留学体験記: ニュージーランド/米国/ブラジル - 日本学生支援機構

第1章 留学体験記
| ニュージーランド
第1章 留学体験記
ニュージーランド留学体験記 〜大学院留学〜
白神 仁士
さん
◦◦◦
PROFILE
1. 留学の動機
アメリカの大学にいた頃から大学院にいつかは行こうと考えていましたが、踏ん切りがつかないで
いました。卒業後に会社を始めましたが、ニュージーランド人ビジネスパートナーとの決裂など様々
な失敗を経験し、前々から思っていた大学院に行こうと決意したのが2012年11月です。オーストラリ
アや中国の大学院も考えましたが、準備などにもニュージーランドより時間がかかりそうだったこと
もありニュージーランドの大学院へ進むことにしました。
2. ニュージーランドやワイカト大学院を選んだ理由と留学前の準備
もともと日本で出会ったニュージーランド人と、あるビジネスプロジェクトを始めるためにニュージー
ランドに来ました。その後、彼が日本にいて私がニュージーランドにいるという状態で決裂が起こり、
一度、事業を停止してマネージメントを体系的に学ぼうと思いました。ニュージーランドは国際的に評
価されているビジネススクールはないのですが、出来るだけすぐに大学院に行きたかったこともあり、
調べたところワイカト大学院はニュージーランドでは一番良いビジネススクールとの評価があったので、
直接アプライしました。しかし、必要書類を揃えて提出しても、応対する人により話が違います。アメ
リカの大学のフォーマルな成績証明書では卒業証明にはならないと言われたりもしましたが、何度も
掛け合ううちにいきなり入学許可のメールが届き、驚きました。今となってはニュージーランドらしい対
応だったと思います。
2003.8 日本
大学入学資格検定(現高等学校卒業程
度認定試験)合格
2004.9 〜2008.6 アメリカ
ニューヨーク工科大学B.A. in Fine Arts
(学士号取得)
2013.1〜2014.4 ニュージーランド
ワイカト大学Master of Business and
Management(MBM)在学中
3. 学校での授業、学生生活、日常生活の紹介
15ヶ月間のプログラムなのですが、最初の8ヶ月はB+という成績を維持しなければならないので、プ
レッシャーとの戦いでした。ファイナンスなど数字が合っていれば良い成績を取れる科目は良かったので
すが、正解が一つではない大部分の科目では教授の期待する答えを書かなければならないので、課題や
試験をこなしている時も常に不安でした。なんとか8ヶ月後も退学にならずにすみましたが、その後も毎
日、大量の課題と試験勉強にひいひい言っています。睡眠不足などで体調は崩しやすかったので、健康
維持のために運動を日課にしました。ニュージーランドでも特に私の住むワイカト地方は内陸で全体的に
気候が悪く、朝は晴れていても昼過ぎから大雨などということもあり、ジムで走ったりするなどのほうが多
いです。天気が悪いこともありますし、ニュージーランドは公共交通機関など充実していないので、最初
は車を持っていなかった留学生のクラスメイトも、9割は数ヶ月以内に購入しています。車の運転も、規
制はありますがニュージーランドでは16歳から免許がとれるので、大学生の大半は車で通学しています。
4. 留学後の進路選択と決定
留学中の一週間の授業時間割及び行動スケジュール
1
(8:00 ~ 12:00)
月
火
水
木
Finance
Commercial Law and
Corporate Governance Law
& Corp Governance
Commercial Law and
Corporate Governance Law
& Corp Governance
Finance
2
Commercial Law and
Corporate Governance Law
& Corp Governance
International
International
3
グループ
グループ
グループ
(12:30 ~ 16:30)
(16:30 ~ 19:00)
ミーティング 1
4
グループ
(20:00 ~ 23:00)
ミーティング 2
5
課題、試験勉強等
(23:00 ~ 3:30)
Business
ミーティング 1
Business
ミーティング 1
Finance
グループ
ミーティング 1
金
土
日
グループ
Strategy and
グループ
Strategy and
Strategy and
ミーティング 2
Marketing
ジム
Marketing
Marketing
グループ
ミーティング 2
ミーティング 1
課題、試験勉強等
ジム
課題、試験勉強等
10
第 1 章 留学体験記
5. 留学後の状況や感想
ニュージーランドでは様々な嫌な事や失敗もたくさん経験してきましたし、今でもしています。正
直、ニュージーランドでこのままで大丈夫なのだろうかと不安になる事は多々あります。しかし、どん
な事があってもめげずに、嫌な経験や失敗も糧にして前向きに進んでいく大切さ、諦めない気持ちの
大切さをニュージーランドで学びました。
6. これから留学する方へのアドバイス
なぜ留学するのかという目的を見失わないことが大切だと思います。留学中は嫌な事もたくさん経
験し、思いもよらなかった大変な事も数多くあります。途中で挫折しないように、私は目標を忘れな
いよう手帳に書いて持ち歩き、いつも見るようにしています。皆さんも、卒業、修了、資格を取るな
ど、目的は様々でしょうが、初心を忘れないように頑張ってほしいと思います。
私 の 語 学 学 習法
私は、好きな音楽を聞きながら歌詞を目で追い、英語に慣れました。さらに慣れてきたら、カラオ
ケでそれらの曲を歌い頭に叩き込むようにしました。また英語のサイトを毎日チェックしたり、
オーディオブックを常に聞いて意味を理解するように努めたり、ブルームバーグニュース(金融経
済ニュース)を毎日視聴したりもしました。自分の好きな分野から慣れていくというのは、どの語
学を学ぶにも有効な方法だと思います。
勉強を通して、エストニアなど今まであまり意識してこなかった国でのビジネス事情にも興味がわ
きました。ツバルやニウエの経営者、キリバスの官僚、ソマリア難民など様々な背景を持つ人達と出
会い、生きる道は無数にある事を学び、世界をもっとみて視野を広げようという気持ちが強くなりま
した。卒業後はニュージーランドを出て別の国へ移る予定です。
My Style
私がつくる海外留学
11
第1章 留学体験記
| 米 国
第1章 留学体験記
米国留学体験記 ~学部(交換)留学~
高田修太
さん
◦◦◦
PROFILE
2008.3 日本
土木工学の分野では、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は世界的に大 変評価が 高く、US
News Rankingにおいても世界第1位であったため、よりハイレベルな環境で専門を学ぶにはイリノイ
大学しかないと考えていました。そこで、本大学に留学ができる小山八郎記念奨学制度に出会い、幸
運にも奨学生として留学させていただくことになりました。留学前は、米国滞在の時間を最大限に活用
するため、現地の大学生や先生をご紹介いただき話を伺うといったことなどを積極的にしていました。
2008.4 日本
東京大学理科Ⅱ類入学
2010.4 日本
東京大学工学部社会基盤学科進学
2011.8〜2012.5 アメリカ
3. 学校での授業、学生生活、日常生活の紹介
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校工
学部(交換留学(小山八郎記念奨学制度)
)
(東京大学在学中)
帰国後も、卒業 研究の関 係で日米を中
心に活動。夏休みにはハーバードの友人
と高校生向けサマースクールH-LABを運
営していた。
留学中の一週間の授業時間割
月
1
火
水
制御工学
(9:30 ~ 11:00)
木
金
制御工学
2
コンピューター
サイエンス
制御工学(実験)
3
研究ミーティング
制御工学(実験)
研究ミーティング
振動工学(大学院)
振動工学(大学院)
(13:00 ~ 14:30)
コンピューター
サイエンス
5
留学によって得られたものは数えきれませんが、同世代でこれだけ勉強している人たちがいるんだ
ということを知ることができたことは貴重だったと思います。日本の大学にいると勉強以外にも誘惑
は多く、ついおろそかになりがちではありますが、アメリカの大学で友人たちと切磋琢磨して学べた
環境というのは貴重な機会でした。
私 の 語 学 学 習法
私は帰国子女ではありませんがそこまで英語に抵抗はありませんでした。というのも、
趣味がマジックなので、英語の文献やDVDに普段からよく触れていたからだと思いま
す。まずは趣味や好きな映画などで英語に対する抵抗をなくして、TOEFLやSAT、GRE
といった試験対策に取り組んでみると良いのかもしれません。また、英語は言語ですか
ら、実際に使うことで一気に上達します。ネイティブスピーカーの友人とよくメールや電
My
話などをしていたことも、英語学習にとても役立ちました。
第 1 章 留学体験記
4. 留学後の進路選択と決定
5. 留学後の状況や感想
(14:30 ~ 15:30)
(15:30 ~ 17:00)
学部への交換留学ではありましたが、大学院の講義なども履修していました。現地の先生に相談し
たところ受講を快諾してくださいました。全体的に宿題が大変多く、学部の講義も大学院の講義もい
ずれも毎週ひいひい言いながら問題を解いたり論文を読んだりしていました。日本ではここまで宿題
を出すような授業はあまりないのが現状だと思います。また、イリノイ大学は総合大学なので、専門
科目以外の講義も受けていました。言語学やコンピューターサイエンスはそのうちのひとつで、専門
や年齢も違う友人もできましたし大変勉強になりました。総合大学に留学する際のよいところは自分
の専門以外の科目も受けられることでしょう。Teaching Assistantによるサポートも比較的多く利用
していました。彼らは大学院生でもあるので、院生の生活の様子を聞けるのもひとつの興味深い機会
です。
また、私は寮に住んでいたのですが、アメリカ人と中国人のルームメイトとの共同生活で、文化的
な差を感じる機会が大変多かったです。誕生日にはお互い祝い合ったり外にごはんを食べに行ったり
と、色々な面で交流もありました。留学生はまずルームメイトがいると友達もできやすいと思うので、
オススメです。
大学院から留学しようとも思いましたが、修士課程は日本で過ごすことに決めました。もし博士に
進む場合は絶対にアメリカで取りたいと考えています。博士課程の友人もイリノイで多くできたため、
現地の大学院の内情もそれなりに知ることができたのでとてもよい機会でした。
コンピューター
サイエンス
4
12
学部2年時に参加した日米学生会議という国際交流団体で出会った海外の友人たちにアメリカの大
学の話を聞いて以来、私は米国の大学へ留学をしたいとずっと思っていました。私の専門分野は土木
工学なのですが、大学院進学も考えていたため、自分の力試しという目的もあり学部3年あるいは4
年の時点で専門分野を勉強する留学をしたいと前々から考えていました。海外の友人は比較的多かっ
たのですが、アメリカに実際に長期間自分が住むことでも新たな視点を得たり文化体験をしたりする
ことができるのではと思っていたことも留学の動機のひとつです。
2. 留学した学校を選んだ理由と留学前の準備について
高校卒業
(12:00 ~ 13:00)
1. 留学の動機
6. これから留学する方へのアドバイス
Style
留学の際にはしっかりと目的意識をもって行くことが重要だと思います。英語を上達させるため、
とか専門を勉強するため、とか、そういった明確な目的意識を持って方向を見失わないことが、頼れ
る人が少ない外国での留学中の大事な指針となるのではないでしょうか。
私がつくる海外留学
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第1章 留学体験記
| ブラジル
第1章 留学体験記
ブラジル留学体験記 ~学部(短期)留学~
常葉結比
さん
◦◦◦
PROFILE
2007.3 日本
大学入学後、ブラジル人やブラジルという国そのものに益々魅かれ、迷わずブラジル行きを決定し
ました。私の場合は先に滞在先(ホストファミリー)を決めていたこともあり、そこからの交通の便と
治安を考慮した上で留学生用の語学コースが開設されている大学を絞り込み、決定しました。イン
ターネット上で申し込み手続きや各種支払い、レベル分けテストを済ませたり、自己および教授から
の推薦書などの必要書類を現地に郵送したり、警察署に出向いての犯罪経歴証明書の発行、留学生
ビザの申請など、約半年ほどの期間を準備に要しました。苦労したのは、英語とポルトガル語のみで
書かれたホームページやeメール、資料に目を通すことでした。
2007.4 日本
上智大学外国語学部
ポルトガル語学科入学
2010.7〜2010.12 ブラジル
リオデジャネイロ・カトリック大学
留学生コース
(私費留学)
(上智大学休学)
3. 学校での授業、学生生活、日常生活の紹介
2012.3 日本
上智大学卒業
PUC-RIO(リオデジャネイロ・カトリック大学)は各国からの留学生が毎年200名程度と大規模な
留学生の受け入れ態勢をもつ大学の一つで、現地のブラジル人学生のみならず、様々な国からの留学
生とも友達になりました(私の留学した時期は、日本人学生は大学には数名しかおらず、日常はリオ
の街でもほとんど日本人を見かけることはありませんでした)。スキルを身につけることを目的とし、
自分の専攻科目を中心に多くの授業を履修する留学生も数多くいましたが、その一方では(私立で)
授業料が高額だということもあり、私のように語学習得を目的とした留学生は必要最低限のコマ数の
み履修するケースも多かったです。私は日本では一人暮らしをしていることもあり、たまにホストファ
ミリーとの距離のとり方が難しいと感じたこともありました。けれど、家族の一員として実際に現地
の生活を共にさせてもらったことは、人や文化を心で感じられるとても良い経験になりました。ホスト
ファザーに付いてウォーキングをし、テレビでニュースを見たり新聞を読んだり話したりしながら朝食
をとっていたこと、400円ほどでお腹いっぱい食べられる学食で友達とお喋りを楽しんだことは、改
めて振り返ると充実した毎日だったと思います。
2012.4 〜7 日本
上智大学大学院入学(グローバル・スタ
ディーズ研究科地域研究専攻)
~現在、上智大学にて教職課程を履修し
ながら、在日ブラジル人を支援する認定
NPOの事務局に在籍、並行して英語講
師として学習塾に勤務。
留学中の一週間の授業時間割
月
火
水
木
金
1
経済
3
(11:00 ~ 13:00)
4
(13:00 ~ 15:00)
5
(15:00 ~ 17:00)
ポルトガル語
ポルトガル語
ポルトガル語
私 の 語 学 学 習法
ポルトガル語学科に所属していたため、私の場合は大学の授業を中心に毎日勉強しまし
た。そして帰省時には、地元の知り合いの日系ブラジル人と日本語にポルトガル語を交
えて会話をしたりしました。また日本にいるうちは、分からない単語があればその都度
「紙辞書」を引いて調べるということを徹底していました。これは、
(手間がかかるため)
なるべく一度で覚えようとすること、例文や周囲の単語にも目が触れることが利点です。 My
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第 1 章 留学体験記
4. 留学後の進路選択と決定
一時は就職も考えましたが、卒業論文を執筆する中で大学院進学を決めました。現在は、ポルト
ガル語と英語の教員免許取得のために大学に通いながら在日ブラジル人を支援する認定NPOの事務
局に在籍し、並行して英語の塾講師を務めています。時には軌道修正を加えながらも、これからも自
分の本当に好きなこと、一生懸命になれることの中で努力を惜しまず挑戦していきたいです。
(7:00 ~ 9:00)
(9:00 ~ 11:00)
高校時代、オーストラリアに留学した時に多くの人たちの支えに助けられたという自身の経験を踏
まえ、私の地元に滞在する多くのブラジル人の抱えることばの壁から生じる問題を知ったことで、
「私
にも何かできることはないだろうか」と考えはじめたことは、ポルトガル語学科をもつ大学への進学
を決意するに至った理由の一つでした。語学習得に関しては、学習した文法や語彙を用いて実際にコ
ミュニケーションを図ることで身につくということをオーストラリア留学で経験していたこともあり、
自身をそのような環境におくことで、大学での勉強によって培ったポルトガル語をさらに磨き、自分
のものにしたいと思ったことが留学を決めた動機です。
2. ブラジルや学校を選んだ理由と留学前の準備
高等学校卒業
2
1. 留学の動機
5. 留学後の状況や感想
旅行とは違った留学生活という長期滞在における人との出会いや、異文化の見聞は私を成長させ、
人生を豊かにしてくれました。ポルトガル語習得は勿論ですが、物怖じせず色々なことにチャレンジし
ていくことや、どのような状況にも自分なりに対処しながら進む前向きさも、留学を通して私に培わ
れたものだと考えています。
6. これから留学する方へのアドバイス
Style
滞在先は治安や交通の便を考慮することも必要ですが、ブラジルは地域により文化・生活様式・食
事・方言・人柄が様々であるため、そういった関心から留学先を選択することもできると思います。ま
た、せっかくの機会なので、時間に余裕があればブラジル国内や周辺国への訪問もお勧めします。現
地で計画を立てれば経済的です。ちなみに私は高校時代の留学生に会いにパラグアイへ行きました。
私がつくる海外留学
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