白子 。 大坂湧水林保全の会 - 和光まちづくりNPOセンター

白子 。
大 坂 湧水 林 保 全 の 会
中 間報 告
ボン トクタデの群落
平 成 20年 9月 30日
中 間報 告 にあ た って
和光 市 白子 2丁 目「大坂 」 に、斜面 林及 びそ れ に隣接す る湧 水地 か らなる緑 地空間
があ ります。 この よ うな緑地空 間 は、和光市 の 自然資産 として のみな らず 、歴史 。文
化資産 として も貴 重であ り、そ の保全 は市 の重 要課題 となって い ます。
平成 18年 、地権 者 のお一 人か ら、「 この 限 られた 区域 は貴重 な場 所 だ け に、何 とか
活用 が出 来ない ものか」 との│お 話 をお 聞 きし、同年 12月 、市 内 の環 境市民 団体 を中心
に5団 体 の有 志で準 備会 を立 ち上 げ、平成 19年 6月 「 白子 。大 坂湧水林保全 の会 」 を発
足 させ ま した。
以来、 保全 の方 策 を探 るため、 県・ 市 の 緑地保全 の考 えや 方針 、他 市 の市 民 団体 の
先進事例 につい ての学習 会、及び地域 住民 の当地域 へ の愛着や歴史 。生 活文化 を語 り
合 う湧水 サ ロ ンの 開催、 さ らに、湿地内 の生態 を把握す る ため、地 権者 さ んに草 を刈
らな い ようご 了解 を得 て、平成 19年 8月 よ り毎月、植物 や昆虫 な どの生 物調査 を実施
して きました。
その間、斜面林 は、和 光市 の 「市民緑地」 に指 定 され、平成20年 4月 「大坂 ふれ あ い
の森」 としてオ ー プ ン した こと は喜 ば しい 限 りで す。今後 、 さらに当該区域が、窪地
の湿地 を含めた一 体 として永続的に保全 されて い くことを願 うものです 。
ここに、 当会 の こ れ までの活動 を振 り返 り、今後 の活 動指針 とす るた め 中間報告 と
してまとめま した。 ご一 読 いただ けれ ば幸 いです。
平成20年 9月 30日
白子・ 大坂湧水林保全 の会
役
員
友國
洋
鈴木
賀雄
須員
郁子
土屋
恭則
鈴木
千恵
待鳥
美光
岩田
浩司
山下
良雄
清水
恵二
鈴木
信宏
白子 ・大坂湧水林保全 の会 中間報告
次
I.
学 習会 ・ 湧水 サ ロ ンの 開催
1.設 立記念講演会
「 エ コ シテ イ志木 の環境保全 活動 」
2.白 子湧水群 の魅力
(1)「 和 光市 の緑 の現 状 と方針」
(2)「 和 光 の湧水 の仕組 み 」
3.湧 水 サ ロ ン
・・・・ ・ ●●●●●・・・・ ・・・・ ・ ・ ●● 2
「 白子宿 と湧水 」
自子 湧水 の守 り方 ・・・ ・・・・ ・・・・ ・ ・・・・・・・
4。
3
「埼 玉 県 の緑 の保全 と創 出」 (県 政 出前講座 )
5.緑 地保全基 金 制 度 の取 組 み
・・・ ・ ・・・・ ・ ・・ ・・・ ・
4
(1)「 朝霞市 み ど りの基 金」 と「 公有地 化」 へ の取組 み
(2)「 練 馬 区 はっぴ ―基金」 の取 組 み
Ⅱ.生 物調査
1.
調 査 の 目的
2.
調査 の方法 と調査 結 果
Ⅲ. む す び
8
添付資料 :現 地略図、写真集
会
貝1
10
I.
1.
学習会・ 湧水 サ ロ ンの 開催
〔
設立記念講演会〕
平 成19年 6月 24日
(日
)
白子 コ ミセ ン
参 加 者 16名
「 エ コ シテ ィ志 木 の環境保 全 活動」
講 師 :NPO法 人 エ コ シテ イ志 木副代 表 毛利 将 範 氏
志 木 の地 名 由来 、 川 の まち 志 木 、 エ コ シテ イ志 木 の 環境 プ ラ ンづ く りと環 境 を守 る活
動 、 まる ご と博 物 館 、河童 の つ づ ら活 動 な どにつ い てお 聞 き した。
2.
〔白子湧水 群 の魅力 〕
7月 25日 (木
)
白子 コ ミセ ン
参 加 者 17名
(1)「 和光市 の緑 の現状 と方針」
和 光市役 所 環境 課
成瀬 主 幹 、小 泉 主幹
市 民緑 地 (市 の 借 地 5年 以 上 。 固定 資 産税 の 免 除 )
5ケ 所 (西 本村 、花 と緑 のふ れ あ い 広場 、新 倉 、 向原 (上 谷津 )、 越 戸 ふ れ あ い
の 森 )の 約 8800選
保 全 地 区 (条 例 、税 の2分 の 1を 助 成 、期 間 の 制 限 な し)
_7ヶ 所 11570ぶ
特別緑地 保全地区 (H17、 市 が購入 )
午 王 山北斜面 2380ぶ
︱
市民緑 地 は市民 に開放す ることが前提で 長期 にわた り地 権者 か ら借 り受 けて保全す
る。今後は地球温暖化 防止 の観点 か らも斜面地、湧水地 の確保 を して い きた い。
I
I
I
I
緑地 と湧 水地 は一体 にな ってい るが緑地 の保全制度 はあ るが 湧水 の保全 は 制度 とし
てはない 。湧水 は地 権者個 人の財産 になって い る。湧水 を自然資源 の保護 の 対象 とな
I
l
らない ものか と思 って い る。
E
E
F
L
ト
ロ
保全 区域 は和光市緑化推 進条例 によ り制 定 して い るが 、緑地、林が ただ 存在す るだ
けで良 い のか、 よ り現実 にあった形、利活用 の 出来 る形で残す ことが 出来 ない か と思
ー
っ て い る。
今後、大坂 の実現が追 い風 になれば と期待 したい。
管理 について も地域住民 にお願 い した い と言 うのが市 の基 本 の考 えです。
新倉 ふれ あ いの森 は県 との協定 を結 ぶ こ とがで き、県 の財源 、市 の人的 資源 の提供
-1-
騒
午 王 山の 場合 は何 とか財 政が取れ たので 実現 したが、特別 緑 地 保全地区 は財政 的な
裏 づ けが必要 となるので、個別 の保全計画 と財政面 の計画 が 一緒 になった計画が必要。
で 運営 さ れ て い る。 子 供 や市 民 に対 して 環 境 学 習 の 活 用 と共 に 日常 の 管理 を担 って い
た だ く市 民協 働 の 運営 とな って い る。
管理 は市 だ け で 出来 る も の で は な く、地域 の 方 々、 市民 団体 の 協 力 を得 てで きるだ
け広 め て い きた い 。
(2)
「和光 の 湧水 の仕組 み」
緑 と湧 水 と流 れ の 会 代 表
高橋 絹 世氏
平 成 11年 、 白子 湧水 の 自然現 況 調査 を きっか け に発 足 し、 以 来和 光 市 の 緑 地 の 調査
を行 って きた。 また 、 谷 中地 区 の 開発 に よ り消 失 して しま う ヒ ロハ ア マ ナ を退 避 させ
保 存 す る 活動 もお こ な っ て きた。 ヒロハ ア マ ナ は現 在新 倉 ふ る さ と民 家 園 に移 植 され
て い る。
自然現 況 調 査 は市 民 と市 との 協 働 とい う形 で 進 め られ た。
武蔵 野 台 地 の ハ ケ に あ る和 光 市 、特 に 自子 湧 水 群 は大 変湧 水 の 豊 か な ところで 、 1
分 間300イ κ流 出 して い る。
調査 の 体 験 を繰 り返 し実 感 と して湧 水 の 素 晴 ら しさを感 じて い る。 路 頭 には 笹、 シ
ダが共生 してお り、 カ タク リ、 イチ リ ン ソウな ど貴重 な 野草 が生 息 して い る。大 坂 の
斜 面 がふ れ あ いの 森 と して指 定 され、 活 用 され つ つ 保 全 して い か れ た ら と思 って い る。
湧水 の 会 はそ の 他 に も樹 林 公 園 の 植 生 につ い て も管理 と提 言 を行 って い る。
湧水 サ ロ ン
9月 27日
(木 )白 子 コ ミセ ン
参加 者 23名
「 白 子 宿 と 湧 水 」 和 光 。文化 を育 む会
相 田俊 孝氏
地域 に は 多 くの 湧 水 が流 出 して い た 。 家 の 庭 に 引 き込 んで 池 が 作 られ て い た。 地域
の 参加 者 か ら湧 水 が 勢 い よ く噴 出 して い た 話 や 白子 川 で 泳 い だ 話 な どが 交 わ され た。
鰺
軋
墨
相田俊孝氏 の映像 を使 ったお話
-2-
地域 の豊 か な湧 水 は牛 芽 を洗 い 、鱒 の 養魚 、藍 染 め、 豆 腐 作 りな どな ど生 活 文 化 に
大 きな役 割 を果 た して きた。
地 層 的 に 丼戸 の 掘 れ なか った この 地域 は 、湧 水 を廻 し生 活用 水 の 水 源 と して きた。
昭和 に入 り公共 の上 水 道 が 引 か れ湧 水 に頼 らな くて も生 活 が 出来 る よ う に なったが 地
域 の 人 々 は今 で も湧水 を大切 に して い る。
4.〔 白子湧水 の守 り方〕
11月 13日
(火 )白 子 コ ミセ ン
参加 者 16名
「埼 玉 県 の緑 の保全 と創 出」 (県 政出前講座
)
埼 玉 県環 境 部 み ど り自然 課
緑 地 保 全担 当
主 幹 本 多浩 治氏 、 主査 桜 井靖 彦氏 、主 任 佐 藤 裕 之氏
①埼 玉 県 の 緑 地 の 現状
緑 地 は森 、林 、 農地、 都 市 公 園が緑 地 の 90%だ が 、 昭和 50年 か ら平 成 18年 まで に
都市 公 園 は 1000%か ら43002`に 増 えた もの の 農 地 は 12万 鑑 が 8万 鑑 とな り全体 の 緑
地 は25万 %か ら21万 %に 減 少 した。
② 緑 化 計 画届 出制 度
「ふ る さ と埼 玉 の 緑 を守 り育 て る条例」 を受 けて平 成 17年 度 か ら県 内3000ボ 以 上
の 敷 地 に建 築行為 を行 う場 合 、建 築 確 認 申請 の 前 に緑 化 計 画 の 届 出が必 要 とな った 。
緑 化 の 基 準 。建 築 物 や敷 地 の 緑 化 は算 定 して 得 た面 積 を規 則 に定 め られ た 方 法 で 、
特 に支 障が な い 限 り20ぶ 辺 り2.5mの 成木 1本 以上 、接 道部 分 につ い て も10分 の 5以 上
の 緑化 を義 務付 け て い る。
緑 化 の 方法 と して 樹 木 の 植栽 だ けで な く芝、 そ の 他 の 地 被植 物 に よる緑化 、樹 木
芝 の屋 上 緑化 、 コ ケ類 、 つ る植物 の 壁 面緑 化 等 が提 示 され て い る。
屋 上 緑 化 の 助 成 、戸 田、 草 加 、 川 口、 川越 等
(1ボ 辺 り20,000円 、50万 円限度 )で
施行 され て い る。
緑 化 取 組 み施 設 で は、 ホ ン ダ和 光 ビル 、 イオ ン与 野 シ ョッピ ングセ ンター 、 イ ト
ー ヨー カ堂 久喜 店 、 さ い た ま市 立谷 田小 学 校 な ど。
③ 緑 の トラ ス ト運 動
30年 間 で 6,500%、
東松 山市 と同等 の 面積 の 平 地林 が消 失 した こ とに な る。
将 来 に 向 け「埼 玉 の優 れ た 自然」や「 貴重 な歴 史 的環 境 」 を県 民 共有 の 財 産 と して
保 全 す る こ とを 目的 と して い る。
運 動 の 推 進 主 体 で あ る 「 (財 )さ い た ま緑 の トラス ト協 会」 と運動 の 資 金 で あ る
「 さ い た ま緑 の トラ ス ト基 金」 を持 つ 県 が連携 を図 りなが ら推 進 を図 ってい る。
平 成 2年 か ら18年 度 まで で8ヶ 所 、 37%を 取得 した。 今 後平 成23年 度 まで に4ヶ 所 、
222る
の 取 得 を予 定 して い る。
-3-
「市民 管理協 定制 度」 が 平 成 17年 に制 度化 され た。土 地 所 有者 、 市 町村 、市 民 団
体 の3者 が緑 地保 全 の ため の 管 理協 定 を締 結 し、 県 が 認 定 す る。
土 地所 有者 は管 理 の 負 担 が 軽 減 され、税 金 の 免 除や相 続 税 の 減 免等 が あ る。
5。
緑地保全基金制度の取組 み〕
〔
1月 29日
(火 )白 子 宿 地域 セ ン ター
参加 者 20名
,
(1)「 朝霞市 み ど りの 基金 」 と「公 有地化」 へ の取組 み
さんか く会理事長 :西 森勝 一氏
「ハ ケの山」 と言 われる雑木林が大手開発 業者 に買 い取 られた ことをきっか けに
「朝霞市み ど りの基 金条例 」 を制定 した。基金 は一 般会計予算 と寄付金か らな り年
間の寄付金 はlo万 円程度。管理 は建 設部都市計画課が所管 して い る。 過去5年 間の
取得例 として
①宮戸緑地 (5,470ぶ )、 ② 岡緑地 (4,628ゴ )、 ③根岸台8丁 目緑地 (9,620ボ )、
④根岸台8丁 目緑地 (3,300ボ )、 ⑤代官水緑地 (3,700ぶ )
① 、② 、③ は特別緑地保全地区の指定 を し、購入 に際 しては国庫補助金 を3分 の 1
受 け てい る。
緑地取得 の成功 は市長 の姿勢が最重要であるが、担 当職員 の熱意 と財源 の確保、
土地 所有者 の市へ の愛情 と協力姿勢である。 また、情 報 の早期入手が欠かせ ない。
(2)「 練馬 区 は っぴ ―基 金」 の取組 み
練 馬 区み ど りの 機構 理 事 :佐 藤 勝彦 氏
昭和52年 練 馬 区 は「 緑 を保 護 し回復 す る条例」 を制 定 した。 当時 の 緑 被 率 は34%、
1,6362″
で あ ったが 開発 が進 み平 成 13年 には20.9%、
1,008%に 減 少 した。 そ の 後5年
毎 に調査 を してお り平 成 18年 は 1,020筋 に回復 した。 しか し、 緑 地 の4分 の 3が 民 有 地
で あ り遺 産相続 、 遺 産分 割 の 時 点 で 緑 地 は消 失す る運 命 にあ る。
昭和50年 「 憩 い の 森制 度」 で 借 り上 げ た40箇 所 が あ る。 現 状 で は憩 いの 森 の 管 理
は緑 化 協 力 員 が 行 ってお り、憩 い の 森 は緑化 協 力 委 員会 の 承 認 が な い と売却 で きな
い 制 度 となって い る。
機構 は理 事 14名 、 会員 175名 で、 NPO法 人化 を考 えて い る。
基 金 は現 在 7500万 円 で 機構 が 管理 して い る。
既 に加 藤屋 敷 4,300ぷ を買 い戻 す こ とに協力 した り機構 が 市 民協働 と して 市 と関 わ
りなが ら活 動 を して い る。 今 後 は緑 地 買収 の 受 け 皿 と して 資 産 の 有 効活 用 と して市
民 に還 元 して い きた い 。
-4-
生 物調査
1.調
査 の 目的
当該 区域 は平 成 17年 8月 、 窪 地 中央 部 にあ った 廃屋 が撤 去 され全 体 の 湿 地 が 取 り
戻 され た ため、 い ま まで地 中 に眠 って い た 野 草 が再 生 され て きた。
当該 区域 の 崖 面 の 樹 木 調査 は既 に行 われ て い る *こ とか ら、 特 に 未 調査 の 湿 地 部
分 の 草 木 につ い て 調査す る こ とで、 当該 区域 が有 して い る環境 を知 る手 が か り とす
るため、 また、 この 地域 に は本 来 どの よ うな植 物 が生 息 して い たのか を知 るため に
調査 をは じめ た。
*(平 成 10年 か ら2カ 年 間 日本 自然保 護協 会 に よる旧川越 街 道 傍 ら白子 湧水 の 自然
現 況 調査 が行 われ、 その際 当該 区域 の崖 面 の 樹 木 調査 が行 わ れ て い る。)
調査 実 施 日は次 の とお り。
平 成 19年 8月 1日 、 9月 8日 、 10月 8日 、 H月 24日
平 成20年 1月 12日 、 2月 2日 、 3月 8日 、4月 12日 、 5月 10日 、 7月 12日 、 8月
鋳聞一
ヽせ尋
′
一
一 ♯
-5-
驀 〓
″
生物調査風景
`下
9日
2.
調査 の 方法 と調査 結果
高校 の生 物 教 諭 で あ る会 員 の 岩 田浩 司氏 の 指 導 で、 月 に 1度 、 日視 で 調査 。
見 つ け た もの を記録 シー トに記 し、 主 な もの は標 本 を作 る。
平 成20年 度 か らは シ ー トを工 夫 しチ ェ ックす る よ うな調査 方 法 と した。
同定 で きな い もの に つ い て は、 平 成 20年 2月 千 葉 中央博 物館 で 蘇 苔類 の 同定 を古 木
達 郎 先 生 に 、紅 藻 類 の オ オ ジ ュ ネ イ ラ を宮 田 昌彦 先 生 に、 同年 3月 埼 玉 県 自然 の 博 物
館 で ス ゲ 類 の 同定 を須 田大樹 先生 に して い た だ い た。
当該 窪 地 は廃屋 解 体 時 に 大 き く土 が 覆 さ れ た ため、 セ イ タカ ア ヮダチ ソウ な ど外 来
種 も多 く見 受 け られ た 。 しか し、 草刈 りを せ ず保 全 に努 め た ため 和 光市 で は既 に見 受
け られ な くな った ボ ン トク タデ 、 オ トギ リソウ、 コ メ ッブ ウ マ ゴ ヤ シや イ、 シ ラ ス ゲ、
カサ ス ゲ、 ジ ュズ ス ゲ な どの 多 様 な ス ゲ類 の生 息 が 確 認 され た。
確 認 され た草 本 の 多 くが平 成 4年 編 纂 の 「和 光 の 植 物 ガ イ ド」 に掲 載 され て い るが、
ボ ン トク タデ 、 ス ゲ類 につ い て は 未掲 載 となってい る。
また 、 地 表 や水 路 に ジ ャ ゴ ケ、 コ ッボ ゴ ヶ な ど多種 の コ ケ類 が生 息 して お り、 中で
も コ ウ ラ イ イチ ゴ ケ 、 ウキ ゴ ヶ、 水桶 に ジ ョウ レンホ ウオ ウ ゴ ケ な ど絶 滅 危惧 種 の 蘇
苔類 が 確 認 され た こ とは大 きな成 果 で あ っ た。 ジ ョウ レ ンホ ウ オ ウ ゴ ケ は埼 玉 県 で は
未発 見 で あ った こ と もあ り、蘇 苔類 につ い て は埼 玉 県 自然 の 博 物 館 に登 録 した。
また、 そ れ らの野 草 を食 す る昆 虫 が 多種 見 受 け られ た。 オ ジ ロ ア シナ ガ ゾ ウ ム シ、
コ フキ ゾ ウ ム シ、 ォ ニ ャ ンマ 、 シオ カ ラ トンボ、 オ オ シオ カ ラ トンボ な ど、 当該 区域
が 林縁 で あ り湧水 の 作 る湿 地帯 で あ る こ とを これ らの生 物 が 示 して い る。
なお、 鳥類 につ い て は会 員 山下 良雄氏 の 観 察 に よる。
☆植
物
木 本類
イヌ シデ 、 シ ラ カ シ、 ム ク ノ キ 、 エ ノ キ、 ク ヮ 、 ケヤ キ、 サ ク ラ、 フジ 、 ヤ ナ ギ、
タラノキ 、 クサ ギ、 ヒサ カ キ、 ア カメ ガ シ ヮ、 ヌル デ 、 チ ャ、 アオキ 、 シュ ロ、 モ ミ
ジ、 ム ク ロ ジ ュ
草本類 (今 後 は さ らに科 別 に分類 す る)
双子 葉 類
クズ、 カ ラ ス ウ リ、 イ タ ドリ、 マ ツ ヨ イ グサ、 イ ノ コズ チ 、 ヤ ブ マ オ ウ 、 ア カ ソ、
トラ ノオ 、 ヘ ク ソ カズ ラ、 イヌ タデ、 ボ ン トク タデ 、 セ リ、 ドク ダ ミ、 カ キ ドオ シ、
ヘ ビ イチ ゴ、 ミツバ ツ チ グ リ、 キ ツ ネ ノ マ ゴ、 ヨモ ギ 、 ヒメム カ シ ヨモ ギ、 ア メ リカ
セ ン ダ ンギ ク 、 シ ロ バ ナ セ ン ダ ンギ ク、 ヒメ ジオ ン 、 ハ キ ダメギ ク 、 ハ ル ノ ノ ゲ シ 、
カ ン トウ タ ンポポ、 セ イ ヨ ウ タ ンポ ポ、 フキ 、 キ リ ンソ ウ、 オ ニ タビ ラ コ、 コナス ビ、
-6-
イヌホ オ ズ キ、 ヒ ヨ ドリ ジ ョウ ゴ、 タチ ツボ ス ミレ、 ア レチ ギ シギ シ、 ギ シギ シ、 シ
ロ ツメ ク サ 、 カ ラス ノ エ ン ドウ、 カスマ ソ ウ、 ス ズ メノ エ ン ドウ、 コ メ ツブ ウ マ ゴ ヤ
シ、 エ ノ キ グ サ、 タケ ニ グ サ 、 ユ キ ノ シ タ、 オ ラ ン ダ ミミナ グサ 、 ハ コベ 、 ウ シハ コ
ベ 、 ヒメ オ ドリ コ ソウ、 ヤ エ ム グ ラ、 ム ラサ キ ケ マ ン、 オ オ イヌ ノ フグ リ、 イヌ ノ フ
グ リ、 キ ュ ウ リ グサ、 ム ラサ キ カ タバ ミ、 イチ リ ン ソウ、 ニ リ ンソ ウ、 ハハ コ グ サ モ
ドキ 、 ウ ラ シマ ソ ウ 、 アメ リカ フウ ロ ウ、 ク レ ソ ン、ミ ゾ ホ ウ ズ キ ヽ ハ ナ ダイ コ ン 、
ム ラサキハ ナナ、 タネツケバ ナ、 アカジソ
単子葉類
ジ ュズ ダ マ 、 エ ノ コロ グサ、 キ ンエ ノ コロ グサ 、 ス ス キ 、 ア シボ ソ、 イヌ ビエ 、 ス
ズ メ ノ ヒ エ 、 ジ ュズス ゲ、 シ ラ ス ゲ、 カサ ス ゲ 、 ナ キ リス ゲ、 サ ヤ ヌ カ グサ、 マ ス ク
サ、 ヒ ゴ クサ 、 ゴ ウ ソ、 カヤ ツ リ グサ、 チ ジ ミザ サ、 クマ ザ サ 、 ア ズマ ネ ザサ、 ヒガ
ンバ ナ、 キ ツネ ノ カ ミソ リ、 ノ ビル 、 ハ ナ ニ ラ、 ヤ ブ ミ ョウ ガ、 イ ラクサ類 、 シ ャガ
シダ 類
ヤ ブ ソテ ッ、 ス ギ ナ、 ベ ニ シ ダ、 イ ノモ トソウ
鮮 苔類 そ の他
ウキ ゴ ケ 、 フジウ ロ コゴ ケ、 コ ウ ライ イチ ゴ ケ、 ヤ ナ ギ ゴ ケ、 コ ツボ ゴ ケ、 ジ ャ ゴ
ケ、 ホ ソバ ミズゼ ニ ゴ ケ、 ジ ョゥ レンホ ウオ ウ ゴ ケ、 オオ ジ ュ ネ イ ラ (紅 藻類 )
☆動
物
昆 虫類
(甲 虫 類 )ド ウ ガ ネ ブ イ ブ イ、 マ メ コ ガネ 、 トウ チ ョウ ヒ メ ハ ン ミ ョウ 、 オ ジ ロ ア シ
ナ ガゾ ウ ム シ、 コ フキ ゾ ウ ム シ、 ナナ ホ シ テ ン トウ、 フ タホ シ テ ン トウ、 リ ンゴカ ミ
キ リ、 ル リマ ウ ノ ミハ ム シ 、 カ ミナ リ ハ ム シ、 ヒメ カ ミナ リハ ム シ、 ヤ ナギ ル リハ ム
シ、 クズ ノハ チ ビ タマ ム シ
(半 翅 類 )オ オ ツマ グ ロ ヨコバ イ、 ウ ン カ、 ホ ソ ハ リ カメ ム シ 、 コバ ネ ヒ ョウ タ ンナ
ガ カメム シ、 アズ キ ヘ リ カメム シ、 キバ ラヘ リ カ メム シ、 ヨ コバ イ、 ア メ ンボ ウ
(鱗 翅 類 )ク ロ アゲ ハ 、 ア オ ス ジ アゲ ハ 、 ヤ マ トシジ ミ、 ジ ャ ノ メチ ョウ、 ヒカ ゲチ
ヨウ、 ベ ニ シジ ミ、 モ ンシロ チ ョウ、 セ セ リ類 、 シ ャク トリ ガの 幼 虫
(直 翅 類 )オ ンブ バ ッタ、 ハ ラ ビロ カ マ キ リ、 ク ビ キ リバ ッ タ、 エ ダ ナ ナ フシ、 コ オ ロ
ギ類
(ハ チ ・ アブ類 )マ ル ハ ナ バ チ 、 ク マ バ チ、 チ ュ ウ レンジ ハバ チ 、 ム シ ヒ キ アブ 、 そ
の 他 アブ類 、 ア リ類 、 スズ メバ チ類
(そ の 他水 生 昆 虫 )ヤ ゴ類 、 カ ワゲ ラ類
ク モ類
ジ ョロ ウ グモ 、サ サ グ モ 、 オ オ シ ロガ ネ グ モ 、 カ ラ カ ニ グ モ
―-7-
員類
カワニ ナ、 モ ノア ラガイ
鳥類
ウグ イス、 ヒヨ ドリ、ハ シブ トカ ラ ス、 ハ シ ボソカラス、スズ メ、 シジ ュ ウカラ、
メジ ロ、ジ ョ ゥ ビ タ キ、 セ キ レイ、 コグ ラ、 モズ、 オナガ、キジバ ト、 ム ク ドリ
哺乳類
コウモ リ1種 、 タヌキ
Ⅲ.む す び
当該 区域 の 南 西 に囲む よ うな崖線 の 林 と 林縁 か ら滲 み 出 す湧水 が つ くる湿 原 は面 積
的 には小 さ い もの で すが 、 今 回 の 自然 調査 で 驚 くほ ど豊 か な生 態系 が保 持 され て い る
こ とが 解 りま した。 湧水 の 多 い和 光市 にあ っ て も この 様 な ま とまった 湿 原 は 存 在 して
い ませ ん。
調査 に よって、 既 に見 る こ とが 稀 に な った 野 草 や絶 滅 危惧 種 の コ ケ 類 が発 見 され、
多様 な昆 虫 の生 息 も観測 され、 地域 本 来 の生 態系 が残 る 場 所 と して永 続 的 に保 全 す る
こ との重 要性 を再 認 識 しま した。
今 後 は水 脈 な どの調 査、 斜 面 林・湿 地 な ど地 質 の 専 門 的 な調査 を行 い 、生態 系 を生
か した保 全 と利 活用 を考 え る必 要 が あ り ます 。 また、 斜 面 の一 部 は崩 れ て地 肌 を露 呈
して い る個 所 が あ ります の で、 この 対 策 を検討 す る必 要 が あ る と思 われ ます 。
当該 区域 の 永 続 的 な保 全 に は、公 有化 が 決 め 手 とな ります が 、今 後 は財 政 的 に有 効
な特別 緑 地 保 全 地 区 の 指 定 や、市 民 が参 加 で きる基 金 の 創 設、 ふ る さ と 納税 制 度 の 活
用 な ど多 様 な手 立 てが 考 え られ ます 。
以上
-8-
和光市全□ 麗 磐
捨滋げ
:常
和光市教育委員会生涯学習課編
「和光市ふるさとガイ ドマップ」転載
-9-
(名
称)
第 1条
本 会 は、「大 坂 湧水 林 保 全 の 会」 と称 す る。
的)
(目
第2条 本 会 は 、大 坂 の 湧水 林 区 画 が生 態 系 と生 活 文化 にお い て 価 値 が 高 い もの で あ る
との 認 識 の上 で、当 区画 が永 続 的 に保 全 され て、市民 に生 か され るた め の 活動 を行 な う。
自子 地域 の 崖 線緑 地 と湧水 の 保全 活用 に も 目を向 けて活 動 す る。
(活
動)
第3条 本 会 は次 の 活 動 を行 な う。
(1)湧 水 林 の 資質 の 調査 。確 認
(2)保 全 と活 用 に対 す る意 識 調査
(3)当 区画 の生 態 と生 活 文化 の歴 史 の 学 習
(4)保 全 活用 の ため の 施 策提 案
(5)緑 地 や 自然 環境 保 全 施 策 につ い ての 勉 強 会 ・ 講演 会
(6)先 進 地 の視 察 ・ 交流
(7)そ の他 目的 を達 成す るため の 活動
(会
員)
第 4条 本 会 は、本 会 の 目的 に賛 同 し会 費 を納 入 した個 人お よび 団体 を もって構 成 す る。
(役 員 と事 務 局 )
第 5条 本 会 に役 員 を置 く。役 員 は総 会 にお け る会 員 の互 選 に よる。
代 表 1名 、副代 表 1名 、会 計 1名 、幹 事 若 千 名 、監 事 1名
2、
事 務 局 を代 表 宅 に置 く。
(役 員 の 任 期 )
第6条 役 員 の任 期 は 1年 と し、再 任 を妨 げ な い 。
(顧
間)
第 7条
(会
当会 に顧 間 を置 く。
議)
第 8条
会議 は総 会、 お よび役 員 が 構 成す る委 員 会 と し、 代 表 が そ れ らを召 集 す る。
2.総 会 の 議 決権 は 1個 人会員 、1団 体 会 員 そ れぞ れ 1票 とす る。
(会
計)
第 9条
本 会 の 会 計 は、 会 費、寄付 金 、 その他 の 収 入 を も って これ に充 て る。
2.会 費 は年額 個 人会 費 1人 2,000円 、 団体 会 費 1団 体 10,000円 とす る。
3.会 計年 度 は、 毎 年4月 1日 に始 ま り3月 31日 に終 わ る。
(そ の 他 )
第 10条
付
この 会則 に 定 め る もの の ほか、 必 要 な事項 は 委 員会 の 議 を経 て代 表 が 行 う。
則
この 会 則 は、 平 成 19年 6月 24日 か ら施 行 す る。
-10-
大坂湧水地の全景
ミ ゾホ ウズキの 咲 く
湧水 のせせ らぎ
F
コウライイイチゴケ
(絶 滅危惧種 )
ウキゴケ
(絶 滅危惧種 )
上は拡大写真
調査 で確認 された
:大 坂の先住者たち
)
コメツプウマゴヤシ
シラスゲ
シオカラ トンボ
オオシロガネグモ