神経内科・脳卒中内科

神経内科・脳卒中内科
○神経内科の概要
1.神経内科の特色
当 科 で は 3 0 床 前 後 の 入 院 患 者 の 診 療 を 行 っ て い る 。入 院 患 者 は 神 経 内 科 の 全 領 域 で あ り 、
頭 痛 、し び れ 、め ま い を 愁 訴 と す る 疾 患 、認 知 症 、脳 卒 中 お よ び そ の 後 遺 症 、脱 髄 疾 患 、変
性 疾 患( パ ー キ ン ソ ン 病 、ア ル ツ ハ イ マ ー 病 な ど )な ど 多 岐 に わ た る 。症 例 が 豊 富 で あ る こ
と は 当 院 当 科 の 特 色 の ひ と つ で あ る 。入 院 患 者 は 内 科 疾 患 を 併 発 し て い る 場 合 が 多 く 、一 般
内 科 疾 患 の 診 療 も 行 っ て い る 。意 識 障 害 、脳 卒 中 、て ん か ん 、髄 膜( 脳 )炎 、重 症 筋 無 力 症 、
ギ ラ ン バ レ ー 症 候 群 な ど の 神 経 救 急 の 症 例 も 多 い 。診 療 は 主 治 医 、指 導 医 、研 修 医 に よ る チ
ー ム で 行 っ て い る が 、専 門 的 診 療 を 要 す る 症 例 へ の 対 応 な ど 、適 宜 チ ー ム の 垣 根 を 越 え て 和
や か な 雰 囲 気 で 診 療 が 行 わ れ て い る 。症 例 報 告 ・ 臨 床 研 究 は 症 例 を 深 く 観 察 す る と い う 点 で
重要な研修項目と考えており、研修医にも学会発表の機会を積極的に与えている。
2 . 診 療 実 績 ( 平 成 24 年 度 )
入 院 患 者 総 数 511 人
外 来 患 者 総 数 19,396 人 、 1 日 平 均 外 来 患 者 数 66.2 人 、 新 患 数 1,643 人 。
3.診療スタッフ(専門分野)
山元 敏正 教 授(パーキンソン病、自律神経学)
荒木 信夫 教 授(脳卒中、脳循環代謝、頭痛)
高橋 一司 教 授(パーキンソン病、頭痛、認知症)
中里 良彦 准教授(自律神経学、神経感染症、認知症)
佐々木貴浩 講 師(脳卒中、脳循環代謝、認知症)
伊藤 康男 講 師(脳卒中、頭痛)
助教 6 名、非常勤講師 6 名、兼担教授・准教授・助教 4 名、客員教授 2 名、
実験助手1名、秘書 4 名
4.臨床研修プログラムの特徴
当 科 の 入 院 患 者 の 疾 患 は 多 岐 に わ た り 、神 経 学 会 専 門 医 を 目 指 す た め に 十 分 な 症 例 を 1 年
間 で 研 修 可 能 な ほ ど で あ る 。医 師 と し て 必 要 な 神 経 救 急 の 症 例 も 多 く 、神 経 救 急 の 対 応 も 身
に つ け る こ と が で き る 。週 1 回 の 新 入 院 カ ン フ ァ レ ン ス を 通 じ て 多 岐 に わ た る 疾 患 を 経 験 す
ることができる。週 1 回の臨床カンファレンスでは、1 つの症例について経験豊富な多数の
専 門 医 に よ る 討 議 が 行 わ れ て い る 。大 学 病 院 な ら で は の 高 度 な 検 査 ・ 他 科 専 門 医 か ら の コ メ
ン ト な ど を 通 じ て 、よ り 深 く 症 例 を 掘 り 下 げ て 検 討 し て い る 。整 形 外 科 と の 脊 椎 カ ン フ ァ レ
ン ス 、小 児 科 と の 脳 波 カ ン フ ァ レ ン ス も 行 っ て い る 。週 1 回 の 神 経 内 科 ラ ン チ ョ ン セ ミ ナ ー
で は 、神 経 内 科 に 関 す る 最 新 の ト ピ ッ ク ス や 医 局 員 の 専 門 分 野 に つ い て の 報 告 が な さ れ て い
る 。学 内 ・ 学 外 の 魅 力 的 な 研 究 会 も 多 く 、希 望 す る 研 修 医 に は 参 加 を 勧 め て い る 。参 加 し て
い る だ け で 自 然 に 幅 広 い 知 識 が 得 ら れ る カ リ キ ュ ラ ム と な っ て い る が 、い ず れ も 研 修 医 の 活
発 な 発 言・参 加 が み ら れ て お り 、研 修 し や す い 和 や か な 雰 囲 気 で 進 め ら れ て い る と 思 わ れ る 。
また、希望者には神経生理学的検査(筋電図検査)の研修機会が与えられている。
5.指導責任者
山元敏正教授
指導者:荒木信夫、高橋一司、中里良彦、佐々木貴浩、伊藤康男、木村俊紀、
光藤 尚、三宅晃史、田中 愛
○神経内科・脳卒中内科の学習目標
一 般 目 標 ( GIO)
神 経 診 察 の 基 礎 と 考 え 方 を 身 に つ け 、部 位 診 断・鑑 別 診 断・治 療 方 針 を 立 て ら れ る よ う に な る 。
行 動 目 標 ( SBOs)
( 1) 神 経 学 的 診 察 が で き 、 神 経 学 的 所 見 を 正 確 に 記 載 で き る 。 神 経 学 的 所 見 に 基 づ い て 病
巣診断ができる。
( 2) 臨 床 経 過 、 病 巣 診 断 か ら 鑑 別 す べ き 疾 患 を 複 数 挙 げ る こ と が で き る 。
( 3) 的 確 な 文 献 検 索 を 行 い 、 治 療 方 針 を 立 て る こ と が で き る 。
( 4) 中 枢 神 経 画 像 検 査 ( MRI、 CT、 核 医 学 検 査 ) を 症 例 に 応 じ 適 切 に 選 択 し 、 基 本 的 な 読
影ができる。
( 5) 神 経 生 理 学 的 検 査 ( 筋 電 図 、 脳 波 ) の 結 果 を 判 読 で き る 。
( 6) 脳 脊 髄 液 検 査 ( 腰 椎 穿 刺 ) を 行 い 、 結 果 を 解 釈 で き る 。
( 7) 頭 痛 、 め ま い 、 失 神 、 痙 攣 、 し び れ 、 歩 行 障 害 、 認 知 症 に 対 し て 、 適 切 な 初 期 対 応 を
行うことができる。
研 修 方 略 ( LS: Learning Strategies)
病 棟 で は 、 主 治 医 の 下 に 指 導 医 1- 2 名 、 各 指 導 医 の 下 に 研 修 医 1 名 と 適 宜 病 棟 実 習 の 医 学
生 1 名が1つのチームを構成する。研修医は受持ち医となり、チーム内での臨床経験が研修
の 主 体 と な る 。水 曜 日 の 午 前 8 時 か ら 新 入 院 カ ン フ ァ レ ン ス を 行 い 、入 院 患 者 を 中 心 に 報 告 ・
検討を行い、各患者の治療方針について活発な討議がなされる。同日昼には神経内科ランチ
ョンセミナーを行い、医局員が持ち回りで神経内科に関する最新のトピックスを報告する。
午後には当科全入院患者に対して山元教授が総回診を行い、研修医にも直接指導する。水曜
日の午後 5 時からは臨床カンファレンスを開き、整形外科・小児科との合同カンファレンス
も 隔 月 で 開 催 し て い る 。金 曜 日 の 午 前 11 時 に は 荒 木 教 授 の 教 育 回 診 と 教 育 カ ン フ ァ レ ン ス を
行 い 、 研 修 医 と 医 学 生 に 合 わ せ た 指 導 を 行 う 。 基 本 手 技 の 習 得 を 目 的 と し て Skill lab.で の
実習を受けることもできる。
以上の病棟業務・カンファレンスを通じて、各症例について研修医が自ら部位診断・鑑別
診断・治療方針を立てられるようになることを到達目標として、神経診察の基礎と考え方を
指導する。なお、研修医は指導医に対し、いつでも診療全般について相談できる体制をとっ
ている。入院患者に関する検討はチームの内外にかかわらず、病棟・医局で常に活発に行わ
れており、研修医は全ての入院患者に関する知見を共有・討議できる環境にある。
研 修 評 価 法 ( EV: Evaluation)
研 修 終 了 時 に 研 修 担 当 指 導 医 に よ る 評 価 を 受 け る 。 EPOC 評 価 項 目 の 他 、 各 行 動 目 標 の 達 成
度につき、本人および評価者と確認する。
到達目標と評価表
【 評 価 A: 可
B: 不 可 】
(自己評価) (指導医評価)
1.神 経 学 的 診 察 が で き 、 神 経 学 的 所 見 を 正 確 に 記 載 で き る 。
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2.神 経 学 的 所 見 に 基 づ い て 病 巣 診 断 が で き る 。
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3.臨 床 経 過 、 病 巣 診 断 か ら 鑑 別 す べ き 疾 患 を 複 数 挙 げ る こ と が
できる。
4.的 確 な 文 献 検 索 を 行 い 、 治 療 方 針 を 立 て る こ と が で き る 。
5.中 枢 神 経 画 像 検 査 ( MRI、 CT、 核 医 学 検 査 ) を 症 例 に 応 じ 適 切
(
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6.神 経 生 理 学 的 検 査 ( 筋 電 図 、 脳 波 ) の 結 果 を 判 読 で き る 。
に選択し、基本的な読影ができる。
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7.脳 脊 髄 液 検 査 ( 腰 椎 穿 刺 ) を 行 い 、 結 果 を 解 釈 で き る 。
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8.頭 痛 、 め ま い 、 失 神 、 痙 攣 、 し び れ 、 歩 行 障 害 、 認 知 症 に 対 し
て、適切な初期対応を行うことができる。