呼吸器内科 ● 呼吸器内科 1. 診療科の特徴 京都市内の呼吸器疾患診療の拠点病院のひとつとして 当科の特徴として、結核病床を持つ数少ない総合病院の 多様な疾患を扱っている。人口の高齢化により肺癌、肺 呼吸器科であるということがあげられ、腎不全など合併 炎、慢性閉塞性肺疾患による入院症例が増加している。 症のある重症の肺結核症例を診療している。 2. 研修指導体制 常勤職員4名、専攻医5名。入院ベッド、 一般病床34床、 結核病床12床。1日50∼60名の外来患者を2∼3診で診療している。 ●江村 正仁(部長)昭和58年卒業 専門資格 日本内科学会認定医、日本呼吸器学会指導医 ●中村 敬哉(副部長)平成1年卒業 専門資格 日本内科学会専門医、日本呼吸器学会指導医 日本呼吸器内視鏡学会指導医 ◦張 孝徳(医師) 平成18年卒業 専門資格 日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医 ◦小林祐介(医師) 平成19年卒業 専門資格 日本内科学会認定医 ◦野村奈都子(医師) 平成21年卒業 専門資格 日本内科学会認定医 ◦野溝 岳(医師) 平成21年卒業 ◦五十嵐修太(医師) 平成21年卒業 専門資格 日本内科学会認定医 ◦吉岡 秀敏(医師) 平成23年卒業 ◦太田 登博(医師) 平成23年卒業 3. 施設認定資格及び研修終了後に取得できる認定資格など 日本呼吸器学会認定施設、日本呼吸器内視鏡学会認定 とができる。 施設になっており、それぞれの専門医資格を取得するこ 4. 研修の一般的目標 呼吸疾患には気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性 呼吸器科が担当する患者は心臓疾患、神経疾患を合併 肺疾患、血管炎・肉芽腫症、腫瘍性疾患、肺炎・肺結核 していることも多く、他の内科領域の診療について理解 などの呼吸器感染症、睡眠時無呼吸症候群といった多様 している必要がある。専門領域以外にも可能な限り広い な病態がある。これらの疾患に対処するため、病歴の聴取、 知識の習得が望まれる。 身体診察、喀痰検査、血液検査、画像診断、呼吸機能検査、 呼吸器疾患の理解には病理解剖を行うことも重要であ 気管支鏡検査、人工呼吸などについて研修することになる。 り、年間8例の剖検を行ってきた。 5. 具体的な研修到達目標 卒後3年目の後期研修から呼吸器内科を専攻すること の臨床研修を行ってから、日本呼吸器学会の専門医資格 が可能である。 を取得することができる。 後期研修1年目では呼吸器内科の一般診療、気管支鏡 研修3年目以降はCTガイド下肺生検、睡眠時無呼吸の 検査の初歩、人工呼吸管理を指導医のもとで研修する。 検査も担当する。 内科系診療科の義務としてICU診療の研修と救急外来研 研修4年目以降は常勤医の身分で専門医資格の取得を 修をローテートする。さらに地域医療の研修の一環として、 目指すこととなる。当科は京都大学呼吸器内科の関連施 京都市立京北病院での1ヵ月研修も義務となっている。 設であり、大学院や他の関連施設での研修も可能である。 研修2年目では一般診療ではひとりで主治医となり、 1年間の経験予定症例数は100例から150例であり、 入院から退院まで責任を持つこととなる。外来診療も担 経験症例に関連して日本呼吸器学会などで学会発表、論 当することになる。気管支鏡検査も主となって行う。 文投稿を行う。 この年以降に日本内科学会認定医試験を受験する。日 病院負担で研修のための学会参加が認められており、 本内科学会認定医の資格を取得して3年以上呼吸器病学 日本呼吸器学会学術講演会、関連学会講演会に積極的に 6 平成25年度 後期研修医(専攻医)研修プログラム 9)酸素療法 30例 日本呼吸器学会専門医資格取得のための必須技術と必 10)吸入療法 30例 要経験数は以下の通り定められており、3年間のうちに 11)人工呼吸管理(NIPPVを除く)2例 経験することを目標としたい。 12)NIPPV 2例 1)胸部X線透視 30例 13)気管内挿管 5例 2)気管支鏡 20例 14)心マッサージ 10例 3)末梢病巣擦過診 10例 15)胸腔ドレナージ5例 4)経気管支生検・経気管支肺生検 10例 当院は一般市中病院であるが、結核病棟も併設されて 5)気管支肺胞洗浄 10例 おり、合併症をもった重症結核症例も引き受けている。 6)内視鏡的気道吸引 5例 10例以上の症例を経験したい。 7)胸腔穿刺法 10例 また、2種感染症の指定病院にもなっており、呼吸器 8)動脈採血 50例 関連の感染症の診療経験を積むことが可能である。 ● 呼吸器内科 出席している。 6. 診療実績、治験成績、疾患別症例数など 年間854名の入院があり、肺癌に対する抗癌剤治療・ 放射線治療、重症呼吸不全症例に対する人工呼吸・非侵 主要疾患の入院患者数 肺炎 襲的人工呼吸を行っている。気管支鏡を用いた検査・治 206 膿胸 9 療を年間150例、CTガイド経皮肺生検を年間50∼70例 急性気管支炎 1 実施している。 肺結核、粟粒結核 47 非結核性抗酸菌症 8 平成24年度入院診療実績 新規入院患者のべ総数 肺癌(実患者数) 854 死亡患者数 94 うち剖検数 8 203(118) 転移性肺腫瘍 3 慢性閉塞性肺疾患 47 気管支拡張症 15 気管支喘息 55 間質性肺炎群 30 急性呼吸促迫症候群 9 睡眠時無呼吸症候群 11 7. 週間予定 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 午前8時30分から午前 9時 胸部レントゲン読影研修 午後4時 から午後 5時 呼吸器内科・呼吸器外科合同症例検討会 午前8時 から午前 8時30分 呼吸器内科・呼吸器外科・放射線科合同カンファレンス 午前8時30分から午前 9時 胸部レントゲン読影研修 午前9時 から午前11時30分 気管支鏡検査 午後4時 から午後5時30分 呼吸器内科症例検討会 午前8時30分から午前 9時 胸部レントゲン読影研修 午後2時30分から午後 4時 CT下経皮肺生検 午後4時 呼吸器関連文献の読書会 から午後 5時30分 午前8時30分から午前 9時 胸部レントゲン読影研修 午前9時 気管支鏡検査 から午前11時30分 午後3時30分から午後 4時 結核病棟カンファレンス 午後4時 から午後 4時30分 呼吸器内科病棟カンファレンス 午後5時 から午後 5時30分 内科系診療科合同カンファレンス 午前8時30分から午前 9時 胸部レントゲン読影研修 京都市立病院 7 呼吸器内科 ● 呼吸器内科 8. 論文・学会活動 日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会などに論文、 第53回日本呼吸器学会学術講演会 演題を発表している。京都大学呼吸器内科の関連団体で 当院における悪性腫瘍を合併した結核症例の検討 あるNPO法人西日本呼吸器内科医療推進機構の症例検 小林祐介、江村正仁、中村敬哉、張 孝徳、五十嵐修 討会、講演会に参加している。 太、野村奈都子、野溝 岳、瀬戸瑠里子 第53回日本呼吸器学会学術講演会 過去3年間の学会発表など 第34回日本呼吸器内視鏡学会学術集会 2011/6/16 2013/4/21 2型呼吸不全のため非侵襲的人工呼吸を用いた種々の 気管支肺胞洗浄(BAL) が有用であった肺胞出血の5例 慢性疾患における代謝性代償の検討 張 孝徳、酒井茂樹、中村敬哉、江村正仁、小林祐介、 中村敬哉、江村正仁、張 孝徳、五十嵐修太、野溝 瀬戸瑠里子 岳、野村奈都子、小林祐介、瀬戸瑠里子 第4回呼吸機能イメージング研究会学術集会 2012/2/10 Lepidic predominant adenocarcinomaに お け る 過去5年間の論文発表など 大細胞癌の特殊型である肺原発淡明細胞癌の1剖検例 金光禎寛、江村正仁、中村敬哉、酒井茂樹、杉尾裕美、 CTおよびFDP-PETの比較検討 張 孝徳 瀬戸瑠里子、野溝 岳、野村奈都子、小林祐介、張 肺癌 2009、49(6) :847-851 孝徳、酒井茂樹、中村敬哉、江村正仁、里上直樹 気管支鏡下腫瘍内エタノール注入療法により腎細胞癌 第35回日本呼吸器内視鏡学会学術集会 気管支内転移が消失した1例 2012/5/30 肺野病変への気管支鏡検査、CTガイド下肺生検の適 金光禎寛、江村正仁、中村敬哉、酒井茂樹、張 孝徳、 応に関する当院での検討 後藤健一、杉尾裕美 張 孝徳、野村奈都子、瀬戸瑠里子、小林祐介、中村 気管支学 2010、32(1) :36-40 敬哉、江村正仁 急速に気管支拡張が進行し、増悪した同種末梢血幹細 第53回日本肺癌学会総会 2012/11/9 当院で全脳照射を行った癌性髄膜炎3例の検討 胞移植後の閉塞性細気管支炎の1例 後藤健一、中村敬哉、江村正仁、酒井茂樹、杉尾裕美、 瀬戸瑠里子、野村奈都子、小林祐介、張 孝徳、中村 張 孝徳 敬哉、江村正仁 日本呼吸器学会雑誌 2010、48(12) :960-965 第53回日本肺癌学会総会 2012/11/9 肺結核治療のエタンブトール投与で発症し失明に至っ 病理診断でLepidic patternを呈した症例におけるCT たLeber遺伝性視神経症の1例 画像の検討 張 孝徳、瀬戸瑠里子、小林祐介、酒井茂樹、中村敬 野村奈都子、瀬戸瑠里子、小林祐介、張 孝徳、中村 哉、江村正仁 敬哉、江村正仁、寺師卓哉、宮原 亮、大迫 努 日本呼吸器学会誌 2012、1(1) :42-45 第110回日本内科学会講演会 2013/4/13 2型呼吸不全を呈した種々の慢性疾患における代謝性 代償と腎機能の検討 中村敬哉、江村正仁、張 孝徳、五十嵐修太、野溝 岳、野村奈都子、小林祐介、瀬戸瑠里子 8 2013/4/19 平成25年度 後期研修医(専攻医)研修プログラム
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