リール LILLE - Rendez-vous en France

リール LILLE
世紀に生まれた町、リール。もともとは水に囲まれた島で、今日では無くなってしまった多くの運河が縦
横に走っていた。フランドル地方の商業都市と、有名なシャンパーニュの大市の中間という理想的な立地条
件ゆえに、リールは中世から交易で栄えた。
最初はフランドル伯によって支配されていたが、その後ブルゴーニュ公、次いでスペイン王の支配下に入り、
17 世紀のルイ 14 世の時代に最終的にフランス領となる。17 世紀にリールは全盛期を迎え、この時代に北方
マニエリスムの傑作である旧株式取引所などの豪華な建物が作られた。早い時期から繊維産業が栄えたリー
ルは、19 世紀には綿と亜麻産業を中心に一大産業都市となる。
70 年代から 80 年代の経済危機の時代を経て、リールはサービス産業に力を入れるようになり、現在ではヨ
ーロッパにおける通信販売と大規模流通網の拠点となっている。また、銀行や保険、農産物加工業の分野で
も中心都市である。
人口 22 万人のリールはフランスで 10 番目の都市で、周辺地区も合わせると人口 1200 万人からなるフランス
第 4 の大都市圏となっている。25 歳以下の人口が 36%を占め国内でも最も若い町として知られ、10 万人の
学生を擁するフランス第 3 の大学都市でもある。2004 年に欧州文化首都となったリールの大きな特徴は、芸
術と祭りを愛する土地柄に現れている。
主要な史跡・文化施設
15 世紀から 21 世紀までの様々な建築様式のパノラマ
代表的な建物に、ゴシック・フランボワイヤン様式とルネッサンス様式の中間であるリウール宮殿(1453 年
~1473 年)、北方マニエリスム様式の旧株式取引所(1653 年)、ヴォーバン城塞(1667 年~1670 年)、パ
リ門(ルイ 14 世の栄光をたたえる凱旋門)、フランス・リール様式に家並み(17 世紀)、新地方主義の商
工会議所(20 世紀初頭)、新古典主義のオペラ座(1916 年)、アール・デコ様式の市庁舎とユネスコの世界
遺産に登録されている鐘楼などが挙げられる。
ユーラリール地区
現代建築が見られる地区。1990 年から、オランダの建築家レム・コールハースの設計で作られた地区で、ジ
ャン・ヌーヴェルやクリスチャン・ポルザンパルク、クロード・ヴァスコニなどが設計した建物がある。美
しいビジネス街であり、日本の芸術家草間彌生の作品である巨大なチューリップの彫刻が咲く他、1999 年に
落成したノートル・ダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂のファサードは、技術の粋を凝らして創られた大胆な建
造物となっている。30mの高さのファサードは、28mm の厚さの大理石の中で半透明なヴェールを形作って
いる。
リールの歴史地区
散策にぴったりの場所。グラン・プラスから続く石畳の可愛い路地には、赤レンガと白い石の 17 世紀のフラ
ンドル様式の典型的な小さな家が立ち並び、一方≪ロワイヤル≫と呼ばれる地区は、リールがフランス領と
なった後で出来た地区のため、18 世紀の古典様式を代表するような優雅な個人邸宅が並ぶ。1890 年にリール
で生まれたシャルル・ド・ゴールの生家もあり今では、ドゴール将軍の生涯を物語る博物館となっている。
リール・周辺にある数多くの美術館や博物館
◆リール美術宮殿:ルーブルに次ぐ国内第 2 の総合美術館。コレクションは古代から 20 世紀初頭までを網羅。
ドナテッロやルーベンス、ゴヤ、ドラクロワ、モネ、ロダン、ピカソ、シャガールなど数多くの傑作を所蔵。
◆コンテス施療院博物館(リール):13 世紀に建てられて施療院内。17 世紀のフランドル地方の宗教建築が
あり、アンシャン・レジーム下でのリールの人々の生活を知ることができる。
◆ピシンヌ、芸術産業美術館(ルーベ):アール・デコ様式のかつての市営プールが美術館となった。装飾
芸術(テキスタイル、家具、デザイン)や 19 世紀と 20 世紀の絵画や彫刻(アングル、デュフィー、クロー
デルなど)の作品を展示。
◆ラM(ヴィルヌーヴ・ダスク):4 年間にわたるリニューアルと拡張工事を終えて、2010 年 9 月に再オー
プン。彫刻公園と、2 棟の素晴らしい建物、3 つのコレクションから成る。近代・現代アートとアール・ブリ
11
ュットを同じ場所に展示しているヨーロッパで唯一の美術館。ピカソやモディリアーニ、レジェ、ビュラン、
ボルタンスキーなどの作品を展示。
◆2012 年 12 月 4 日 ランス(Lens)のルーブル美術館分室がオープンした。ランス(Lens)は、リールからわずか
40 ㎞の町。2012 年 7 月に世界遺産に登録されたノール・パ・ド・カレ鉱山盆地はこの町にある。ルーブル美
術館分室の設計は、日本人の妹島和世+西沢立衛/SANAA が担当。革新的なミュゼオグラフィーを備えた当分
室には 5000 年にわたる芸術の歴史を読み解く鍵となる作品が収められている。その価値は多くの人も認める
ところで、オープン以来すでに 50 万人が来館した。
年の主要なイベント
展覧会「ダニエル=ヘンリー・カーンワイラーと
ク人画家たちの作品が収められている。それらの
彼が愛した画家たち Expostion Daniel-Henry
作品が生み出しているのは、慎ましやかで魔力的
な魅力を湛えた遠くて近い世界。そこでは海と野
Kahnweiler et ses peintres」
2013 年 9 月 28 日~2014 年 1 月 12 日
が分かちがたく結びつき、動物がまるで人間のよ
ラM美術館 Musée LaM(ヴィルヌーヴ・ダスク)
うに生き生きと描かれている。
Tel : +33 (0)3 20 19 68 68 - www.musee-lam.fr
情熱と忍耐、控えめと寛容を共存させながら今日
展覧会「イリュミナシオン ILLUMINATIONS」
フランスの美術館が所蔵する彩色装飾画の秘宝と
の美術館が抱える極めて豊かなコレクションの基
礎を築いてきた蒐集家、画廊主、芸術愛好家たち。 ヤン・ファーブルの作品展
2013 年 11 月 8 日~2014 年 2 月 10 日
当美術館はリニューアルオープンより定期的にそ
んな彼らにオマージュを捧げてきた。そして今回、 リール宮殿美術館(リール)
Palais des Beaux-Arts, Lille
その設立三十周年を機に特別展を開催し、ルイー
Tel : +33 (0)3 30 06 78 00 - www.pba-lille.fr
ズ・レリス画廊の比類のない歴史を振り返る。
リール宮殿美術館ではフランス国立美術史研究所
数々の紆余曲折を経験したこの画廊は、当美術館
(INHA)の協力のもとに、各美術館やノール県、
の近代絵画コレクションの形成に密接に結びつい
パ・ド・カレ県、ピカルディー県、シャンパーニ
ている。蒐集家のロジェ・デュティユルやジャ
ュ・アルデンヌ県の各学会に保管されていた写本
ン・マジュレルは幾十年にもわたりレリス画廊の
や彩色装飾画の傑作およそ 100 点を集めて展覧会
上客であり、多くの作品を購入した。それらの作
を開催する。と同時に、当美術館が所蔵する中世
品には彼らの好みや、画廊の主であるダニエル=
およびルネサンスの芸術作品(中世の版画や寓意
ヘンリー・カーンワイラーとのあいだで交わされ
画)と、現代アーティストのヤン・ファーブルに
てつづけていた芸術談義が反映されている。
よるブロンズの彫刻作品も併せて展示。当美術館
のアトリウムには当スペースに合わせて特別にヤ
デンマーク絵画黄金期展
デンマーク絵画黄金期展
ン・ファーブルが制作した壮大なインスタレーシ
―コレクション・フランセーズ―
ョン作品(スカラベのアクセサリー、エンブレム、
Exposition L’âge d’or de la peinture danoise - une
collection française
十字架、頭蓋骨から成るモザイク)が展示され、
2013 年 10 月 12 日~2014 年 1 月 12 日
中世期の作品によくある異種混合というテーマに
ラ・ピシーヌ美術館(ルーベ)
呼応した幻想的で不思議な世界を造り出す。
Musée La Piscine, Roubaix
Tel : +33 (0)3 20 69 23 60 ww.roubaix-lapiscine.com
◆リールのクリスマス市 Marché de Noël de Lille
この三十年来、それまで制作の地にのみとどまり、 2013 年 11 月 20 日~12 月 30 日
世に知られてこなかった芸術――つまり 19 世紀デ
リウール広場(リール)
ンマーク絵画に光があてられるようになっている。 Place Rihour, Lille www.lilletourism.com
真冬にあっても暮らしを謳歌して輝く町、リール。
その立役者はある一人のフランス人蒐集家。長ら
魔法の杖のひと振りで町はさっと祝祭の衣装に身
く「デンマーク絵画の黄金期」と呼ばれてきたこ
の時代の個性豊かな芸術に心を奪われたその彼が、 をまとい、訪れる人をおとぎの国へと誘う。クリ
スマスマーケットではギフト、サントン人形、ク
数年のあいだに 19 世紀を網羅する 200 点を超える
リスマスツリーのデコレーション、パーティグッ
絵画を蒐集したのである。Abilgaard、Eckersberg
ズなどを多数扱う 80 ほどの小屋が並ぶ。地元の特
(エッケルスベルク)、Lundbye、Melbye、
産品はもちろん、ロシアやカナダ、ドイツ、スイ
Rorbye など主要な画家はもちろん、この前代未聞
スの工芸品を扱う店も! パン・デピス(スパイ
のコレクションには当時のほぼすべてのデンマー
スの入ったパン)その他の美味しい食べ物もちろ
2013-14
ん売っている。食べ物はテイクアウトのほか、ホ
ットワインなどを片手にその場で食べること可能。
クリスマスの豪華な飾りつけがなされたグラン・
プラスには高さ 18mの巨大なクリスマスツリーと
観覧車がお目見えする。36 のゴンドラをもつ観覧
車はクリスマスソングに合わせてゆっくりと回転
する。50mの高さからリールの街を見晴らす眺め
はまさに格別!
◆アート・アップ!ART UP !
2014 年 2 月 13 日~2 月 16 日
リール・グラン・パレ Lille Grand Palais
Tel : +33 (0)3 20 14 15 16 - www.lilleartfair.com
◆ヨーロッパ現代アート見本市
Foire Européenne d'Art Contemporain.
◆リールの大骨董市 Braderie de lille :
2014 年 9 月 6、7 日。土曜日の午後 2 時から日曜
日の午後 11 時までの 33 時間、ノンストップで売
り尽くすヨーロッパ最大の蚤の市。100 ㎞にわた
り、1 万人の売り手と 1~2 百万人の買い手が集う。
ムール貝とフライドポテトを食べるのもお忘れな
く。毎年、各レストランは、空になった貝殻の山
の高さを競い合う。すべてが見逃せないスペクタ
クルとなっている。
郷土料理
リールの料理は、フランドル料理。地元の名物料理は、エスティメネと呼ばれる和気あいあいとした雰囲気
の居酒屋風レストランで食べることが可能。カルボナード(牛肉のビール煮)やワーテルゾイ(鶏のクリー
ム煮)は必ず食べたい。料理と一緒に是非地ビールを。匂いの強いモロワル・チーズもお忘れなく。ワッフ
ルもとても人気があり、粗糖(テンサイ糖)かバニラ風味のワッフルがお勧め。
市場以外にお勧めの店
◆アベイ・デ・サヴール L’Abbaye des Saveurs、地元の食品とビール:13 rue des Vieux Murs
◆エスタミネット L’Estaminette、地元の食品とビール:10 rue de la Barre
◆フィリップ・オリヴィエ Philippe Olivier、チーズ:3 bis rue du Curé Saint Etienne
◆ボン・パチュラージュ Les bons pâturages、チーズ:54 rue Basse
◆フ・ド・パン Fou de pain – アレックス・クロケ Alex Croquet、パンとパティスリー pain et pâtisseries : 66 rue
Esquermoise
◆ブーランジュリ・ブリエ Boulangerie Brier、ワッフル、ビスケット、ボンボン:118 rue Esquermoise
ショッピング
ショッピング
リールには 3900 軒の商店がありどんな希望も叶う。 創業 1761 年。食通には避けて通れない店。
歴史地区
ショップのほかに、サロン・ド・テやレストラン
高級ブランド店(カルチェ、エルメス、ルイ・ヴ
もあり、特にこの店のマダガスカルのブルボン・
ィトンなど)や、ファッションやデザイン系のブ
バニラ風味のワッフルは、シャルル・ド・ゴール
ティック(ラ・モネ通り、エスケルモワーズ通
将軍やベルギー王のレオポルド1世の大のお気に
り)、食品店(オニオン広場周辺)、チョコレー
入りとして有名。
トやケーキやマカロンの店などが集まる。
市場
デパート
ワゼムの市場が最も郷土色豊か。毎週日曜日に開
市内中心部と歩行者専用ゾーンにある。プランタ
催されフランスで最大規模(店舗数 600 軒)の市
ンやギャラリー・ラファイエットはナショナル通
場の一つ。ビールやワッフル、チーズ(屋根付き市
り、ベチュン通りにある。
場の中)などあらゆるものが手に入る。教会周辺で
老舗パティスリー
は蚤の市も開かれる。
パティスリ・メール la pâtisserie Meert
27 rue Esquermoise
アクティヴィティ
グループ、個人を対象に、リールではオリジナルでバラエティー豊かなアクティヴィティを開催。
◆シャトー・ダヴェラン château d’Avelin でバロン・ラドゥセットの高級ワイン試飲
◆試飲付きのビール教室
◆料理教室(アトリエ・デ・シェフ Atelier des Chefs、トロケ・ド・ラ・キュイジンヌ Les Toquées de la Cuisine、
ソン・ド・キュイジンヌ Le son de cuisine、クレマン・マロ Clément Marot)
◆オリエンタル風スパ(ゼイン Zeïn、ケシュマラ Kechmara)や、歴史地区の豪華なアパルトマンの一室(ゼ
ン・アパート Zen Apart’)でのリラクゼーション、エステ。
レストラン
リールには 900 人のシェフがおり、手頃なブラッスリからミシュランの星付き高級レストランまであらゆる
スタイルの、あらゆる料理のレストランが存在。
大人数(最大で 487 席)を収容できるレストランも多数。市内中心部では、ラ・ベニョワール
ラ・ベニョワール La Baignoire が、
飲み物込みで 18 ユーロから団体メニュー(フランスの地方料理)を提供。さらに、同じく市中心部にあるロ
ムニマ L’OMNIA でも飲み物込みで約 25 ユーロから団体メニュー(フランス料理、地方料理)を楽しめる。
歴史地区には市内で評判のレストランの一つで創業 1928 年のユイトリエール L’Huîtrière がある。アール・デ
コの見事な建物の中に、フランスで最も素晴らしい魚屋とシーフード専門の高級レストランがあり、カジュ
アルに楽しめるオイスター・バーも併設。
宿泊施設
リールでは総 7000 室の客室を用意。最大のホテル
レピュブリック広場のいずれにも近い理想的なロ
は、ユーラリールにあるホテル・カジノ・バリエ
ケーションを誇る。
ール l’Hôtel Casino Barrière で、2010 年にオープ
◆グラン・ホテル・ベルヴュー
ンしたばかり。142 室を擁する 5 つ星ホテル。
Grand Hôtel Bellevue ***:
◆ホテル・エルミタージュ・ガントワ
グラン・プラスに面した素敵な建物内。エレガン
Hôtel Hermitage Gantois *****:
トな客室は合わせて 60 室。鉄製のアンティークな
市内中心部に位置。15 世紀に建てられた施療院の
エレベーターと家具が魅力。1765 年に、まだ子供
中に、スィート・ルームも合わせて 67 室を用意。
だったモーツアルトが滞在した。2010 年にリニュ
病室やバロック様式の礼拝堂や中庭もそのままに
ーアル。
なっており、歴史とコンテンポラリーなデザイン
◆ペンション・メゾン・デュ・シャンプラン
が一つになった安らぎの宿として知られる。
Chambres d’hôtes La Maison du Champlain(クレヴ
ァカンスの 4 つ鍵):美術宮殿近く。1873 年に建
◆ベスト・ウエスタン・プルミエ・ホワイ・ホテル
Best Western Premier Why Hotel ****
てられた美しい建物を利用したホテル。広々とし
客室数 46 の新しいホテル(プレステージ 2 室、プ
て快適な 4 つの部屋を用意。赤レンガの丸天井の
ライベートテラスが付いたスイート 1 室)。都会
地下室には、ハマムやサウナ、ジャグジーなどの
的でコンテンポラリーなスタイルが特徴。市中心
施設あり。オーナーは、近くの高級レストラン、
部にあり、グラン・プラス、歩行者天国通り、
ターブル・ド・シャンプランの経営者も兼ねる。
近郊のみどころ
◆ブルージュ(ベルギー)
通の TGV かユーロスターで 35 分。ベルギーの首
リールから 80 ㎞。リール・フランドル駅から直通
都。建築と美術館と漫画を楽しみたい。
電車で 80 分。運河に囲まれた中世都市で、ユネス
◆ロンドン
コの世界遺産に登録されている。馬車や船でロマ
ユーロスターに乗れば、ビッグベンもバッキンガ
ンチックな観光がお勧め。お土産にはプラリネと
ム宮殿も、ウェストミンスター寺院もリールから
レースを!
わずか 80 分。リール・ユーロップ駅から毎日 10
◆ブリュッセル(ベルギー)
本の直通線が運行。
リールから 110 ㎞。リール・ユーロップ駅から直
シャルル・ド・ゴール空港からのアクセス
パリから直通の TGV 線 (シャルル・ド・ゴール空港かパリの北駅発)で所要 1 時間。
お問い合わせ
リール観光局 OFFICE DE TOURISME DE LILLE www.lilletourism.com
旅行業界担当 : Olivier Duhamel Tel : +33 (0)3 59 57 94 45 [email protected]
プレス担当 : Audrey Chaix Tel : +33 (0)3 59 57 94 18 [email protected]