K-5 高硬度鋳鉄に発生する表面欠陥の検出 07-1-035-0288 古田 晃大 1.緒言 表 1 うねりキズの欠陥観察結果 現在,シールリングの表面欠陥の検出は,目視 で行われている.自動車や建設機械の回転軸部で 使用されており,表面において非常に高い精度が 必要である.しかし,目視では人による官能検査 照明\角度 0° 15° 30° × × × 青 × ○ ○ 緑 × × △ 赤 × × × 青×緑 × ○ ○ 青×赤 × △ ○ 緑×赤 × × △ 青×緑×赤 × △ × スコープ付属 ライト のため厳密性に欠けている.また,コストや時間 がかかってしまい生産性に係わってくる. そこで本研究では,欠陥検出を容易にすること を目的とし, デジタルマイクロスコープおよびLED リングライトを用いて観察した. 2.実験方法 120.2mm 厚さ 15mm のシールリングである.鏡面 ○…良 △…可 ×…不可 またスクラッチキズ,カケ,ヒケにおいては色 に仕上げられたシールリングの表面にできた欠陥 や角度による変化はあまり見られないが,明るい を,LED リングライトの青色,緑色,赤色,それ 環境で検出する方が良い. 本研究において観察対象となる製品は直径 ぞれの色を組み合わせてできる色で照らし,また 今回の結果から,LED リングライトによる照明 スコープの角度を 0 度,15 度,30 度と変化させる の色は波長が短く, 屈折率の高い青系の色を用い, などして条件を変えながら,表面の欠陥を観察し 角度を変化させることによって検出しやすくなる た.これに加えて,部屋の明暗の違いによる変化 と考えられる.最もはっきりと検出できたうねり も確かめた. キズの欠陥写真を図 2 に示す. スコープ付属ライト(0°) 10mm LED リングライト青(15°) 図 2 うねりキズの欠陥観察結果 10mm 図1 スクラッチキズの欠陥観察結果 4.結言 3.実験結果および考察 今回観察した欠陥はうねりキズ 2 個,スクラッ チキズ 2 個,カケ,ヒケの 4 種類 6 個である. うねりキズは検出が困難であったが,明るい状 況で角度をつけ,LED リングライトの青系の色に より検出が可能であった.うねりキズの欠陥観察 結果の詳細を表 1 に示す. デジタルマイクロスコープおよび LED リング ライトを用いて観察した結果,以下のことが明ら かになった. (1)人の目で検出する場合, 青系の色で照らすと検 出しやすい. (2)角度をつけることによって, 検出しやすくなる 欠陥がある. (3)明暗による部屋の環境の違いは, 明るい方が検 出しやすい.
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