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岡山大学環境理_
L学部研究報 告
第 2巻,第 1号 , pp.
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7
年
1月
300℃ の高圧水蒸気 中における石英 ガラスの腐食挙動
小 田耕平*
、高田勝美*
、吉尾哲夫*辛
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1.緒 言
構造用セラミ ックスは、優 れた熱的 ・機械 的性質を有するこ とか ら、 苛酷環境下 における金
属材料 に替わる省 エネルギー ・省資源 型の構造材 料 として期 待 されている。蒸気 タービン、地
熱発電、軽水型 原子炉の冷却器等 において耐 食 ・耐摩耗性が要 求 されるメカニカル シール、 ポ
ンプや伝熱機器 な どへの適用 に際 して は、その基 本的環境で ある高温 高圧の水や水蒸気存在 下
での材料 の腐食が重要 な課題 となっている。我々 は、構造用 セラミックスの高温 高圧水下にお
ける腐 食 と環境 強度に関する研究 を行 ってい る [1] 。非酸化 物 セラミ ックスであ る窒化 ケ イ
素は、高温高圧水 中での酸化反応 によりsi
02が生成 し液中に溶出する腐食 [2]が、酸化物セラ
ミックスであるムライ トではsi
02
の溶出 とAI
OOHが生成する腐食 [3]が進行 し、いずれ も腐食
による強度劣化 が認め られることが明 らか となって きている 一方、熱水 と共存す る水蒸気 中
におけ る構造用セ ラミックスの腐食 に関する研究例 は極 めて少 ないの が現状 であ る。わずか に
窒化 ケ イ素やム ライ トセ ラミックスの水蒸気 腐食 に関する研究 [4] はあるが、その腐食挙動
の詳細 については不明な点が多い。 これ らのセラミックスに共通する成 分 としてのSi
02の高温高
圧の水 蒸気中での腐食 に関 しては、石英 ガラスの飽和 水蒸気処 理 に関す る研究 [5]が友沢 ら
によって行われて いるが、処理温度、 充填率 などの実験条件 が異 なるため直接の比較検討が 困
難である。そこで本研究では、窒化 ケイ素やムライ トの300℃の水蒸気 中で の腐食挙動 を検討す
るための基礎 的知見を得るため、Si
02の単成分か らなる石英 ガラスの 300℃の水蒸 気 中における
腐食試験 を行い、腐食反応機構 の解明及び腐食 による環境強度の検討 を行 った。
。
*米子工業高等専 門学校物 質工学科 、683米子市彦名町 4448
**岡山大学環境理工学部環境物 質工学科 、700 岡山市津 島中 211
*
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岡山大学環境 理工学 部研 究報告 .
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2.実験 方法
2. 1 試料
試料 としてJ
I
S
I
R1601に準拠 して 曲げ強度試験用 に鏡面研磨 された2×4×3
7mmの市販 の石英
ガラスを用いた。試料の特性値 を表 1に示す。
2. 2 腐 食試験
Tabl
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試料 をアセ トン中で超音波洗浄 し乾燥放
冷後、精密天秤で重量 を精秤 した。腐食試
験 中、試料が常 に水蒸気 に接 して水 には接
しない ようにTi
製オー トクレーブ内のテフ
ロン製支持台に試料 を設置 した。蒸留水の
体積 とオー トクレーブ内の空隙容積の比 (
充填率)を10、50% として、300℃、110日間の水蒸気腐食試験 を行 った。 また、充填率 を50% とした300℃の高温高圧水 中での腐食
試験 も行 った。それぞれの実験 は各 3回ずつ行い、その平均値 を用いた 。
2. 3 評価
腐食試験後、試料 を乾燥後、デ シケーター 中で放冷 し重量 を測定 した。腐食前後 での試料 の
単位面積当 りの重 量変化 を腐食減量の実測値 △W /A。
b
s(
以下、 △W 。
b
S
) とした。腐食試験後の溶
液中のSi
濃 度をI
CPAESによ り測定 し、次式 か ら腐食 減量の計 算値 △W/
Ant(
以 下、 △W n
l
)を
求めた。
△W/Ac。=M(
Si
O2)
/M(
Si
)
×CX 1
00/
1000/A
c :溶液中のSi
濃度(
〝g/ml
)
、 M(
Si
):Si
の原子量
M(
Si
O 2): S
i
02の式量 、A :試料の幾何学的表面積 (
cm2)
腐食試験後、試料のXRD測定 と試料のFTI
R測定 を行 った。オー トグラフを用いて各腐食条件
毎に試料 3本の室温での4点曲げ強度 をJI
SR1
601に準拠 して測定 した。
3.結 果及 び考 察
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一
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き
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腐食前後 での重量 変化 か ら求 めた重量 変化
b
s
と時間の関係 を図 1に示す。図
の実測値 △W 。
CP分析 による溶出液のS
i
濃 度か ら求
1には、 I
め た腐 食 減量の計算値 △ walも合 わせて示 し
た。いずれ の試 料 も腐食 に より減量 を示 し、
水 蒸気 中で は腐 食減量 は時 間 と共 に直線 的に
増加 し、水 中では放物線的 に増 加す る傾 向 を
示 した。水蒸気 中で は充填 率が大 きい方 が腐
食 速度 が大 きくな り、充填 率が 同条 件で は水
蒸 気 中 の方 が水 中 よ りも腐 食 速 度 が大 き く
なった。 △W 。
b
s
と△wn
,
がほぼ一致 してい るこ
とか ら、腐 食減量 はsi
02の減量 に起因 している
ことが分かった。
腐食 後の試料 表面のXRD回折の結果 か ら、
(N
u3
/S J)SS
3. 1 重 量 変化 と時 間の 関係
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O2(
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+H20(
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Si
O。
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H2Si
O3ご H++HSi
O3
一
同 じ充填率の場合、水蒸気 は水 より分子運動
が盛 んなため水蒸気 中の方が水 中 よりも腐食速
度が大 きくなると考 え られる。 さらに、水蒸気
中で は生 成す る気 相の Si
C
OH)
4は速や かに拡散
し水 中に溶解 するのに対 し、水 中ではH20また
O3の拡散が律速 となって くる。水蒸気 中
はHSi
では腐 食反応が直線別 に従 っていることか ら、
反応速度定数 を直線 の傾 きより求めた。反応速
30mg/c
m2 ・d、 50%
度定数 は充填率 10% では0.
0
。
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放物線 的 な減量 傾向 を示 す水 中での腐食 反応
は、石 英 と水の 反応 [7]と同様 に試料 と水
の反 応 に より生成 す る ケイ酸 イオ ン (
HSi
O。 )
が 溶出 する以下 の反 応 で進行 してい ると考 え
られる
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Si
O2
(
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+H20(
g)ご Si
(
OH)
4
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叫u) ss
非 晶質特有 のブ ロー ドな回折 を示 した こ とか
ら試料 表面 に結 晶性 の物 質 は生 成 しない こと
が分 かった。直線 的 な減量 傾向 を示 す水 蒸気
中での腐食 反応 は、 反応生 成物 の化 学種 の分
析 を行 って い ない た め 明 らか で は ない が 、
ch
e喝 らの 高圧 下 で の石 英 と水蒸 気 の 反 応 [
6]にお いて気相 生成 物で あるsi(
OH)
4
由)
が生
成 する ことか ら、本 実験 の高温 高圧 水蒸 気下
におい て も、以 下 に示す 反 応で進行 して い る
と考 え られる。
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m2 ・dとな り、充填 率 に よる反応
速度- の影響 が認め られた。Che喝 らは石 英 と
水蒸気 の反応 において水蒸気分圧が影響 する と
報告 している [
6]が、本実験 ではオー トク レ
ーブ内 の圧 力が測定 で きなか ったた め水 蒸気
分圧 の影響 について言及 はで きない。 また、空
気の水への溶解 など共存 す る空気 の影響 も考 え
られ る た め、今 後 さ らに検 討 す る必 要 が あ
る
図 2にすでに報告 [4]した窒化 ケイ素、 ム
ライ ト (3A1
203
・2Si
O2)
の 300℃ の水 蒸 気 中及
び水 中での腐食減量 と時間の関係 を示す。腐食
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011
減量の億 はSi
O。
の重量 分率で割 り規格化 した。
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窒化 ケイ素やムライ トも石英 ガラス と同様 に腐
食 により減量 を示 し、水蒸気 中では重量変化が
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る。 また、充填率が同条件 では水蒸気 中の方が
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水中 よりも腐 食速度が大 きくなっている。腐食
生成物 などの二時的な影響が少 ない腐食初期段
階 にお いて、腐 食減量がいずれ の結 果 もほぼ
i
02の腐 食反
同 じであ ることか ら、腐食速度 はs
応速度により決定 されるが分かった。
3. 2 腐 食 後 の試料 のFTI
R測 定
I
Rを用 いて
試料 中-の水の侵入 についてFT検討 を行 った。未処理 の試料 には3670cmー1付
S
i
OH)
基に よるOHの吸収のみ
近にシラノール (
0の存 在 は認め られなか った。 しか し、腐
でH2
2
0の吸収が認
食後の試料 には3400cm 1付近 にH
め られた。 この結果 は、友沢 らの 250℃の飽和
水蒸気処 理 した石英 ガ ラス試料 にH。
0が存在 し
ている とす る報告 [5] と同 じであ った。各
腐食条件においてFTI
Rスペク トルの3400c
m1
付 近の水の吸収 ピー クの面積強度 を とり、面
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011
積 強度 と腐 食時 間の 関係 を調べ た結 果 を図 3
に示す。試料中の水 の量 はいず れの腐食 条件
Ti
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で も腐食 時間 と共 に増 加 し、そ の後飽和 する
傾向 を示 した。
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3. 3 腐 食 に よる強度変化
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腐食後の試料の 4点曲げ強度測定の結果 を図
4に示す。 腐食後の強度はいずれ も腐食 の進
行 に伴 い上昇 し、 その後飽和 する傾 向を示 し
I
Rで のガ
た(
)各腐食条件 において、前述のFTラス中の水の量 と強度上昇の傾向 とよく対応 し
ていることか ら、試料中-の水の侵入 によりガ
ラスの粘性が低下するため試料表面の亀裂の鈍
化 あ る い は微細 な組 織 での塑 性 変 形 が起 こ
り、破壊靭性が向上 した もの と考 えられる
強度変化について さらに検討するため、 300
℃、 4 日間水蒸 気処 理 した試料 を、400℃ 、 1
日間熱処理 して試料 中の水 を脱水 し強度 を測定
した結 果 を図 5に示 す。 また、 脱水前後 での
FTI
Rスペ ク トルを図 6に示 す。脱水 後の強度
は、脱水前の強度上昇 に比べ約半分程度 となっ
I
Rスペ ク トルか ら、脱水
た。脱水前後でのFT後の試料 中の水 は、かな り減少 しているが、未
処理の試料 と比較すると幾分水の吸収が認め ら
01 2 3 4 5 6 7 8 9 loll
れた。一 方、友沢 らは250℃で水蒸気処 理 した
Ti
me(
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試料 をさらに250℃で 5時間脱水 して、その強
度 を測定 してお り、強度の低下が認め られない
ことを報告 している ガラス中の水 は、加熱 に Fi
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より600℃ くらいまで脱水が続 くといわれてい
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ることか ら、幾分 かの水 の残存 してい るため強度 が低下 しないのであ ろう。本実験 での脱水 前
後での試料の重量変化率 は約 8%で、かな りの水が ガラス中に存在 していた こ とか らも、強度
上昇 には水 が関与 していると考 え られる
。
4..
結論
石英 ガラスを用いて300℃の水蒸気 中及 び水 中における腐食試験 を行い、以下の結論 を得た。
1)石英 ガラスの腐食 反応 は水 蒸気 中で は表面化 学反 応律 速で、水 中で は拡散律 速で進行 し
た。
2) 同 じ充填率の場合、水蒸気腐食の方が水熱腐食 よりも腐食速度が大 きくなった。
3)腐 食後の試料 の強度の上昇 は、試 料 中への水 の拡散 によるガラス の粘性の低 下が原因で あ
ると考 えられた。
5.参考文 献
[1
]吉尾哲夫, 「
金属」 臨時増刊号 ,塁, 3954(
1993)
[2]T.Yoshi
oa
nd冗.
Oda
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Ce
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o
ns
'
'
,
旦
9,
367386(
1990)
[3]吉尾,小田,末益,河野,日本セラミックス協会学術論文誌、1
99,668674 (
1992)
[4]末益猛、岡山大学工学研究科修士学位論文(
1991)
[5]H.LiandM.Tomozawa,
J
.NonCr
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.Sol
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ds,
_
1
3 & 287292(
1994)
[6]M.ChengandI.Cut
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J
.Ar
n.Cer
am.So
c.
._
6
1 593596(
1979)