平成26年6月19日 東京電力株式会社

使用済セシウム吸着塔一時保管施設(第三施設)
補足説明資料
平成26年6月19日
東京電力株式会社
1.クレーンの耐震性について
第三施設クレーンに対して、水平震度0.36(耐震Bクラス相当)での転倒評価
を実施し、自重による安定モーメント(許容値)が、地震による転倒モーメント
(算出値)よりも大きくなることから、転倒しないことを確認した。
機器名称
評価項目
水平震度
算出値
許容値
単位
第三施設クレーン
転倒
0.36
4.93×105
1.82×106
kg・m
トロリ
上部トラニオン
剛脚
上部タラップ
揺脚
ガーダー
中間デッキ
下部タラップ
ホイルボックス
下部トラニオン
ケーブル巻取器
転倒モーメント
安定モーメント
2.1 ボックスカルバート内の防水処置について
ボックスカルバート内の防水処置は、工場および現地にて外観確認を実施。
 目的
万一、漏えいが発生した場合に浸漬する可能性のある箇所に防水処置を実施
 対象箇所
ボックスカルバート内面(下部材内面)および目地部
2.2
目地の防水施工について
コーキング二層目
防水塗装
コーキング一層目
ボックスカルバート内
3.不等沈下に対する評価
 不等沈下に対する評価
第三施設の基礎は、地盤改良による安定した地盤上に設置されており、
地盤に十分な支持力があることを確認。
地盤支持力の評価
第三施設における鉛直荷重と極限支持力を比較して評価を実施
鉛直荷重:
80,500 KN
<
極限支持力:212,500 KN
極限支持力:社団法人 日本道路協会(2002) :道路橋仕方書・同解説Ⅳ株構造編に準拠して算出
上記については、地盤改良後に簡易支持力測定器(キャスポル*)により、地盤の強度を
測定し,必要な支持力を有していることを確認済み。
*ランマー(重鎮)を一定の高さから地盤に自由落下させたときに生ずる衝撃加速度の
最大値と地盤強度特性値と相関させる衝撃加速度法を基本原理とした簡易な測定器
4.ニューマーク法の概要と適用の妥当性について
ニューマーク法の概要
ニューマーク法は,盛土の安定評価のうち,地震時残留
変形解析手法の1つであり(ニューマークのすべりブロッ
ク法という),すべり土塊が剛体であり,すべり面におけ
る応力ひずみ関係が剛塑性であると仮定して地震時のすべ
り土塊の滑動変位量を計算する方法
適用の妥当性について
セシウム吸着塔一時保管施設におけるボックスカルバート群は、ボルト連結された剛
体と考えることができることから、ニューマーク法において剛体と仮定しているすべり
土塊と同様に,基礎上のすべり面における滑動変位量の算定について評価。
A
36m
震度方向
剛体
18m@10BL=180m
20m
A
剛体
5.その他コメント反映箇所(1/2)
 ボックスカルバート群(4列×9行)の連結範囲について、連結ボルトの強度評価
を実施し、最も負荷条件の厳しいものについて、ボルトの引き抜き力が許容値以
下であることを確認した。
名称
ボックスカルバート
連結ボルト
評価項目
水平震度
算出値
0.36
11
引抜き力
0.60
許容値
単位
185
kN
49
 移送中の落下を想定したHICの健全性確認に対する実施計画(2.2.1)へ
以下の記載を追加
第三施設内でHICを取扱うにあたり、HICの落下防止策、万一を想定したHIC落下時の
衝撃緩和策および落下試験による落下時の健全性確認等を実施。
また、移送経路中にHIC直径より大きな隙間を設けないことでHICの横倒れ、・斜め落下
を防止。
5.その他コメント反映箇所(2/2)
 福島第一原子力発電所に対する措置を講ずべき事項に関連する内容について、
以下を実施計画へ反映
 設計方針
(1)放射性物質の漏えい及び管理されない放出の防止
(2) 放射線遮へいに対する考慮
(3) 可燃性ガスの滞留防止に対する考慮
(4) 放射線防護に係わる被ばく防止措置
 自然災害対策等
(1) 津波
(2) 強風(台風・竜巻)
(3) 積雪
(4) 落雷
(5) 火災
(参考)地盤支持力の評価
支持力評価における算定式
基礎は,平面図の
で示すブロック毎に
縁切りされており,ブロック単位で支持力の
評価を実施。
基礎下部は,厚さ約2mの地盤改良を行い,
表層部(軟弱層を除去)を強化している。
断面図(A-A)
地盤改良(厚さ 約2m)
平面図
36m
A
18m@10BL=180m
20m
A
(参考)ニューマーク法の概念について
準用した手引き
鉄道構造物等設計標準・同解説耐震設計
(参考)ボックスカルバートの滑動変位量の算定について
ニューマーク法に準じた概念モデル
滑動変位量の算出イメージ