11/12/13 宇宙天体セミナーⅡ 2011/12/13 At研 片岡明日香 目次 • §10.4 Friedmann 方程式 • §10.5 宇宙の要素 / 宇宙黒体放射 • §10.6 物質優勢の宇宙の進化 10.6.1 閉じた解 (k=+1) 10.6.2 開いた解 (k=-1) 10.6.3 宇宙初期の近似解 10.6.4 宇宙の年齢 • §10.7 放射優勢の宇宙の進化 スケールファクターaの時間進化を解く 。 1 11/12/13 §10.4 Friedmann 方程式 Newton力学 1 質量当りの運動エネルギー 2 a! 球対称 2 質量当りのポテンシャルエネルギー 全力学エネルギー 一様膨張宇宙の中心 §10.4 Friedmann 方程式 R-Wメトリック → Einstein方程式 (§14.1) §14.1で、R-WメトリックをEinstein方程式 に代入すると出てくるエネルギー。 k:曲率 (+1,0,-1) この2つを組み合わせると・・・ Friedmann方程式 (Friedmann, 1924) §14で一般相対論から導く。 2 11/12/13 §10.4 Friedmann 方程式 宇宙定数 Einstein方程式に追加される項で、宇宙の加速を引き起こす。 (Einstein, 1917) 遠く離れた超新星のデータ → 宇宙は加速している! (§14.5) Friedmann方程式に宇宙定数の項を追加する必要 だが、 宇宙定数は、年齢とともに重要となる。 現在は、宇宙定数の項と他の項が同じくらい。(§14.2) 宇宙初期では考えなくて良い。 この章では、宇宙定数=0を仮定 §10.4 Friedmann 方程式 E>0(k=-1) 永遠に膨張、無限大、無限に続く E<0(k=+1) 最終的に重力の引力で収縮、有限体積、有限時間 宇宙の密度で決まる k=0となる密度:臨界密度 密度パラメータ ρ<ρc ・・・ k=-1、永遠に膨張 ρ>ρc ・・・ k=+1、最終的に収縮 Friedmann方程式・・・ 3 11/12/13 §10.4 Friedmann 方程式 ρ=ρ(a)として積分できる。 k=0の場合 k=±1の場合 変数ηを定義 R-Wメトリック Friedmann方程式を書き換えると、 ・(ドット):時間微分 §10.4 Friedmann 方程式 ー (★) ρ=ρ(a) → a=a(η) → a=a(t) §10.5 §10.6 4 11/12/13 §10.5 宇宙の要素 / 宇宙黒体放射 エネルギー密度ρc2を満たす流体を考える。 流体の圧力 全内部エネルギー ρc2a3 断熱膨張を仮定 熱力学第1法則より、 気体運動論 非相対論的 相対論的 v:分子の速度 §10.5 宇宙の要素 / 宇宙黒体放射 物質 輝く星の密度パラメータ 物質の密度パラメータ DMの存在(§9.2.2、§9.5) CMBの観測(§14.5) 現在の物質の密度 スケールファクターaの時の物質密度 5 11/12/13 §10.5 宇宙の要素 / 宇宙黒体放射 CMBR:宇宙マイクロ波背景放射 ビッグバン:密度、温度は無限大。 宇宙初期:物質と平衡状態を保った放射で満たされている。黒体放射。 再結合期(§11.7):放射と物質の平衡状態が終わる。 その後:放射は物質との相互作用を止め、断熱膨張を続ける。 膨張によって温度は減少するが、黒体放射のまま残っている。 ・ この黒体放射バックグランドを最初に~10Kと予測した。 : Alpher, Herman (1948) ・ 3Kの放射を偶然観測した。:Penzias, Wilson (1965) §10.5 宇宙の要素 / 宇宙黒体放射 CMBR:宇宙マイクロ波背景放射 宇宙は高温のビッグバンから始まった。: Lemaitre (1927) 有力な証拠となった COBE(Cosmic Background Explorer) (1989) ↑ 光 度 周波数→ 一致する! Planckのスペクトル ←波長 6 11/12/13 §10.5 宇宙の要素 / 宇宙黒体放射 CMBR:宇宙マイクロ波背景放射 黒体放射のエネルギー密度:U=aBT4 CMBRの宇宙の密度への寄与 相対論的成分には、ニュートリノを含む。(§11.4) 全放射密度 相対論的な場合 温度はスケール の逆数で落ちる。 §10.5 宇宙の要素 / 宇宙黒体放射 宇宙の全密度 現在 放射の密度=物質の密度のスケール:aeq 値を代入 a<aeq:放射優勢期 → ρ=ρR a>aeq:物質優勢期 → ρ=ρM と近似して、Friedmann方程式を解いていく。 → §10.6 7 11/12/13 §10.6 物質優勢の宇宙の進化 k=0の場合 密度=臨界密度 解 k=±1の場合 ー (★) を用いる。 §10.6.1 閉じた解 (k=+1) ΩM,0 > 1 より × H0 = c / a0(ΩM,0-1)1/2 ΩM,0 ΩM,0 -1 間接的に、aをtの関数とできた。 η→2π, a→0 宇宙はビッグクランチに行き着く。 8 11/12/13 §10.6.2 開いた解 (k=-1) ΩM,0 < 1 §10.6.1 と同様にして、 スケールファクターの時間進化 ↑ a/a0 現在は、 k=-1 k=0 k=-1が適切? k=+1 曲率を決めるには、 宇宙定数の寄与も考える必要がある。 t → §10.6.3 初期の近似解 η<<1, 物質優勢期 Taylor展開より ηを消去 ∝t2/3 a=a0の時t=t0 η<<1, 物質優勢期 ビッグバンから 数千年後 初期も有効 zとtの関係 等密度時 t0~1010yr 9 11/12/13 §10.6.4 宇宙の年齢 宇宙の年齢の近似式 ΩM,0< 1 ΩM,0が大きくなる。 →強く減速する。 (現在の膨張率は同じ。) →初期の膨張率が大きくなる必要。 →年齢が若い。 ΩM,0 > 1 ΩM,0 = 1 ↑ H0t0 より、 t0~2/3H0-1 ΩM,0→ §10.7 放射優勢の宇宙の進化 Friedmann方程式 放射の項はa-4、曲率の項はa-2に比例する。 初期には、曲率項は無視できる。 CMBRの温度Tとaの関係 ρR,0=ργ,0=aB/c2 T04 k=0 解 ∝t1/2 c, aB, Gを代入 相対論的粒子を光子のみとした場合 10 11/12/13 §10.7 放射優勢の宇宙の進化 K → eV 黒体放射の光子が持つエネルギー: E=kBT 光子が時刻tでもつエネルギーの目安 t →0 で曲率項を本当に無視して良い? t→0→Ω→1 → k→ 0 a∝t1/2 曲率項は無視できる! 11
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