吾郷智子さん

吾郷 智子さん
大学卒業後、京都市立高校の公民科教諭として採用後、主に政治経済、倫理などを担当。生
徒たちに世界の動き、経済の動きなどを教えるに伴い次第に、海外で学ぶ必要性、世界や経済
の動きを自分の目でみてみたい、と強く思うようになり留学を決意。5月に渡米したのち現在は、
NYUのSCPSでマネージメントを勉強。将来の夢は「あらゆるバックグラウンドを持った人々が
共に学べる学校をつくること」。2005年1月帰国。
■最新NYU事情 吾郷さんの視点で描かれたNYレポートです。
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
NYに着いて
ニューヨーカーがクラスメート
英会話克服法、そして秋学期
SCPS マネジメントコース
「いいかげんな街」New York
ニューヨークで会った人たち NEW!!(最終回)
■参加プログラム情報
大学名: ニューヨーク大学
プログラム: グローバル・サーティフィケート マネジメントコース
期間: 2004年5月~2004年12月
場所: ニューヨーク、マンハッタン
宿泊先: ニューヨーク大学寮→アパートメント
グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
第1回 “NYに着いて ”
1.NYへの道のり
NYUの建物の一つ。
都市キャンパスなので、
大学の建物は街の中
に点在している。この
写真は、メインキャン
パスの近くのグリニッ
ジヴィレッジ周辺。わり
と校舎が密集して いる
辺り。
「ほんとに来ちゃったよ~」というのが、ニューヨークに着いての第一
声。
到着は5月5日。初夏のまぶしい青空のもと、新しい生活への期待に
胸いっぱい!のはずが 実際の私はなんだか妙な現実感のなさと疲
れと共に、ニューヨークに足を踏み入れました。
「留学したいな~」と最初に思ったのは中学生の頃。
とはいえ、いつしかその憧れも遥か彼方。普通に日本の大学を出、
「就職活動が面倒くさい」「夏休みがある」(最近は事情も変わってし
まいましたが)、 と言う理由で(ばかりではないけれど)受けた教員採
用になぜか受かってしまい、縁もゆかりも修学旅行ですら行ったこと
のない京都におもむき、日々ピチピチの高校生に社会を教える毎日
をおくっていました。
そんな生活の中で改めて留学を意識したのは、2年くらい前のこと。
「5年、10年後どんな自分になっていたいか。どこで何をしていたか。
」
そう自分に問うた時、もっと自分を鍛えてみたい、違うフィールドで新
たな自分を発見してみたい、と考えたのです。とまあ、他にも理由は
多々あれど、とりあえず留学を決意しました。
今回の「グローバル・サティフィケート」に参加した大きな理由として、
「短期間で必要なエッセンスを集中して学べる」「大学院に比べ、コス
トが安く済む」
という2点が大きかったと思いますが、もう一つの理由として「早くガツ
ンと留学しちゃいたい」
という気持ちもありました。正直、留学後の明確なビジョンを描いてか
ら留学したとは言いがたいです。
これからどうするのかはまだまだ流動的です。もう少し準備を重ね、
留学後のビジョンを明確にしてから留学してもよかったかなと思った
りもしたのですが、所詮何が起こるかわからない世の中。
私がいた「超ドメスティック」な世界のはずの学校社会ですら、今や大
きな変化の時期を迎えている現実です。明確なビジョンを描いて、そ
れに向けて動き出すという演繹的なアプローチは正論として良いで
すが、現在のような変化の激しい時代は、「とりあえず動いてみて考
える」という帰納法的なアプローチの方が、現実的なような気がしま
す。
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2.NYに着いて
ミッドタウンの42丁目、
グランドセントラル駅を
のぞんで 向こうに見
える高い建物がクライ
スラービル。
ニューヨーク上陸はこれで3回目。とはいえ、お遊び滞在の前回
までとは違い、今回は8ヶ月の長期滞在。
これまでもなんどか海外旅行を経験し、1ヶ月のホームスティも経
験しているとはいえ、半年にわたる長期滞在は初めてです。到着
から最初の10日間は、ブルックリンにあるお宅にホームステイし
ました。
ホストファミリーは、30代か40代とおぼしきカップルで、彼らの住
居スペースと私のスペースは完全に区切られていたので、正直
「ホストファミリーとの心のふれあい」なんてものはなかったです。
まあ、もともとそんなのは期待していなかったし、とにかく来てすぐ
の頃は心身ともに疲れていたので、ほっとかれてちょうどよかった
かな、と思います。
このお宅には、最初の学校、Rennert Bilingualに通っていた約
10日の間滞在しました。
その後、5月半ばにはALIに移り、それと同時にマンハッタンは
イーストヴィレッジにあるNYUの寮に引っ越しました。
ということで、短期間の間にバタバタバタと物事がめまぐるしく動
いているので、日々目の前にあることを消化するだけで精一杯で
した。というか、頭で理解するより先に、周りの物事がどんどん動
いていっている感じ、といったらいいでしょうか・・・そうでなくても
退職、引越し、各種手続きなどなどで、NYにくる前からあわただ
しかったしなあ…。
そうは言っても、すでに私の留学生活は動き出しちゃっているの
です。
同じく42丁目に、面
したブライアント
パークから、ニュー
ヨーク市立図書館を
望んだ写真。
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第2回 “ニューヨーカーがクラスメイト ”
1.SCPS開始!
5月17日、いよいよNYUでの授業の開始です。本来ならば、ALIが先
に始まり、夜のビジネスの授業は一週ほど遅れて始まるそうなので
すが、今回は「夏学期」ということで期間が短いせいもあり、ALIの英
語の授業と夜の授業がダブルでスタートです。
というわけで、またまた新しいスケジュールが始まったわけですが、
なにせ前日にNYUの寮に移ってきたばかり。しかも寮に来てびっくり
だったのが、「えっ?!フトンも電気スタンドもないわけ?!」確かに、日本
のYMCAあたりをイメージしていた私が甘かったかもしれませんが、
フトンから、電気スタンドから鍋から皿からぜーんぶ用意しないとなん
にもないんです、この寮というやつは。というわけで、入寮早々、マン
ハッタン中動きまわって最低限の生活グッズを調達しました。NYに
来て何が大変って、生活を軌道にのせるまでが大変なのです。そん
な中、容赦なく授業はさくさく始まっていきます・・・。
NYUの最寄駅、アスタープレイス。
この黒いサイコロみたいなオブジェ
は、アスタープレイスのシンボル「ア
ラモ」です。夏のセメスターでは毎
日見ていました。
ということで、生活もまだまだ軌道に乗らないうちに、月曜から早速、
夜のSCPS(School of Continuing and Professional Studies)、
”Principles of Management and Organization” の授業がスタート。
ところが、です。初日からなんと私は校舎を間違え、道に迷いまくって
しまったのです。
NYUはメインキャンパスのあるグリニッジビレッジ他、あちこちに校舎
を持っており、このマネジメントの授業はオフィス街の真ん中ミッドタ
ウンの校舎で行われることになってたんです。そんなことは思いもし
なかった私は、初日から思いっきし道に迷い、大遅刻のていたらく・・
・何事も前もって逐一確認という作業をしないと、後でえらいことにな
るんだな~と痛感した瞬間でした。
さて、遅れて授業にもぐりこんだ私ですが、教室に入った瞬間、じろり
とこちらを眺める顔、顔、顔。当たり前ですが、みんなニューヨーカー
。
「私は、JPモルガンでプロジェクトマネージャーをしております。」(す
いません、英語わかんないんですが・・・)
「私は、マンハッタンでレストランを経営しています。よろしく。」(わたく
し、ビジネスの経験ないんですよ…)
といった感じで、教室では次々と自己紹介が繰り広げられる中、私と
いえばこのようにビビリまくっていました。もちろんある程度ハードなこ
とは予想しており、自己紹介用スピーチもあらかじめ用意していたは
ずが・・・道に迷って焦っている間に全て飛んでいってしまったようで
す。
とまあ、散々な初日でしたがSCPSの授業はこれで終わりではあり
ません。火曜、水曜とつぎつぎと授業は始まっていきました・・・。
ここでSCPSを軽く紹介しておくと、平たく言えば「社会人大学」とか
日本でも最近各大学がこぞって力を入れ始めた「オープンカレッジ」
のようなイメージです。とはいえまだまだこうした教育機関に対するイ
メージが、カルチャーセンター的なニュアンスを持つ日本とやや異な
り、こちらNYでは現役バリバリのビジネスマンが結構本気で学びに
来ています。クラスメートの雰囲気は人にもよりますが、今の自分に
足りないところを補い、さらによいパフォーマンスを行い、ビジネスで
成功したいという意識では共通しているように思えました。
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2. ドロップアウト、そして・・
ストレスがたまったときは散歩が一番!という
ことで、この日は、落ち着いた町並みのアッ
パーウエストサイドを歩いてみました。ここは、
日本でもおなじみのベーグル専門店「H&H」。
数々食べ比べてみましたが、ここのベーグル
がダントツおいしい!
SCPSの授業が始まり、全ての授業に一通り出席した結果、結局S
CPSの授業を3つドロップすることにしました。もともとは夏学期でマ
ネジメント、秋でマーケティングを学ぶ予定でしたが、いろいろ考えた
結果、今は英語に集中し秋に改めてマネジメントのサーティフィケイ
トに挑戦しようと考えたのです。あの頃の自分を振り返るととにかく
雰囲気に呑まれてしまっていた気がします。「英語力の不足」、「ビジ
ネス経験のなさ」、「新しい環境への適応」、と様々な要因が重なって
自分のなかで処理できなくなっていたのだと思います。ということで、
私が考えたことは「一つずつ問題点をつぶしていくこと」。そして上記
の中で一番の問題点が「英語」。
英語に関しては、日本にいた頃からずっと勉強していました。TOEI
Cでも800点近くとっていましたし、高校で勤務していた頃も「国際交
流部」という海外の姉妹校との提携業務や留学生のコーディネート
なども行っており、英語にはそこそこ自信があったのです。ところ
が!!こっちにきて、「みんなの言ってることがわからない!」「英語
が口から出てこない!」という壁にぶつかり続ける毎日。改めて自分
の出来なさを痛感。それが自分をさらに追い込んでいったようです。
というわけで、英語を夏の間に集中、徹底強化し、秋以降の充実を
図ろうと考えました。そこで、SCPSの授業を一つ残し、後は全てAL
Iの英語の授業に振り替えてもらいました。自分のためには結果的に、
この選択はよかったと思っています。NYに来て、よく人から言われ
た言葉が
“Take Your Time! Enjoy NY!”
確かに8ヶ月しかないNYでの留学生活、どうしても焦りがちになりま
す。でも生活を楽しむことが、実は勉強の効率も良いのだということ
がその後じわじわとわかってきました。そしてさらにこの後、短期間
でいかに英語力をアドバンスレベルに引き上げることができるか、私
の楽しい試行錯誤がはじまったのです。
同じくアッパーウエストサイドより。映画
「You've got a mail」で一躍有名になった
「Cafe Lalo」。映画よりこじんまりした感じでし
たが、とにかくかわいい店内。マフィンやクレー
ムブリュレなど、スイーツもおいしそうでした。
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第3回 “英会話克服法、そして秋学期”
1.一に英語、二に英語・・・
Language Partner のMicheal
コロンビア大学の大学院生で、ミネソタ出身。
とにかく真面目を絵に描いたような人。
私の英語を手伝ってもらう代わりに簡単な
日本語を彼に教えています。彼は日本語の
サウンドに興味があるらしく、常に
「僕の日本語の発音は正しいか?」
と聞いてくる、かなり面白いアメリカ人。
台湾出身で、日本が大好きな女の子。
彼女は現在ホテルマネジメントを勉強中で、
卒業したら日本の旅館で働きたいのだそう。
とっても気の合う友達の一人です。
ニューヨークに来て、一番苦労したこと・・そりゃやっぱり英語。言
うまでもないけれど。私を含め多くの日本人の英語レベルは、お
そらくintermediate だと思われる。つまり、中学レベルの英文法
はそこそこできる。簡単な英文も読めるし、海外旅行程度の簡単
な英会話には、困らない。
ところが、「しゃべれない、聞こえない」、つまり「英語でのコミュ
ニュケーションができない」日本人英語学習者は多いと思われる。
「スタバの店員の言ってることが全くわからん!」「会話場面にな
ると、ごくごく簡単な英単語すら出てこない!」「いつもワンセンテ
ンスで発話が止まってしまう!」「頭の中で、訳している間に、会
話が終了してしまった~」「何言ってるかわかんないのでとりあえ
ず、Yesと繰り返して、あとは適当に笑っといた。」などなど・・・T
OEIC高得点者の中にも、以上のような経験を持つ方は、少なく
ないのでは?ちなみにこれらすべて、私がこちらで経験した「英
語の壁」であります。しかも始末の悪いことに私程度の中級学習
者は、下手なプライドがある。「私、そこそこ英語できるの」のよう
な。それだけにスタバに行って、でかい態度の店員に「Ha~?
What did you say?」なんてぶっきらぼうに言われた日にゃ、自
信のかけらも粉砕であります。
そんなわけで、早急に「英語力の実践力」をつけねば、と決意
したのです。なんといってもNYでの滞在期間は8ヶ月。限られた
時間でどこまで、自分の英語力をのばせるか。しかも同時進行
でSCPSのビジネスクラスも展開中。そこで私はいかに短時間
で、効率良く、英語の実践力をつけるかいろいろな方法を考えて
みました。
その中から、実際に私がやったことは、自分が達成したい英
語力のレベルを、スピーキング、リスニング別に3段階に分けて
目標設定し、その目標を達成するために行うプラクティスをあげ、
それを実践する--というやり方です。例えば、スピーキングの第
一目標を、「中学一年生レベルの、簡単で短い英文を確実に発
話することができる」に設定し、短い英文を徹底して、音読してみ
る、などなど。それ以外にも、「英語力アップになるぞ!」と思っ
たことは、とにかくいろいろ試してみました。なかでも楽しかった
のは、夕方時のカフェに座って、近くの人の話をもれなく盗み聞
きする、というもの。なぜ夕方か、というと仕事帰りの人がくつろ
ぎつつ、その日の出来事を語っていたりするからです。「今日さ
~ボスが休みだったの~だし、ラッキーだったわ~」とか「何でオ
レがいっつも奴の失敗の穴埋めしないといけないんだ?」とかそ
ういうナマな会話を聞き取る中で、使える表現をメモって、自分
でも使ってみる。これはなかなか楽しいエクササイズでした。
ということで、あれから数ヶ月・・私の英語はうまくなったので
しょうか??実をいうと、まだまだ発展途上。とはいえ、今ではス
タバで「Ha~?What did you say?」と聞かれることもなく、路上
で突然人に道を聞かれても臆せず答える事はできるようになっ
たかな。まあ、慣れただけという言い方もできますが・・・
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2.秋学期開始~ALI
ライオンの像でおなじみ、NY市立図
書館。
ここはWritingのクラスが行われてい
る
42丁目のMidtown Centerの真向か
いにあるため、よく利用しています。
重厚で、クラシックな雰囲気はまさに
ヨーロッパの美術館。非常に贅沢な気
持ちで勉強できる、お気に入りの場所
のひとつです。
さて、話をNYUに戻しましょう。夏学期が終わり、約一月のお休みをのん
びり過ごしたあとは、いよいよ秋学期のはじまりです。ご存知のようにこち
らでは、9月がAcademic yearのはじまり、ということで街中がなにやら夏
とは違った良い緊張感につつまれている感じです。特にNYU周辺は、夏
とはえらい違い!なんかこう、かなり盛り上がっている雰囲気。教科書の
山を担いだ学生たち、にぎわうキャンパス、活気のもどった図書館、何も
かもが、夏の雰囲気とは大違い。自然とこちらのやる気も出るというもの
です。思えば、学生を離れてウン年。多くの学生たちに混じって、キャン
パスを歩くだけで、新鮮な気持ちがします。
さて、今期私は2つの英語のコースを取っています。一つがWriting
Workshop、もう一つが Oral communication workshop です。Writing
は 週2回で午前中、Oral の方は、週二回で午後というスケジュールで
す。それに今期は3つのSCPSの授業が入ってきているという形です。
まず、Writing のほうですが、この授業は「スマートなReaderになるこ
と」「Articleをよんで、的確なSummaryとそれに対する自分の意見を述
べられること」ということを大きな目的としています。インストラクターのLin
daは、実にエネルギッシュで、論理的、かつ授業はきっちりオーガナイズ
されている、という実にあっぱれな先生です。このLinda、まだ若いと思
われるのですが、とにかく自信みなぎる女性で、しかも私ら学生のどんな
しけた質問にも丁寧かつ論理的にこたえるという、実に見習うべきことが
多い先生です。
次にクラスメートの構成ですが、総数18名のうちマジョリティは韓国人と
台湾人、日本人は私を含め3名、あとはイスラエルとブラジル、中国と
いったところです。9割がNYUの大学院生でのこりが、学部生、グローバ
ルサティフィケート参加者という感じです。クラスメート18人のうち、16名
が女性。さらにこのクラス、なにげに「お嬢様系」多しです。まあ、ALI自体
授業料が高いことで有名だし、そもそもNYUで勉強できちゃうこと自体、
ある程度お金がないと来れんわな。
しかし、韓国、台湾軍団と日本人留学生を比べると、日本人の方が平
均年齢高い感じです。台湾、韓国勢はおおむね20代前半くらいが多い印
象。つまり、本国の大学を出てすぐこちらにきたとか、そんなイメージ。一
方日本人は、何年か働いてある程度自分でお金をためてから、こちらに
来るという人が多い気がします。国の事情によって、留学のスタイルも
違ってきているとは思うけれど、私個人としてはある程度社会経験を積
んだのちに、学び直すというスタイルの方が得るところが多いような気は
します。もしかしたら、日本の現在の留学スタイルはより、ヨーロッパ的な
「生涯を通じて学び続ける」というスタイルへと変化しているのかも・・・?
なんてね。
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第4回 “SCPS マネジメントコース ”
1.SCPSを受けてみて
セントラルパーク、ジャクリーン・オナ
シス・ケネディ レザボア公園内で一
番大きい池。この周辺はジョギング、
ウォーキングを楽しむニューヨーカー
のお気に入りの場所のひとつ。この
周辺一周で約40分から一時間。天
気のいい秋の日の散歩は最高で
す!
今回の留学に関しつくづく、「慣れは大切」と思いました。新しい生活
に慣れてこそ、ハードな勉強にもざっくり打ち込めるというものです。グ
ローバルサティフィケートのコースでは、通常一期に3つか4つくらいの
授業をとるのですが、これはどうやら一般的に見て、かなりヘビーな量
らしいのです。というのも、授業の登録をするとき、レジストレーションオ
フィスの人がこぞって「うひゃーこんなにとるの?」といった感じのリアク
ションをするのです。
どのグローバル生に聞いても、「窓口でびっくりされた」といってました。
私たちグローバルサティフィケート参加者、かなり無謀なことしてるんで
しょうか?
そりゃ、そうですよね、ネイティブでも大変なのに英語もイマイチ怪しい
外国人が、ざくざく授業をとってくわけですから。ま、しかしこちら、NYの
いいところはいい意味でも悪い意味でも
" I don't care."
他人が何しようが、まったくといっていいほど気にしないのです。
多少英語が怪しくても、Don't mind! 大きな顔して、授業に参加してたら
いいのです。とまあ、えらそうに聞こえますが、私がこの境地に至ったの
は、夏も過ぎ秋の声が聞こえるようになった、9月のころ。つくづく「生活
に慣れる」のは大切だと思いました。これから、このプログラム、または
語学以外を目的とされる留学を目指されるかたは、できれば本格的な
コース開始の最低一月前には渡米し、街の雰囲気、新しい生活に慣れ
ておくと、その後の展開が比較的にスムーズに行くように 思います。な
にせここはNY。同じ大都会の東京と似ているようで、やはり違うのです。
周りを見渡せば赤、黒、黄色、白のバラエティに富む人種の方々、客を
客とも思わないようなスーパーの店員の態度、「スマイル0円」とは無縁
のマクドナルドの店員、突然近づいてきて「メトロカード(こちらの地下鉄
のパス)貸してくれ」言い出すわけのわからんおばちゃん、「オレは日本
人が大好きなんだー」と延々と話かける謎の親父たち、ファーストフード、
カフェなど公衆のトイレはたいていの場合きれいとはいい難いし、地下
鉄は予告なく運行休止するし、東京じゃ、ありえないですよね。
ともあれ、今回の秋学期、授業のとり方としては夏より数段ハードに
なったはずが「慣れ」のおかげで、比較的落ち着いて(いや、開き直っ
て?)授業に打ち込めた気がします。
秋のセントラルパークはほんとに涙
がでるほど、キレイです。京都の紅
葉はまた質感が違うのですが、NY
の紅葉はまさに「サイモンアンドガー
ファンクル」の曲のイメージ。黄色メイ
ンのAutumn leaves に濃い幹の色
のコントラスト。泣けます。(写真上・
下)
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2.マネジメントの授業
NYUキャンパス周辺
の紅葉も負けてはいま
せん。グリニッジビレッ
ジの紅葉もかなりヤバ
イくらいにキレイです。
多くの映画が秋のNY
を舞台にしているのが、
よくわかります。秋の
NY,歩いているだけで、
映画のワンシーンのな
かにいる気分です。
今回私が取った3つのクラスをざっと紹介します。
1)Management principal and practice
これは、NYUのManagement Certificateを取得するためには絶対に取っておかないといけ
ない授業。なので、クラスの人数も多く、約20人くらい。クラスメートの構成は45-50歳くら
い(推定)のIT系だかどこかだかの企業のマネジャーから、最近昇進して「きゃっ、私マネジメ
ントなんてできるのかしら」なんていっている某靴メーカーのおねえちゃん、はっきりいって何
言ってるか聞き取れないオーストラリア訛りの英語でバンバン発言かますCHASE銀行(アメ
リカの大手銀行)のあんちゃん、そして我々謎の日本人学生(日本人はグローバル生2人を
含め4人!いました)。他にもブラジル、ポーランドなど他国出身の方も何人かいてかなりバ
ラエティに富んだ雰囲気です。
そして我々の講師は、NYUのビジネススクールでも教えているらしい、Bruceという先生。が、
しかしヤンキースフリークのこのおじさん、どうみてもブッシュにしかみえない。それはともかく
授業の形態としては、基本的にレクチャー主体。とはいえ、発言もバンバン出てくるのでなか
なかインタラクティブな雰囲気。最初は「すげえー」と思ってましたが、よくよく聞いてみると、ア
メリカ人クラスメートもみんながみんなたいしたこと言ってるわけではないんですが、良くも悪
くも「発言したもの勝ち」、という雰囲気がこちらの授業にはあるような気がします。宿題は、基
本的にテキストの読み込み。これがわりと分量があり、きちんと読み込むのはなかなか時間
がかかりました。
2)Interpersonal communication skill in Organizations
「自分を見つめる旅」と言う感じの授業内容。職場でのマネジメント、対人コミュニュケーショ
ンスキルを高めてゆくには、どうすれば良いのか、そのための第一歩は自分を知ること。とい
うのがこの授業の核になっています。クラスメートの構成は、コーチングを学んでプロのコー
チを目指しているという女性、MTVで勤務しているという女性など、圧倒的に女性比率が高
いです。
Interpersonal communication skillというだけあって、毎回の授業でグループディスカッショ
ン、ケーススタディに基づくロールプレイなどが取り入れられていました。中でも印象的だった
のが、以下のケースに基づくロールプレイ。
「A社に長年勤務、仕事上の実績も上げており、同僚との関係も良好であるB氏。彼の前に突
然MBAを保持する新人が入社し、彼と同じセクションで働くことになったが、その新人、経験
も実績もB氏より劣っているにもかかわらず、給料は彼よりはるかに上。
なぜなら彼はMBAを保持しているから。B氏は給料の値上げと、アンフェアな給与システムに
ついて、彼の上司と交渉をする。」
このケースに関し、クラスのメンバーはBoss側とB氏側に別れ、交渉開始。
私はB氏側に立ち、Bossと会社のアンフェアな対応と給与見直しについて、交渉を試みまし
た。
ロールプレイとはいえ、かなり実際的な議論が展開され、アメリカ人の交渉術の一端を経験
できた大変興味深いセッションでした。
3)Develop your interpersonal management style
上述のInterpersonal communication skill と同じくコミュニケーション系の授業。ただこちら
は、現在Manager のポジションにある人、近々Managerのポジションにつく、という人にフォ
ーカスしたもので、上述の授業よりさらに実際的、というかHOW TO 的な授業内容というイメ
ージです。
インストラクターのFlo先生は、企業向けにコーチング、トレーニングなどのサービスを提供
する会社を経営しています。大変朗らか、かつ物腰の柔らかい人で、スナックを振舞ったり、
ゲームをしたりと、クラスの雰囲気を和やかにしようといろいろ気を使ってくれました。授業ス
タイルは、大変インタラクティブで、積極的な参加が要求されました。初日から、グループに別
れ、Case studyに関するディスカッションやロールプレイなどが授業の半分以上を占めます。
例えば、自分、そして自分のボスや同僚のManagement style,
およびLeadership Styleを分析し、「支配的」なボスや相手に対し、どういう対応を試みるか、
といったロールプレイなどを行いました。面白いのが、その際、各クラスメートが自分のボス、
同僚のコミュニュケーションスタイルについて語りだし、自然と職場での実体験をクラスでシェ
アできたことです。こうしたニューヨークのビジネスパーソンのナマの経験をシェアできる、こ
れもSCPSで学んでこそかな、と思いました。
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第6回 ニューヨークで会った人たち
数年分の出会いを経験
「いやー寒いですねー」ということで、このレポートを書いている現在、外の気温はマイナス20度である。刺
すような寒さ、とはまさにこのこと。私がかつて経験したことのないかなりやばい本気系寒さ。しばらくこの寒
さが続くらしい。暖冬のニューヨークにも 1月半ばにしてついに本格的寒波到来、だろうか。
思えば、ニューヨーク上陸が5月はじめ。まだ春の終わりであった。そして雨の多かった夏、Best of season
秋、そして今や冬。早いもので私の9ヶ月間に渡るニューヨーク留学生活もそろそろ終了に近づいてきた。
「この留学で何を得たか?」
こんなベタな質問にひとつ答えるとすれば、それは「人との出会い」。
ベタベタな答えだが「人との出会い」、これは大きい。ニューヨークに来てからたかだが、9ヶ月。所詮一年に
も満たない。しかしこの間数年分の出会いを経験した気がする。
例えば ALIでのクラスメートだったNelson。彼は、中国系ペルー人の移民であり、アメリカに来てすでに30
年以上。見た目は中尾彬そっくりの親しみの持てる彼は、当時、ニューヨークでの新しい適応に苦労してい
た私に、スペイン語なまりのきつい英語で自分の若いころの苦労話を交え、よく励ましてもらった。将来は、
貿易関係の仕事をはじめ成功したいというのが彼のゴール。
トルコはイスタンブールから来た Nihael は、映画プロデューサーを目指し、長年にわたる広告代理店の職
を捨てニューヨークにやって来た。ベジタリアンのくせにヘビースモーカーの彼女のお気に入りの監督は日
本の「小津安二郎」。
一番の仲良し、台湾人の Sandy は日本のホテルで働く日を夢見て、NYU大学院で現在必死にホテルマネ
ジメントを勉強中。彼女のお母さんは、娘たちに最高の教育を与えたい、と彼女たちが小さいことから定期
的にお金を積み立てていたらしい。「おかあさんはじぶんには、けちです。でも私とお姉さんには、すごくお
金をつかう。だから私の夢は、はたらいておかあさんにすきなだけいろんなものを買ってほしい。」
台湾でおぼえたという日本語でお母さんのことを、語るときの Sandyの声が今でも印象的である。
雪のセントラルパーク。零下のニューヨークは本当に寒い。でも雪のセントラルパークは極寒の中でもやっ
ぱり素敵です。
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日本人留学生との出会い
日本人にもいい友達がたくさんできた。以前にもこのレポートで書いたと思うが NYUに来ている日本人留学生は、
台湾人、韓国人留学生に比べ大人、である。ほとんどの日本人学生が、なんらかの社会人経験を持ち、自分の意
志で仕事をやめてこちらに学びに来ている。
Oral Communication のクラスで一緒のKoji さんは、もともとは大手の銀行マン。現在は大学院で不動産を学ん
でいる彼は常に笑顔を絶やさない。英語も決して流暢とはいえないが、彼のユーモアと笑顔でクラスの人気者であ
った。グローバルサティフィケートプログラム参加者の方とも随分仲良くさせてもらった。
ここで出会った、日本人の友人に共通することだが、とにかくコミュニュケーション力が高い。私もそうだが、英語で
外国人とコミュニュケーションをとる際、どうしても英語力の乏しさに気後れして、引っ込み思案になりがちなのが、
日本人。しかし彼らはつたない英語でもどんどん人とコミュニュケーションをはかる。そんな彼らのコミュニュケーシ
ョンスタイルは、同じ日本人として大いに刺激になった。
ALIのクラスメートたち。台湾、韓国、日本、イタリア、ロシア、トルコか
ら集まったインターナショナルな仲間たちです。
グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
”Soup Kitchen”
学校外にもいい出会いがあった。
ルームメイトのエドウィンは、家族を故国エクアドルに残しての単身赴任。家族を呼び寄せたいが、911以来、
immigrationには規制が多く、なかなかに厳しいらしい。日本で働いていた経験もあり、現在も日系企業につとめている彼
は、筋金入りの親日家。ある時、セントラルパークでウォーキングをしながら、彼は自分の経験した物語をいろいろ語って
くれたことがある。8歳で家を出、働き始めたという彼は今まで相当な苦労を重ねてきたらしい。今も家族と離れ離れで、
心底さみしいはずがそれでも常に私を励ますことを忘れない。
ボランティアに参加した際、出会った人々も忘れられない。ニューヨークでいくつかのボランティア活動に参加したが、一
番印象的なのがホームレスや食べ物に困っている人たちへの炊き出しボランティア、いわゆる「 Soup Kitchen」。
週末のイーストビレッジの教会に、暖かい食事と人とのふれあいを求めて、つぎつぎと人が詰め掛ける。思った以上に中
国系の、しかも高齢者が多くやってきた。彼らは私を中国人だと思い必死になって、中国語で話しかけてくる。英語はまっ
たく通じない。別れ際に「謝謝」と私の手をにぎって離さないおばあさん。がさがさのその手には、深い物語がしっかりと握
られていた。 FancyでCoolなレストラン、バーの立ち並ぶ街ニューヨーク。その背後に飢えに苦しむ人々もまた多くいる。
お金では買えないもの
さまざまな物語を持つ、さまざまな顔をした人々との出会い。それこそまさにこの留学で得た、一番の宝だと思っている。
「他者は自己を映す鏡」というが、私の場合まさにその言葉通り他者を通じ、そこから多くを学んだ。
帰国を前にしたある友人が言った言葉が今でもわすれられない。
「ミュージカルやオペラは金を出せば、観られる。でも人との出会いは、金では買えないからね。」
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第5回 「いいかげんな」街New York
"New York state of mine"
Billy Joel の 代表曲の中に "New York state of mine"という曲がある。
個人的には、女性Jazzボーカリスト、Carmen Macrayがカバーしたバージョンが
好きだが、なにはともあれこの曲の趣旨は「広いアメリカ、いろいろ素敵な
ところはたくさんあるけど、ニューヨークがやっぱり一番いいよねー」
というもの。つまりは”I love New York.”
この「グローバルサティフィケート・プログラム」のウリのひとつが
「世界の中心、NYで学べる!」ということ。確かに「バッファローでビジネス
を学ぼう!」では、ちょっと気分も「萌え」ない。「ニューヨーク」、という
名前自体が1世紀前からすでにブランド。「ニューヨークで勉強中のワタシ」
「ニューヨークでバリバリ活躍するボク」といううたい文句は、
世界共通かのごとく世界中から人がやってくる。
しかし、このニューヨーク、住むには本当にいいところなのか。
デメリットをあげる。
まずは、地下鉄。一頃に比べ遥かにマシになったとはいえ、それでも不都合は
多い。まずよく止まる。一分でも遅れれば、「ごめんなさい」とあやまる
ニューヨークの冬の名物詩、 新幹線とは雲泥の差である。そして週末、深夜は線にもよるが、全体的に
極端に本数が減る。もちろん時刻表はない。
ロックフェラーセンターのス
それから、アパート。家賃の高さは体感でいえば東京都心以上に感じる。
ケート場。リンクの前には順 ゆえに、NYの人々の多くは、恋人でも家族でも親友でもない赤の他人と
番待ちの人たちでいつも長 ルームシェアをしている。日本では、まったく考えられないが異性の
ルームメイトを持つことも、ごくごく普通のことである。国籍が違うこともあたりまえ。
い列ができてます。
お金のためと我慢しつつもそこはそれ、人間同士。当然のことながら、ルームシェアにまつ
わるトラブルも多い。こちらの英語のテキストによく出てくる例文にも「私のルームメイトった
ら、いっつも汚い食器をシンクにためて洗わないの!」なんて いうルームメイトネタは多い。
(ちなみにこれは以前のルームメイトのイタリアギャルも皿を洗わない子だったなあ・・)
ニューヨークでは、ルームメイトとのトラブルを茶化したコメディも多い。
誰だって、好き好んでルームシェアをしているわけではない。ただの妥協である。
高いのは家賃だけではない。
物価は平均しておしなべて高い。たとえば、レストラン。日本に比べると、一皿あたりの量が
多いので一見すると割安に思えるかもしれない。
が、ここはニューヨーク。チップをはらわにゃいかん。ということで、Taxプラス
チップと計算していくと、元の値段のほぼ2割増しくらいになり、結果としては結構高くつく。
しかも、安くても高クオリティの料理がありつける日本と違い、こちらニューヨークはコストと
質は正比例。つまり安いものは味も「安い」。
ニューヨーク、うまいものはたくさんある。そう、お金を払えば・・
「高い」といえば、普通のファーストフード店やデリでの買い物もあまり安くは
ない。例えば、日本のガイドブックでも紹介されている某ベーグル店のベーグル
セントラルパークでいちばん サンドイッチ。定番のクリームチーズにスモークサーモン、プラスコーヒーで
大きいジャックケネディオナシ約5ドル。つまり500円ちょいする。日本で500円出せば、栄養バランスの取れた
スレザボアにて。ニューヨー うまいお弁当、または定食にありつけることもできる。一方ベーグルサンドは
どうか。所詮は炭水化物と脂肪、ナトリウムの塊である。しかも安くない。
カーたちにとっては格好の スタバのレギュラーコーヒーはトールサイズで税込み1ドル79セント、ラテは
ジョギング、ウォーキングコー 税込みほぼ4ドル近く。収入のない学生にはスタバのラテすら、高値の花に
ス。わたしもよくこの池の周り 思える始末・・・
以上は一例だが、一般的に見て私が感じたNYのデメリット、それは
でエクササイズしてました。 「インフラの弱さ」と「物価の高さ」。
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では、よい点は?
これなんだかわかりますか?
実はこれ、有名百貨店サック
スフィフスアベニューのクリス
マスイルミネーション。クリスマ
スのNYは素敵なイルミネー
ションで街中きらきら。
おなじくクリスマスイルミ
ネーション。向こうに見える
クリスマスツリーは有名な
ロックフェラーセンターのツ
リーです。
第一に車を使わずとも、全く困らないこと。問題はあるとはいえ、地下鉄など
公共交通機関が充実しているし、歩いたところでこのニューヨーク、全く問題ない。
かなりコンパクトサイズの街なのである。結果的によく歩く。ゆえにこちらに来て
この方、おかげさまで日本にいたときと同じ体型をキープしている。
エンターテイメントの充実度はいうまでもない。これは、なかなか重要。というのも
慣れない海外暮らし、へこむことも多い中、「景気付けにミュージカルでも行くか」
なんて芸当がこの街だと気軽にできる。学割がきくのも嬉しいところ。
モノにもよるが、大体25ドルから35ドルくらいで一流のブロードウェイ
ミュージカル、リンカーンセンターのオペラが堪能できる。
かくいう私も、頭が疲れた際、緊急治療としてメトロポリタンオペラを聞きにいった。
演目は“King of アルファ波”、モーツアルトの「魔笛」。勉強のしすぎ(?)で
機能しなくなった脳みそに穏やかに作用する名作であった。しめて25ドル。
日本円、約2600円ほどで一流オペラ。Fabulousである。
「いやーラッキー」という場面にもこちらでよく遭遇した。印象的だったことは、
9月あたまで終了したミュージカル「アイーダ」の千秋楽の舞台をタダで観られたこと。
しかもオーケストラ席センターブロック。楽屋や舞台裏も観てまわることができた。
千秋楽ということで外には「チケット売ってください」と札まで下げている人、
ダフ屋さまざまなチケット争奪戦が繰り広げられている中、タダで悠々会場に入るの
は
なかなか気分のいいものである。しかし、なぜ私がタダで入れたか。
それは劇場の案内係りのお兄さんに気に入られたらしく、そのお兄さんが融通
してくれたのである。案内係の人にそんな権限があるとはまったく思えんが、
このいいかげんさ、ニューヨークの面白いところである。
これ以外にもこちらにきて以来、その辺の人たちによくおごられたり、
おまけをしてもらったり、という小さな「ラッキー」によく出会った。まあ、それは
もしかして単にそれは私が「日本人女性」、だったからかもしれないが・・。この街で
「日本人女性」は、「京都の豆腐」と同じ意味でブランドである。「日本人女性だから」
ということでちやほやされる現実が確かにこの街にはある。ただ本当の意味で 日本
人女性がもてる、というのは全くの幻想だと思うが・・・
ともあれ、以上のことを含め、ニューヨークの非常によい点をひとつあげるとすれば、
一言、「いいかげんなこと」。
この「いいかげんさ」、悪いほうに作用すると、前述のインフラの弱さ、日常生活で
遭遇するさまざまな不便さへとつながる。しかしいいほうに解釈すると、みんな
それぞれ適当にいいかげん。言い換えれば、一人一人が「好き勝手に生きられる
街」ということ。ピンクのミニスカートで闊歩する70歳代と思しき女性、
街中でブチュッとキスを交わすゲイのカップル、ぱりっとしたビジネススーツに
ビーチサンダルで通勤するキャリアウーマン。街中を見渡せば見渡すほど、日本で
はありえない光景に遭遇する。しかしみんな他人にはDon't care. 気にしないので
ある。
もちろんこの国には日本以上に深い深い矛盾と問題をはらんでいる。
ただ少なくとも、私個人のことでいえば、日本にいたときより精神的により自由で
いられる、そんな気はする。同時にしんどくもあるけど。
私自身、もっと「良いかげん」に生きていけたら、きっともっと人生楽しくなるだろうな。
わが道を行く、といわんばかりに街を闊歩するニューヨーカーを眺めつつ、
つくづくそんなことを思う今日この頃である。
グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
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