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シリコンウェハ供給不足が深刻化する中国半導体産業
セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)
による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調
査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報を
ベースに、特に中国の IT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行って
います。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」
の 2006 年4月号からの一部抜粋です。
概況
半導体シリコンウェハの供給能力不足が中国の半導体産業に影響を与え始めている。シ
リコンウェハメーカーにとっては、神風が吹いているかのように 12 インチ(300mm)シ
リコンウェハの増産投資を積極的に行っている。
しかし、従来の 8 インチ、又はそれ以下のサイズのシリコンウェハの増産投資は行われ
ていない。そのために、それらの生産能力は以前からほぼ一定である。ところが、半導体
の需要が強いことから、8 インチ、6 インチのウェハで生産する IC の需要も強く、例えば、
ノートブックパソコンや携帯電話や液晶テレビに使われる LCD ドライバー用 IC の需要は
大きく伸びており、そのドライバーIC には 6 インチ又は 8 インチシリコンウェハが使わ
れ、それ用のシリコンウェハの確保も大変である。
このような状況のもとでは、支払に不安のある中国半導体メーカーには、十分シリコン
ウェハが回っていない状況にある。そのために、新規半導体工場の建設に足踏みが見られ
る。
このレポートで報告したように、中国でもシリコンウェハの不足は早くから認識してお
り生産の拡大に取り組んでいるが、まだまだ実績は上がってこないようである。
一方で、IC の組立・テストの生産個数は、2 月に 31 億 4,700 万個と 30 億個の大台に
乗った。この増勢は 3 月も続く見込みである。台湾を含む海外からのチップ供給による組
立・テストが増えているためである。
半導体製造装置大手のアプライドマテリアル社が、中国の内陸部“西安”にグローバル
開発センターを設立し、4 月 11 日にセンターの着工を始めた。投資額は、2 億 5,500 万ド
ル(約 290 億円)である。陜西省にとっては、改革開放以来の 1 件としては最大の投資で
ある。エンジニアの人材は得やすい上に、公表はされていないが中国側から相当な支援が
得られているものと推定される。
中国 IC 前工程(チップ)メーカーの今後を左右する5つの要因
2005 年の中国の半導体市場(台湾は含まない)は、初めて米国を超えて世界最大の半導
体消費市場となった。一方、中国製の半導体の出荷は世界市場に対して 1.5%未満のマーケ
ットシェアである。中国における半導体の製造と消費の間に大きなギャップが目立ってい
る。
2005 年に半導体の前工程(チップ)の生産出荷が 6,000 万米ドル(67 億円)を超えた
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中国の半導体メーカーは、中芯国際(SMIC)、華虹 NEC、和艦科技、先進半導体、宏力半
導体、首鋼 NEC、華潤上華(CSMC)、上海貝嶺だけである。これら 8 社の出荷総額は、
中国の前工程(チップ)半導体メーカーの総出荷(検査とパッケージングを除く)の 90%
を占めている。しかも、これら 8 社のメーカーの主な受注先は殆ど海外である。
現在、中国の前工程(チップ)半導体メーカーは世界大手メーカーとの技術差は、2 年
から 3 年位遅れている。
(日本では、中国の半導体技術は 10 年近く遅れていると思われて
いるが、中国では 2∼3 年の遅れだと思っている)2000 年の時点では、世界大手メーカー
は 0.13um プロセス技術を導入した時期であるのに対し、中国メーカーは 0.25um∼
0.35um プロセス技術を始めたばかりである。しかし、中国の半導体メーカーの発展が急速
であり、2005 年から 2010 年までの 5 年間、中国 IC チップ製造の年平均伸び率は 30%
と見られ、2010 年には中国 IC チップ製造が 121 億米ドル(約1兆 4,000 億円)に達す
ると見込まれている。中国では、このような成長は下記の様な要因によるものとしている。
① 華虹国際:2006 年に 12 インチウェハの量産
華虹国際が 2006 年内に 12 インチウェハの量産に成功すると、月 5,000 枚∼8,000 枚の
生産能力に達する。2007 年末には、12 インチウェハの生産能力が月 25,000 枚まで拡大す
る予定である。2010 年には、SMIC と匹敵する 12 インチウェハ生産能力に達すると見込
まれている。
② 中国半導体メーカーが 12 インチウェハラインを建設して、生産能力が拡大 2008 年の
世界の半導体のピークの後、半導体景気が停滞して、先進国で 45nm プロセス技術が導
入されていると、製造装置メーカーは 12 インチの 90nm∼0.13um 製造装置の販売価格
を下げてくると見られる。この時に華虹 NEC、和艦科技、先進半導体、宏力半導体など
の中国の半導体メーカーは 12 インチウェハ製造装置を安く購入して 12 インチウェハの
生産に参入する可能性がる。既に参入している半導体メーカーは生産能力を拡大するで
あろう。
③ 台湾の半導体メーカーの中国進出の規制が緩和見込
2008 年以降、台湾政府が最先端半導体技術の中国への規制緩和を行う可能性がり、台湾
の半導体メーカーが多数の 8 インチラインを中国本土へ移してくると予想される。
④ 中国の3G 携帯電話、デジタルテレビ、インターネット、無線通信向け IC の立ち上げ
もし、中国の3G 携帯電話、デジタルテレビ、インターネット、無線通信向け IC が 2007
年∼2010 年の間に本格的に立ち上がれば、2010 年の中国の IC チップ製造は、121 億米
ドル(約1兆 4,000 億円)を超えると見られている。
⑤ ST マイクロ−Hynix の無錫 8 インチウウェハの量産成功による海外メーカーの中国
進出の追随
もし、ST マイクロ−Hynix が、2006 年に無錫 8 インチウェハラインの量産に成功す
ると、欧州や韓国など海外半導体メーカーの中国進出が一層活発になると見ている。
以上の仮説のように展開すると、中国半導体産業は更なる発展が実現できると見込んでい
る。
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