教員の自己点検・自己評価報告書 所属学部 人間学部 所属学科 職 位 子ども発達学科 准教授 最終学歴 日本福祉大学大学院社会福祉学研究科福祉マネジメント専攻修了 学 位 修士 氏 名 吉村 譲 専門分野 児童福祉 Ⅰ 教育活動 ○目標・計画 (目標)人と関わり支えていくための知識と技術を身につけるとともに、他者からも信頼してもらえる 人間性豊かな社会人になってもらいたい。 (計画)授業では自分自身で考え、自分の意見を述べるだけではなく、他者の意見をしっかり聞き、再 び考えてみるということを大切にできるように心がけている。授業の理解を深めるために授業内容の要 点を印刷配布し考える材料にしてもらうとともに、ワークショップなどを取り入れて行う。また実習に 向けての心構え、具体的な準備などを行う。 ○担当科目(前期・後期) (前期)社会福祉援助技術論、相談援助(社会福祉援助技術演習) 、保育実習事前指導Ⅰ、専門演習Ⅰ、 専門演習 III、 (後期)社会的養護(養護原理) 、社会的養護内容(養護内容演習) 、保育実習指導Ⅰ、保育実習事前事 後指導 III、保育実習 IB 、保育実習 III、専門演習 II、専門演習 IV ○教育方法の実践 授業内容をより理解できるようにするために要点を記入できる資料を作成し配布している。また授業 の中で児童福祉現場のビデオ・DVD をできるだけ見てもらいイメージしやすいように心がけている。さ らに対人援助場面や施設現場で起きることついて自分ならどのように対応するであろうかということを 考え、話し合ってもらうといったことを行っている。そして授業の振り返りのための簡単な試験を行っ たりしている。 ○作成した教科書・教材 「社会的養護内容」の教科書として「 『演習・児童の社会的養護内容』みらい、2011 年 4 月」を作成 し授業を行っている。また「社会的養護内容」の教材として「 『子どもの社会的養護内容』福村出版、2013 年 4 月」を作成した。 「保育実習事前指導Ⅰ」 「保育実習指導Ⅰ」 「保育実習事前事後指導 III」の教科書として「 『保育士を めざす人の福祉施設実習』みらい、2011 年 4 月」を作成し、2013 年 3 月に改訂し、授業を行っている。 ○自己評価 社会的養護内容(養護内容演習) 、社会的養護(養護原理)ではビデオなどを用いて実際の現場の様子 を見てもらった。これらの授業や施設実習関連の授業において自身の施設職員や児童福祉現場の相談員 としての経験を踏まえ学生に伝えている。 このようなことから、 子どもの現場を実感しながら理解でき、 保育実習にもつながるものになっている。保育実習指導では、事前学習だけではなく、事後指導での学 生自身の実習報告により子どもの理解が深まったと考える。 Ⅱ 研究活動 ○研究課題 子どもと家族を支援する現場が抱える現状と未来に向けてできること ○目標・計画 (目標)児童福祉分野に貢献することを目指し、子どもと家族を支えるために現場の職員ができること や抱える課題などを研究していくことを目標とする。 (計画) 児童福祉施設内で生じる困難な場面についての調査を行う。特に児童養護施設における暴力問題につ いて調査を予定している。また児童養護施設の職員自身をケアの方法などを実践を通して考える。また 家庭的養護を目指して児童養護施設が小規模化していくための方策について検討する。 ○過去6年間の研究業績(特許等を含む) (著書) 1 共著: 『しあわせな明日を信じて』福村出版、2008 年 7 月 共著: 『地域小規模児童養護施設の現状と課題』福村出版、2009 年 3 月 共著: 『児童養護と青年期の自立支援』ミネルヴァ書房、2009 年 7 月 共著: 『実践から見えてくること』 「12 のセンターと 12 の実践」中部地区児童家庭支援センター協議 会、2009 年 12 月 編共著: 『児童養護施設でくらす発達障害の子どもたち』福村出版、2010 年 7 月 共著: 『乳児院・児童養護施設入所児と卒園児を対象とした手記集』特定非営利活動法人こどもサポー トネットあいち、2011 年 3 月 編共著: 『どうしよう こんなとき!! 児童養護施設の若き実践者のために』三学出版、2011 年 6 月 編共著: 『しあわせな明日を信じて2』福村出版、2012 年 4 月 共著: 『子どもの社会的養護内容』福村出版、2013 年 4 月 編共著: 『生活を創る子どもたちを支えて』福村出版、2013 年 6 月 編共著: 『人が人らしく生きるために―人権について考える―』 「児童養護施設の子どもたちの人権を 考える」唯学書房、2013 年 7 月 (書評) 「しあわせな明日を信じて」 『こどもと福祉』2009 年 7 月、第2巻 (報告書) 「児童福祉施設の心理療法に関する訪問調査から」 『児童福祉ぎふ 第 46 号』岐阜県児童福祉 協議会、 2010 年5月 (報告書) 「全国児童養護施設に入所している高校生・職員へのアンケート調査 報告書」 (共同:長谷 川眞人、吉村美由紀、吉村譲 他)特定非営利活動法人こどもサポートネットあいち、2011 年 3 月 (報告書) 「児童養護施設の暴力に関する調査」 (共同:長谷川眞人、長谷川真司、吉村美由紀、吉村譲) 特定非営利活動法人こどもサポートネットあいち、2012 年 3 月 (報告書) 「社会的養護等退所者実態調査と自立支援相談事業報告書」 (共同:長谷川眞人、長谷川真司、 吉村美由紀、吉村譲 他)特定非営利活動法人こどもサポートネットあいち、2014 年 3 月 (学術論文) 「児童養護施設心理職の今後-愛知・岐阜両県での調査から考える」 『こどもと福祉』2008 年 7 月、第 1 巻、pp.46-51 「児童養護施設における心理療法担当職員の活動の場作りについて-岐阜県内の児童養護施設の心理 職員への面接調査から考える」愛知東邦大学『東邦学誌』第 39 巻第 2 号、2010 年 12 月 「発達相談における子どもと保護者への支援 -A市における発達相談活動から-」愛知東邦大学『東 邦学誌』第 40 巻第 2 号、2011 年 12 月 「情緒障害児短期治療施設における職場環境づくり-ワーク・エンゲイジメントを高める取り組み-」 (共同:堀恵子、長瀬志津子、山口薫、吉村 譲)東海学院大学紀要第5号、2012 年 3 月 「児童養護施設の小規模化について-A 児童養護施設のユニットケア化の思案」 (共同:山本圭介、廣 瀬嗣治、吉村 譲)愛知東邦大学『東邦学誌』第 42 巻第 2 号、2013 年 12 月 (学会発表等) 「心理担当職員の役割と施設内チームワーク」第 37 回全国児童養護問題研究会全国大会、愛知県社会 福祉会館、2008 年 6 月 「発達障害の支援-生活日常ケア・アフターケア」第 38 回全国児童養護問題研究会全国大会、ルビノ 京都堀川、2009 年 6 月 「発達障がい-児童養護施設で暮らす子どもの理解と支援」 第 40 回全国児童養護問題研究会全国大会、 国立オリンピック記念青少年総合センター、2011 年 6 月 「児童養護施設における進路とアフターケアの課題」第 65 回日本保育学会、東京家政大学、2012 年 5 月 「児童養護施設における施設内暴力について-子どもから職員への暴力の背景と対応過程に視点をお いて-」第66回日本保育学会、中村学園大学、2013年5月 ○所属学会 日本心理臨床学会、日本描画テスト・描画学会、日本心理劇学会、日本遊戯療法学会、日本社会福祉 学会、全国児童相談研究会、全国養護問題研究会、東海心理学会 2 ○自己評価 児童養護施設の子どもたちの人権について考え、まとめた。施設職員による子どもたちへの不適切な 対応が生じている。そういったことを社会的養護の現場で子どもたちと関わる職員の人たちが考えると きに利用できるものである。また昨年度は児童養護施設における暴力問題を調査した。現在、社会的養 護を施設養護から家庭的養護にしていこうとしているなかで、社会的養護の現場の一つであるファミリ ホームにおける子ども間暴力、子どもから職員への暴力などについて調べた。調査結果からフェミリー ホームでの暴力問題は生じていることがわかった。家庭的養護においても暴力問題を考えていくことを 今後もしていきたい。これまで施設の小規模化について施設職員の人たちと一緒に考えてきた。施設の 小規模の方策についてまとめた。小規模化の一つの方法を提示できたと考える。 Ⅲ 大学運営 ○目標・計画 (目標)全学委員会等において大学運営に貢献する。 (計画)入試委員会の一員として活動する。人権問題委員会の委員として人権啓発活動や人権侵害問題 への対応等に関わる。幼稚園教員・保育士課程委員会では施設実習に関することを担当する。 ○学内委員等 入試委員会委員、人権問題委員会委員、幼稚園教員・保育士課程委員会委員 ○自己評価 入試委員会委員として活動していくなかで委員会の活動内容などを理解しつつあるが、まだ十分に把 握できていない。大学入試についてこれからさらに理解を深めていきたい。幼稚園教員・保育士課程委 員会委員として特に施設実習を担当しており、 施設などの外部機関との関係を構築しなければならない。 今後も機会をみつけて関係を作るように勤めていきたい。 Ⅳ 社会貢献 ○目標・計画 (目標)地域の子育て支援団体などの活動に協力するとともに、施設での子どもや家族へのケアなどに も協力し地域での家庭支援に貢献する。 (計画)保育士などの研修会の講師、子育て支援団体などの研修会の講師、施設での子どもや家族への 相談援助、職員への助言などを行う。 ○学会活動等 全国児童相談研究会全国運営委員 ○地域連携・社会貢献等 山県市特別支援連携協議会委員、NPO 法人子どもサポートネットあいち理事、チャイルドラインぎふ スタッフ養成講座講師、児童養護施設大野慈童園心理担当、岐阜県里親研修会講師、名古屋文化キンダ ーホルト公開研修会講師、岐阜県基幹的職員研修会講師、中部地区児童家庭支援センター協議会研修会 講師 ○自己評価 地域で活動する様々な機関が実施する研修会などにおいて、子どもへのケアや対人援助などについて ワークショップやケース検討などを通して学ぶことを行った。そして将来児童福祉施設で働きたいと考 えている大学生や若い施設職員を対象とした連続講座の企画、運営を行った。また施設での職員への助 言や子どもや家族への相談援助などを行った。そういった活動を通して地域で子どもや家族の支援活動 に貢献できた。 Ⅴ その他の特記事項(学外研究、受賞歴、国際学術交流等) 特になし Ⅵ 総括 学内委員の活動内容については十分に理解できているわけではないため大学入試についての理解を深 め活動できるようにしていきたいと思っている。施設実習に関する役割を担っているため、実習施設と の関係構築など、今後、さらに行っていかなければならないと考えている。また学生が施設実習におい て学びの多いものにできるように指導したい。実習後の振り返りも大切にし、将来、現場で働くときに 活躍できる人材育成に努めたい。これまで私は地域の中での福祉的な仕事をしてきたことから、地域で 3 活動する団体や機関との関係も多い。そのため今後もそれらの団体・機関と連携しながらさらに社会貢 献活動していきたいと思っている。そういった活動から学生たちの学びを深めることや社会人として成 長していくことに貢献したい。 4
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