2008/12/1 エピポーラ幾何の概念と方程式 エピポーラ幾何 エピポーラ なぜエピポーラ エピポーラ幾何とは、画像(カメラ)間の幾何関係を表す行列、 カメラの相対的な回転と並進情報を持っている。 2つのカメラで3次元空間の同じ点を見ているとする。その点と 2つカメラのレンズ中心、そして両画像におけるその点の投影 (像)が1つの平面(エピポーラ平面:epipolar plane)にある。 多くの視覚問題:両眼視、運動視、 物体認識、多重画像に適応できる。 エピポーラ平面とそれぞれ画像 との交線:エピポーラ線(epipolar line) カメラキャリブレーションで行列 を計算すれば、いいではないか? 各画像においてエピポーラ線 の交点:エピポール(epipole) 両視点結ぶ直線と画像との 交点。 カメラが固定ではないことが多くて、行列を計算できないことが ほとんど。何らかの手段で入手した画像の間の関係を求める にはーーエピポーラ幾何 1 視覚情報学特論 エピポーラ幾何の概念と方程式 2 視覚情報学特論 エピポーラ幾何の概念と方程式 対応点の探索 予備知識:共平面ベクトルの関係 両カメラの幾何関係が既知の場合、一方の画像で1点が 与えられると、エピポーラ平面 と各画像上のエピポーラ線が 決まる。 3つのベクトル共平面の場合、 d aT (b × c) = 0 a c まず bとcの外積: まず、bとcの外積: 3次元空間上のもとの点が 次 空間上 もと 点が 分からなくても、対応点が エピポーラ線上に限定される。 d = b×c b dがベクトルb,cで構成した平面と垂直 ベクトルa,b,c共平面なので、dとaなす角が90度。 0 = aT d = aT (b × c) = 0 2次元の探索ではなく、エピポ ーラ線に沿っての1次元探索 3 視覚情報学特論 エピポーラ幾何の概念と方程式 予備知識:反対称行列 予備知識:反対称行列 A = −AT ⎛ 0 ⎜ = ⎜ t3 ⎜t ⎟ ⎜− t ⎝ 3 ⎠× ⎝ 2 − t3 0 t1 t2 ⎞ ⎟ − t1 ⎟ 0 ⎟⎠ 両ベクトルの外積: a × b = [a]× b また、 ⎛ 0 ⎜ [t ]× t = ⎜ t3 ⎜−t ⎝ 2 − t3 0 t1 t 2 ⎞⎛ t1 ⎞ ⎛ − t3t 2 + t 2t3 ⎞ ⎟⎜ ⎟ ⎜ ⎟ − t1 ⎟⎜ t 2 ⎟ = ⎜ t3t1 − t1t3 ⎟ = 0 0 ⎟⎠⎜⎝ t3 ⎟⎠ ⎜⎝ − t 2t1 + t1t 2 ⎟⎠ 視覚情報学特論 同様に、次式を確認できる [t ]T× t = 0 ベクトルから構成した反対称行列を次に記する ⎛ t1 ⎞ ⎜ ⎟ 4 エピポーラ幾何の概念と方程式 反対称行列(skew-symmetric matrix)が次の性質を持つ行列 [t ]× = ⎜ t2 ⎟ 視覚情報学特論 5 視覚情報学特論 6 1 2008/12/1 エピポーラ幾何の概念と方程式 エピポーラ幾何の概念と方程式 エピポーラ方程式 エピポーラ方程式 正規カメラ(焦点距離が1)の場合について考える。 3次元空間におけるエピポーラ平面上にベクトル が共平面: ~ x T (t × (R~ x ′ + t )) = 0 画像1の点の座標 x 、画像2における対応点 x′ とする。 ~ ~ それぞれのカメラ座標系における3次元座標は x , x ′ とする。 展開: 一方のカメラを他方のカメラの位置と姿勢(方向)にする移動 、回転行 は、回転行列Rと並進ベクトル tによって表現。 ~ x T (t × (R~ x ′ + t )) = ~ x T [t ]× (R~ x′ + t) T T ~ ~ ~ ′ = x [t ] Rx + x [t ] t × × x T [t ]× R~ x′ =~ T ~ ~ = x Ex ′ = 0 両対応点と両カメラレンズ 中心が共平面:エピポーラ 平面。 ここで この平面上のベクトルを考える x' 1 x E = [t ]× R 7 視覚情報学特論 2 t 8 視覚情報学特論 エピポーラ幾何の概念と方程式 エピポーラ幾何の概念と方程式 エピポーラ方程式 エピポーラ方程式 エピポーラ方程式(epipolar equation) 正規化カメラではなく、リアルカメラの場合、エピポーラ方程式は? ディジタル画像座標 mとm′ とする。それぞれのカメラ座標系に ~ ~ おける3次元座標 m, m′ とする。 ~ x T E~ x′ = 0 EがE行列(Essential matrix:基本行列)と呼ばれる。 p14 エピポ ラ方程式は(被写体)3次元座標と関係なく、2次元画 エピポーラ方程式は(被写体)3次元座標と関係なく 2次元画 像座標とカメラ運動のみを変数とした方程式。 内部行列 ⎛ α ⎜ u A=⎜ 0 ⎜0 ⎝ エピポーラ幾何の概念と方程式 − α u cot θ αv 0 u0 ⎞ ⎟ v0 ⎟ 1 ⎟⎠ c C Y y Z m M 視覚情報学特論 10 F行列とエピポールの関係 2次元空間(画像)上直線方程式 エピポーラ方程式 ax + by + c = 0 ~ ~ )T E ( A′−1m ~ ′) = m ~ T A−T EA′ −1m ~′ x T E~ x ′ = ( A −1 m ~ T Fm ~′ = 0 =m ベクトルを用いて表現: xT l = xT ⋅ l = ( x F行列(fundamental matrix matrix:基礎行列) 基礎行列) E = AT FA′ ⎛a⎞ ⎜ ⎟ y 1)⎜ b ⎟ = 0 ⎜ ⎟ ⎝c⎠ Homogeneous(同次)点xが直線l上に乗ることの必要十分の条件 ~ ~ T Fm ~′ = 0 x T E~ x′ = m (ハフ変換と同様に、xとlを別々の空間で考えれば、L空間で一点 分かれば、X空間で一直線を決める。逆に、X空間で一点分かれば L空間で一直線を決める。) 内部パラメータと関係あり 視覚情報学特論 x エピポーラ幾何の概念と方程式 カメラ内部行列が含まれるエピポーラ方程式 内部パラメータと関係なし I X 9 視覚情報学特論 F = A−T EA′−1 ~ = A~ m x ~ m′ = A′~ x′ AとA′ はそれぞれのカメラの (2次元画像上の点をカメラ座標系から見ると、第3座標を焦 点距離とすれば、3次元座標である。正規カメラの場合、焦点 距離が1なので、事実上2次元座標が分かれば3次元座標も 分かる) 重要な方程式 ~ x , tとR~ x′ + t 11 視覚情報学特論 12 2 2008/12/1 エピポーラ幾何の概念と方程式 エピポーラ幾何の概念と方程式 F行列とエピポールの関係 補足 F行列で表現するエピポーラ方程式を書き換え 「画像1におけるエピポールeは、画像2のすべての点に対応」 (p63.上から10行目) ~ T Fm ~′ = m ~T l = 0 m ~ が直線 これは点 m ~ ′上にあることを示す。 l = Fm 画像1(空間1)におけるエピポール(一点)は、画像2(空間2) におけるすべてのエピポーラ線と対応する。 この直線はエピポーラ線である。 の直線は ポ ラ線である。 エピポールが必ずエピポーラ線上にあるので、 F行列が分かれば、eとe’はそれぞれFFTとFTFの最も小さい 固有値に対応するベクトルである。 ~′ = 0 e l = e Fm T T ~ に対して成り立つので 上式が任意の m′ e T F = 0T FTe = 0 同様に Fe′ = 0 FTe = 0 F T e = eT FF T e = 0 Fe′ = 0 Fe′ = e′T F T Fe′ = 0 2 2 13 視覚情報学特論 中心射影におけるE行列の性質 中心射影におけるE行列の性質 E行列の特異値 E行列の特異値 E行列が E = [t ]× Rの関係があるが、実際にEET行列は並進ベクトル 任意の3x3の行列がE行列であるための必要十分条件は、その 行列の特異値(singular value)の1つがゼロであり、残りの2つ が等しいこと。 tにのみ依存する。 EE T = [t ]× RR T [t ]× = [t ]× [t ]× T E t = R [t ] t = 0 T T − t3 ⎛ 0 ⎜ = ⎜ t3 ⎜−t ⎝ 2 ET行列を並進ベクトルtに作用すると、 0 t1 ⎛t + t + t ⎜ =⎜ 0 ⎜ 0 ⎝ = t T tI − tt T 2 1 T × 故に、E行列の特異値は少なくとも1つがゼロである。 2 2 t 2 ⎞⎛ 0 ⎟⎜ − t1 ⎟⎜ − t3 0 ⎟⎠⎜⎝ t 2 t3 0 − t1 0 − t 2 ⎞ ⎛ t32 + t 22 ⎟ ⎜ t1 ⎟ = ⎜ − t1t 2 ⎜ 0 ⎠⎟ ⎝ − t1t3 ⎞ ⎛t ⎟ ⎜ ⎟ − ⎜ t1t 2 t12 + t 22 + t32 ⎟⎠ ⎜⎝ t1t3 2 1 0 t12 + t 22 + t32 0 0 − t1t 2 t12 + t32 − t 2t 3 t1t 2 t 22 t 2 t3 − t1t3 ⎞ ⎟ − t 2t 3 ⎟ ⎟ t12 + t 22 ⎠ t1t3 ⎞ ⎟ t 2 t3 ⎟ t32 ⎟⎠ 16 視覚情報学特論 中心射影におけるE行列の性質 中心射影におけるE行列の性質 E行列の特異値 E行列の要素間の関係 並進ベクトルtの方向に(例えばカメラ1の座標系の)x軸を合わす T ような回転Uが必ず存在:Ut = ( t 0 0) 次の(対称)行列を考える: ⎛ a1 ⎜ EE = ⎜ b3 ⎜b ⎝ 2 UEE TU T = U (t T tI − tt T )U T = Ut T tIU T − Utt T U T = Ut T tU T − Ut (Ut ) T T (U is rotation matrix, so UU T is I ) ⎛t ⎞ ⎜ ⎟ = t T tUU T − Ut (Ut )T = t T tI − Ut (Ut )T = t T tI − ⎜ 0 ⎟( t ⎜0⎟ ⎝ ⎠ ⎛t2 ⎜ = t T tI − ⎜ 0 ⎜ ⎜ 0 ⎝ 2 3 T 15 視覚情報学特論 (t T t is scalar) 14 視覚情報学特論 0 0 ⎞⎟ ⎛0 0 0⎞ ⎜ ⎟ 1 0 ⎟ = tT t⎜ 0 1 0 ⎟ ⎟ ⎜0 0 1⎟ 0 1⎟ ⎝ ⎠ ⎠ 視覚情報学特論 b3 a2 b1 b2 ⎞ ⎟ b1 ⎟ a3 ⎟⎠ 固有方程式 固有方程式: 0 0) det( EE T − λI ) = −λ3 + aλ2 + bλ + c = 0 ただし、 回転がEの特異値を変え ないので、Eのゼロでない 2つの特異値が等しい。 17 ⎧a = a1 + a2 + a3 ⎪ 2 2 2 ⎨b = b1 + b2 + b3 − a1a2 − a2 a3 − a3 a1 T ⎪c = det( EE ) ⎩ 視覚情報学特論 18 3 2008/12/1 中心射影におけるE行列の性質 中心射影におけるE行列の性質 E行列の要素間の関係 E行列の要素間の関係 c=0 特異な固有値の一つがゼロなので、 c=0 c = det( EE T ) = det( E ) det( E T ) = det( E ) det( E ) 残り二つの固有値が等しい、その条件によって、次式がある a + 4b = 0 e1x e1 y e1z = det( E ) 2 = e2 x e2 y e2 z e3 x e3 y e3 z 2 次にE行列の行ベクトルを用いて上記の式を表現する。 ⎛ e1 ⎞ ⎛ e1x ⎜ ⎟ ⎜ E = ⎜ e2 ⎟ = ⎜ e2 x ⎜e ⎟ ⎜e ⎝ 3 ⎠ ⎝ 3x e1z ⎞ ⎟ e2 z ⎟ e3 z ⎟⎠ e1 y e2 y e3 y 2 = [e1T (e2 × e3 )]2 = 0 そして、 e1T (e2 × e3 ) = 0 19 視覚情報学特論 20 視覚情報学特論 中心射影におけるE行列の性質 中心射影におけるE行列の性質 E行列の要素間の関係 E行列の要素間の関係 2つの任意ベクトルmとnが次の関係がある また、 ⎛ e1 ⎞ ⎜ ⎟ EE T = ⎜ e2 ⎟(e1 e2 ⎜ ⎟ ⎝ e3 ⎠ ⎛e e e e ⎜ 11 1 2 e3 ) = ⎜ e2 e1 e2e2 ⎜e e e e ⎝ 31 3 2 (m × n )2 = m 2 n 2 − (mn ) e1e3 ⎞ ⎟ e2 e3 ⎟ e3e3 ⎟⎠ そして、 b = b12 + b22 + b32 − a1a2 − a2 a3 − a3 a1 = (e2 e3 ) + (e1e3 ) + (e1e2 ) − e12 e22 − e22 e32 − e32 e12 2 2 ( 2 = − e1 × e2 + e2 × e3 + e3 × e1 2 2 2 ) そして、 ( a = (a1 + a2 + a3 ) = e1 + e2 + e3 2 2 2 2 a 2 + 4b = 0 式 ) 2 2 (e 2 1 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 2 ) = 4( e × e 2 2 1 2 2 + e2 × e3 + e3 × e1 2 2 ) 22 視覚情報学特論 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 カメラ間の運動 エピポーラ方程式 X, X′ が3次元空間内の一点の両カメラ座標系における座標 T v R を展開: v T R = [r11 r23 − r13 r21 X = RX′ + t ⎛ r11 ⎜ R = ⎜ r21 ⎜ ⎝ r31 + e2 + e3 21 視覚情報学特論 回転行列: から次式が成り立つ: 並進ベクトル r13 ⎞ ⎟ r23 ⎟ r33 ⎟⎠ r12 r22 r32 (r31 t = (t X , tY , t Z ) T T 3次元座標の Z , Z ′ を消去するために、両側に v = (r23 ,− r13 ,0 ) v X = v RX′ + v t T 視覚情報学特論 23 r33 ) = (r11 r12 r13 ) × (r21 = (r12 r23 − r13 r22 r22 r23 ) r13 r21 − r11 r23 r11 r22 − r12 r21 ) r11 r23 − r13 r21 = − r32 r12 r23 − r13 r22 = r31 故に、 T r32 両側比較すると、 をかける T 0] r12 r23 − r13 r22 回転行列が直交行列なので、任意の行が他の2行の外積 v T R = [− r32 r31 視覚情報学特論 0] 24 4 2008/12/1 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 エピポーラ方程式 エピポーラ方程式 式 v T R = [− r32 r31 0] を式vT X = vT RX′ + vT t に代入し、展開 − r23 X + r13Y − r32 X ′ + r31Y ′ + r23t X − r13tY = 0 第3座標値 Z , Z ′ が含まれない。カメラ1の座標系において、 上式が画像1平面に垂直な平面を表す(法線: (− r23 , r13 ,0) ) 同じくカメラ2の座標系において、上式が画像2平面に垂直な 平面を表す(法線: (− r32 , r31 ,0 ) ) 両画像に垂直な平面 両画像平面に垂直な平面を表している。 − r23 X + r13Y − r32 X ′ + r31Y ′ + r23t X − r13tY = 0 25 視覚情報学特論 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 エピポーラ方程式 エピポーラ方程式 弱中心射影の場合、 26 視覚情報学特論 ⎛ X c ΔX ⎞ + ⎟ ⎜ ⎛ x ⎞ ⎜ Zc Zc ⎟ 1 ⎜⎜ ⎟⎟ = = ⎝ y ⎠ ⎜ Yc + ΔY ⎟ Z c ⎜Z ⎟ Z c ⎠ ⎝ c 両画像に垂直な平面の方程式を次のようになる ⎛X ⎞ ⎜⎜ ⎟⎟ ⎝Y ⎠ ⎛ ⎞ − r23 Z c ⎜ ⎟ y 1)⎜ r13 Z c ⎟=0 ⎜ − r Z ′ x′ + r Z ′ y ′ + r t − r t ⎟ 31 c 23 x 13 y ⎠ ⎝ 32 c (x 両画像に垂直な平面に代入すると、 − (r23 Z c ) x + (r13 Z c ) y − (r32 Z c′ ) x′ + (r31Z c′ ) y′ + r23t X − r13tY = 0 変形すると 変形すると、 (x ここで正規カメラを用いる場合、 ~ x = ( x, y,1)T ~ x ′ = ( x′, y′,1) ⎛ 0 ⎜ y 1)⎜ 0 ⎜− r Z′ ⎝ 32 c 行列の形にすれば、 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 0 r13 Z c r31 Z c′ ~ x T Ewp ~ x′ = 0 27 視覚情報学特論 ⎞⎛ x ′ ⎞ ⎟⎜ ⎟ ⎟⎜ y ′ ⎟ = 0 r23 t x − r13 t y ⎟⎠⎜⎝ 1 ⎟⎠ − r23 Z c 0 28 視覚情報学特論 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 E行列 F行列 それぞれのカメラの内部行列 A, A′ が分かれば、ディジタル画像 弱中心射影におけるE行列: ⎛ 0 ⎜ Ewp = ⎜ 0 ⎜− r Z′ ⎝ 32 c 座標 mとm′ を用いたエピポーラ方程式 − r23 Z c ⎞ ⎟ r13 Z c ⎟ r23t X − r13tY ⎟⎠ 0 0 r31Z c′ ~ ~ )T E ( A′−1m ~ ′) x T Ewp ~ x ′ = ( A−1m wp ~ T A−T E A′−1m ~′ = m ~T F m ~′ = 0 =m wp 平行射影の場合、両画像に垂直な平面の方程式 − r23 x + r13 y − r32 x′ + r31 y′ + r23t X − r13tY = 0 平行射影におけるE行列: Eortho ⎛ 0 ⎜ =⎜ 0 ⎜− r ⎝ 32 0 0 r31 ⎛α ⎜ A=⎜0 ⎜0 ⎝ − r23 ⎞ ⎟ r13 ⎟ r23t X − r13tY ⎟⎠ 視覚情報学特論 wp カメラの内部行列とその逆行列は左下の3要素が0: 29 γ u0 ⎞ ⎟ β v0 ⎟ 0 1 ⎟⎠ ⎛1 ⎜ ⎜α ⎜ A−1 = ⎜ 0 ⎜ ⎜⎜ 0 ⎝ 視覚情報学特論 γ αβ 1 β 0 γv0 − u0 β ⎞ ⎟ αβ ⎟ − v0 β 1 ⎟ ⎟ ⎟ ⎟⎟ ⎠ 30 5 2008/12/1 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 F行列 F行列 Ewp行列の左上の4つの要素が0なので、Fwp行列の形: 0 e13 ⎞⎛ b11 b12 b13 ⎞ ⎛ a11 0 0 ⎞⎛ 0 ⎟ ⎟⎜ ⎟⎜ ⎜ Fwp = ⎜ a21 a22 0 ⎟⎜ 0 0 e23 ⎟⎜ 0 b22 b23 ⎟ ⎟⎜ ⎟⎜ ⎜a 0 1 ⎟⎠ ⎝ 31 a32 1 ⎠⎝ e31 e32 e33 ⎠⎝ 0 0 e13 ⎞ ⎛ a11 0 0 ⎞⎛ 0 ⎟ ⎟⎜ ⎜ 0 e23 = ⎜ a21 a22 0 ⎟⎜ 0 ⎟ ⎟ ⎟⎜ ⎜a ⎝ 31 a32 1 ⎠⎝ e31b11 e31b12 + e32b22 e31b13 + e32b23 + e33 ⎠ 0 a11e13 ⎞ ⎛ 0 ⎟ ⎜ 0 a21e13 + a22 e23 =⎜ 0 ⎟ ⎟ ⎜e b e b + e b a e a e e b e b e + + + + 31 13 32 23 31 13 32 23 33 ⎠ ⎝ 31 11 31 12 32 22 明らかにFwp行列の左上の4つの要素が0、そして、それを次の ように書き換える: ⎛ 0 ⎜ Fwp = ⎜ 0 ⎜f ⎝ 31 エピポーラ方程式の展開:(画像座標に関して線形) ~ T Fm ~′ 0=m 0 f13 ⎞⎛ u′ ⎞ f13 ⎞ ⎛ ⎛ 0 ⎟ ⎜ ⎟⎜ ⎟ ⎜ 0 f 23 ⎟⎜ v′ ⎟ = (u v 1)⎜ = (u v 1)⎜ 0 f 23 ⎟ ⎟ ⎜ ⎟ ⎜ ⎟ ⎜f ⎝ f 31u′ + f 32 v′ + f 33 ⎠ ⎝ 31 f 32 f 33 ⎠⎝ 1 ⎠ = f13u + f 23v + f 31u ′ + f 32 v′ + f 33 = 0 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 F行列 0 f 0 u0 ⎞ ⎟ v0 ⎟ 1 ⎟⎠ (A ) −1 T ⎛ 1 ⎜ ⎜ f ⎜ =⎜ 0 ⎜ ⎜ − u0 ⎜ f ⎝ 0 1 f v − 0 f ⎞ 0⎟ ⎟ ⎟ 0⎟ ⎟ 1 ⎟⎟ ⎠ ⎛ ⎜ ⎜ ⎜ A′ −1 = ⎜ ⎜ ⎜⎜ ⎝ 1 f′ 0 0 0 カメラ焦点距離: 1 f′ 0 u0′ ⎞ ⎟ f ′⎟ v0′ ⎟ − ⎟ f′ ⎟ 1 ⎟ ⎟ ⎠ − f, f′ 画像中心と並進 運動パラメータ がFwpの右下の 要素にしか現れ ない。 33 視覚情報学特論 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 T ⎛ 1 ⎜ ⎜ f ⎜ =⎜ 0 ⎜ ⎜ − u0 ⎜ ⎝ f 1 f v − 0 f ⎛ 1 ⎜ ⎜ f ⎜ =⎜ 0 ⎜ ⎜ − u0 ⎜ f ⎝ 1 f v − 0 f ⎛ ⎜ 0 ⎜ =⎜ 0 ⎜ r32 Z c′ ⎜− f′ ⎝ ⎞ 0⎟ ⎟⎛ 0 ⎟⎜ 0 ⎟⎜ 0 ⎟⎜ − r Z ′ ⎝ 32 c 1 ⎟⎟ ⎠ ⎞ 0 ⎟⎛ ⎟⎜ 0 ⎟⎜ 0 ⎟⎜ 0 ⎟⎜ ⎜− r Z′ 1 ⎟⎟⎝ 32 c ⎠ 0 0 0 0 r31 Z c′ f′ 0 0 r31 Z c′ 0 0 r31 Z c′ ⎛ ⎜ ⎞⎜ ⎟⎜ r13 Z c ⎟⎜ r23 t x − r13 t y ⎟⎠⎜ ⎜ ⎜ ⎝ − r23 Z c 1 f′ 0 0 0 1 f′ 0 u 0′ ⎞ ⎟ f ′⎟ v0′ ⎟ − ⎟ f′ ⎟ 1 ⎟ ⎟ ⎠ − ⎞ ⎟ − r23 Z c ⎟ r13 Z c ⎟ ⎟ (r32 u 0′ − r31v0′ )Z c′ + r23 t x − r13 t y ⎟ f′ ⎠ ⎞ ⎟ ⎟ r13 Z c ⎟ ⎟ (r23u 0 − r13 v0 )Z c (r32 u 0′ − r31v0′ )Z c′ + + r23t x − r13 t y ⎟ f f′ ⎠ − r23 Z c 視覚情報学特論 34 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 カメラ間の運動 カメラ間の運動 カメラ間の回転をオイラー角で表現: ⎛ cos α cos β cos γ − sin α sin γ ⎜ R = ⎜ sin α cos β cos γ + cos α sin γ ⎜ − sin β cos γ ⎝ ( ) Fwp = A −1 E wp A′ −1 それぞれの画像 中心: (u0 , v0 ), (u0′ , v0′ ) u0 ⎞ ⎟ v0 ⎟ 1 ⎟⎠ 画像の縦軸と横軸が直交し、画素が正方形、すなわち、θ=90 度、ku=kvの場合、 ⎛f ⎜ A=⎜0 ⎜0 ⎝ 32 視覚情報学特論 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 F行列 本来カメラ内部行列Aは次の形である。 ⎛ α u − α u cot θ u 0 ⎞ ⎛ fk u − fk u cot θ ⎜ ⎟ ⎜ A = ⎜ 0 α v / sin θ v0 ⎟ = ⎜ 0 fk v / sin θ ⎜ 0 0 0 1 ⎟⎠ ⎜⎝ 0 ⎝ f13 ⎞ ⎟ f 23 ⎟ f 33 ⎟⎠ ~ = (u v 1)T m ~ ′ = (u ′ v ′ 1)T ディジタル画像における点の座標を m 31 視覚情報学特論 0 0 f 32 − cos α cos β sin γ − sin α cos γ − sin α cos β sin γ + cos α cos γ sin β sin γ エピポーラ方程式に代入展開 cos α sin β ⎞ ⎟ sin α sin β ⎟ cos β ⎟⎠ 回転行列をFwp ⎛ ⎞ ⎜ 0 ⎟ − r23 Z c 0 ⎜ ⎟ Fwp = ⎜ 0 r13 Z c 0 ⎟ ⎜ r32 Z c′ r31Z c′ (r23u0 − r13v0 )Z c (r32u0′ − r31v0′ )Z c′ ⎟ + + r23t x − r13t y ⎟ ⎜− ′ ′ ′ f f f f ⎝ ⎠ に代入し、エピポーラ方程式から f13u + f 23v + f 31u′ + f 32 v′ + f 33 = 0 視覚情報学特論 35 sin β Z c sin βZ c Z′ Z′ v cos α − sin β c u′ sin γ − sin β c v′ cos γ + f 33 = 0 u sin α + f′ f′ f f ′ sin βZ c (− u sin α + v cos α ) − sin βZ c (u′ sin γ + v′ cos γ ) + f 33 = 0 f′ f − ( β ≠0ならば) − u sin α + v cos α − sin β Z c′ f′ (u′ sin γ + v cos γ ) + sinfβ33Z = 0 sin β Z c c f f また、 sin βZ c′ = ± f 312 + f 322 , f′ sin β Z c = ± f132 + f 232 f 視覚情報学特論 36 6 2008/12/1 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 カメラ間の運動 カメラ間の運動 Let ρ= 方程式 f 312 + f 322 f132 + f 232 − と 方程式: − u sin α + v cos α − ρ (u ′ sin γ + v ′ cos λ ) + λ = 0 ここで f + f 2 13 f13u + f 23v + f 31u′ + f 32 v′ + f 33 = 0 比べると(βがゼロでなければ)、 ⎧α1 = atan 2( f13 ,− f 23 ) ⎨ ⎩γ 1 = atan 2( f 31 , f 32 ) ⎧α 2 = atan 2( − f13 , f 23 ) ⎨ ⎩γ 2 = atan 2( − f 31 ,− f 32 ) f 33 λ1 = sin βZ c sin β Z c Z′ Z′ u sin α + v cos α − sin β c u′ sin γ − sin β c v′ cos γ + f 33 = 0 f f f′ f′ 2 23 λ2 = −λ1 37 視覚情報学特論 α1 − α 2 = ±π γ 1 − γ 2 = ±π 視覚情報学特論 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 38 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 幾何学意味 幾何学意味 方程式 − u sin α + v cos α − ρ (u ′ sin γ + v ′ cos λ ) + λ = 0 すべてのオイラー角画像1の座標系において定義されるため、 画像2における回転が相対的にマイナスとなる。 この2つの変換を別々画像に 施して、垂直方向において、座 標が等しくなる − u sin α + v cos α = ρ (u′ sin γ + v′ cos λ ) − λ v = v′ 画像1に対して変換: ⎛ u ⎞ ⎛ cos α ⎜⎜ ⎟⎟ = ⎜⎜ ⎝ v ⎠ ⎝ − sin α sin α ⎞⎛ u ⎞ ⎟⎜ ⎟ cos α ⎟⎠⎜⎝ v ⎟⎠ 水平座標のみが異なる。 画像2に対して変換: ⇒α、γはそれぞれの画像に 平面内の回転角、ρは画像間 のスケール変化を表している。 sin( −γ ) ⎞ ⎛ 0 ⎞ ⎛ cos γ ⎛u ′⎞ ⎟⎟ ⎟⎟ + ⎜⎜ ⎜⎜ ⎟⎟ = ρ ⎜⎜ ′ ⎝ − sin( −γ ) cos γ ⎠ ⎝ − λ ⎠ ⎝v ⎠ 39 視覚情報学特論 視覚情報学特論 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 40 弱中心射影におけるエピポーラ方程式 β=0の場合 退化運動 オイラー角で表現する回転 β=0の場合、両画像間の変化は画像内の回転、並進とスケール の変化のみとなる。 R = Rz (θ ) = Rz (γ )R y (β )Rz (α ) 運動は2つの対応点があれば求められる。(4つの方程式から 4つの自由度:回転(1)、並進(2)とスケール(1))。 β=0の場合、回転が告ぎのようになる ⎛ cos θ ⎜ R = Rz (θ ) = ⎜ sin θ ⎜ 0 ⎝ − sin i θ cos θ 0 0⎞ ⎟ 0⎟ 1 ⎟⎠ − 上式から分かるように、両側とも0になるので(β=0なので)、 エピポーラ方程式が存在しない。 ここでθ=α+γ。つまり、回転は光軸まわりの回転のみで、画像 変化が被写体の奥行きと無関係である。 視覚情報学特論 sin βZ c sin β Z c Z′ Z′ u sin α + v cos α − sin β c u′ sin γ − sin β c v′ cos γ + f 33 = 0 f f f′ f′ 2次元アフィン運動(affine motion) 退化運動(degeneracy motion) 41 視覚情報学特論 42 7 2008/12/1 一般化エピポーラ方程式 一般化エピポーラ方程式 世界座標系における点M 世界座標系における点M 世界座標系における点Mがディジタル画像への射影 ~ ~ ~ = PM ~ ′ = P′M sm s′m p′ は常に原点に射影される 射影行列の中にカメラの外部と内部パラメータを含む。 p′ はカメラ座標系の原点で、レンズの中心を定義している。次の ⊥ P′p′⊥ = 0 ⊥ ように決めることができる。 画像上の点m からMを一意には決まらない、Mが原点とm 画像上の点m'からMを 意には決まらない Mが原点とm'結ぶ 結ぶ 直線(光線)上である。 ~ ~ ′ + p′ ⊥ M = s′P′+ m ここでωはゼロではない任意の4次元ベクトルである。 P′+が P′ の擬似逆行列(注意:射影行列のサイズ3x4) 同様にカメラ1の座標系における点Mを通る光線も求められる。 2本の光線が交わるところは3次元空間のもとの点Mである。 P′+ = P′T (P′P′T ) −1 視覚情報学特論 p′⊥ = (I − P′+ P′)ω 43 44 視覚情報学特論 一般化エピポーラ方程式 一般化エピポーラ方程式 世界座標系における点M 世界座標系における点M カメラ2における光線をカメラ1の射影式に代入 整理すると、 ~ = s′Mm ~′ + e sm ~ ~ = PM ~ ′ + Pp′ ⊥ sm = Ps′P′ + m ~ ′ + e = s′Mm ~′ + e = s′PP′+ m ベクトルeを上式の両側に外積として掛けて、 [e]× e = 0 なので ~ = s ′[e] Mm ~′ s[e]× m × ここで e = Pp′ ⊥ がカメラ2のレンズ中心が画像1における“像” ーーエピポール。 M = PP ′ + ~ T を上式両辺に掛ける。 今回 m が画像2から画像1への変換行列 視覚情報学特論 ~ T [e] m ~ = s′m ~ T [e] Mm ~′ sm × x 45 46 視覚情報学特論 一般化エピポーラ方程式 一般化エピポーラ方程式 F行列 F行列 ~ , e, m ~ 共平面なので、次式の左側が0 注意: m F行列とエピポールの関係: Fe′ = 0 FTe = 0 ~ T [e] m ~ = s′m ~ T [e] Mm ~′ sm x × F行列が与えられれば、エピポールを決めることができる。 整理すると、 画像間の変換行列MがF行列とエピポールで表されるが、 一意には決まらない。 ~ T Fm ~′ = 0 m M =− F行列は射影行列を用いた表現 F = [e]× M 1 e (注:以前はE行列とカメラ内部 パラメータを用いた表現) 視覚情報学特論 47 2 [e]× F + evT ここでvは任意の3次元ベクトル。 視覚情報学特論 48 8 2008/12/1 一般化エピポーラ方程式 一般化エピポーラ方程式 Mの式を確認 M式を確認 T T 2 まず [ a ]× = aa − a aI を導く ⎛0 ⎜ [a]×2 = ⎜ a3 ⎜a ⎝ 2 − a3 0 a1 ⎛ a12 ⎜ = ⎜ a1a2 ⎜a a ⎝ 1 3 a1a2 a22 a2 a3 ⎛ a ⎜ = ⎜ a1a2 ⎜a a ⎝ 1 3 a1a2 a22 a2 a3 2 1 − a3 0 a1 a2 ⎞⎛ 0 ⎟⎜ − a1 ⎟⎜ a3 0 ⎟⎠⎜⎝ a2 また、 a2 ⎞ ⎛ − a32 − a22 ⎟ ⎜ − a1 ⎟ = ⎜ a1a2 0 ⎟⎠ ⎜⎝ a1a3 a1a2 − a32 − a12 a 2 a3 a1a3 ⎞ ⎛ a12 + a22 + a33 0 ⎟ ⎜ a2 a3 ⎟ − ⎜ 0 a12 + a22 + a33 a32 ⎟⎠ ⎜⎝ 0 0 a1a3 ⎞ ⎛1 0 0⎞ ⎟ ⎜ ⎟ a2 a3 ⎟ − a12 + a22 + a32 ⎜ 0 1 0 ⎟ 2 ⎟ ⎜ ⎟ a3 ⎠ ⎝0 0 1⎠ ( a1a3 ⎞ ⎟ a2 a3 ⎟ − a22 − a12 ⎟⎠ ⎞ 0 ⎟ 0 ⎟ a12 + a22 + a33 ⎟⎠ F T e = 0 ⇒ F T eeT = 0 ⇒ 0 = ( F T eeT )T = e( F T e)T = eeT F = 0 そして、 F = [e]× M =− e ) =− 2 [e]×2 F + [e]× evT 2 (eeT − eT eI ) F = F 1 1 e = aaT − a T aI = aa T − a I 2 49 視覚情報学特論 一般化エピポーラ方程式 一般化エピポーラ方程式 Mの逆行列 M = PP ′ + E行列 の逆行列が存在 同様にE行列を求めることができる M-1 [ ] E = Pp ′ ⊥ × PP′ + M −1 = P′P + 式 50 視覚情報学特論 ~ = s′Mm ~′ + e sm ただし、このとき射影行列には内部変数が含まれない。 両側にM-1をかける 一般化エピポーラ方程式なので、中心射影、平行射影、弱中心 射影、擬似中心射影に適用できる。 M ~ − M −1e = s′m ~′ sM −1m 整理すると、 ~ ′ = sM −1m ~ + (− M −1e) = sM −1m ~ + e′ s′m 各射影行列をそれぞれF、E行列に代入すると、いままでと同じ 結果が得られる。 画像2におけるエピポール 51 視覚情報学特論 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 一般化エピポーラ方程式 F行列の求め方 エピポーラ方程式の展開 平行射影、弱中心射影、擬似中心射影や一般化アフィン射影 の場合に、E行列とF行列の左上の4つの要素がゼロとなる。 ⎛ 0 ⎜ F =⎜ 0 ⎜f ⎝ 31 52 視覚情報学特論 0 0 f 32 f13 ⎞ ⎟ f 23 ⎟ f 33 ⎟⎠ エピポーラ方程式 T 画像1における点 mi = (ui , vi ) と画像2における点 mi′ = (ui′, vi′ )T T ~ ~ はエピポーラ方程式 mi Fmi′ = 0 を満たす。 (ui 0 f13 ⎞⎛ u ′ ⎞ ⎛ 0 ⎟⎜ ⎟ ⎜ T ~ ~ 0 f 23 ⎟⎜ v′ ⎟ m Fm′ = (u v 1)⎜ 0 ⎟⎜ ⎟ ⎜f ⎝ 31 f 32 f 33 ⎠⎝ 1 ⎠ = f 31u + f 32 v + f13u ′ + f 23v′ + f 33 = 0 視覚情報学特論 点対応から中心射影のエピポーラ方程式の推定ができる。 ⎛ f11 ⎜ vi 1)⎜ f 21 ⎜f ⎝ 31 f12 f 22 f 32 f13 ⎞⎛ ui′ ⎞ ⎟⎜ ⎟ f 23 ⎟⎜ vi′ ⎟ = 0 f 33 ⎟⎠⎜⎝ 1 ⎟⎠ これを展開する。 53 視覚情報学特論 54 9 2008/12/1 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 F行列の求め方 (ui vi F行列の求め方 ⎛ f11ui′ + f12 vi′ + f13 ⎞ ⎟ ⎜ 1)⎜ f 21ui′ + f 22 vi′ + f 23 ⎟ = 0 ⎜ f u ′ + f v′ + f ⎟ 32 i 33 ⎠ ⎝ 31 i ベクトル T f = ( f11 , f12 , f13 , f 21 , f 22 , f 23 , f 31 , f 32 , f 33 ) T n点の対応が与えられたら、方程式の積み重ね 線形方程式(未知数がfij)): Uf = 0 ui ui′ f11 + ui vi′ f12 + ui f13 + vi ui′ f 21 + vi vi′ f 22 + vi f 23 + ui′ f 31 + vi′ f 32 + f 33 = 0 ベクトル記すると、 u i = (ui ui′, ui vi′, ui , vi ui′, vi vi′, vi , ui′, vi′,1) ここで、 ( U = u1T , u 2T , L , u nT u Tif = 0 視覚情報学特論 ) T 方程式を解けば、F行列の要素が求められる。 55 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 56 視覚情報学特論 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 F行列の自由度 最小化問題 中心射影の場合、 自由度が7なので、最低7点の対応があれば、解けることになる。 8点以上が与えられれば、線形解法が存在する。最小自乗法に 基づく最小化問題となる: rank (F ) = rank ([e]× M ) ≤ rank ([e]× ) det([e]× ) = 0 である、 [e]× のランクが2なので、Fのランクが1か 2かであるが、実際に2である。 ( ~ T Fm ~′ min ∑ m i i F 2 f 視覚情報学特論 = min f T U T Uf f ここでfのスケールは任意である。fの長さを1に拘束条件として 最小化問題を解く。fがUTUの最小の固有値に対応する固有 ベクトルとして求められる。 57 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 2 等価的に min Uf 本来ならば、F行列が9自由度であるが、スケールが任意なので、 自由度が8である。また、F行列のランクが2なので、det(F)=0 であって、自由度が1個減らせる。そして自由度が7である。 ) i 58 視覚情報学特論 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 ランクを2にする ランクを2にする F行列に最も近いランク2の行列は このように得られたF行列は、計算上の問題で、ランクが2では ないので、F行列に最も近いランク2の行列を求める。 ˆ = diag (σ , σ ,0) ∑ 1 2 ⎛σ 1 0 ⎜ = ⎜ 0 σ2 ⎜0 0 ⎝ ˆ UT Fˆ = V ∑ Fの特異値分解(Singular value decomposition): F = V ∑U T 「近い」とは、行列のノルム(Frobenius norm)が小さい。 ここで∑は大から小への順番となるような対角線行列 ⎛σ 1 0 0 ⎞ ⎜ ⎟ ∑ = ⎜ 0 σ2 0 ⎟ ⎜0 0 σ ⎟ 3⎠ ⎝ A = m n ∑∑ a i =1 j =1 Fˆ は VとUはそれぞれFの左と右直交行列である。 視覚情報学特論 0⎞ ⎟ 0⎟ 0 ⎟⎠ 59 2 ij F − Fˆ を最小にするランク2の行列である。 視覚情報学特論 60 10 2008/12/1 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 計算誤差の影響 計算誤差の削減 線形計算法をそのまま適用すると、誤差の影響が大きい。 ⎛ u1u1′ ⎜ ⎜ u u′ U =⎜ 2 2 M ⎜ ⎜ u u′ ⎝ n n u1v1′ u 2v2′ u1 u2 M un vn′ M v1u1′ v2u2′ v1v1′ v2 v2′ M un M vnun′ vn vn′ u1′ u ′2 v1 v2 M M u′n vn 一般に画像の座標原点を特徴点の重心に移し、画像のスケール を大ざっぱに − 2 ~ 2 の範囲に縮小するという変換を施して から、線形方程式を解ける。 v1′ 1⎞ ⎟ v2′ 1⎟ M M⎟ ⎟ v′n 1⎟⎠ ˆ , mˆ ′ とすると、 画像座標 m, m′ の変換後の座標をそれぞれ m ~ ~ mˆ = Tm ~ ~′ mˆ ′ = T ′m エピポーラ方程式に代入すると、 ~ ~ mˆ T T −T FT ′−1mˆ ′ = 0 u,vが画像上の座標なので、U行列の要素間の差が非常に大きい 例えば、 u1 = 200, u1′ = 300の場合、u1u1′ = 60000 最後の要素はただ1である。6万倍の差がある。 変換後の画像から求められたF行列: このような行列を用いて計算すれば、誤差が大きい。 もとの画像間のF行列: 61 視覚情報学特論 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 Fˆ = T −T FT ′−1 F = T T FˆT ′ 62 視覚情報学特論 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 物理的な量の最適化 物理的な量の最適化 F行列を求めるもう1つの方法:ある物理的な量の最適化である。 エピポーラ方程式: ~ T Fm ~′ = 0 m i i ~ ′T F T m ~ =0 m i i ~ に対応する画像1 画像 の点 m′ 画像2の点 対応する画像 i におけるエピポーラ線 li = Fmi′ = (li1 li 2 li 3 ) T 画像1におけるエピポーラ線の方程式: li1u + li 2 v + li 3 = 0 ~ からエピポーラ線への距離自乗 点 m i 物理的な量:例えば、各点とその対応するエピポーラ線の間の ユークリッド距離の自乗和。それを最小化する。 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 ) 2 64 視覚情報学特論 中心射影におけるエピポーラ方程式の推定 物理的な量の最適化 解け方 ~ 同じ方法で画像2の点 m′i から対応するエピポーラ線への距離自乗 ( ~ ′T F T m ~ m i d i′2 = i 2 li′1 + li′22 ) ( 2 ) ~ T Fm ~′ 2 m = i2 i2 li′1 + li′2 ) ( ) ~ T Fm ~′ 2 m ~ T Fm ~′ 2 ⎞ ⎛ m ~ T Fm ~′ C = ∑ ⎜ i2 2i + i2 i2 ⎟ = ∑ wi2 m i i ⎜ li′1 + li′2 ⎟⎠ i i ⎝ li1 + li 2 ( ) ( ) ( ) 2 1/ 2 ) 2 繰り返し漸近法: wi=1 → F行列を求める → Fを用いてwiを計算する →F行列を求める →... 1/ 2 ⎛ 1 1 ⎞ ⎟ wi = ⎜⎜ 2 2 + 2 2 ⎟ ′ + + l l l ⎝ i1 i 2 i1 li′2 ⎠ 視覚情報学特論 ( ~ T Fm ~′ 2 m ~ T Fm ~′ 2 ⎞ ⎛ m ~ T Fm ~′ C = ∑ ⎜ i2 2i + i2 i2 ⎟ = ∑ wi2 m i i ⎜ li′1 + li′2 ⎟⎠ i i ⎝ li1 + li 2 ⎛ 1 1 ⎞ ⎟ wi = ⎜⎜ 2 2 + 2 2 ⎟ ⎝ li1 + li 2 li′1 + li′2 ⎠ 評価関数の定義: 重み: ( ~ T l )2 ~ T Fm ~′ (li1ui + li 2 vi + li 3 ) 2 (m m i i i i = = li21 + li22 li21 + li22 li21 + li22 63 視覚情報学特論 ( d i2 = 65 視覚情報学特論 66 11 2008/12/1 アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 F行列の推定 エピポーラ方程式 アフィン射影の場合、F行列の左上の4つの要素がゼロなので、 エピポーラ方程式: (ui アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 ⎛ 0 ⎜ vi 1)⎜ 0 ⎜f ⎝ 31 f13 ⎞⎛ ui′ ⎞ ⎟⎜ ⎟ f 23 ⎟⎜ vi′ ⎟ = 0 f 33 ⎟⎠⎜⎝ 1 ⎟⎠ 0 0 f 32 アフィン射影の場合、F行列の自由度が4。最低4点の対応が あれば、Fを計算できる。 展開すると、 ui f13 + vi f 23 + ui′ f 31 + vi′ f 32 + f 33 = 0 u Tif + f 33 = 0 ベクトル式: u i = (ui ここで vi f = ( f13 Hyperplane ui′ vi′ ) f 23 T f 31 f 32 ) T 67 視覚情報学特論 アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 F行列の推定 0 0 f 32 f13 ⎞⎛ xi′ ⎞ ⎟⎜ ⎟ f 23 ⎟⎜ yi′ ⎟ = ( f13 f 33 ⎟⎠⎜⎝ 1 ⎟⎠ アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 画像1と画像2において、ユークリッド距離の自乗和: f 23 0 0 f 23 f 31 ⎞⎛ xi ⎞ ⎟⎜ ⎟ f 32 ⎟⎜ yi ⎟ = ( f 31 f 33 ⎟⎠⎜⎝ 1 ⎟⎠ ε i2 n d12 = ∑ f 31 xi′ + f 32 yi′ + f 33 ) f +f 2 13 i =1 ここで 画像2におけるエピポーラ線: ⎛ 0 ~ =⎜ 0 li′ = F T m ⎜ i ⎜f ⎝ 13 n ε i2 i =1 f + f 322 d 22 = ∑ 2 23 2 31 ε i2 = (uTi f + f 33 ) 2 f 32 f13 xi + f 23 yi + f 33 ) 一般的に両画像のスケールが異なり、エピポーラ線間の間隔も 異なる。距離の自乗和をそのまま足すより、スケールを考慮した 重みをつけて足した方が合理。 注意:画像上エピポーラ線の方向が同じ(傾き) 69 視覚情報学特論 アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 F行列の推定 70 視覚情報学特論 アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 F行列の推定 F行列の要素を用いて画像間の スケールを表現できる。 整理すると、評価関数 ε i2 n ρ= 68 視覚情報学特論 F行列の推定 画像1におけるエピポーラ線: ⎛ 0 ~′ = ⎜ 0 li = Fm ⎜ i ⎜f ⎝ 31 同様に、各特徴点がそれぞれのエピポーラ線までの距離の自乗 和を最小にすることでFを計算する。弱中心射影の場合は各画像 においてエピポーラ線は平行であり、その間隔は一定である。 C=∑ f 312 + f 322 f132 + f 232 i =1 視覚情報学特論 2 23 2 31 2 32 =∑ i =1 (u f + f ) 2 T i 33 T f f 対応点のペアを4次元空間の点と考え、エピポーラ方程式が4次 対応点のペアを4次元空間の点と考え エピポーラ方程式が4次 元超平面となり。 距離自乗和に付ける重みの和が1 なので、評価関数: 1⎛ 1 ρ2 2 ⎞ C = ⎜⎜ d2 + d2 ⎟ 2 1 2 ⎝1+ ρ 1 + ρ 2 ⎟⎠ n f +f +f +f 2 13 評価関数は4次元点から4次元平面までのユークリッド距離の自 乗和となる。 ρ>1 画像2重視 ρ=1 平等 ρ<1 画像1重視 (2次元空間での点線距離、3次元空間での点面距離式を思い 出せるか?) 71 視覚情報学特論 72 12 2008/12/1 アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 最小化 アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 最小化 次元数こそ異なるが、3次元空間での平面フィッティングとn次元 空間での超平面フィッティングは2次元空間での直線フィッティング 問題と等価ーー方法が同じである。 まず、評価関数をf33について微分、f33を求める。 2 ∂C uT f + f = 2∑ i T 33 = T ∂f 33 f f f f C =∑ =∑ (∑ u f + f ) = 0 T i 評価関数に代入: ((u − u ) f ) T 2 0 i T f f (v if )2 f Tf =∑ f T v i v Ti f f T w f f T Wf =∑ T i = T f Tf f f f f 評価関数をベクトルfについて微分: 33 ∂C 2 Wff T f − 2f T Wff 2 Wf 2f T Wff 2( Wf − Cf ) = = T − = 2 2 ∂f f f f Tf f Tf f Tf ( ) 1 f 33 = − ∑ uTi f = −uT0 f n 73 視覚情報学特論 ( ) 視覚情報学特論 74 アフィン射影におけるエピポーラ方程式の推定 最小化 ここで w = ∑ (u i − u 0 )(u i − u 0 ) T 微分をゼロにしてから Wf = Cf 再び、固有値問題になる。Wの一番小さい固有値を評価関数の 値とする。それに対応する固有ベクトルが解である。 視覚情報学特論 75 13
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