Page 1 Page 2 「第48回 物性若手夏の学校 (2003年度)」 「光で創る

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光で創る集団の量子現象(第48回物性若手夏の学校
(2003年度),講義ノート)
五神, 真
物性研究 (2004), 81(5): 793-801
2004-02-20
http://hdl.handle.net/2433/97744
Right
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
「
第4
8回 物性 若手夏 の学校
「
光で創 る集団の量子現象」
東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻
(
2
0
0
3
年度 )
」
五神真
光 には物 を暖める性質がある。 これは光のエネルギーが熱 に変換 されるか らである。 しか し、光の状態 を
巧み に制御 して、物質 と相互作用 させると物質の熱運動 を逆 に押 さえて冷却 させ る ことも可能である。 レー
ザー光か ら出て くる光は、非常 にコヒー レンスが良 くエ ン トロピーの小さな状態であ り、それ を物質系にう
まく転写す る ことがその鍵である。我々は レーザー技術 を駆使 して物質 を極低温 に冷却 し、集団の量子現象
を発現 させる ことに原子系か ら固体 まで様々な系を対象 として挑戦 してきた。 ここでは、その中で固体系の
実験 を中心 に紹介す る。
§1 は じめに
量子力学ではすべての粒子は波動性 と粒子性の 2面性 をもち、かつ同じ種類の粒子 は区別できない。すな
わち量子力学では粒子は 自己同一性 を持たない。 まず量子力学的な効果が問題 となるサイズについて考えて
みる。粒子の質量 を M 、粒子系の熱運動の温度 を T とす ると、運動量は p完J両
となるので、物質波 (ド
ブロイ波)の波長は ス話力/
府
となる。 ここで は プランク定数、 kBはボルツマ ン定数である。粒子 の
量子力学的な重な りを議論す る為 には、よ り正確 には ドブロイ波の波束の長 さが問題 となる。波束の長さは
/
6pで表 され る。 これ を特 に 「
熱 的 ドブロイ波長」 という。熱運
プランク定数 を運動量の揺 らぎで割 った h
動 している場合 には SpたJ読 話 である。以下では単 に ドブロイ波長 と呼ぶ ことにす る。常温の電子の場合
09m ) の程度である.電子が このサイズ以下の微小な空間に閉 じこめ られていると
これはナ ノメー トル (1
粒子の波動性が本質的 とな り、多数の電子があってそれ らが このサイズ内に重なる場合 には、その集団の状
態 を記述す る上で粒子がボース粒子であるのか フェル ミ粒子であるのか という量子統計性が重要になる. と
ころで、現在重点的課題 として研究が進め られて いるナ ノテ クノロジーは、構造 をナ ノスケール にす ること
で、 この量子 力学的な効果を顕在化 させ、電子デバイスの性能向上や新 しい機能の発現 を狙 うものである。
このよ うな量子力学的な現象が顕在化す るスケール は我々人間の大 きさと比べるととてつ もな く小さいので、
粒子 の量子力学的な奇妙な振る舞 いはミクロな世界 に限った もので あると思われる。 しか し、量子 力学的な
波の広が りは粒子 の温度 の平方根 に逆比例す るので温度が下がると ドブロイ波長はどん どん長 くなる。すな
わち極低温の世界では このような量子 力学における粒子の 自己同一性の喪失 という奇妙な性質が、巨視的な
スケールで しか もそれが集団の運動 として現れ うる.超伝導や超流動 といった現象がその例で、現代の物性
物理学や低温物理学研究の中心課題 となっている。
このような粒子 の量子力学的な振 る舞いを調べる対象は、光子や電子や陽子 といった小 さな粒子 に限って
はいない。原子のような多数の粒子か ら構成 され る大 きな粒子 につ いて も、その内部運動 をきちん と同 じに
す ると原子全体が一つの量子力学的な粒子 として振 る舞 う。化学的 にはほ とん ど同 じ振 る舞 いをす る同位体
が中性子の数 の違 いによって量子統計性が異な り、極低温での振 る舞 いが全 く異なる ことはよ く知 られて い
Heとフェル ミ粒子である 3
Heの低温領域での振る舞 いの違 いがそ の例である。
る。ボース粒子である 4
集団の量子現象が顕在化す るための条件は、量子 力学的なサイズを決める ドブロイ波長が同種粒子の平均
間隔よ りも長 くなる ことである。 これは温度 を下 げる ことと粒子の密度 を上げる ことを両立 させる ことに他
な らない。1
995年の中性原子ガスのボース ・アイ ンシュタイ ン凝縮 の成功は このよ うな研究 に全 く新 しい展
開をもた らした。それは低温物理 とは無縁であった意外な分野か らや ってきた。それ まで原子や分子のスペ
ク トル を精密に測定す ることを目指 して研究が発展 してきた分光学の分野か ら、新 しい量子物理の研究の舞
台が生まれたのである。物性物理学者達 も原子分光学の匠達が創 り出 した新 しい量子物理の研究素材 に固唾
をのんだ。 レーザー光 を用いて原子の集団を極低温 に冷却す るという一見逆説的な技術が重要な鍵 を握った
のである。それまでの液体ヘ リウムな どの研究 と違 うところは、原子の密度や数 を自由に制御でき、比較的
粒子同士の相互作用の弱 い領域で系統的な実験がで きるということである。 これによって相互作用のいらな
い純粋 に量子 力学的な相転移 といわれるボース ・アイ ンシュタイ ン凝縮のあ りのままの姿 を見 ることができ
た。その後の研究で、フェツシュバ ック共鳴 というものを使 って、原子の相互作用の強 さを人為的に変化 さ
せるという実験 も始 まっている。原 子の相互作用の強 さは s波散乱長 a,というもので きまる.原子の密度 を
a
3<<lのときは希薄な極限で理想ボース粒子 として振 る舞 う。フェッシュバ ック共鳴 を使って、
nとす ると n
∫
a
sを大 きくして n
a
,
3>>1の領域で実験 をす る こともできるようになって いるO粒子問の相互作剰 ま原子群
の集団の景子運動の非線形な振る舞いを引き起 こす。 【
1
日2]
-
7
93-
講義 ノー ト
さて、 このような低温物理学 に新風 を吹き込んだ極低温原子の実験は レーザー冷却 という技術であると述
べた. ところで、 レーザーはコヒー レン トな光 を発生させる装置である。 コヒー レン ト (
c
o
he
r
ent
) という
のは 「
首尾一貫 して筋が通 っている」 という意味の形容詞で、コヒー レン トな光 というのは波 としてきれ い
に揃っているという意味である。光のコヒー レンスには時間軸上のコヒー レンス、周波数軸上のコヒー レン
ス、空間的なコヒー レンスな どいろいろある。最近では先端的な レーザー技術 によって、極限的にコヒー レ
ンスを整えることによ り、狭帯域に安定化された連続波 レーザー光や数 フェム ト秒以下の超短パルス光を発
生させることが出来るようになっている。 これ らの極限的にコヒー レンスが制御 された レーザーか ら出て く
る光子集団は、非常にエン トロピーの小さな光子群であると見なす ことができる。光 と物質の相互作用を通
じて このエン トロピーの小さな "
揃った光子群Mの統計的性質 を物質粒子系に転写して物質系の温度 を下げ
るというのが、光で物質を冷却することのか らくりである。原子ガスの レーザー冷却法では揃 った光 を原子
に照射 し、光の吸収放出を繰 り返す ことによ り、原子の熱運動 を抑制 し極低温に冷却 している。
レーザーのコヒー レンスを巧みに利用 して極低温高密度の状態 を創るというアイディアは原子ガスに限っ
た ものでない。例えば、半導体の電子や正孔 といったキャ リアを極低温高密度 にす るとどうなるであろうか ?
あるいは半導体の電子 と正孔がクーロン力で束縛 してできたボース粒子である励起子は極低温高密度でボー
ス ・アインシュタイン凝縮するのだろうか ?このような問題は原子の実験が始 まる前か ら議論 されてきた問
題である。図 1は原子系で繰 り広げられているレーザー冷却やボース ・アイ ンシュタイン凝縮の実験 と固体
の電子正孔系を同じ土俵にのせ、温度 と密度 に対 してプロッ トしたものである。図中の斜めの直線はボース ・
アインシュタイ ン凝縮の条件であるが、ドブロイ波長が平均粒子間距離にほぼ等 しいという条件 に対応す る。
固体の光励起キャリアの実験では扱 う粒子の密度 は光の強度 を変えて 自由に調節することができる。従って、
原子の場合 と違い、密度 を何桁にも亘 り自由に変えることができる。 この ことにより、電子正孔が対 をつ く
って励起子 として振る舞 うボース粒子ガスの領域か ら多数の電子正孔が フェル ミ縮退 してひ しめき合 う領域
まで系統的に調べることができる。 これは大きな魅力である。図 1をみると電子正孔系で追求できる領域が
いかにダイナ ミックに広がっているかわかる。
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度
図 1 極低温高密度の原子系 と励起子系の諸相
§2 量子縮退 した半導体の電子正孔系の振る舞 いを探る
半導体を光励起すると、電子 と正孔が生じる。電子 と正孔の間にはクー ロン相互作用が働 くので、光励起
によって創 られたキャリアは複雑な多体系として振る舞 い、そのとりうる状態は温度 と密度 によって多様 に
変化する。低密度では一対の電子 と正孔がクー ロン相互作用によって結合 した励起子が気体状に存在す る。
励起子は 2つのフェル ミ粒子か ら成るのでボース統計に従 う。従って、高密度の励起子 を十分低温にす るこ
とが出来ると、ボース ・アイ ンシュタイ ン凝縮が起 こる可能性がある. この励起子ボース ・アイ ンシュタイ
ン凝縮の検証をめざした研究は 25年以上続 けられている。励起子は質量が電 子と同程度であるため、原子系
に比べるとボース ・アインシュタイン凝縮は高温で観測 されるはずである。 また光励起で励起子 を作ること
が出来るので、その密度 を自由にコン トロールす ることができる。 ところが、励起子はそ もそ も準粒子であ
るため寿命が有限である. この寿命は通常はナ ノ秒以下で、格子系と熱平衡に達する時間と同 じ程度であ り
本質的に非平衡の問題 となる. これが励起子系のボース ・アインシュタイン凝縮の問題が実験的に決着 しな
い最大の理f
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となっている。
ー
79
4
-
「
第48回
物性若手夏 の学校 (
2
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3年度)
」
励 起子 のボー ス ・アイ ンシュ タイ ン凝縮 の可能性 が最 も高い と して長年 注 目され て きた系 に亜酸化銅
(
cu20)
のス ピン禁制励起子 (
パ ラ励起子)があ る。亜酸化銅 は立方晶の直接遷移型 半導体であるが、価電
子帯 と伝導帯のパ リテ ィが同 じであ り、バ ン ド端の双極子遷移が禁止 され るとい う特殊 な系である。 この事
S励起子が長い寿命 を持つ。特に最 もエネル ギーの低い 1
Sパ ラ励起子 は純粋 にス ピン三重項状態
情 によ り 1
であるため、再結合す るためにはス ピンが反転す る必要がある。その結果光学遷移 が強 く禁止 され 1
0マイ ク
ロ秒 とい う特異的に長い寿命 が観測 されてい る。 また この励起子 は励起子間相互作用が斥力型 となるため、
密度 を上げて も励起子が分子 を形成す ることがな く、励起子ガス相が安定である。ス ピン許容の 1S励起子 (
オ
ル ソ励起子)は光学 フォノンを結晶に残 して発光す る過程が許容 である。 この発光スペ ク トル の形状か ら励
起子の分布関数 を評価す ることができる。しか し、パ ラ励起子の場合 には発光効率が低 く観測は困難である。
フォーテ ィン (
E.
For
t
i
n) 等は励起子のイオ ン化電流 を測定す ることで、光学不活性 な励起子の検出を行 っ
た。 この手法 を用いて図 2の よ うな方法でパ ラ励起子の伝播の様子 を観測 した。【
3】
その結果高密度で低温の
条件の もとで、励起子が弾道的に伝播す ることを見出 し、励起子系の超流動現象 を示唆 していると主張 した。
これが もし事実であれ ば、励起子が摩擦 な く伝 わることを意味 してお り、損失のないエネル ギー輸送現象 と
して大変興味深い。 しか し、最近の研 究で励起子系の密度 に依存す る非弾性散乱の断面積 を再評価 した とこ
ろ、ボース ・アイ ンシュタイ ン凝縮 に至 ることは困難 なはずであるとの議論が提示 されている。 [
4】
我 々は こ
れ を検証す るために、励起子系の分布 をよ り定量的 に評価す ることを試みてい る。光励起によって作 られ た
1S励起子 を 18状態か ら 2p状態-遷移 させ 、その誘導吸収スペ ク トルか ら、励起子の密度 と分布関数 を決定
す る とい う方法である。 この方法で、我 々はス ピン禁制励起子が十分 な密度で生成 されてい ることを確認 し
てい る。 この議論 にはまだ決着はついてお らず、励起子系の状態 について よ り詳細な評価 が待たれてい る。
光電流信号
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図 2 励起子のイオン化 を用いたパ ラ励起子の観測実験
(
a)実験の模式図
(
b)信号の温度依存性。高温側 では拡散型 の伝播 を していた励起子 が、ある温
度以下で弾道的に伝 わる様子 が観測 されてい る。 [
E.Forti
n,S.Fafardand
A.
Mysy
rowi
cz,Phys.Rev.Lett.70,3951(
1
993)による]
この問題 に決着 をつける重要 なポイ ン トとして、励起子 を 3次元的なポテ ンシャル 中に閉 じこめて空間拡
散 を抑 えるとい うことがある。 この点について、最近東京大学の中 と長津は歪みポテ ンシャル を使 った実験
を進 めている。 良質の単結晶に歪み を与えると、励起子 を比較的狭い空間に保持す ることができる。 このポ
テ ンシャル 中に 2光子励起法によって低温の励起子 をため込む実験 を進め、量子縮退 にせ まる密度 に到達す
ることを しめ している。 【
5】
§3 量子縮退 した励起子分子の生成 とその干渉 [
6】
半導体の励起子分子状態は励起子 2個が束縛 した状態であ り、ボース粒子 として振 る舞 う。塩化第-鍋
(
CuCl
)では励起子分子の束縛エネル ギーが約 3
0me
V と非常に大 きい ことか ら、励起子分子状態の精密 な
分光研究が進 め られてきた。 この励起子分子 を高密度 に励起す るとボース ・アイ ンシュタイ ン凝縮が起 こる
のではないか とい う議論がお こ り、 日本で も 1970 年代後半に活発 に議論 された。 しか し励起子分子はいわ
ゆる巨大振動子効果のために、励起子-の栢射遷移確率が大きく、幅射緩和寿命が 50ピコ秒程度 と短い。ま
た、塩化第一銅 は他 のイオン結晶や化合物半導体 と比べ、音響 フォノンとの相互作用 が弱 く、低温領域で熱
緩和速度がきわめて遅いことがその後の研究で明 らかになった。この事情によ り当初期待 されていた よ うな、
光励起 された励起子分子系をその寿命内に準熱平衡状態 として、ボース ・アイ ンシュタイ ン凝縮 させ ること
はほ とん ど不可能であるとい うのが現在の標準的 な見解 となっている0
-
7
9 5
-
講義 ノー ト
我々は励起子分子 をフェム ト秒パルス光で 2光子共鳴励起す る際のエネルギー と運動量の保存則か ら、励
起子分子 系が 占有す る運動量空間の体積 を非常に小さく圧縮できることに気がつ いた。図 3はその原理 を模
式的に示 した ものである0200 フェム ト秒程度の時間幅のパルス光はフー リエ変換の関係 によ り周波数の広
2meV程度である。 中心 の周波数は励起子分子
が りをもつ。 この場合、光子エネルギーの分布幅はおよそ 1
0
F
L
eVの程度で、 フェム ト秒 レーザーの
のエネルギーのほぼ半分 に同調 してお く。励起子分子の準位幅は 2
パルスのスペ ク トル広が りに比べて非常 に狭 い。通常の光学遷移では、スペク トルの ごく一部 しか使えな い
ので遷移 は非常 に非効率 になるが 、2 光子遷移の場合では事情は異なる。スペ ク トルの中の高周波数側 にず
れた成分 は低周波数側 にずれた成分 と組み合わ さ り、フェム ト秒パルスが 2光子遷移でち ょうど折 りたたま
れるように して励起子分子 を非常に効率良 く作 ることができる。このとき励起子分子の波数空間での広が り、
すなわち運動量の分布はフェム ト秒パルスの光子が もともと持 っていた広が りよ りも 2桁ほど狭 くなる。 こ
れによ り、パルスあた り 50ピコジュール程度の比較的弱いパルス光で励起 して も、励起子分子の位相空間密
06) す ることができるのである。既 に述べたよ うに位相空間密度 は一つの量子状態
度 を非常 に高 く (>4×1
を占める粒子の数 を表す。これは 2.
6がボース ・アインシュタイ ン凝縮の臨界濃度 を与えることを考えると、
ここで得 られた励起子分子が如何 に量子縮重度の高いものであるかわかる。 この手法 は、熱緩和 を待たず に
光励起で瞬時 にボース縮退 した励起子分子 を生成す ることができることを意味 している。 さて、 このように
して創 られた励起子分子は波 としてのコヒー レンスが非常 によいという性質 をもって いるはずである。我々
図 4)励起子分子 を
は これ を実証す るために、励起子分子の波 を 2つ作 りそれ を干渉させる実験 を行 った。(
作るために入れた光が直接干渉す ることを防 ぐために、二つのパルス光 は十分時間が離れかつ偏光が直交す
るように して、結晶に入射 させる。 こうして独立な 2つの励起子分子の波 を発生 させ ることが出来る。励起
光は ピコ秒程度で結晶か ら通 り抜 けるが、励起子分子は励起光か ら受け継 いだ コ ヒー レンスを保って結晶の
中に数十 ピコ秒以上停留できる。最初 に用意 された波が消失する前に第 2の波 を作る。励起子分子は全対称
rl)を持つスカ ラ一波なので・作 る時の光の偏光方向 とは無関係 に 2つの波は干渉す るはずであ
の対称性 (
る。第 2の励起子分子波の位相は、入射す る光の位相 を調整す ることによって コン トロールできる。 この位
相調整 によって合成 された励起子分子波の全体の振幅 を制御できるのである。 これは高い縮重度 をもつ励起
子分子 を波 として重ね合わせ、 トータルの数 を制御す ることであ り、最近流行 のコヒー レン ト制御 に他な ら
ない。励起子分子の合成波の振幅は、第 3のパルスを入射 しその 4光波混合信号強度か ら測定できる。図 5
は第 1パルス と第 2パルスの位相の関数 として、
最終的にできた励起子分子波の強度を測定 した ものである。
非常 にきれ いに干渉 していることがわか る。 この縮退 した励起子分子が量子縮退系に特有な現象 として どの
ような物性 を示すかが次の課題 となっている。
もう一つの重要な側面は、励起子分子が 2光子 コヒー レンスを持つ ことである。 これによ り励起子分子波
は 2光子吸収 と逆の過程 によ り 2つの光子 を放出す る。その一方の光 と同 じ状態の光が外か らやって くると
この 2光子放出過程が誘導 される。 これは非線形光学の言葉で言 うパ ラメ トリック過程である。図 6は前述
の方法で作 った強 い励起子分子波が存在す る状況で光 を照射 し、その透過光強度 を光 の位相の関数 として測
定 した ものである。励起子分子波 と光の相対的な位相 に依存 して増幅減衰が起 きている。 このパ ラメ トリッ
ク過程の重要な性質は、非古典的な光の状態であるスクイーズ ド光が発 生す る性質が あることである。実験
か ら得 られたパ ラメ トリック増幅抑制の効率 をもとにスクイーズの度合 いを見積 もると、10dB 程度のスクイ
ージングを得 る ことが可能である ことがわかる. これは励起子分子波 を用いて、量子光学や量子情報技術で
使われる非古典光が効率良 く発生す るということで、 これ らへの応用が期待 されている。
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図 3 励起子分子二光子励起 による位相空間圧縮法 【
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図 4 2つのパルスによって作 られた励起子分子の波の干渉 とその観測法
(世 卦 僻 世 ) 世 瀬 F.(
叶 令 叶 掴 奄
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励起子分子波の位相差
図 5 励起子分子波の干渉実験
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【
47
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67
℃
励起子分子波と入射テスト光の位相差 d)(7
T)
図 6 コヒー レン ト励起子分子 による光のパ ラメ トリック増幅、減衰。
デー タはテス ト光の透過率を励起子分子波 とテス ト光の相対位相 の関数 として
プ ロッ トした ものである。
-
797 -
講義 ノー ト
§ 4 極低温高密度電子正孔系の凝縮
励起子系の もう一つのお もしろさは、ボース粒子 とフェル ミ粒子のクロスオーバーを議論できることであ
る。励起子の密度 を上げ、平均間隔が励起子のボーア半径 aB 程度になると、電子 と正孔を束縛 しているクー
ロン相互作用 は遮 蔽 され 、励起子 として は不安定 にな り、電子 と正孔がバ ラバ ラに解 けた プラズマ状態
(
EHP) になる。 これは中性の励起子ガスか ら金属的なプラズマへの転移で、「
励起子モ ッ ト転移」 と呼ば
れている。 このような高密度のプラズマ状態で低温状態にすると、フェル ミ粒子 としての量子縮退現象が見
られることになる。比較的希薄な領域でのボース ・アインシュタイン凝縮、よ り高密度領域での電子正孔液
滴 (
EHD)
な ど多彩な様相 を示す。 (
図 7)
産厳 密
爵密度
絶縁性ガス
励起子
勧起子,
励起子分子 モ ツト転 移
電子正孔プラズマ
溺
>
㌫ 細密醤
し
-・- ,p
︻
ポーズアインシュタイン凝席
電子正孔 液滴
図 7 極低温高密度電子正孔系の諸相
電子正孔 プラズマの温度 を低温にすると電子正孔が凝縮 した液体の状態 になる場合がある。 この液体状に
凝縮 した状態は間接遷移型半導体であるシリコンやゲルマニウムで観測 されている。【
7】
ガ リウム ヒ素な どの
直接遷移型半導体では電子正孔対が短い時間で発光 して消滅 して しまうので、凝縮相 には至 らないというの
が これまでの常識であった。我々は光 との相互作用をうまく工夫 して、電子正孔プラズマを低温状態 とする
ことが出来れば、 この凝縮 を直接遷移型半導体で も観測できるのではな いか と考えた。低温の電子正孔プラ
ズマを生成す るには、励起 に用いた光のエネルギーを電子正孔系の熱運動 に転化 させないようにすることが
必要である。半導体 を強い光でバ ン ド間励起 し、た くさんの電子正孔をつ くると、その密度に応 じてバ ン ド
ギャップが縮むという現象が知 られている。 (
図 8)光子エネルギーが一定の場合には、バ ン ドが縮んだあと
で作 られた電子正孔は余分な運動エネルギーを持つ ことになる。その結果電子正孔系の温度は容易に数千度
に達 して しまう。 このような高温になると電子正孔の寿命以内に格子系 と熱平衡に達す ることはできず、温
度が下がる前に消滅 して しまう。我々は励起子 をパルス光で直接高密度 に作 りそれをプラズマ状態へ 「
励起
子モ ッ ト転移」 させることで、この余分な加熱 をさけることができるのではないか と考えた。励起子の密度
が上がるとバ ン ドギャップはバ ン ド問遷移 と同様に縮むが、励起子の束縛エネルギー も小さくなる。 この両
者はちょうどつ りあうので励起子吸収のエネルギーは励起子の密度によ らずほぼ一定になる. この性質を使
うと強い光 を励起子の共鳴周波数に合わせると、励起子 を効率よく高密度 に作 ることができる。そ して励起
子密度がモ ッ ト転移濃度 に達 した時に励起子か らプラズマへ変化する。 この方法でできた電子正孔プラズマ
は余分な運動エネルギーを持たないので低温の状態になることが期待で きる。 このアイディアを実証するに
は励起子の束縛エネルギーが大きい系を選ぶ方が有利である.そ こで励起子の束縛エネルギーが 21
3meV と
非常に大きな塩化第一銅 CuClに注 目し、実際に励起子共鳴励起 によって低温状態の電子正孔系を創 り出す
ことを試みた。
図 9はフェム ト秒 レーザーの波長を励起子の周波数 にあわせて、いろいろな強度で発光スペク トルを測定
した結果である。励起光が弱い場合には励起子が対 を作って、励起子分子ができた ことを示す発光がみ られ
る。励起光が強 くなると、低エネルギー側 (
波長の長い側)にスペク トル幅の広い発光バ ン ドが現れる。 こ
れは電子正孔 プラズマによるものである。 ここでは詳細は省略す るが、中間的励起光強度領域で、励起子分
Ⅹバ ン ド発光帯)が観測されている。これが何
子発光帯の低エネルギー側 にスペク トル幅の狭い発光バ ン ド (
によるものなのか ということが問題 となった。光励起 された励起子やそれがモ ッ ト転移 してできた電子正孔
-7
9
8-
「
第48回
物性若手夏の学校 (
2
0
0
3年度 )
」
プラズマはそれぞれ特有な発光バ ン ドを示す。その形や周波数か ら何がいつできたのかある程度予測するこ
とができる。 しか し、粒子間の相互作用は複雑な為、スペク トルの解釈は単純ではない。そ こでよ り直接的
に光励起キャリアや励起子の状態 を調べる方法 として、キャリアの集団運動であるプラズマ周波数近傍の電
磁波に対する応答を測定することにした。【
81図 1
0がその模式図である。CuClの励起子をモ ッ ト転移濃度
に励起 したときに作 られる電子正孔 プラズマの共鳴周波数は中赤外領域にあ らわれる。図 11が実験結果であ
ps
e
c)にはプラズマに起因する強い金属のような
るO励起子をフェム ト秒パルスでた くさん作 った直後 (l
反射スペク トルが現れている。これは励起子がモ ッ ト転移 して即座に金属状態になった ことを意味 している。
2eV付近に収束するこ
時間がたつ と、反射率は小さくなるが、反射の増減が切 り変わる光子エネルギーは 0.
とが分かる。 このスペク トルは電子正孔の挙動について重要な情報 を持っている。また低エネルギー側の反
射率変化が時間とともに減少す るという結果は、プラズマが空間的に一様分布 していてその密度が下がって
いくというモデルでは説明がつかないOもし、電子正孔プラズマが途中で不均一にな り、「
部分的」に電子正
孔対がイオン化 した所 とそ うでない所に分離 しているとするとこれ らのスペク トルの特徴が説明できる。金
属相がコロイ ド的に浮遊 しているモデルであるo このとき、プラズマ周波数の l
/Ji倍のところに吸収が現
れる。 (
図 11) これは金属コロイ ドの入 ったガラスが色づいて見えるのと同じ原理である。ちなみに、ステ
ン ドグラスにはこのような金属コロイ ドによる着色が利用されている。 このモデルに従ってスペク トルを計
算するとおおよそ実験結果を再現す ることがわかった。図 1
2はこのモデルに従って実験データを解析 し、プ
ラズマの体積 と密度が時間と共にどのように変化するのか調べた ものである。密度ははじめ減少 し、1
0
ps以
020c
m3とほぼ一定 となるo これは電子正孔液滴が形成された ことを示唆 している。すなわち励
降では 2×1
起子モ ッ ト転移をつかった為に通常では作れなかった低温で高密度の電子正孔系が出来、それが液滴状に凝
縮 したのだと考え られる。
通常のバンド間励起
励起子を共鳴励起する
キャリア豊丘は敢千度
低温高密度の電子正孔系
且
量子縮退系
図 8 バ ン ド間励起 と励起子共鳴励起 による電子正孔系の励起
エネルギー (eV)
30
32
31
CuC14K
●
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3
8
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L
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7/
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41
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0.
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0.
1
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1
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励起光密度 (
mJcm2)
(
nm)
図 9 励起子共鳴励起 (
3
8
2
n
m) における発光スペク トル。
励起光強度は (
a
)0
_0
2
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b
日, (
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/c
m
l
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d
)発光強度の励起光密度依存性。
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講義 ノー ト
遺赤外 申赤外
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近赤外
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m3
)
図1
0 高密度電子正孔系の電磁応答。中赤外領域 に強い金属的反射が現れる。
エネルギー (eV)
2 3 4 56789
1 1
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8
5
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ps
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(〟m)
図1
1 励起子共鳴 (
3
8
3n
m)励起下での、中赤外領域の過渡反射スペ ク トル
(1,5
,1
0
,2
0ps)。励起光強度は (
a
)4
.1(
b
)0
.9mJ
/c
m2。実線 は電子正孔液滴が生 じて、
部分的に電子正孔液滴 を形成 しイオ ン化 している (
左図)と仮定 した ときの反射スペ ク トル
の計算値 。 [
6
]
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l
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x ]02.m
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3)
1
0
職柵
脚+ ・
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3
0
時間 (
ps)
図1
2 中赤外領域の過渡的電磁波応答スペク トルの形状か ら求めた、
電子正孔液滴の占有体積 と密度の時間依存性 [
6】
-8
0
0-
「
第4
8回 物性 若手夏の学校
(
2
0
0
3
年度)
」
§5 おわ りに
レーザー光 と物質の相互作用を巧みに利用 し、物質系を冷却 して多数の粒子が量子力学的な相関を持つよ
うな状態 をつ くることを狙った実験について紹介 した。 このような実験ができるようになったのは半導体技
術 を基礎 とす る光エ レク トロニクス技術特 に半導体 レーザーの進歩のおかげである。ところで、20世紀後半
に急成長を遂げた この半導体技術によるエ レク トロニクス技術はすでに限界に達 しているとしばしばいわれ
る。例えば、秒速 1
00ギガ ビッ ト以上の情報を逐次処理す るためには、エ レク トロニクス素子だけでは不可
能であることがわかっている。光ネ ッ トワークにおいて、光にのせた情報 を光のままで直接制御す るために
は光スイ ッチが不可欠である。 しか し、それを担 う材料はまだ見つかっていないという問題がある。 このよ
うな限界 を突破す るためのアイディアの一つにナノテクノロジーがある。 これはナノメー トルスケールの微
細な構造 をつ くることで、電子や正孔の状態 を量子論的に制御 し、従来にない機能や性能を引き出す ことを
狙っている。 このアイディアは光エ レク トロニクス分野において も量子井戸 レーザーが実用化 されるなど、
成果がすでに上がっている。 しか し、上に述べた超高速光制御のように光の潜在力を存分に引き出すために
は、さ らなるブレークスルーが求め られている。 この限界 を打ち破る鍵は何か ? 従来のエ レク トロニクス
がその基礎をお くバ ン ド理論に基づ く一体近似の枠 を越えることが必要ではないか。 ここで述べた光で集団
の量子現象を探るというアプローチの中にそのヒン トが見え始めているように私は感 じている。
本稿は 日本物理学会主催で行われた科学セ ミナーをまとめた物理学会編 「
ボースー
アインシュタイ ン凝縮か ら
高温超伝導体へ」日本評論社刊の第 1
0章 「
光で作るマクロな量子現象」の一部 を加筆 したものであることを
お断 りしてお く。
参考文献 :
t
l
]
中性原子のボース ・アインシュタイ ン凝縮については
上田正仁 :「レーザー冷却 された原子気体のボース ・アイ ンシュタイ ン凝縮」
アインシュタインとボーア、 日本物理学会編 裳華房 (
1
999)p.
861
08.
[
2
]
原子間に引力がある場合のボース ・アインシュタイ ン凝縮な ど最近の理論については、斉藤弘樹、
上田正仁 :「レーザー冷却 された中性原子気体のボース ・アインシュタイ ン凝縮 一 引力系を中心
として- 」,固体物理 vol
.
36(
2001
)p.31
131
9.
[
3
]
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,Phys.Rev
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3951
(
1
993
)
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[
4]
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Phys
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.B61,8215(
2000)
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.B62,1
2909(
2000)
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5
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2003
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,博士論文 (
秦
京大学) 2003.
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氾2)
.
[
7
]
最近 ワイ ドギャップ間接遷移型半導体であるダイヤモ ン ドで電子正孔液体状態の臨界温度が 1
65K
[
8
]
【
9
]
020c
m 3である。
にも及ぶ ことを兄いだ している。 この液体状態での電子正孔の密度は 1
M.Nagai
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