2302 荒木CC

あらきブック&ネット・すぺーす
「荒木みんなの居場所づくり事業」
出雲市荒木コミュニティセンター
1
荒木コミュニティセンターの概要
荒木地区は、出雲大社がある旧大社町の中で南部
から東部にかけての平地を占めており、平成 17 年の
市町村合併により出雲市となった。北西の強風を受
ける砂地乾燥地で、過去には水不足により開発の遅
れた地域であったが、約 360 年前、郷土の偉人大梶
七兵衛が行った防風林の植樹や高瀬川用水路の貫通
等の大事業によって開拓された、比較的歴史の浅い地域である。
交通網の整備により住宅地として発展しており、住民の増加も見られる。近隣
には県立浜山公園や県立大社高校があり、県内外からの訪問者も多い。特に平成
24 年度は神話博しまねのメイン会場となったこと、また、25 年度は出雲大社の大
遷宮が予定されていることにより、来訪者の増加が予想される。人口は約 6,000
人、世帯数は約 2,000 である。
荒木コミュニティセンターは荒木公民館として昭和 60 年に現在の場所に建
てられ、住民の生涯学習活動、地域活動に利用されている。年間の来館者数は増
え続け、21 年度は約 25,000 人、22年度が約 26,000 人、23 年度は約 28,900 人、
24 年度はさらに増加の見込みである。
2 事業の概要
(1)事業のねらい
荒木では今、核家族化・少子化・高齢化・孤立化など、日本の他地域と同
様の問題が顕在化している。そこで、新たな「みんなの居場所」として、コ
ミュニティセンターの役割を見直し、強化していくべきときであると考え、
「本」
「情報」
「学びあい」をキーワードとした「人と人がつながる場」「人が
心地よく過ごせる場」を創出することをめざす。
「いつでも」「だれでも」「なんでも」学べる公民館としての原点をさらに
発展させ、「集い」「学び」「交わる」ことのできる楽しい「地域の情報拠点」
「地域の交流拠点」をつくる。いずれは、若者の就業支援・引きこもり対策
・高齢者支援・災害時のネットワーク構築などにつなげる。
(2)具体的な取組
ア 居場所としての「場」の確保
センターを「地域のみんなの居場所」にするため、
昨年に引き続き環境整備に取り組んだ。用事がなくてもセンターに来て快適
に過ごすことができるスペースの充実を図り、自由に閲覧できる本や雑誌を
手にして一人で楽しんだり、友人同士でくつろぎながらおしゃべりをしたり
することもできる場所を準備した。
図書室に夏場は涼しいござを、冬場はホットカー
ペットを敷き、子どもからおとなまで自由にくつろ
げる場を提供した。
全館無線LANを完備というセンターの特長を生
かして、自由に閲覧できるパソコンコーナーと、持
ち込みパソコンを使うスペースを確保した。
イ
「情報」を使った居場所作りと交流
みんなでつながる「あらきパソコン教室」と「講演会」・・・昨年に引き
続き、年間を通して教室と講演会、相談会を開催した。
*パソコン初級(4日×4コース)
*ツイッターコース(2日×1コース)
*家計簿チャレンジコース(2日×1コース)
*フェイスブックコース(2日×1コース)
*スカイプでネット電話しよう(2日×1コース)
*「今年はパソコンで年賀状!」
(2日×2コース)
*「ワードで書こう!」教室(4日×2コース)
*「エクセルで決算書!」教室(4日×1コース)
*「ネットでつながる」教室(2日×2コース)
*「パワーポイントで活動報告しよう!」教室
(2日×1コース)
*パソコンなんでも相談室14回
*「インターネット~楽しくあそぼう!安全に使おう!」
*「なるほど!!納得ネット事情」講演会と「うちの子のネットの使い方大丈夫??」相談室
*講演会「あらき・みんなでつながる情報リテラシープロジェクト」
ふだん疑問に思いながらなかなか解決できない、誰に聞けばよいかわから
ない問題を気軽に相談できる「パソコンなんでも相談室」は大好評であった。
大社町有線放送協会NPO法人「ご縁ネット」の全面的な協力により、身近
な相談室を開催した。
センターの主催講座生対象のパワーポイント講習を開催し、2月の総合学
習発表会ではパワーポイントでプレゼンテーションをしてもらった。1年間
のさまざまな写真を入れて、思いを込めて講座生同士で話しながら作ったパ
ワーポイントを使った発表は、みんなの気持ちが伝わる内容であった。
講演会では小学生から大人まで、あらゆる年代を対象とした、メディア
リテラシー教育を行った。社会の現状を学び、リスクを知った上でうまく情
報を生かした暮らしをすることが大切であると伝えることができた。
ウ
エ
「本」を使った居場所作りと交流
*雑誌情報コーナー
*新しい本の紹介コーナー
*2月には本にかかわるお料理会の実施
【小学校新入学予定の子ども対象】
「~小学生になるひとレストラン~バムとケロの
おおもりドーナツ」
本を通して人が集まり、本を介して交流できる場を
つくった。
その他の仕掛けによる居場所作りと交流
さまざまな仕掛けにより、これまでセンターの学習活動にあまり参加して
いない人をセンター事業に取り込むことを目指した。
(ア)荒木ギャラリー事業
昨年より地域全体に呼びかけて、センターのロビーを会場として、地域の
みなさんの作品やコレクションの展示を始めた。そういった機会を設けたこ
とで、これまで来られなかった方の来館につながった。
また、小学生のみなさんの図画・工作作品を展示したり、総合的な学習で
学んだまとめを展示したりして、地域と学校の距離を縮め、交流を図った。
(イ)エコ・フリーマーケット事業
エコと人の交流を目的として、10月と2月にフリーマーケットを開催した。
フリーマーケットや不用品交換会は、子どもから大人まで、みんなが楽し
んで参加できる。学びの場や交流の場としての
センターに来なかった新しい住民を取り込む
ことに成功した。フリーマーケット文化とよく
言われる、まったりとした、自由でおしゃべり
な空間における人の交流は、新しい人のつなが
りを生んだ。
(ウ)グリーンプロジェクト事業
5月から8月までの4ヶ月をかけて、ゴーヤとヘチマでグリーンカーテン
を作り、収穫、加工をおこなうというプロジェクト事業を実施した。
チラシを見て参加申し込みをした子どもから70代まで、多様なメンバー
がチームを作って、苗植え、ネット張り、水やり、収穫、片づけまでを協力
して行った。ゴーヤづくしのお料理会や、ヘチマたわし作り、ヘチマ化粧水
作りなど、仲間と一緒に何かをする、作るという経験を通して、それまで全
く接点のなかった参加者同士に、強力な人と人とのつながりができた。
3
事業の成果と課題
ネットを使ったさまざまな人のつながりは今や世界規模の広がりをみせている。
この事業におけるパソコン等の研修は、もともと、情報格差が社会的、経済的な
さまざまな格差を生む要因となるという状況を打破すべく計画してきた。特に、
高齢者が多い地方の市町村において、誰もが格差を感じることなく生活していく
ためのお手伝いをしてきたつもりである。
実際にこの2年間の事業展開の中で感じたことは、そうした「ネットを介した
人と人とのつながりの知識」を得ると同時に、何よりも大切なのは「リアルな人
と人とのつながりの『場』となる」という点である。
「情報」や「本」などさまざ
まなツールを使い、人と人をつなぐこと。それがコミュニティセンターだからこ
そできる大切な仕事であると思う。その『場』となるために、この「実証!『地
域力』醸成プログラム」を活用し、実現していかなくてはならない。
4
今後の方向性
私たちの暮らす社会は、常に変化し進化している。センターは常にその変化に
対応し、そこで暮らす人々のために事業を組み立てていく必要がある。
これまでの活動では、まだすべての人に「情報化」
「人と人とのつながり」の双
方を実感してもらうことができなかったので、次年度はさらにうまくバランスを
とりながら、すべての住民を巻き込んで「実証!『地域力』醸成プログラム」事
業を組み立てていきたい。