SURE: Shizuoka University REpository http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/ Title Author(s) Citation Issue Date URL Version 静岡大学の活動による環境負荷・環境影響と今後の環境 マネジメント 松坂, 光照; 前田, 恭伸 静岡大學工學部研究報告. 50, p. 11-32 2000-03-25 http://dx.doi.org/10.14945/00002043 publisher Rights This document is downloaded at: 2014-11-10T18:42:19Z 静岡大学の活動 による環境負荷 ・環境影響 と今後 の環境 マ ネジメン ト 松坂 光照 * 前田恭伸 韓 Environmental Loads and hpacts from me Ac饉 宙ty of Shizuoka University and the Enviromnental Management in the future Mitsutem MATSUSAKA 1.:よ Yasmobu MAEDA じめ に 現在様 々な環境問題への対応が求められるようにな り、企業や 自治体 な どの組織 は、その活動 を通 じ産み 出すであろう環境への負荷 をあらゆる段階で削減する必要があるといえる。そのための一つの手法が、環境 マネジメン トシステム (Environnlental Management System:以 降EMSと 呼ぶ)や 環境監査の導入である。環 境活動 を事業活動 の一部 とし、自らの産み出す環境負荷 を自主的・計画的に削減 してい くための ものであ ・ る。1996年 には、 この国際規格 としてIS014000シ リーズが発効 され、 この認証 を取得 している組織 も多い。 1ヽ この組織 の一つ に大学 も含 まれる。海外ではUCLAな どが学生の研究 として環境監査 を行 つた 国内で も1997年 に東海大学が環境憲章 を発表 し、1998年 には武蔵工業大学環境情報学部がIS01和 01の 認証 を取得 し 幼つ た。京都大学や東京大学では、自らの環境負荷 をco2や NOx、 SOx排 出量で評価す る研究が行 われた 。 し か し静岡大学では個 々の環境負荷の現状 も明 らかではなく、 また京都大学や東京大学での研究でも、その環 境負荷 による環境への影響 を評価す るには至 つていない。 本研究は、静岡大学がどれだけの環境負荷 を産み出 しているのかを明 らかにする。またその環境への影響 を 「 EPS ENVIRO‐ ACCOm嘔 恥Ю METHOD(以 降 PSと 呼 ぶ )」 と い う 一 つ の 環 境 影 響 評 価 手 法 に よ り明 ら かにする。同時に、今後の大学 における環境マネジメン トのあ り方 を探 る。 本論文の構成、概要 を説明する。1節 では本研究の背景、目的 を明 らかにす る。2節 では環境負荷、環境影 響の評価方法 を説明 し、本研究 における環境負荷 の評価方法・体系 を示す。3節 では、静岡大学の活動 に伴 う環境負荷 の現状 を、まず個 々の項 目ごとに示す。その後、4節 で行 う環境影響評価 を前提 に、それらを 「消費負荷」「排出負荷」 としてとらえる。 これに基づ き4節 では、静岡大学の活動 による環境への影響 を EPSを もとに評価する。5節 では、特 に3・ 4節 を受け、今後の静岡大学の環境 マネジメン トに関す る提言 を 行 う。最後 に、本研究の成果 と今後 の課題 を6節 で述べ る。 2.環 境 負 荷 、環 境 影 響 の 評 価 本研究 における環境負荷 とは、組織 (静 岡大学)の 活動 により「資源 を枯渇 させる」「大気質を悪化させ る」 など環境への影響が考 えられるような負荷である。 ここではまず静岡大学の活動が 1年 間に産み出す環境負荷 を推定 し、次 にその環境負荷 に関 し、それが地 つ ゛つ 、本研究ではⅣL 球環境 に与 える影響の評価 を行 う。い くつかの環境影響評価手法が提案 されてお り *大 学院 理工学研究科 システムエ学専攻 **工 システムエ 学部 学科 12 (ス 松坂光照、前田恭伸 ウェーデン環境研究所)が ボルボ社などと共同開発 したEPSめ とい う手法 を用いる。 これは本来、 ライ フサイクルアセスメン トにおいて製品やサー ビスの もつ環境影響度 の定量化や、環境影響へ寄与す る要因の 分析 を行 うための ものである。 本研究では、静岡大学 における1年 間の環境負荷 を把握する上での調査対象項目を ○エネルギー (電 力、都市 ガス、各種燃料) ○ コピー用紙 の使用 ・古紙回収 ○水 ○廃棄物 ○通勤・通学 (用 水、排水) ○実験廃液類 とし、その各 々の負荷量 を把握、分析 した。 これをもとに、環境影響評価を前提 とした環境負荷の評価 を、 その項 目 (以 下、これを「環境負荷項目」 とい う)ご とに行 った。具体的には、石油資源の消費量、空き缶 廃棄分 の鉄及 びアルミニ ウム消費量 を「消費負荷」 として、またco2・ NOx O SOx排 出量、COD(化 学的酸 素要求量)を 「排出負荷」 として推定・評価 した。 以上を受け、静岡大学の活動 に伴 う環境負荷が及 ぼす環境への影響 をEPSを 用いて評価 した。 これは、環 境影響項 目として5つ の「保全すべ き対象 (人 間の健康、生物多様性、生産、資源、美的価値)」 を設定 し、 これらの各々に対するネガティブな影響 を避ける、つ ま りこれらを保全するための支払意思に従 う経済 価値 を環境への影響度 として評価するものである。詳細 は4章 で述べ る。本研究の概念図を図2-1に 示す。 鵬 環境影響項目 線 全 すべ き対象リ 負荷項 目 01):SOxの みが関係する oυ :NOxの みが関係す る 図2‐ 1:本 研究 における環境負荷、環境影響の評価方法・体系 の概念図 3.静 岡 大 学 の 活 動 に伴 う環 境 負 荷 3‐ 1 調査の前提、調査範囲 調査範囲は主に静岡大学の静岡・浜松両キャンパス内である。学内及び生協からの負荷 に加え、公用車の 利用や両 キヤンパスヘの通勤・通学なども調査 した。 この範囲での構成員は、約12000人 である。 表3‐ 1¨ 1:本 研究 にお ける静岡大学 の構成員数 (1998年 度)91° 学 (昼 間 コース 生 教職員 合 計 8908 )(夜 問主 コース)1学 生合計 静 岡 7802 257 8059 84g 浜松 2493 272 2765 401 3166 合 計 10295 529 10824 125C 12074 1年 間の環境負荷 を把握す る上での調査対象項目は、エ ネルギー (電 力、都市 ガス、各種燃料)、 水 (用 水、排水)、 コピー用紙の使用・古紙回収、実験廃液類、廃棄物、通勤・通学である。 静岡大学の活動による環境負荷 0環 境影響 と今後の環境マネジメント 13 エ ネルギー、水、 コピー用紙 の使用・古紙回収、実験廃 液類 については、事務局 の協力 の もと1997年 もし くは同年度 の実績 を調査 し、管理状況な どをヒアリングした。 廃棄物 については、一部 をサ ンプルと して実測 (1998年 度 )し 、 1年 間の総量 を推定 した。なお実測 した のは、事務局 が回収場所な どを設けて回収 した可燃物 ・不燃物、及 び生協 が回収 か ごを設置 して回収 した可 燃物・不燃物 であ り、本研究 では、 これを静岡大学 の活動 に伴 う廃棄物量 とみなす。 通勤 ・通学 については教職員及 び学生 にアンケ ー トを行 い (1998年 度 )、 1年 間の手段別総 移動距離 を推 定 した。通勤及 び通学 に関す る調査方法・ 回答数、推定方法 を以下に示す。 <通 勤 > 静岡地区、浜松 地区 に勤務する教職員か ら、その約 1割 にあたる126人 を無作為 に抽出 し、学内便 を通 じて 調査 を実施 した。抽出時 に地区の区別 は してい ない。約20日 後 を締切 りとし、学内便 での返信 を求 めた。調 査 は1998年 10月 に行 い、126人 中75人 か ら回答 (回 答率 は59.5%:静 岡51人 、浜松24人 )を 得 た。 各手段 の構成比 を算 出 し、手段別利用者数 を推定 した。 自転車、徒歩以外 の手段 は、その年 間移動距離 を 推定 した。ア ンケー トでは電車 とバス を区別 したが、 これらを単独 で利用す るとい う回答 は ご くまれであ つ たため「公 共交通機関」 とまとめた構成比 を算 出 し、個 々の年間移動距離 を推定 した。 <通 学 > 通学 については、傾向 を考慮 し各地区別及 び コース (昼 間・夜間主)別 に調査 を行 った (1998年 10月 )。 調査方法 と主な対象者 は以下 の とお りであ る。 ・授業中にア ンケー ト用紙 を配布 し、授業終了後 に回収 した。 (対 象 :研 究室 に所属 しない学生) ・複数の研究室 で直接用紙 を配布 した。 (対 象 :研 究室 に所属す る学部生・院生他 ) ア ンケー トの依頼 は、環境 問題 に関連 してい る授業・研究室 を中心 に行 つた。 ア ンケー トの主 旨に対す る理 解 をより得 られる ことを考慮 したためであ る。回答数 を表3-1-2に 、その学年別構成比 を表3-1-3に 示す。 表3‐ 2:通 学に関するアンケー ト回答数 1‐ 昼間コース 夜間主コース 静岡 94(1.2%) 浜松 30 (H.7%) 90(3.6%) 表3‐ 3:通 学に関するアンケー ト回答学年別コース別構成比 1‐ 地区 コー ス 学部 1年 静岡 昼 間 夜間主 浜松 昼 間 37.2 ― 学部2年 学部3年 学部4年 修 Lrle士 前期 博士後期 他 29.〔 26。 つ 70。 C 0 推定方法 は通勤 の場合 と同様 であ る。浜松地区夜 間主 コースの学生 に対 してはア ンケ ー トが実施 で きな かったため、手段別構成比 は静岡地区夜 間主 コース と同様、平均所要時間・距離 は浜松 地区昼 間 コース と同 様 であ るとした。 上記 以外 にも、実験機器 ・電子計算機 その他 の物品購入、学内施 設 の建設、土地利用 な どが環境負荷 とし て考 えられ るが、 これ らは対象外 である。本研究が、静岡大学 の活動 に伴 う環境負荷 の全てを示す ものでは ないことを念頭 に置 く必要がある。 3‐ 2 3‐2‐ 静岡大学 における環境負荷の現状 1 エネルギー <電 力 > 表3‐ 2-1に 、静岡大学及 び京都大学、東京大学 の1年 間の電力使用量 を示す。 また、静 岡大学浜松地区の部 14 松坂光照、前田恭伸 局別の電力使用量 を図3-2-1に 示す。静岡地区 につい ては、入手 で きた電気料部局別負担内訳表 °に従 い、電 力使用 に伴 う負担料 金 (基 本料金 +使 用料金 十消費税他 )構 成 を示す こ とで傾向 をみる (図 3-2‐ 2)。 また、 電力使用 の年間の変動 に関す るデー タとして、浜松地区の月 ご との使用量 を挙げる (図 3‐ 2-3)。 表3‐ 2‐ 1:静 岡大学及 び他大学 の電力使用量 及 び1人 あた り同使用量 静 岡 浜 松 合 計 京都 大学 東京 大学 11)2) 電力使 用 量 1人 あ た り使用 量 備 考 7701840 865 1997年 度 実績 5780758 1997年 実績 13482598 工 学 情報 学部 科 研 電 5067 1995年 度 実績 5514 1996年 度 実績 13024756つ 12105180〔 単位 :kwh 部 研 ・ 厚生 =務 1500000 単位 :kWhノ 人 電力使用量 (kWh) 図3‐ 2… 1:静 岡大学浜松地区の部局別電力使用量 (1997年 )2) 図3‐ 2-2:静 岡大学静岡地区の電力使用 に伴 う負担料金の構成 (1997年 度)3) 図3‐ 2‐ 3:静 岡大学浜松地区の月別電力使用量 (1997年 ) 地区別 にみると、全体 の使用量 では静岡地区の方が多 いが、 1人 あた りでは逆 に浜松地区の方が静岡地区 をloookWh近 くも上回 っている。 これは、工学部、情報学部以外 に電子科学研究科や電子工学研究所 なども 電力 を多用す るためであ る。また、理学部や農学部 の負担料金は文系学部、特 に人文学部のそれを大 きく上 回 る。 これ らよ り、理系学部が文系学部 よ り電力 を多用す る傾向 にあ るとい える。 この主な理由 としては、 o電 子計算機 の多用 (b)特 殊 な実験機器の利用 (c)研 究室 での在室時間の長 さ などが挙げ られる。oや (b)は 、その ものの使用 による電力使用以外 に、その部屋 の空調 による電力使用 も伴 う。電子計算機 は熱 に弱 いため、夏期 には24時 間冷房 を使用 したままの部屋 もみ られる。 表3‐ 2-1は 、静 岡大学 と他大学 の電力使用量 の違 い も示 してい る。静岡大学 の使用量・ 1人 あた り使用量 は 京都大学、東京大学 の数分 の 1で あ る。 しか し調査範囲の違 い な どもあ り、一概 に静岡大学 の電力使用量が 大 きくない とは判断 し得 ない。比較 も重要であるが、 まず 自 らの産み出す環境負荷 を自覚す る必要があ る。 図3‐ 2-3よ り、浜松地区は7、 9月 に最 も多 くの電力 を使用 してい ることがわかる。冷房使用 が主な原因 と考 15 静岡大学の活動による環境負荷・環境影響 と今後の環境マネジメント えられる。浜松地区では、学内の節電節水委員会が学内放送 などで節電 を促 した。 しか しこれ らは経費削減 が第一の前提 であ り、更 に環境負荷削減 をも考慮 した対 策 として協力 を求 めてい くことが望 まれる。 <都 市 ガス > 表3-2‐ 2よ り、都市 ガスについて も、1人 あた り 表3‐ 2¨ 2:静 岡大学の都市ガス使用量 01人 当り同使用量 使用量 1人 当 り 使用量 などに 電力 と同様 の傾向がみ られた。 ただ し、月別 の使用量 をみると、 ピー クが冬期 で あ ることがわかる (図 3-2-4、 3-2-5)。 暖房 や給湯 5) 備考 静岡 318680 1997年 度実績 浜松 237750 1997年 実績 合計 556430 (単 位) 耐 ボノ人 注意 :浜 松地区情鞄 号館 は含 まない。 が主な用途 であ ると考 えられる。また、情報学部 2号 館 は都市 ガスによる空調 1° (GHP)を 行 つてい る ため、今後浜松地区全体 の使用量 は増加す るもの と思 われる。 ガ ス使 用 量 話 ガ ス使 用 量 耐 1 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 図3¨ 2‐ 4:静 岡地区月別都市ガス使用量 (1997年 度)1° 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 図3-2-5:浜 松地区月別都市ガス使用量 (1997年 )5) <各 種燃料 > 静岡大学 では、公用車 の利用 にガソリン と軽油 を、 また特 に冬期 の暖房 ・給湯用 にA重 油 を利用 してい る。 1997年 度 の各使用量 を表3-2-3に 示す。 表3¨ 2‐ 3:両 地区の1997年 度燃料使用量 静岡 ガ ソ リン 1° ") 種別合計 ① 浜松 5935.8 1433.8 軽油 285.5 376.0 A重 油 6000C 20000 7369.6 80000 以上のエネルギーについて、その各々の発熱量 を算 出 した。表3‐ 24に 示す。 表3-2-4:エ ネルギー別発熱量 使用量 電力 13482598 都 市 ガス 556430 ガソリン 7369.6 軽油 A重 油 (単位 ) kWh 耐 1 1 80009 1 18)と 発 熱量原 単位 2250 kcalノ kWh 1∞ 00 kca:/nf 路 00 kcalノ 9200 kca:ノ 9300 kca1/1 その構成 発 熱 量 (Gca) 30336 構 成 比 (%) 82.63 5564 0.17 : 0_02 │ 74И 2.03 エ ネルギー需要 の大半が電力 であ ることが よ くわかる。電力 (及 び都市 ガス)に ついては、 ここ数年、学 生数 の増加 な どに伴 い全体 の使用量が増加傾向 にある ことか ら、エ ネルギー消費削減即 ち環境負荷削減のカ ギを握 るもの とい える。特 に理系学部 にその傾向が強い。 1年 間のエ ネルギー消費 は把握 で きたが、それが どの ように用 い られていたかは明 らかにで きなか つた。 エ ネルギー、特 に電力 の消費 を削減す るにあたつては、その用途 の推定 は欠かせ ないであ ろ う。 16 3¨2‐ 松坂光照、前田恭伸 2 K 冽 <用 水 > 用水使用量 を表3-2‐ 5に 示す。なお、「上水 ・揚水使用量 =下 水量」 を仮定 してい る。 これか らも、理系学 部が よ り多 くの水 を使用 してい ることがわかる。理学部や農学部 は、実験 などで多 くの水 を使 うもの と思れ る。 1人 あた り用水使用量 は静岡地区で18。 9m3、 浜松地区で29。 3m3で ぁ る。 建物別 でみると、使用量 の大 きい建物 とそうで ない建物 がはっ きりした。工学部 の電気棟 ・工短 (合 同) 棟 ・光電棟 の例 を図3-2-6に 示す。使用量 の大 きい建物 についてはその原因 を追求 し対策が必要 であ る。 表3‐ 2‐ 5:静 岡大学 の用水使用量 鋤勾 揚水 下水 19366 19366 共通教育棟 44105 44105 理学部 42574 42574 教育学部 人文学部 19063 19063 4339 4339 農学部 38600 浜松 (1997年 ) 92747 合計 (耐 ) 92747 上水 使 用 量 耐 珠 静岡 (1997年 度 ) 本部管理棟 1 2 3 4 5 6 7 み、ヽ ‐ 8 、 ρ プ 9 10 11 12 月 38600 図3‐ 2‐ 6:工 学部電気棟 ・工短棟 。光電棟 の月別上水道使用量 (1997年 )η 92747 168047 ‐‐ `°` ●‐ ・ a、 _σ ′'‐ ・ .ヽ 260794 静岡地区では、全 ての用水 を地下水 によ りまかなってい る。現在 の施設 ではこれ以上 の供給 は望 め ない と いわれてい る0。 使用量 を最小限 にす る こ とで需要過剰 を回避 し、環境負荷 を最小限 にす る必要があ ろ う。 <排 水 > 1997年 度 の排水分析結果 (pH平均値、COD平 均値)を 表3-2-6に 示す。 表3-2-6:静 岡大学 の1997年 度排水分析結果 地区 採水場所 静岡 (pH、 浜松 COD)2o2の 排水基準 (水 質汚濁防止法) 守衛所前 設備管理室前 第1沈 殿槽 第2沈 殿槽 pH平 均値 8.4 COD平 均値(mgrl) 学内の排水 に関 しては、その調査項 目・採水 5。 8-8.6 160(日 間平均 120)以 下 (調 査 )回 数 などが 各地区 で異なる。対 象項 目は各 地区環境 保全委員会 の決定 に基づ く。1997年 度 は、静岡地区でPh・ カ ドミウム・ シアン・ クロム・鉛・ ひ素・亜鉛 0 総水銀・銅・6価 クロム、浜松地区でpH O CoD・ 鉛 ・ ひ素・四塩化炭素 0ジ クロロメ タン・ 1,2ジ クロロエ タ ン 0191… ジクロロエ チ レン・ベ ンゼンが対象 であ る。項 目が変更 になってす ぐの調査 にお いて、新 たに対象 となった項 目が基準値 を超過する ことが度 々あ るとい う。採水回数 は静岡地区で年3回 、浜松地区では月1回 であ る。CODの 調査 は浜松地区でのみ行 われてい る。pHに 関 しては全 ての採水時 におい て排水基準 の範囲 内 にあ り、またそれ以外 について も、全 ての採水時 において排水基準 を大 きく下回つてい る。 しか し排水 中 に微量なが ら有害物質 (例 えば、鉛 )が含 まれてい るとい うこと も認識す る必要があ る。 3¨2‐ 3 コピー用紙 の使用・ 古紙回収 静岡大学 では、事務用、研究・教育用その他 に多 くの紙 を使用す る。表3‐ 2… 7に コピー用紙 の使用状況 を示 す。 ただしこれは両地区経理部 での購入分 であ り、各部局 (学 部)単 位、学科単位、個人での購入・使用分 は含 まない。従 って、表3‐ 2-7に 示す数値 は全体 の紙 の使用量 の一部 であ る。 17 静岡大学の活動 による環境負荷・環境影響 と今後の環境 マネジメン ト 表3-2‐ 7中 の コピー用紙 は全 て再生紙 (特 に静岡地区 表3‐ 2‐ 7:静 岡大学の1997年 度 コピー用紙使用量 使用分 は古紙使用率70%)で あ る。 しか し、 コピー機 静岡 の性能上止むを得ず上質紙 を使用 してい る部局 もある とい う。授業 な どでは、非常 に多 くの コピー用紙が使 A3 39000 4950C 885∝ 708 A4 1702500 982500 2685Ⅲ 107刹 B4 147500 72500 220000 1320 95000 95000 190000 1984000 1199500 31835∝ B5 用 される。使用量 を最小限 にす るには、両面 コピーの 合計 徹底、裏紙 の利用 など対策が必要 となろ う。 古紙 回収 は、両地区 とも行 われてい るが 、浜松地区 表3‐ 2‐ 8:浜 松地区の1997年 度古紙回収量 が2か 月 に一度定期的 に行 われてい るのに対 し、静岡地 重量eg) 種別合計 (枚 ) 浜松 24D25D 月 回収量 αJ 筍 月 回収量 化g) 区では不定期 であ る。回収 の対象 は、段 ボー ル・新聞 9200 7562 紙・ 雑誌・ コピー用紙 などである。浜松地区 の1997年 7660 合計螢劃 度古紙回収量 を表3-2-8に 示す。学生 の卒業 や教員 の退 72441 官 に伴 い書類 な どが整理 され る時期、 また新年度す ぐ に回収量 が多 くなる傾向 にある。 3-2¨ 4 実験廃液類 2つ 表3‐ 2-9に 有機廃液、表3-2‐ 10に 無機廃液、表3-2‐ 11に 写真廃液の各処理量 を示す 鋤 。全 て1997年 度実績 で あ る。両地区で搬出回数 (静 岡地区3回 、浜松地区5回 :1997年 度 )な どが異なる。 これまでの学生数の増加 によ り、有機・無機廃液の処理量 は増加傾向 にあ る。実験 や研究で多 くの試薬が用 い られるためである。 表3-2-12に 不用試薬回収量及 び水銀系廃棄物 などの処理量 (浜 松地区のみ)を 示す。試薬 は、あ る研究室 で不用 となった ものを他 の研究室で利用す るなどし、不用 とならない よう呼 びか けてい る。 η)2め 表3‐2‐ 9:静 岡大学 にお ける1997年 度有機廃液処理量 離 静岡 教育学部 理学部 農学部 共通教育 含窒素有機廃液 含ハログ ン有機溶媒 含硫黄有機溶媒 廃油類 炭化水素系有機溶媒 有害性溶媒廃液 可燃性廃液 難燃性廃液 部局別合計 種別合計 ① 1909.8 1126 1095 0 0 0 973.2 1603 40 2818.2 40.6 296 28 455 1 20 2C2 0 酬 364.6 4223 4223 2635.6 2635。 6 265 1713.6 3792 584 13213.2 η)2め 表3¨ 2¨ 10:静 岡大学 にお け る1997年 度無機廃液処理量 浜松 静岡 シアン系廃液 水銀系廃液 フッソ 。リン系廃液 金属系廃液 廃酸 教育学部 理学部 農学部 共通教育 0 0 0 40 ″ 10 種別合計 (1) " 0 1438.1 546.6 264.5 179 1 242 180 0 120 0 廃 アル カ リ 相 重金属廃液 ク ロ ム酸 廃 液 蜆 3 120 3005。 9 3005。 9 567 567 ひ素廃 液 部局別合計 表3‐ 2‐ 9、 82 590.6 556.5 494 448 3665。 9 5755 処理量は0。 3‐ 2‐ 10の 注意 :静 岡地区については健康保健 センター、学生課 で も調査を実施。ただし 18 松坂光照、前田恭伸 表3‐ 2¨ H:静 岡大学における1997年 度写真廃液処理量 2つ 2め 静岡 浜松 種別合計 (1) 60 490 600 現像廃液 定着廃液 地区別合計 (1) 1030 147 表3-2‐ 12:浜 松地区 におけ る1997年 度不用試薬回収量、水銀系廃棄物 ・汚染物・汚泥処理量 不用試薬回収量 (kgJ 無機物 フッ素系化合物 有機物 (含 ハログ ン系 ) 特定有害塩素系溶剤 酸化・ 還元剤 カ ドミウム化合物 水銀系廃棄物 (kg) 49。 一般汚染物 716.570 蛍光管 ″ 。 0 鉛系汚染物 0.920 1.600 10.10C 合計 (崚 ) 3-2‐ 5 廃器具 3.4 クロム系汚染物 汚染物 砒素系汚染物 水銀 シアン系汚染物 セ レン系汚染物 296 水銀廃液 鉛化合物 クロム化合物 砒素 。セ レン化合物 シアン化合物 その他 汚泥処理量 αg) 956 乾電池 65。 973 0。 汚染物 (k2) 水銀化合物 0.6 2め 2.350 265.500 0。 158 4.600 カ ドミウム・セ レン含有汚染物 42.OXl 2.766 17.467 155。 432 合計 (崚 ) 396.2 合計 (嫌 ) 1032.09〔 1300 廃棄物 <可 燃物 > 表3‐ 2-13に 、可燃物 の推定回収量 を示す。以前 は学内か ら出た可燃物 (生 協 回収分 を除 く)を 学内で焼却 処分 していた。 しか し、その焼却炉か らのダイオキシ ン発生量 の基準値超過 に端 を発 し、静岡地区では1997 年 10月 か ら、浜松地区で も1998年 2月 か ら、可燃物 を含 めた廃棄物 の収集・運搬 を業者 に委託 してい る。 表3-2-13:静 岡大学 での可燃物推定回収量 (1998年 度 ) 回収重量 o■ ) 学内 生協 小計 124838.6 浜松 94097.4 29884.4 20128.7 50013.1 小計 123981.8 50869。 9 174851.7 静岡 30741.2 1人 あた り回収重量 ckgノ 人) 学内 静岡 10.6 浜松 9.4 生協 14.1 6.4 静岡地区がHか 所 で回収されるのに対 し、浜松地区は1か 所のみで、かつ指定された 日時・回収袋 (半 透 明 もしくは透明の もの)で 回収 される。浜松地区では、回収場所 に教職員が数名立ち合い、古紙 として再利 用で きるような紙や不燃物などが持 ち込 まれた場合 には注意がなされる。 これは、浜松市が容器包装 リサイ クル法 に基づ き分別回収を行 つていることに伴い、同地区環境保全委員会が中心 となって実施 しているもの である。現在、浜松地区でこれらが実施で きるのは、 。その学生のほとんどが研究室 に所属 し、その研究室 ごとに可燃物 (そ の他「 ゴミ」 も)を 持 ち込むこと で生まれる、 ゴミヘの「意識」 ・多 くの学生が下宿生活で行 っていることによる、分別回収への「慣れ」 などが、相互に作用 しているためだと考 えられる。 この結果 として、可燃物の回収量減少や教育的効果が期 待 される。逆に静岡地区では、研究室 に所属 しない102年 生 も多 くこのようなことが難 しい。浜松地区で も 静岡大学の活動 による環境負荷・環境影響 と今後の環境マネジメン ト 19 2000年 度 よ り工学部、情報学部カン年一貫教育 を行 うことになってお り、研究室 に属 さない学生に対す る新 たな対策が必要 となるだろう。 生協では、食堂から出る生 ゴミを中心 に回収 してい る。静岡地区第1食 堂からの生 ゴミについては、1998 9。 これは 、平成9年 度 より進めら 年6月 ごろから、試験的にベータ菌処理 によるコンポス ト化 を行 つている れている「学内特別研究 プロジェク ト∼人間 と地球環境」の1つ 「キヤンパス リサイクルシステム・エコマ スタープランの研究」 によるものであ り、生協が これに協力する形で研究が進んでいる。効果が実証 されれ ば、この コンポス ト化の拡大 も望まれる。なお コンポス ト化 された分は可燃物の回収量 に含 まれていない。 <不 燃物 > 本研究 で調査 で きた不燃物 は、主 に空 き缶・ 表3‐ 2‐ 14:静 岡大学 にお ける不燃物推定回収量 (1998年 度 ) 空 きびんなどである。大型 ゴ ミ (粗 大 ゴ ミ)は 調査 が及 ばなかったため、本研究では対象外 で あ る。表3-2-14に 不燃物 の推定回収量 を示す。 合計 αJ 学内 生協 静岡 41400.0 31350.0 浜松 11362.8 2325.6 13688.4 合計 52762.8 33675.6 86438.4 72750.0 浜松地区では、 アル ミ缶 0ス チ ール缶・ びん・ペ ッ トボ トル・高分子類 が各 々のか ごに回収 され、 これ ら の 回収場所 が6か 所あ る。静岡地区では、可燃物同様 11か 所 で回収 されるが、アル ミ缶 とスチ ール缶 の分別 がなされてお らず、ペ ッ トボ トルは可燃物扱 い となる (1998年 現在 )。 理学部 では発泡 ステ ロール、実験用 びん類 な どを、農学部 では更 に注射 キャップ、 シャー レな ども分別 回収 してい る。 このように部局 ごとに使 用す るもの、発 生す る ゴミが異 な り、それに応 じた分別 を独 自に進 めることは合理的であ るとい える。 生協 で も同様 の分別形態 であ る。 ただ し生協 では、回収・ リサイクルルー トを確保 した後 に50mlペ ッ ト ボ トル飲料 の販売 を開始 した。 これらの もつ環境負荷 の大 きさを考慮 し、 まず生協内での回収 ・ リサイクル ルー トを確保す るとい う取 り組みは評価 で きる。 表3-2-14は 推定値 であ り、大型 ゴ ミなどを含 んでい ない。可燃物 も最近 までは焼却処分 されていた。 これ は、その回収量 を明確 にす るシス テムがなか ったことを示 し、廃棄物 の削減があま り考慮 されてい なか った ことをも示す。廃棄物問題 は深刻 であ り、その削減 は急務 であ ると同時 に取 り組 みには様 々な体制が必要 と なる。今後、自主的に これらの問題 に取 り組 む必要性 は多 い にあ るとい える。 3‐2‐ 6 通勤・ 通学 本研究 では教職員及 び学生 に対 しアンケー ト調査 を行 い、 自転車、徒歩以外 について手段別 の年間移動距 離 を推定 した。通勤、通学 に関す る結果 を各 々表3‐ 2‐ 15、 表3-2¨ 16に 、 まとめたものを表3-2¨ 17に 示す。 表3‐ 2¨ 15:静 岡大学教職員の通勤手段 とその構成、移動距離 <静 岡地 区 > \手段 構成比 (%) 片道平均 距離 仙n 移動距離 (千 人hry) ガソリン車 デ ィーゼル車 猪 車 51.0 2432 3。 電車 原付 9 バ ス 25.5 185 0 37.5 4.2 0 4.3 15.2 103 1583 自転車 徒歩 4.1 10.2 7 16.7 1146 <浜 松地区 > 構成比 %) 片道平均 距離 仙n 10。 2 10.2 移動距離 (千 人kWY) 698 79 4。 2 20。 3.0 0 24 170 267 注意 :自 動車 の片道平均距離 はガソリン車・ デイーゼル車 を合 わせて算出 した (通 学 も同様 )。 20 松坂光照、前田恭伸 表3‐ 2‐ 16:静 岡大学生の通学手段 とその構成比、移動距離 地区 コース 静岡 昼間 浜松 \手段 ガソ リン車 デ ィーゼ ル車 2輸 車 構成比 (%) 片道平均距離 ●o 移動距離 (千 人knw) 16.0 16.0 2144 0 夜間主 構成比 (%) 片道平均距離 ⑩n 移動距離 (千 人mw) 昼間 構成比 %) 片道平均距離 ⑩n 移動距離 (千 人hw) 夜間主 構成比 (%) 片道平均距離 ⑩ω 移動距離 (千 人h山 ) 原付 電車 自転車 バ ス 22.3 4.3 900 16.0 16.0 789 98 0 55 0 10.0 3.0 36 0 9。 2784 6179 10.0 0 17 4.0 23.3 37 285 82 22.2 5.0 592 53.3 736 811 121 10 10.0 3.0 4.3 2 174・ 25.5 4.0 10.0 3.0 徒歩 36.2 39 5.0 46 496 74 表3‐ 2¨ 17:静 岡大学構成員 の通勤・ 通学 による推定年間総移動距離 ガ ソ リ ン車 (単 付 ::千 人 bげ 年 通 勤 通 学 合 計 デ ィー ゼ ル車 ) 3r3ol 3143 6273 2el 120 384 2輪 車 原 付 ol 1586 1586 公 共交 通機 関 雷 重 rz7 3603 3730 1753 7771 9524 │ゑ 1413 2054 3467 注意 :自 転車、徒歩による通勤・通学は無負荷 と考え、その移動距離は算出していない。 表3-2-15よ り、静岡地区で約55%、 浜松地区で約42%が 自動車通勤 をしてい ることがわかる。京都大学吉 田地区 (京 都市 )で の教職員 の 自動車通勤が6%で あ ることを考 えると、 これは地方大学 の大 きな特徴 を示 す ものであ る。 しか しこの中 には所要時間が数分 の ものあ り、手段変更に よる環境負荷削減の余地 は残 され てい るとい える。 通学に関 して、昼間 コースでは、自転車・徒歩 による通学が全体 の約6∼ 7割 に及 ぶ。大学周辺 に下宿 して い る学生が多 いためだとい える。逆 に、夜 間主 コースでは 自動車通学 力も割 を占め、2輪 車・原付 を含 めると 全体 の4分の3以 上を占める。 これ らの環境へ の負荷 は大 きい とい える。 また、原付 による通学 わず)の うち、通学所要時間・距離が非常 に短 い (2、 (コ ース を問 3分 :数 百 メー トル)回 答 もあ った。授業終了後 アル バ イ トに行 くため などの理由が考 えられるが、手段 の変更が望 ましい。 3¨ 3 影響評価 を前提 に した環境負荷 の把握 環境へ の影響度 を評価す るには、 まず対象 となる負荷 を定量化す る必要があ る。本研究では、次章 でEPS を用 い て静岡大学 の活動 が もた らす環境 へ の影響度 を評価す る。EPSに お いて対象 となる環境負荷項 目に は、例 えば以下がある (土 地利用 を除 く)。 ・石油資源、石炭資源、金属資源 (鉄 、 アル ミニ ウムなど全 17種 類 ) ・ CFC‐ 11、 CH4、 CO、 C02、 C2H4、 NOx、 N20、 OBOD、 COD、 PAH(多 環 芳 香 族 炭 化 水 素 類 )、 SOx 全 窒 素 、全 リン 本研究では、 このうち石油資源の消費量、空き缶廃棄分の鉄及 びアルミニウム消費量 を消費負荷 として、静 岡大学の様 々な活動 に伴 うC02° NOx・ SOx排 出量、CODを 排出負荷 として推定 した。また、項 目別 にとら えた環境負荷 を、co2・ NOx・ SOx排 出量の推定 により統合的 に評価 した。 静岡大学の活動による環境負荷・環境影響 と今後の環境マネジメント 3‐3‐ 1 21 消費負荷 <石 油資源 の消費 > 通勤・通学 における燃料 (ガ ソ リン、軽油)の 消費量、それ以外 (公 用車の利用 な ど) での燃料 の消費量 を推定 した。それだけの資源が枯渇 した ととらえる 16D")29p30p。 (表 3‐ 3-1) 表3‐ 3‐ 1:静 岡大学の活動 に伴 う石油資源消費量 消費量 a) 消費量 o■ ) ガソ リン ( 578032.` 軽油 39061.5 32421.C 腫 油 80圃 .0 770709。 合計 712∞ .0 681653.2 <金 属資源の消費 > 不燃物回収量の うち、重量ベースで全体 の約56%が スチール缶、12%が アルミ缶であると仮定する (浜 松 地区不燃物回収量調査結果 よ り)。 鉄、アルミニウムの消費量 は各々48405.5kg、 10372.6kgと 推定される。 2 排出負荷 <COD> 3‐3‐ 静岡地区 の年平均 COD値 が、浜松 地区のそれ (3.785mg/1)と 同様 で あ ると仮定す ると、次 のCODが 推定 され る。 3.785× 10`α フの×(92747+168047)× 103の =987.1仏 グ <C02° NOx・ SOxJ卜 出量 > 各項 目に対 し以下 の ()内 の段階での排出 を考慮す る。 エ ネルギー、通勤・通学 (消 費) 上下水道 (生 産 ) コピー用紙 (生 産及 び流通 ) 廃棄物 (処 理 ) 表3-3‐ 2に C02° NOxOSOxの 排出原単位及び静岡大学の活動 に伴 うそれらの排出量 を、また表3-3-3に 静岡 大学・東京大学・京都大学各 々の活動 に伴 うC02° NOx・ SOx排 出量 を示す。ただし、表3-3¨ 3に 示 される排 出量 は各々の調査範囲に基づ くものであ り、東京大学や京都大学の排出量 は、附属病院、医学部や薬学部、 研究所・センターなどでの排出を含 んでいる。そこで、東京大学及 び京都大学 において附属病院を除いた排 出量、 また部局別の使用量がより明確 な東京大学 を対象 に、静岡大学 とほぼ同様の部局 (学 部)を 想定 した 上での排出量 を試算 した。表3‐ 3-4に 示す。同様の部局 とは具体的に、東京大学の文・法・経済・教育・理・ 農・工の各学部、工学部附属総合試験所、経理部、大型計算機センター、教育用計算機 センター、附属図書 館 を含 む。更 に静岡大学浜松地区 と東京大学工学部でのC02・ NOx e sOx排 出量を試算 した。表3‐ 3‐ 5に 示 す。 これは、同様 の1部 局 での排出量 の比較 を考慮 した試算 である。なお、 ここでい う東京大学工学部 と は、各学科・研究科の他、大規模集積 システム設計教育センター、工学部附属総合試験所 を含 む。排出原単 3り め め 幼 省エ ネルギー便覧 を参考 にした。 位 は主に平井 、小南 、1990年 産業連関表 、総合エネルギー統計 181、 22 松坂光照、前田恭伸 表3‐ 3‐ 2:各 環境負荷に伴うC02・ NOx・ SOx各 排出原単位及び排出量 環境負荷量 (単 位) COJF出 原単位 13482598 kWh 556430 耐 電力 都市ガス ガソリン 7369。 6 661.5 80000 軽油 埴 油 上水道 下水道 コピー用紙 0。 NOx排 出原単位 SOx排 出原単位 136 0.335 0.584 1 0。 l 0。 0。 643 COJ卜 出量 NOx排 出量 SOxタ ト 出 1833.6 5487.4 4516。 7 325.0 133 53.4 721 0。 736 1 92747 耐 0。 515.2 483 269.tl 耐 100。 0.709 一般廃棄物 通勤 。通学/G車 D車 電車 バス1 2。 261290 6273 千台km 0.470 0。 7 430。 3 70 277 725 28.7 122.8 72,4 403.4 4547.9 2032.5 102,9 千台km 9524 千力 h 540。 9 34671 199,7 241.7 142.9 千姉 排出原単位・ 排出量単位 合計 「 り出量 620。 7 39。 2 千台km 千台km 2輸 車 原子 1246.4 7.25 47.2 kO_crr境 負荷量 o‐ N02/P境 負荷量 g‐ SO環 境負荷量 t― C kg‐ 3030.4 1 174.7 N02 kg― 13828.4 S02 8616.6 注意 :○ 例 えば電力 のCo2JF出 原単位 はo。 136kg‐ C/kWh、 バ スのSOx排 出原単位 は2.16g― SOx/EFtthで ある。 ○ 自動車 などの燃費 は以下を仮定 し、1台 に1人 のみの乗車 とした。 4輪 車 :lo kmrl(ガ ソリン車・ デイーゼル車 とも)2輪 車 :25h/1 原付 :50bげ 表3‐ 3‐ 3:静 岡大学、東京大学、京都大学 のCo2・ NOx O SOx排 出量、 1人 あた り同排出量 総排 出量 13828.4 55786。 2 の 注意 :東 京大学 は小南 、京都大学 は平井幼の研究 による。平井 による研究 はCOガ ト 出量 のみ推定 してい る。 表3‐ 3‐ 4:C02・ NOxo SOx排 出量、1人 あた り同排出量の比 較 1人 あ た リツト 出量 NOx ckg― N02ノ 人 )ISOx 奎董里1△釜姜と:ユ を │ 場 合 の排 出量 … 注意 :京 都大学のNOxO SOx排 出量については、静岡大学 に用いた各排出原単位により試算 した。 部局を静岡大学 と同様 に想定 した場合の東京大学のC02・ NOx O SOx排 出量 については、 静岡大学に用いた各排出原単位 によ り試算 した。 表3‐ 3… 5:静 岡大学浜松地区及 び東京大学工学部 にお け るco2° NOx O SOx排 出量、1人 あた り同排出量 12193 注意 :東 京大学工学部の各排出量については、静岡大学に用いた各排出原単位により試算 した。 各 々の調査範囲に基づ く排出量 に関 し、静岡大学 は、総排 出量 01人 あた り排出量 と もに東京大学や京都 大学 の排出量 を下回る。また、東京大学及 び京都大学 において付属病院 による もの を除いた排 出量、同様 の 23 静岡大学の活動による環境負荷 0環 境影響 と今後の環境マネジメント 部局 を想定 した場合 の排 出量 との比較 にお いて も、静岡大学 の排 出量 (総 排出量 01人 あた り排 出量 とも) の方がそれらを下 回 る。更 に、一つの部局内での排出量 で も、静岡大学浜松地区のリト 出量 は東京大学工学部 のそれを下回る。以上 よ り、東京大学や京都大学 と静岡大学 との排出量 の差 は ○医学部や薬学部、種 々の研究所・ センター、附属病院 など静岡大学 にはない施設 がある ○同様 の部局なが ら、その規模 (学 科構成、学生数、教職員数、設備 な ど)が 異なる とい う、大別 して2つ の要因 によるもの と考 えられそ うである。 次 に、静岡大学 におけるC02° NOxO SOxの 排出構成 を示 し、その傾向 を述べ る。 図3… 3¨ 1:静 岡大学の活動に伴うC02° NOx・ SOxの 排出構成 全ての排出構成 において、電力使用 と通勤 ・通学 の割合が高 い。 この2つ で全体 の8割 以 上を構成 してい る。特 に、NOx排 出構成では 通勤・通学 カン3。 3%と 電力使用 (39.7%)を 上 NOx C02 電 力 60.5 39。 7 ガス、燃料 上下 水道 コピー用紙 廃 棄 物 通勤・通学 SOx 52.4 43.3 単位 % 回る。東京大学 では通勤 ・通学 によるC02° NOx・ SOxの 排 出がいず れ も全 体 の約 15∼ 17%で あ り、 また京都大学 では通勤 ・通学 によるC02排 出が全体 の約5%で あ ることを考 える と、静岡大学 では、通勤・ 通学時 の 自動車 などの利用 がC02・ NOx・ SOx排 出構 成 の中で高い比率 を示 してお り、環境負荷 を増大 させてい る一つの要因であるとい える。 4.静 岡 大 学 の 活 動 が 及 ぼ す 環 境 へ の 影 響 4‐ l EPS ENV:RO‐ ACCOUN丁 :NG METHOD 前章 で とらえた静岡大学 の活動 に伴 う環境負荷 が 、環境 にどのような影響 をどれだけ及 ぼす か、EPSを 用 いて評価す る。 <EPS概 要 > EPSの 詳細 は、 1992年 12月 発表 のⅣL― REPORT° において記 されてい る。評価 の基礎 は、 ・環境 (保 全すべ き対象)の 変化 を、その環境 へ の影響 ととらえ、その度合 い に価値 を置 く ・資源 の枯渇、排出、 その他活動 の どれが、環境 の変化 に寄与す るかを評価す る ことにあ る。環境中の変化 は、5つ の「保全すべ き対象 (Safeguard Su可 ∝t)」 人間の健康 生物多様性 生産 資源 (資 産、富 ) : 美的価値 の うちの一つ もしくはい くつかに対す る影響 をもとに表現 される。保全すべ き対象へ の ネガティブな影響 を 避ける、つ ま りその対象 を保全す るための支払意思 (Willingness To Pay:WP)に 従 う経済価値 を、環境ヘ の影響度「ELV(Environmental Load Vduc)」 として算出、評価す る。 ELVの 単 位 は 、 ELU(Environmental Load Unit)で あ る 。 lELUは 本 来 、 E喘 国 に お け る lECUに 相 当 し、 lELUで あることは、保全のために1ユ ーロを支払 う意思があることに相当するといえる。 EPSに よ り、単位重量 (土 地利用 に関 しては単位面積)あ た りのELVが 得 られてい る。 これは、ELI (Environmental Load hdex)と い う指数であ り、その環境負荷項目の持続期間や相対的寄与度 な どをかける ことにより得 られている値である。 これに各環境負荷物質ごとの重量 をかけて、ELVを 算出する。 (も しくは土地利用形態 ごとの面積) 24 松坂光照、前田恭伸 <EPSの 性質 > EPSは 、そのシステムの中でい くつかの前提 に立 ってお り、 また様 々な性質 をもつ。 これ らを理解 した上 での評価 が必要があ る。主なものを以下に挙げる。 )全 体的 にネガティブな結果の最小化 を可能 にす るツールの提供 を目的 としてい る (イ )環 境 の変化 を金 銭的 に評価 してい る (ア (ウ (ア )EPSに よ り導かれた結果 は、分析、改善 され得 るような参考点であ る )に は「全体的」 とあ るが、局所的な影響 も考慮 されてい る。 ただ し、局所的影響 は評価 の仕方が各 場合 で異なるため、局所的であることが多 い「美的価値」 に関す るELIは 、一つの例 のみ示 されてい る。 (イ )に ついては、「資源 は、国や地域 によ り貧富 の差が激 しい」「今 日の欲求 は、明 日の欲求 よ り重要 か」 「環境影響 を価値 づ ける知識 に乏 しい」 などの理由で批判 される。 これに対 しSteenと Rydingは 、将来世 代 に意見 を求 めることはで きないこと、 また金銭評価 は人間の欲求 に焦点 を当ててお り、人間が質高 く長生 きしたい とい う欲求が、他 の多 くの生物種 の欲求 と一致す ることを指摘 してい る。 (ウ )は 、EPSが 絶対的なものではないこ とを示唆 してい る。 <EPSに お ける環境影響評価実施 の流 れ > 環境影響評価 では一般 に分類化・特性化 ・正規化 ・重み付 けを順 に行 う。EPSに おける この行程 を示す。 (1)分 類化 5つ の「保全すべ き対象」 を設定 してい る。 これ らは、我 々が環境 中で評価す るほとんどの ものを含 んで お り、かつ重複部分 をな くしてい る。各保全すべ き対象 の概要 を以下に示す。 人間の健康 : 「不快」 「病的状態」「死 を免 れない状態」 に大別 される。「不快」 は 目や呼吸器 のい ら立 ち、におい、 心理的影響 な どによるものであ る。「病的状態」 は、貧困や大気汚染物質の曝露 などによる健康状態 の悪化 を示す。「死 を免れない状態」 は、「余分な死」 の頻度 もしくは期待寿命 の変化 で表 される。 *「 余分な死 生物多様性 (excess de血)」 =そ の負荷が増える分だけの (そ の分の負荷がなければ死ぬことのない)余 分な死。 期待寿命が半減することに等 しい。 : 「絶滅の恐 れのあ る種」 を通 じて表現 される ことが多い。生物種 の保護条例 に対す るW爾 嗜 生物多様性ヘ の影響 に関す る価値 とみなす こともある。 生産 : 生態学上 の生 産、エ ネルギー類 の生産、工業生産 などをい う。生産 の減少 をさけるためのWは 、その変 化 があま り大 きくない とき、生産損失 の価値 に等 しい とされる。 資源 : 化石燃料、金属・非金属類、肥沃 な土壌、落水 な どをい う。天然資源 に対す る影響 は、その資源 に代 わる 他 の保全すべ き対象へ の影響 に従 い評価 される。 例)lkgの 石油生産のために2kgの 穀物生産を犠牲にする。 美的価値 : 景観 や眺め な どに対 す る価値 をい う。局所的であ る場合がほとんどである。 静岡大学の活動 による環境負荷・環境影響 と今後の環境マネジメン ト EPSで は、環境負荷項 目ごとに、保全すべ き対象へ の環境影響、 その影響 のタイプを以下の例 の ように関 連づ けてい る。影響 のタイプとは保全すべ き対象へ の影響 を示すパ ラメー タであ り、その増加 (気 温 であれ ばその上昇、酸欠や富栄養化 であればその進行 )が 環境影響 をもた らす。石油資源、金属資源 以外 の環境負 荷項 目については、複数の環境影響 が挙げ られてい る。 例)∞ 2、 COD 影響のタイプ 環境影響 → へ ・ C02(大 気 の負荷)→ 気 温 余分な死 0貧 困 ) ) ) 0種 の減少 COD(水 への負荷)→ (保 全すべ き対象 (人 間の健康 (人 間の健康 (生 物多様性 ・生産の増加 ")、 減少 酸 欠 → ・種の減少 富栄養化 → ・生産の増加 檸) ) (生 産) (生 物多様性 (生 産 ) ) (#)EPSで は、負荷 による生産の減少 を保全することに対 し正の価値 を定め、それを環境への影響度 ととらえてい るため、負荷により逆に生産が増加することは負の価値 を得ることになる。 (2)特 性化 環境影響 ごとに時間枠、影響 の価値 (fl)、 影響 の範囲 (f2)、 頻度・ 強さ (3)、 持続期 間 (f4)、 全 影響へ の寄与 (f5)を 各 々決定 し、特性化 を行 ってい る。以下に個 々の概要 を示す 0詔 -1参 照)。 時間枠 :影 響が1年 の折 々に生 じる場合 や汚染 の残留期 間が複数年 の場合、時間枠 は持続期 間 (後 述)よ り も長 くなる。それ以外 は持続期間 と同 じ。 影響 の価値 :(石 油資源)lkgの 穀物 の価値 を示す (注 意を参照)。 (金 属資源)lkgの 生物 エ ネルギ ーの価値 を示す (注 意を参照)。 (そ の他 )そ の影響 に関心あ る団体 の、それを避け ることに対す る支払意思額 を示す。 <注 意>天 然資源に対する影響は、その資源に代わる他の保全すべ き対象への影響に従い評価 されるため、石油 資源の影響の価値は穀物の価値で、金属資源の影響の価値は生物エネルギーの価値で示 されている。 影響の範囲 :影 響 の及ぶ範囲の大 きさ、 もしくはその人数な どの規模、程度 を示す。 頻度 。強 さ :頻 度 は、その調査域 で考慮 される影響 の見込 みを示す。強 さは、その影響の強 さを示す。 持続期間 :そ の物質の残留期間 (寿 命 )。 全影響への寄与 :影 響 の価値、影響 の範囲、頻度・強さ、持続期 間 よ り表 される総価値 (即 ち、影響度 ) の変化 に対 し、その物質 lkgが 与 える寄与。 (3)正 規化 石油資源、金属資源 については■×f2× f5、 それ以外 につい てはfl× f2× B× ×f5を 算出す る ことによ り てELUノ kgで あ る。本研究 に 「ELI(f6)」 とい う指数 を、環境影響 ごとに得 る。本研究では、 この単位 は全“ おいて定量化 で きた環境負荷項 目に関 して、EPSで 得 られてい るEHを 表41に 示す。 26 松坂光照、前田恭伸 表4‐ 1:本 研究で定量化で きた環境負荷項目に対 し、EPSで 得 られているELI f2 環境負糊 保全す べ き1環 境影響 1影 響 タイプ 1時 間枠 項 目 対象 石油 資源 全て 土地利用 ユウム アルミ 資源 全て 全て 韓 杏源 全 て 全 て 002 人 間 の健康 余分 な死 人間の健康 余分 な死 人間の健康 余分 な死 気温 m2 人 FElの 偉 康 省 困 争 濡 002 C02 C02 生物多様個 種 の減少 生産 生産増加 生産 生産増加 気温 m, 岸 産 NOx NOx NOx NOx NOx NOx 人 間 の健 康 炎 症 人 間 の健 康 炎症 NOx平 均値 1 NOx 1 生物多様 l14 種 の減少 余分な種 の減少 ∞ 2 (〕 )2 〔 SOx SOx SOx SOx (年 ) 岸 産浦 小 気温 気温 気温 気温 争 濡 0.025 0_025 100 lE+06 100 lE+06 100 lE+06 100 lE+ns 100 5E+11 100 0,025 100 100 片 産 憎 力n 推結 物 生産 生産減少 可視性低 下 オゾ ン増加 1 NOx平 均値 1 美的価値 人間 の健康 炎 症 曝露 人間 の健 康 痛 み を伴 う病気 曝 露 人 間 の健 康 死 曝露 SOx 生物多様性 種 の減少 生産 酸性化 S02 S02 SOx 資源 年 平均 ⑩ 生物 多様性 生 産減少 COD 生産 腐食 生産増加 酸欠 富栄養化 1000 100 5E+11 10n no,s 片 産 1 1 f6 f5 3.57 1 ■_ヽ _100000r 1000C 100000 5000000n 1 ‐ 7.2E+10 1 1_2E+10 15000000 100 10000 lE+06 5E+11 1 6000000 1 1 1 1,F■ nЯ lE+10 5E+11 1 1.2E+09 1.2E+09 0.01 1 8。 1 100 2.90E‐ 16 100 2.90E‐ 16 100 2^90E_16 0.001 1.30E‐ 11 0.001 1.30E‐ 11 1 1 2.90E-04 2.90E‐ 03 1 4SF101 2.90E-02 -5.22E‐ 05 1.33E‐ 03 6_96E_05 1.95E-04 7.80E-05 6.50E-02 1,n■ _n 03 2.88E-02 6.00E-05 6.00E‐ 12 6.00E‐ 03 1 0 1 1.30E‐ 13 93E‐ 02 R_7SE_02 -8.70E-02 4_00E_12 1 2.00E-12 1 1.30E-11 0.04 6.00E-12 0.04 6.00E-12 1 6.00E-12 1 -lE+08 4.00E‐ 01 1 100 2。 90E‐ 1( 100 2.90E-16 10n ,onE_1` lE+10 1 ∈LUノ k2) 1 100 2.90E-16 1 ‐ 2.3E+11 Ш 100 2.90E‐ 1( 2.16E+11 2.5E+09 0.025 1 f4 影響 C 影響 の範 囲 頻 度 持続期 間 寄与度 価値 (人 、ha) 強さ (年 ) 1 8.64E‐ 02 6.50E‐ 02 2.88E‐ 6.00E‐ 12 1.50E-03 6.00E‐ 12 4.00E‐ 12 6.00E-02 2.00E-03 4.00E‐ 12 =4.00E-04 備考 ○表牛1中 の「環境影響」 における「余分な死」「貧困」「生産増加・減少」の詳細 を示す。 「余分 な死」No。 4:最 高気温の上昇 による余分 な死。 No.5:低 地での洪水 による余分 な溺死。今 日の洪水 の多 くが温室効果 ガスによる気温上昇 に起因す る とい う仮定 に基づ く。 No。 6:砂 漠化 による貧困がもたらす余分な死。温暖化 は砂漠化 を進行 させるものと推測されている。 「貧困」No。 7:乾 燥地域での貧困もしくはそれに近い状態。 「生産増加 。減少」No。 9:気 温上昇 による森林生産の増加。 No.10:気 温上昇によるジャガイモ、サ トウキビの生産増加。 NooH:乾 燥地域 (年 間降水量200-以 下)で の穀物生産の減少。 No。 15:窒 素の堆積 による針葉樹林の生産増加。 No.16:作 物の生産減少。 No。 25:富 栄養化 に伴 う湖内生産の増加。 ○「影響の範囲」の単位 は、その保全すべ き対象によ り異なる。 人間の健康 :健 康 に影響 (死 ・病気・迷惑)が 及んだ件数、つ まりその延べ人数で表 される。 生物多様性 :EPSで は、生物種の減少の保全 に関する支払意志額を1人 あた り100ELUと 定め、全人口 (EPSで は50 億人)を 対象 としている。従 って影響の範囲の単位 は「人」である。 これは「影響の価値」 におい て既 に反映されている。 生産 :そ の生産物の増加 もしくは減少重量 (kg)で 表 される。 資源 :天 然資源 に対する影響は、その資源 に代 わる他の保全すべ き対象への影響 に従 い評価 される。従 つて、資 源 に関する影響の範囲の単位 は、代替 される保全すべ き対象のそれである。 美的価値 :表 4-1の No.17は NOxに よる可視性低下 とい う環境影響 を示 している。 この場合「人」が単位 となる。 : 表4-1に 示 されたELIの うち、石油 資源 の影響 による もの (No.1)、 C02の 影響 による ものの一 つ (No.5) に関 して計算例 を示す。 27 静岡大学の活動による環境負荷・環境影響 と今後の環境マネジメント 例 1)石 油資源 の影響 (No.1) 影響 の価値 (fl):穀 物 の価値 は、0.2 ELUノ kgで あ る。 影響 の範囲 (f2):lkgの 石油生産 のため に2kgの 穀物生産 を犠牲 にす る。 寄与度 (f5):相 対的寄与度 は、1で あ る。 以上 よ り、EH(f6)=0.2× 2× 1=0。 4 を得 る。 例2)C02の 影響 (No.5) 影響 の価値 (fl):余 分 な死 (を 避け ること)の 価値 は、1ぴ ELUノ 人 であ る。 影響 の範囲 (f2):洪 水 による溺死者数 は年間100∞ 人であ ると仮定 される。 頻度・強 さ (f3):頻 度 ・強 さは、 1で ある。 持続期間 (f4):C02の 大気中での平均残留時間は約 100年 であ る。 この 間影響 が残 る。 寄与度 (f5):化 石燃料 の燃焼や森林伐採、産業活動 によるC02排 出量 は約 22 Gt‐ C02で あ る。 またco2は 、その63%が 温暖化 に寄与す る。 よって、loo年 間の温室効果 に対す る相対 11/(22× 102)│× 0.63/1∞ 的寄与度 は次 となる。 以上 よ り、ELI(f6)=1♂ ×1♂ ×1× 1∞ ×2.9× “=2.9× 10‐ ■2.9× 10・ 6 104を 得 る。 )重 み付 け “ELIに その環境負荷物質 ごとの重量 をか け ることで、そのELVが得 られる。 これを保全すべ き対象 ご と、 あ るいは環境負荷項 目ごとにまとめるこ とで、その対象 や項 目別 の環境へ の影響度 を評価 で きる。 4‐ 2 静岡大学 の活動の環境 への影響度 以下に、それぞれ保全すべ き対象 ごと、環境負荷項 目ごとのELV(静 岡大学 の活動 による)を 示す。 24-2¨ 1:静 岡大学の活動による、各保全すべ き対象への影響 保 全 す べ き対 象 表4-2¨ 2:静 岡大学の活動による、各環境 負荷項目ごとの影響 ELV aD 項 目 ELV巴 0 ELV fELII 1人 当 り(ELU/人 人間の健康 680000 生物多様性 323000 生産 -13400 資源 (資 産、富 ) 2780CXl 23 899 0.07 n一 0一 美的価値 項 目 27 272661 C02 AJ NOx Fe 4236 SOx 987517 855 COD 各保全すべ き対象への影響度 を東京大学、京都大学 についても試算 した。またco2・ NOx・ SOx排 出量の 比較 と同様、東京大学及び京都大学 において附属病院を除いた場合の影響度、東京大学 において静岡大学 と ほぼ同様の部局 (学 部)を 想定 した場合の影響度、静岡大学浜松地区及び東京大学工学部の影響度 も試算 し た。各々の結果 を表42-3、 表42-4に 示す。 表4-2‐ 3:各 保全すべ き対象への影響度の比較 各 調査 範 囲 に基 づ く 静 岡大 学 1東 京 大学 1京 都 大 学 680000 323000 -463000C 220000C 5050000 2400000 生 産 -13400 -9420C -10100C 資源 278000 865000 4000 1170000 人 間 の健 康 生物 多様 性 美 的価 値 899 5720 附属 病 院 を除 く 東京 大学 京都 大学 3360000 1600000 ‐ 68400 775000 2890 (単 位 :ELU) 部 局 を同様 に 東京大 学 3690000 175∞ 00 258000C -73600 -5260C 1150000 640000 4290 122麒 XX 1つ の 部 局 を想定 静 大 (浜 松 ) 256000 122000 5230C 289 東大 (I11) 1010000 479000 ‐ 20400 281000 28 松坂光照、前田恭伸 表4-2-4:各 保全すべ き対象への1人 あた り影響度の比較 各 議 査 範 囲 に基 づ く 静 岡大 学 人 間 の健康 生物 多様 性 東 京大学 1京 都 大学 京都 大学 東京大学 :ELU/人 ) 1つ の 部局 を想定 静大 (浜 松 )1東 大 (工 ) 165 144 27 100 ‐ 2.8 -4.3 生 産 46 資源 美 的価 値 東京大学 (単 位 部局 を同様 に 附属 病 院 を除 く 0.0, 46 45 0.22 0.Og 表準2‐ 3、 4-24の 注意 :。 東京大学、京都大学の試算には、CODに よる影響を含んでいない。 (基 準超過回数を調べているだけで、その実際の値は未計測のため) ・東京大学 (工 学部 も含む)の 試算には、空き缶廃棄分の鉄 。アルミニウム消費に よる影響を含んでいない。 (分 類が不明確の上、既存のデータの精度が低いため ) 表4-2-1よ り、静岡大学 の活動 は、5つ の保全すべ き対象 の うち、人間の健康 に対 して最 も大 きな影響 を与 えてい るとい える。 また、生物多様性や枯渇性資源 に与 える影響 も大 きい。逆に、生産 につい ては負 の値 を 示 してい る。 これは、温暖化 の進行 に よ りかえつて穀物 の生産が増加す ることや、窒素の増加 に伴 い森林 の 生産が増加す ることな どに起因す る。 翔 -2-2よ り、静岡大学 の活動 による環境へ の影響 の4分 の3以 上がco2に 由来 してい るこ とがわかる。Steen とRydingも 、EPSに よる評価 においてC02排 出が最 も重要な汚染 となることを指摘 してい る。実際、C02に 関 しては、様 々 な環境影響 力江LIと い う指数 となって表現 され てい る。 ただ し、C02に よる温暖化 と保全すべ き対象へ の影響 の 間 には不確実性が存在す るため、c02に 関す る数値 な どの精度 は低 いこ とも同時 に指摘 さ れてい る。C02以 外 では、石油資源 の消費 に由来す る影響 も非常 に大 きい とい える。 表42‐ 3、 表4‐ 2‐ 4で は、異 なる大学問での環境負荷量 の差 や、同 じ大学 の部局別 でのその差が、ELV及 び1 人あた りELVに その まま反映 されてい る。特 に表4-2‐ 4は 、静岡大学全体 の1人 あ た りELVと 比べ 、主 に理系 学部 で構成 される静岡大学浜松地区の それが、資源以外 の4つ の保全すべ き対象 に関 して大 きいこ とを示 し てい る。 これは、部局別 の環境負荷量 の差力ヽLV及 び1人 あた りELVに 大 きく影響 してい る ことを明 らかに してい る。 東京大学、京都大学 との比較 では、静 岡大学 の環境へ の影響 はあ ま り大 きくない といえるか もしれない。 また この結果 は研究 目的、調査範囲、前提 といつた枠組 みの 中で得 られた環境負荷 をもとに、EPSと い う一 つの環境影響評価手法 を通 じて得 られた ものに過 ぎない。 しか し、静岡大学が少 な くとも以上のような影響 を及 ぼす潜在性 をもつ とい うことを自覚す る必要があ る。 5.静 岡 大 学 に お ける今 後 の 環 境 マ ネ ジ メ ン ト 第3章 、4章 の結果は、我 々に何 らかの対策 を求めるものであ り、その対策は全学的である必要がある。本 章では、環境 マネジメン トシステム、環境監査 の概要 を述べた上で、今後の静岡大学の全学的な環境マネジ メントに関する提言 を行 う。 5‐ 1 環境マネジメン トシステム と環境監査 環境マネジメン トとは、組織が 自主的に環境保全に関する取 り組みを進めるにあたり環境 に関す る方針な どを自ら設定 し、それに向けて取 り組むことである。 このための体制・手続 きなど力江MS(環 境マネジメン トシステム)で ある° 。国際規格 として、国際標準化機構 によりIS014∞ 1、 ISOl和 04が 発効 されている。 静岡大学の活動 による環境負荷・環境影響 と今後の環境 マネジメン ト EMSの 構築 にあた りまず行 うのが、その組織 の トップによる環境 マネジメン ト実施 の宣言 であ る。続 いて 環境 に関す る現状 を把握す る初期環境 レビューが行 われる。 この結果 をもとに環境方針が作成 され、具体 的 な計画 の設定へ と進 む。EMS実 施 の手順 は、Plan_Do― Check‐ Actionの サイクルで表 される。 まず 目的や日標 を含 めた方針 0行 動計 画 を定 め(Plan)、 実行す る(Do)。 その後、環境監査 などを通 じ計画 と達成状況 の差異 やその原因 を調査(Check)し 、対応 してい く(Ac■ on)o更 にこの継続 が求め られる。 EMSに おける環境監査 とは、そのEMSに 基づ く行動 0取 り組 みが、組織 が設定 した環境 に関す る方針 な どに適合 しているかを組織 の内部が評価す る ことであ る。国際規格 としてISo14010な どが発効 されてい る。 5-2 情報公開の必要性 情報公開の対象 は、大 きく分けて三つ あ ると考 えられる。 一つ は、静岡大学の構成員 であ る。構成員 に対 す る場合 は「情報 の提供」 とす る方が表現 としてよ り適切 だろ う。残 り二つ は、地域社会 と地球社会 であ る。以下 では、静岡大学 の構成員 に対す る場合 を中心 にその必要性 を述べ る。 全学的 に何 らかの対策、例 えば節電や節水、廃棄物 の減量・減容 な どを講 じてい くには、個 々人の協力が 不可欠であ り、 またそのためには何 らか のモチベー シ ョン (動 機付 け)を 要す る。 しか し、 これ らの現状 が 構成員 に伝 わ らない ことには、モチベー シヨンを高め られず、無力感 を与 えて しまう。特 に学 生は、その多 くカン年 で卒業 して しま うため、 よ り早 い段階 でのモチベー ションが必要 となる。そのためには、明確 な目 的 をもった協力 のための情報 の早期提供 が必要 であ り、その よ うな機会 を設 ける ことが求 め られる。更 に は、その協力 による効果が、一つの情報 として提供 され る必要があ る。 これによ リモチベー シ ョンの維持 と 効果 の持続 が期待 で きる。例 えば、浜松地区では、1997年 度 の節電効果が、翌年度 に同地区節電節水委員会 か ら報告 されたが、その報告対象 は主に教職員 であ つた。 これが全構成員 に伝 えられて こそ本 当の「効果」 があ り、それが持続す るのではないか と考 える。大切 なのは、 この ように して得 られた協力が、単 なる負荷 削減 の効果 だけでな く、特 に学生に対する教育上 の効果 を伴 うとい うことであ る。 情報 の公開 は、地域社会 や地球社会 の要請す るもので もある。 これによ り、構成員 だけで な く地域社会や 地球社会 に対 し常 に働 きかけ、貢献 してい くことも大学 には求 め られる。 5… 3 包括的な環境基本方針 の設定 自らの産み出す環境負荷 や、それに よる環境影響 を低減す るには、まず大学全体 としてその方向性 を明確 にす る必要 がある。個人や部局 の 自発的 な努力 にはおのず と限界 が生 じ、時 に無力感 につ なが るためで あ る。 これを防 ぐためにも、環境負荷 ・環境影響 を低減 してい くとい う一つ の方向性 が必要 となるのであ る。 大学全体 としての方向性 を明確 にす るためには、環境基本方針 の設定が必要であ る。具体的 には、東海大 学 の掲げ る「環境憲章」 のようなものが静岡大学 にも作成 される ことが望 ましい。 5¨ 4 大学 の環境 マネジメン ト体制 大学 の環境 マネジメン ト体制 とは、つ まりは大学が掲げた環境基本方針 を具体化す るための体制 のことで あ る。現在、静岡大学 に設置 されてい る環境保全 に関連 した体制 としては、環境保全委員会が挙げ られる。 しか しこれは主に実験廃液類 ・排水 ・廃棄物 などの処理 を扱 ってお り、その活動 が対症療法的 であ る感 は否 めない。 また節電節水委員会 も設けられてい るが、 これは コス ト削減 を第一の 目的 としてい る とい う意味合 いが強い。環境負荷・環境影響 を低減 してい くには、 これらに代 わる包括的な環境 マ ネジメン ト体制 と、そ の体制 に基づ く活動 の具体化 が必要 であ る。一つの方法 として、Isol“ olの 認証取得 が挙げ られる。武蔵工 39 松坂光照、前田恭伸 業大学環境情報学部 は、1998年 10月 にこの認証 を取得 してい る。 静岡大学 では、平成9年 度 よ り「人 間 と地球環境 」 とい う題 日で学内特別研究 プ ロジェ ク トが実施 されて い るり。 これは、学内の教官が部局 の枠 を越えてチーム を構成 し、その題 目「人 間 と地球環境」 に関す る研 究 を行 うプロジェク トであ る。 この一つ に「キヤンパ ス リサイクルシステム・エ コマス タープランの研究」 があ る。静岡大学 において環境負荷 をもた らす人工 的因子 (主 に生 ゴ ミや汚染物質)の 実態 な どを調査 し、 将来的 に 目指すべ き大学 の環境 の青写真 を示す ことを目的 としてい る。 この ような取 り組み は初 めて とい え、成果が期待 される。 環境 に関 し大学 の果 たすべ き役割 としてよ く挙げ られることには、 ・環境 に配慮 した大学 の運営改善 ・環境研究 ・環境教育 がある。 この プロジェク トは、環境研究、環境教育 を具体化す るものであ ると考 えられる。実際 に環境 に関 す る研究であ り、またその成果が講義 を通 じて学生 に還元 されることは、一つの環境教育 に他 ならない。特 に「キャンパス リサイクルシス テム・エ コマスタープランの研究」 は、静岡大学 の環境及 び環境負荷 を題材 とした研究であ る。今後 は、環境 に配慮 した大学 の運営改善 を考 える必要があ る。その一つ として、静岡大 学 にお ける環境 マ ネジメン トの視点か らこの プロジェク トを進 めることが挙げ られる。 これについ て、本研 究 で明 らかにした環境負荷 ・環境影響、 また今後 の静岡大学 におけ る環境 マネジメン トに関 し、1998年 12月 25日 に佐藤博明静岡大学学長 にイ ンタビュー を行 った。 この中で学長 は、新 たな環境 マ ネジメン ト体制 の具 体化 を「キャ ンパ ス リサイクルシス テム・エ コマス タープラ ンの研究」 と融合す ることで見 い だせ るのでは との見解 を示 した。 この具体化 が望 まれる。更 には、 この プロジ ェク トの継続 も望 まれる。 6。 結論 本研究 は、その背景や目的、環境負荷及 び環境影響 の評価方法・体系 を述べ た上で、その前提、調査範囲 に基づ き (1)∼ (3)を 示 した。 (1)静 岡大学 の活動 による環境 負荷 の現状 を、エ ネルギー、水、 コ ピー用紙 の使用 ・古紙回収、実験廃 液 類、廃棄物、通勤・通学 の項 目ご とに定量的 に把握 した。それらの傾向な ども分析 した。 (2)環 境影響評価 を前提 とし、 (1)で 把握 した環境負荷 を消費負荷・排 出負荷 に分け定量的 に把握 した。 特 にC02・ NOx・ SOx排 出量については、静岡大学 と東京大学、京都大学 で比較分析 をした。 また、静 岡大学 にお けるC02・ NOx・ SOxの 排出構成、傾向 を示 した。 (3)静 岡大学 の環境負荷 が もた らす環境 へ の影響度 を、EPSを 用 い て評価 した。 また、静岡大学 の環境 ヘ の影響度 を、東京大学、京都大学 の影響度 と比較 した。 上記 を把握 した上で、静岡大学 での今後 の環境 マ ネジメン トに関 し提言 を行 った。具体的 に、情報提供・ 公開の必要性、包括的 な環境基本方針 の設定 とそれを実現す る環境 マネジメン ト体制 の必要性 を指摘 した。 本研究では、静岡大学 の環境負荷 の一部 しか示す ことがで きなか った。具体的 には、静岡大学構内の土地 利用、 コピー用紙以外 の物品の購入が把握 で きなか った。 しか し、 これ らの負荷 が もた らす環境へ の影響 は 決 して小 さくはないはずであ る。今後、その方法論 も含 め、 これらにアプローチす ることを考 えなければな らないだろ う。 31 静岡大学の活動による環境負荷・環境影響 と今後の環境マネジメント 環境負荷 として把握 した ものの中で も、その詳細 にあまり触 れ られなか った もの もある。部局別 のエ ネル ギー使用量 などは、本研究 ではあまり明 らかにできなか った。今後 これ らを、その用途 とともに明 らかにす ` ることで、更 なる分析 を行 う必要がある。 また、静岡大学 の どの よ うな活動が どの程度 の負荷 を産み出す の かを把握す る必要 もある。 本研究 で得 た環境へ の影響度 は、その 目的や調査範囲 といつた枠組みの中で得 られた環境負荷 をもとに、 EPSと い う一つの環境影響評価 システムを通 じて得 られた ものであ る。従 つて、本研究が静岡大学 の環境負 荷 の一部 による環境影響 を、一つの視点 か ら示 したに過 ぎない とい うことを認識す る必要がある。 また、環 境影響 の評価手法 について、今後 も研究 を継続す る必要があ るだろ う。 しか しなが ら、本研究 は、少な くと もこれだけの環境負荷 を産 み出 し、また影響 を及 ぼす潜在性 がある ことを示 してお り、何 らか の対策、改善 のための参考 には十分な りえると考 える。 謝辞 静岡大学 に関す る多 くの資料 をいただき、 また一般廃棄物 の回収量調査 にご協力 いただ きました静岡大学 経理部経理課契約室調達第2係 の西川正孝様、経理部会計事務 センター室経理係 0第 1係 ・第2係 ・第3係 の皆 様、同室施設係 の寺 田周様 に厚 く御礼 申 し上げます。環境保全委員会 に関す る質問 にお答 えいただいた静岡 大学環境保全委員会委員長 の鈴木款理学部教授、同浜松地区委員長 の 山下光司工学部教授 に厚 く御礼 申 し上 げます。最後 に、お忙 しい中、本研究 に関す るイ ンタビュー に快 く応 じていただき、適切 なご助言 をい ただ きました佐藤博明静岡大学学長、和 田秀樹理学部教授 に厚 く御礼 申 し上 げ ます。 参考文献・ 資料 1)April Ao Smi血 ,Robert GotdLb:Campus Environmental Audits::Lc UCLA Experience,h DavidJ.Eagan,David W. Orr ed。 ,「 EWDRECWONFOR IICIER EDⅨ И T10NNo。 77動 e Campus andittv力α口 JOSSEY‐ BASS PUBLISHERS,San Francisco,UoS.A,1992. "″ ResPonsib西 ″ ,pp.9‐ 17, 2)平 井康宏 :大 学 における環境管理 システム構築 に向けて ‐大学の活動による環境負荷発生の実態とその削減の可能性 ‐ 、 京都大学工学部衛生工学科卒業論文、1997. 3)小 南健一郎 :東 京大学 における環境負荷の現状 と今後の環境管理 に関す る研究、東京大学工学部都市工学科環境 衛生工学 コース卒業論文、1998. 4)環 境庁 :平 成10年 版環境白書 総説、大蔵省印刷局、東京、1998. 5)LCA実 務入門編集委員会 :LCA実 務入門、丸善、東京、1998. 6)Lo Lindeler:valuation h LCA in H.A.Udo de Haes ed.,7owards a mettο dofogy for ffλ ‐ cycre二町 2ci aSSessmena Repor Cyclc hpacι スssessmttι ,SETAC‐ EuЮ pe,Blussels,Belgium,1996 oFtte SETAC‐EuroPc Иゐ慮力g CroEIP On Hル ‐ 7)R.HeJungs et d.:Environmental Life Cycle Assesslnent of Produc“ Leiden Univ。 ,Lenden,¶ に Netherlands,1992 8)Bengt Steen,Sven‐ 01of Ryding:lHE EPS ENVIRO‐ ACCOUN口 NG ME「 HOD,hrl燿 3_REPORス IVL GoteboFg,sweden, Decenlber,1992. 9)静 岡大学 :平 成 10年 5月 1日 地区別在籍者数、 1998. 10)静 岡大学 :静 岡大学職員録 平成 10年 度、 1998. H)静 岡大学 :Guide and Backgrounds.2 volumes.,CML ):電 気使用料内訳書、1998. 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