3-階調変換

1
階調変換
g
階調変換の一般的表現
階調変換の一般的表現
g ( x, y ) = T [ f ( x, y )]
g ( x, y ) = T [ f ( x, y )]
画素ごとの処理
を意味している
f ( x, y ) : 原画像
)
g ( x, y:処理画像
T []:階調変換オペレータ
今回取り上げる階調変換
今回取り上げる階調変換
(x,y)
g(x,y)
f
1.CRTの入出力特性に対応した階調変換
2.ヒストグラムに基づいた階調変換
ヒストグラム平滑化
ヒストグラム特定化
3.ダイナミックレンジを圧縮する階調変換
対数を用いる階調変換
医用画像に多用されるウィンドウ処理
4.画像入力機器の特性を考慮した階調変換
光学カメラ入力信号に対する線形化処理
CTにおけるX線強度データから投影データへの変換
(x,y)
f(x,y)
CRTの入出力特性に対応した階調変換
CRTの輝度特性モデル
GOGモデル
Gain offset gamma model
ガンマ
オフセット
g
g = ( af + b)γ , 通常γ ≅ 2.2
出力輝度
ゲイン
g = (af + b)γ
f
画像信号(デジタル値)
2
3
ブライトネスの増加
実行例(MATLABのdemoより)
g = (af + b)γ
デジタル画像
階調変換の特性を
現すグラフ
画素値:254
とすれば
頻度(度数)
01 2
対応する画
素値の頻
度を+1
255
ヒストグラムの意味
コントラストの増加
実行例(MATLABのdemoより)
g = ( a f + b) γ
4
5
ガンマの増加・減少
実行例(MATLABのdemoより)
g = (af + b)γ
MATLAB
MATLAB demo
demo
6
ヒストグラム平滑化 histogram equalization
pr (r )
理論
ヒストグラム平滑化のための階調変換の式:
1
暗い画像
元の画像のヒストグラム
r
s = T ( r ) = ∫ pr ( w) dw, 0 ≤ r ≤ 1
0
元画像のヒストグラム
すなわち,累積密度関数によって変換する.
0
ps ( s ) = 1
暗 rk
s
s
1
明
1
0
平均的に平滑化されている
暗
r
累積密度関数を算出
1
T (r )
sk = T (rk )
ps (s )
明1
0
rk
1
r
7
ヒストグラム特定化 histogram specification
pr (r )
理論
ヒストグラム平滑化のための階調変換の式:
1
暗い画像
r
s = T ( r ) = ∫ pr ( w) dw, 0 ≤ r ≤ 1
0
元画像のヒストグラム
0
ps ( s ) = 1
暗 rk
s
s
r
1
1
明
r = T −1 ( s )
s = T (r )
sk = T (rk )
逆変換
ps (s )
1
そこで,
明1
暗
0
0
rk
1
r
8
ヒストグラム特定化 (つづき)
理論
ps ( s ) = 1
v
1
明
1
v = G( z)
z = G −1 ( s )
ps (s )
暗
1
0
平均的に平滑化されている
目標とするヒストグラムの累積密度関数
z
v = G ( z ) = ∫ p z ( w)dw
0
1
z
pz ( z )
目標とするヒストグラム
1
明るい画像
0
まとめると,以下の式で与えられる
z = G −1[T (r )]
0
暗
明1
z
ヒストグラム平滑化
実行例(MATLABのdemoより)
9
10
ダイナミックレンジ圧縮
例:パワースペクトル画像の表示
s
s = c log10 (1 + r )
フーリエスペクトルの絶対値|r|の範囲が[0, 4.5x107]
とすると
log10(1+|r|)の計算により,範囲は[0, 7.7]となる.
この最大値7.7が255になるようにcの値を
c = 255/7.7
と与える.
255
T (r )
r
原画像
スペクトル(DR圧縮前)
スペクトル(DR圧縮後)
ダイナミックレンジとデシベルについて
ダイナミックレンジ(dynamic range)とは、識別可能な信号の最小値と最大
値の比率をいう。信号の情報量を表すアナログ指標のひとつ。
写真の場合、ラティチュードと 同じ意味で用いられることが多い。
デシベル:
音の強さや電気回路における増幅率、減衰率などの表現に用いられる無次元の単位。
実用上はパワー比(音のエネルギーや電力)よりも強度比(音圧や電圧)で考える場合
が多く、その場合パワーは強度の2乗に比例するので、dB値は「信号強度と基準信号
の強度の比の常用対数に20を乗じた値」で表される
一般の音楽用コンパクトディスクが持つダイナミックレンジは、96dBである。
デジタル媒体であるため、規格から計算によって導かれる。
20x log10(216)=20 x log10(65536) = 96dB
データ形式
サンプリング周波数
ビットレート
量子化ビット深度
チャンネル数
リニアPCM
44.1kHz
1411.2kbps
16bit
2.0chステレオ
11
12
医用画像に多用されるウィンドウ処理
もともと量子化レ
ベルの多い画像
バックグランド
たとえばCT画像の
ヒストグラム
軟部組織
例) 10bits, 12bits
骨部
そのまま表示
255
階調特性1
関心のある部位の
詳細が見づらい
出力
画像例
0
入力
4095
研究室独自
研究室独自
開発ソフトで
開発ソフトで
デモ
デモ
255
階調特性2
画像例
0
4095
13
画像入出力機器の入出力特性
CRTの特性(ガンマ特性)
I out
1/ γ
2 in
d =k I
I out = k1d γ , 通常γ ≅ 2.2
出力輝度
画像信号(デジタル値)
汎用的な光学カメラの特性
d
入力輝度
とばす
この特性は主にCRT
のカソード電圧と電子
銃電流間の非線形な
関係に由来している.
d
I in
画像信号(デジタル値)
画像信号伝送
画像入出力機器が直接,
接続されるケース
一般に,CRTのガンマ特性に合わせて,カメラ側で逆
のガンマ特性を与えている.これにより,表示画像の
輝度が,撮影される被写体の輝度とリニアになる.
14
画像入出力機器を考慮した階調変換
リニアな空間での処理例
物理的な特性に基づいて輝度に対
する処理が必要な場合の例:
劣化画像の復元
汎用的な光学カメラの特性
d
d'
1/ γ
2 in
d =k I
入力輝度
I in
g ( x, y ) = NL{ f ( x, y ) ∗ h( x, y )}
d '= k1d γ
補正画像信号
画像信号(デジタル値)
輝度に対してリニアなデジタル処理を行いたい場合
一旦,非線形の階調変換を補正して
f ( x, y ) ∗ h ( x, y )
劣化関数をデコンボリューションして
f ( x, y )
d
画像信号(デジタル値)
を得る.
階調変換処理
デジタル画像データ
本処理
輝度リニアな画像
あらためて表示したい場合は
階調変換処理
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X線強度から投影データへの変換
X線透視像(強度データ) (CTではサイノグラム)
I ( x, y ) = I 0 ( x, y ) exp[− p ( x, y )]
I ( x, y )
被写体なしのときのX線強度むら
投影データ:
p ( x, y ) = ∫ μ (r )ds
s
吸収係数分布の経路sに沿った積分
X線源
経路s
吸収係数分布: μ (r )
投影データの算出手順
16
実験
厚さが等しいアクリルの板を階段状に重ねたものをX線で透視撮影.
p ( x, y ) = ∫ μ ( s )ds = dμ 0
d
単位長さあたりの吸収係数 μ 0
X線強度から投影データへの変換 -画像例-
x
X=250
X=80
X=80
y
180
80
160
70
140
60
120
pixel value
pixel value
X=250
100
80
60
50
40
30
40
20
20
10
0
0
1
37 73 109 145 181 217 253 289 325 361 397 433
y poxiion [pixel]
X線強度画像
X線強度画像
1
36 71 106 141 176 211 246 281 316 351 386 421
y poxiion [pixel]
投影データ
投影データ
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