF 基準を満たすために「SPF 化」が必要になる。動物実験施設・生殖工学
ユニット(以後「生殖工学ユニット」)は胚移植を用いた動物施設内の SPF 化を担当している。
生殖工学ユニットには系統の維持・分与に最適な「受精卵の凍結保存」、遺伝子組換えマウ
スの作製を補助・代行する「遺伝子組換えマウスの作製」等、動物実験を実施する際に手助
けとなる事業を展開し必要な相談にも応じている。
今回は生殖工学ユニットの事業内容と動物実験施設利用の基本知識について解説する。
13:00-14:00 二光子励起レーザー顕微鏡による細胞動態イメージング
石井教授(免疫学フロンティア研究センター 細胞動態学)
近年、生体イメージングに対する関心が高まっている。生体イメージングとは、生体を生
きたままで観察するものである。従来法では、
「生体」はホルマリンなどで固定して、いわば
「死体」にしてから、ナイフで薄く切って顕微鏡で観察していた。これでも様々な情報が得
られるが、決定的に欠けている情報として、細胞や分子などの動きの情報が挙げられる。動
物の本質は動きにあるが、これは生体のみが備え、死体にはない。最近の顕微鏡技術の長足
の進歩により、細胞や分子の生きた動態を捉えることができるようになり、生命科学の領域
にパラダイムシフトがもたらされている。本講義では、生体深部を高解像かつ低侵襲で観察
することが可能な二光子励起レーザー顕微鏡を用いた細胞動態のイメージング(特に、免疫・
炎症、骨代謝、がんを中心に)について、最新の研究成果に加えて、その方法論の実際や今
後の応用・発展性について、動画を交えて紹介する。
14:15-15:15 上皮細胞生物学と顕微鏡観察
月田教授(病理学講座 分子生体情報学)
上皮細胞は、強力な細胞間接着により細胞シートを形成すると同時にシートに垂直なある
いは平行な極性を示す。それに伴い、細胞内接着分子や細胞骨格はその機能に応じて独特な
局在を示す。その局在は細胞の種類による多様な様式を示し、上皮細胞シートの動態に応じ
て変化する。本講義では、蛍光顕微鏡や電子顕微鏡観察をとりいれた上皮細胞間接着・細胞
骨格系の解析について紹介する。
15:30-16:30 モノクローナル抗体とフローサイトメーター
村上准教授(大学院生命機能研究科 個体機能学講座
・(兼)大学院医学系研究科感染免疫医学講座 免疫発生学)
フローサイトメーターはモノクローナル抗体などを用いて蛍光染色した細胞を細い水流中
に流し、レーザー光線をあて得られた蛍光や散乱光などのパラメーターを解析することによ
って細胞の性質を調べる機器で、セルソーターはその性質に基づいて細胞を分取する装置で
す。これらは免疫学をはじめ広範な細胞生物学の研究において極めて有用な機器です。この
機器の利用に必要な基礎知識と応用例を解説します。
[4月19日(木)]
9:45-10:45 次世代シークエンサーによるエピジェネティクス解析
二村助教(分子治療学講座 遺伝子治療学)
次世代シークエンサーは短時間に大量の塩基配列を決定できる装置であり、近年の生命科
学にとって欠かすことはできない。次世代シークエンサーをうまく利用することで、ヒスト
ンの修飾、DNA のメチル化などのエピゲノム情報や、転写因子などの結合領域、また RNA の
発現、スプライシング、さらに核内の DNA の高次構造などを同定することが可能になる。
本講義では、共同研にある次世代シークエンサーSOLiD4、5500、さらに次次世代シークエン
サーPACBIO RS を紹介すると共に、次世代シークエンサーによる解析の実例を紹介し、生命
科学における次世代シークエンサーの可能性について解説したい。
11:00-12:00 次世代シークエンサーを用いたターゲット・リシークエンス
國府特任講師(社会環境医学講座 環境・生体機能学)
次世代シークエンサーは、近年の急速な普及により,既に医学・生物学に欠かせない解析
機器となっています。本セミナーでは、数あるアプリケーションの中でも、ヒト、マウスな
ど既知のゲノム配列において目標ゲノム領域を網羅的に抽出して解読するターゲット・リシ
ークエンスを取り上げ、具体的には、疾患関連遺伝子の同定に威力を発揮する「エキソーム
配列解析」と、挿入変異解析における「ベクター挿入部位の網羅的同定法」を紹介します。
最新のテクノロジーである次世代シークエンサーを、単にマニュアル通りに用いるだけでな
く、新規の使用法を自ら考案して行くような方向性が提示できれば、と考えています。
13:00-14:00 質量分析法と細胞分析
升島教授(広島大学大学院医歯薬学総合研究科分子治療デバイス研究室)
質量分析法は、医療の分野でも疾病マーカー探索などに利用され、まもなく診
断にも利用されると言われている。現在はプロテーオーム、メタボロミクスなど蛋白質の構
造解析や代謝解析によく利用されているこの質量分析法の原理を分かりやすく解説し、その
機器の中での分子イオンの動きなどを動画で見てもらい、手法のイメージを持って測定に当
たって貰いたいと考える。最後に、細胞一ヶ生きたまま、その動きを見ながらほぼリアルタ
イムに細胞内の分子変化を追跡する我々の 1 細胞質量分析法を紹介し、本手法の可能性と現
在の限界について考える。
14:15-15:15 細胞内イメージングによるオートファジーの解析
野田准教授(生命機能研究科時空生物学講座細胞内膜動態研究室
・
(兼)医学系研究科遺伝医学講座遺伝学教室)
細胞生物学は細胞内の諸現象を理解することを目指す学問であるが、その時、細胞内の様々
な構造の詳細を理解することが、中心的なアプローチの一つである。そのためにさまざまな
顕微鏡が開発されてきており、またそれと同時に緑色蛍光タンパク質 GFP をはじめとした各
種プローブも発展してきている。これらを使用することにより、一昔前には不可能であった、
各種の分子や膜構造の動きを生きた細胞の中で観察することができるようになった。本講義
では、それらの技術をつかうことで明らかになってきたオートファジーという細胞内の大規
模分解機構の仕組みを中心に紹介をする予定である。
15:30-16:30 実験動物用 3D マイクロX線の利用方法とその応用
齋藤助教(保健学専攻医療技術科学分野 医用物理工学講座)
本セミナーでは、実験動物用に特化した in vivo3 次元マイクロ X 線 CT の利用方法と実際
の研究への応用について紹介を行います。本装置での撮影対象となる実験動物は、マウス、
ラットなどの小動物から小型のウサギまでとなります。撮影は最短で 17 秒ででき、画像再構
築に要する時間も1分程度となっており、最小 10μm/pixel の高分解能 CT 画像を得ることが
できます。対象動物の被ばく線量は低く抑えられており、長期の経過観察も可能となります。
また、撮影条件、取得画像の後処理により定量的な画像取得も可能となります。本セミナー
においては本学動物実験棟に実際設置されているマイクロ CT を用いた解析の実例を紹介し、
ライフサイエンス研究におけるマイクロ CT 画像解析の有用性について説明をします。
[4月20日(金)]
9:45-10:45 リアルタイム PCR 装置を用いた遺伝子の定量 ―方法とその応用―
杉本特任助教(内科学講座 老年・腎臓内科学)
ヒトゲノム配列の全貌が明らかになって以来、医学領域における遺伝子研究は飛躍的な発
展を遂げているが、遺伝子機能解明という点においては、その複雑さと病態の多様性のため、
現在進行形である。トランスクリプトーム解析からプロテオーム解析の時代となる一方、遺
伝子発現解析はいまだ遺伝子研究の中心的存在である。
本セミナーでは、定量 PCR を簡便・正確に行う方法としての定量リアルタイム PCR 法の基礎
とメカニズムを説明し、注意点や利用方法について実例を交えて解説する。また、その応用
として DNA コピー数解析、マイクロアレイ等について、その概要を説明する。
11:00-12:00 Caliper 社 IVIS を用いた生体イメージングについて
山本准教授(微生物病研究所)
イメージング技術の進歩により、生きた個体で蛍光を発色する細胞や病原体の挙動を経時的
に観察することが可能となってきた。医学系研究科の動物実験施設には共同研究設備として
Caliper 社の IVIS Lumina II が設置されている。この機器はペルチェ式-90℃冷却 CCD カメ
ラ搭載し、発光と蛍光がどちらも高感度に測定でき、マウスを最大 5 匹同時測定可能であり、
最新の高感度蛍光マルチレポーター解析ができる。当研究室では IVIS を用いてルシフェラー
ゼを発現する病原体をマウスに感染させ、病原体の拡散を時空間的に計測している。
本講義においては、まず IVIS Lumina II の蛍光計測技術の原理などについて説明した後、当
研究室のデータを用いながら IVIS を使うと実際にどのようなことができるのかについて概
説する。