患者さんにやさしい さんにやさしい 上肢CT撮影補助具 撮影補助具の開発 8 大阪市立大学医学部附属病院 中央放射線部 ○佐々木将平・佐原朋広・中村 敦・渡辺晋一 渡辺晋一・吉田梨影 【背景・目的】 手関節および肘関節のCT検査における患者体位 患者体位は,腹臥位での挙上位が求められ,関節疾患 をもつ患者さんにとって苦痛を伴う検査となっていた となっていた.また,完全な挙上位が出来ない患者さ んは体幹部と同様な方法で撮影可能であるが, ,診断価値を得るために撮影条件を変更する必要 があった.そしてその結果,多大な被ばくを余儀 余儀なくされた. 今回,われわれはこれらの問題を解決するため するため,上肢CT撮影用補助具:Arm Scan Adapter; ASAを考案・開発したので報告する. 【方法】 ASAの開発目標を設定し,患者ポジショニングの ポジショニングの検討を行った.そして実際にASAを作製 した.次にASAの使用時における安全性を確認 確認するため,加重下での耐久性,アーチファクト 有無ならびにCT寝台との連動性精度を測定した した.なお,CT寝台との連動性精度は10cm間隔に並べ たコインを実際に撮影し,これらの位置精度を測定 測定した. 【結果】 ASAの開発目標を次の4項目とした. ü ü ü ü 検査体位が患者さんにとって さんにとって楽である 安全に使用できる 現行のCT装置を改造することなく することなく使用できる 設置が簡単であり, 収納場所をとらない(省スペ-ス化) 収納場所 開発目標により患者ポジショニングは,座位とした とした.実際に作製したASAを写真1から3 に示す.加重下での耐久性は大人が3人乗っても っても問題なかった.ASAは,その材質によるアー チファクトが無く,CT寝台との連動性が誤差なく なく連動した. 【結論】 ASAの使用により,ポジショニングを座位とし とし完全な挙上位を必要としなくなったため 患者さんの苦痛が軽減された. 完全な挙上位ができない患者さんに対して検査部位 検査部位だけを限局してガントリー中心に配置で きたため,従来の撮影法よりアーチファクトが無 無く,しかも被ばくの低減に有効であった. 写真1:収納状態 写真2:設置状態 写真3:患者ポジショニング
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