地域の中堅/中小企業における財務・金融人材のス キル向上のための教育プログラムの開発について ー 地域金融人材育成システム開発プログラム ー 2003年7月 経済産業省 経済産業政策局 産業資金課 問い合わせ先: 産業資金課 鈴木 電話番号 03−3501−1676(直通) 本事業の背景 : 「 地域において求められる金融・財務人材」 ・ 従来の不動産担保に安易に依存した中堅/中小企業金融はたち行かなくなってきており、事業価値に基づく投融資や債権 流動化・ 証券化の活用など、新たな金融手法への移行が求められている。こうした新たな金融手法が機能するためには、借り 手と貸し手の双方において企業金融、企業財務に精通した人材が必要である。 ・ 本事業は、とりわけ、顕在化している企業側における人材不足への対応として、「中堅・中小企業版CFO」 とも言うべき金融・ 財務人材の育成を行うための教育プログラムを開発するものである。 現在の中堅/中小企業金融を巡る状況 中堅/中小企業における 財務・金融人材は不足 ○中堅/中小企業は財務上の課題に対応できず ・財務上の課題に気づいていない:約5割、 ・課題を認識しても解決策を把握しきれていない: 約3割 中小企業と地域金融機関との 財務に対する認識ギャップの拡大 ○本来、企業も財務情報を積極的に開示すれば融資が受け やすい (「2003年版 中小企業白書」中小企業庁) (本事業におけるアンケート調査 2003年5月) ○その最大の障害は人材のスキル不足 ・2割以上の企業が人材不足を障害として指摘( 最多) ○中小企業の信用リスクを把握する際の問題点として、「 開 示される情報が少ない」 (61.7%)、「決算書に信頼がおけ ない」 ( 61.7%) を挙げる地域金融機関が多い (本事業におけるアンケート調査 2003年5月) (「中小企業向け貸出の実態調査」(社)中小企業研究所2003年1月) 財務・金融におけるソフトスキルの不足から、中堅/中小企業金融の機能不全が発生 Page 1 本事業の概要 : 「 中堅・中小企業版CFO」育成プログラム 目的 : 新たな金融手法導入円滑化による中堅/中小企業金融の機能回復 やヒアリング調査を踏まえ、教育プログラムの開発に向 検討状況 : 中堅/中小企業へのアンケート調査結果(15/5月実施) けた以下のような検討を進めているところ。今後、開発した教育プログラムを活用し、実証事業として実際に研 修を行ったうえで(本年秋頃)、プログラムを完成。 本研修によって期待される効果 教育プログラムの概要(イメージ) 財務上の課題認識と ソリューション抽出 (共通) カリキュラム︵ 案︶ 基本的な財務理論 に関する知識 財務の基本を理解 することで経営環境 の変化に柔軟に対 応する 財務担当者 事業計画作成 説得力のある事業 計画を作成し、融資 担当者等に適切な 説明を行う 中堅/中小企業金融の円滑化 不要投融資の処分 財務上の課題と ソリューションの 実行力(選択) 事業ポートフォリオの最適化 固定資産の流動化 事業計画を軸とした 財務マネジメント (1コース) 自社の財務分析 予算/中期計画 (特定)事業計画 財務理論に関する基礎知識 (1コース) 企業価値評価 リスクとリターン と資本コスト キャッシュフロー経営 事例 受講時間 受講時間外 モデル事例の 事前読込み 実務 理論 ソリューションの全体像 (ビジネススキーム) ソリューションに関連する ファイナンス理論︵部分︶ 財務状況を的確に 把握し、適切な課題 認識に基づきソリュー ションを実行する ソリューション概要 資本構成の最適化 財務上の課題 に対する 解決スキル (4コース) モデル事例︵一般例︶ /説明能力 カリキュラムごとのプログラム︵ 案︶ 財務課題解決能力 財務上の課題 経営(財務)上のインパクト ソリューション実施の ドゥハウ・ノウハウ ( 実務的な手続き) 自社データの収集、簡易な分析 Page 2 本事業の推進体制 : 「 九州地区産学官連携プロジェクト」 ・ 本事業では、地域の中堅/中小企業の実態を的確に把握する観点から、九州地区をモデル地区として定め、九州産学官 連携プロジェクトとして、九州大学を中核に、九州産業界等と緊密な連携を図りながら、教育プログラムを開発。 ・ 金融庁のリレーションシップバンキングアクションプログラムにおいて、各金融機関に同プロジェクトに対する協力を要請。 (参考)「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」抜粋(金融庁: 15年3月28日) 各金融機関に対し、中小企業等の財務・経営管理能力向上を支援する「地域金融人材育成システム開発プログラム」等について協力を要請す る。 本事業の推進体制 九州産業界等 検討委員会 オブザーバー等 <主な役割> ・検討委員会における各種論点、課題 に関する意見の提示 ・各種関連資料等の提供 など <メンバー> ・中小企業等向け教育機関 ・中小企業 ・金融機関 など プログラムに 対する意見 提示 <主な役割> ・各種論点、課題に関する議論 ・プログラム開発チームの成果物に対 するレビュー ・各種情報提供 ・実証における講師 など <メンバー> ・学識経験者 ・監査法人 ・中小企業向けコンサルティング会社 など 開発途上プログラムの提示 ニーズ、プロ グラムに対する 意見の提示 開発途上プロ グラム及び検討 結果の提示 <主な役割> ・ニーズの提示 ・プログラムに対する意見の提示 ・実証研修の実施 ・実証への参加 など <メンバー> ・九州大学 ・九州地区の中堅/中小企業 ・九州地区地域金融機関 ・公認会計士 ・経済産業省 九州経済産業局 など 開発途上プログラムのレビュー 設計/開発担当 <主な役割> ・プログラムの設計/開発 ・実証のコーディネートなど <委託先> ・トーマツコンサルティング株式会社 九州地区産学官連携プロジェクト Page 3
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