Ⅰ 本校のスーパーグローバルハイスクール事業について

Ⅰ 本校のスーパーグローバルハイスクール事業について
本校は、文部科学省により、
「ス
ーパーグローバルハイスクール」
(平成26~30年度)に指定さ
れた。以下にその概要を記す。
1 「スーパーグローバルハイスクール」とは
スーパーグローバルハイスクール(以下、SGH)の目的は、
「急速にグローバル化が加速する現状を踏まえ、社会課題に対
する関心と深い教養に加え、コミュニケーション能力、問題解決
力等の国際的素養を身に付け、将来、国際的に活躍できるグロー
バル・リーダーを高等学校段階から育成する。
」というものであ
る。また、事業概要としては、
「国際化を進める国内の大学を中
心に、企業、国際機関等と連携を図り、グローバルな社会課題を
発見・解決できる人材や、グローバルなビジネスで活躍できる人
材の育成に取り組む高等学校等を「スーパーグローバルハイス
クール(SGH)
」に指定し、質の高いカリキュラムの開発・実
践やその体制整備を進める。
」というものである。
3 旭丘高校SGH事業の具体的取組
(1)海外でのフィールドワークを含む課題研究に取り組み、国際
2 旭丘高校SGH事業の構想
性豊かなグローバル・リーダーを育成する
課題研究のテーマ
旭丘高校のテーマ
「共生と調和のグローバル時代を目指して
「日本再興戦略を支える若手グローバル・リーダーの
-アジアから世界へ-」
育成を目指して」
~日本のリーダーから世界のリーダーへ~
グローバル化にともなう様々な問題を解決する方法を研究す
るため、最も近い外国である韓国について文化、歴史、政治、経
本校では、全人格的完成教育(全人教育)のもと、これまでに
済、社会など日本との共通点・相違点について研究し、実際に韓
多くのグローバル・リーダーとよばれる人材を輩出してきた。
国を訪れ、現地で高校生同士が解決に向けての議論を行った。
さらに、文部科学省より研究指定を受けた「国際バカロレアの
具体的な活動は以下の通りであった。
趣旨を踏まえた教育の推進に関する調査研究」
(平成24~26
・外国人留学生を招いてのゼミ
年度)で開発した国際水準の批判的思考力・プレゼンテーショ
韓国人留学生を招いて、日本と韓国に関するゼミ形式で
ン能力・論文作成能力などを高めるためのカリキュラムを積極
の学習を行った。
的に導入することで、世界で活躍するための基礎的な教養を高
・研究者による講演会
めさせる取組を行っている。その上で、
「県立学校アクティブチ
ャレンジ事業」
(愛知県教育委員会指定、平成23~25年度)
課題研究に関連した分野の研究者を招き定期的に講演
会を実施した。
で行ってきた課題研究を、海外展開することで国際感覚豊かな
・国内外でのフィールドワーク
グローバル・リーダーの育成を目指す。
課題研究に関しては、選抜された生徒のみの取組であるが、
課題研究の内容をより深めるために、国内外でフィー
ルドワークを実施した。
全校生徒に対しては海外での研究実績の豊富な研究者を招き、
国内;大阪(1泊2日)国立民族学博物館・大阪人権博物
グローバル化を意識した講演会を行うことをはじめ、名古屋大
館・コリアタウンなど
学や南山大学等から外国人留学生を定期的に招き、英語による
東京(1泊2日)アジア経済研究所・ソニー・パナ
コミュニケーションが行える機会を設定し、校内環境のグロー
ソニック・リコー・日立・JSR など CSR(企業
バル化を図っている。
の社会的責任)活動に積極的な企業
- 1 ー
海外;韓国(4泊5日)国立中央博物館・景福宮・宗廟・サム
名古屋大学・南山大学との連携により、海外からの留学生を定
スンディライトなどの施設訪問、ソウル市内にお
期的に招き、
「グローバル」な話題について英語で語り合う「グ
ける高陽国際高校(韓国)生徒とのフィールドワ
ローバル・カフェ」を開催した。これにより、英語使用の機会を
ークと意見交換会(写真1)
増加させるとともに、校内環境の日常的なグローバル化を図っ
た。海外の大学の現状などを知ることができ、海外進学や留学
を考える機会にもなった。
(4)名古屋国際センター(NIC)との連携による国際交流LT
HRをグローバル化する
名古屋国際センターと連携し、NIC地球市民教室を全クラ
スで実施した。様々な国の人々とふれあうことにより、国際理解、
多文化共生とは何かを学んだ。
「高山サマーセミナー」
(東海 地
(5)
旭丘高校林間学舎を利用した
写真1;高陽国際高校との意見交換会の様子
区SGH校ミーティング)を実施する(平成27年度より実施
予定)
・全校生徒による討論会
本校の林間学舎(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷)で、東海地区の
鯱光祭(学校祭)において、全校生徒による討論会を実施
SGH校の生徒が集いお互いをブラッシュアップさせるサマー
した(写真2)
。
セミナーを実施する。科学技術の最先端、企業経営、環境問題、
伝統芸能など多方面で活躍されている方を招いてのセミナー、
外国人留学生との交流、SGH校の生徒同士の交流など盛りだ
くさんの内容を企画中である。
(6)世界の頂点へ! 「TOP of TOPS」プロジェクト
SGH事業において顕著な業績を修めた生徒を、海外の著名な
大学や研究機関に派遣し、高校時代から世界の頂点を体験させ
ることで、若手グローバル・リーダーの育成を目指すものであり、
夏休み期間中に2週間程度、ケンブリッジ大学において探究活
動・語学研修などを実施するよう準備している。
写真2;討論会の様子
(服部 俊之)
・論文作成および研究発表会
課題研究の成果を論文にまとめ、研究発表会を実施する。
(2)国際バカロレアの趣旨を踏まえたカリキュラムの導入により、
グローバル・リーダーに不可欠な幅広い「教養」を獲得する
本校の伝統である「全人格的完成教育」に、国際バカロレアの
DP(ディプロマプログラム)におけるTOK(Teory of
knowledge)の手法を導入し、国際舞台で不可欠な思考力・分析
力・読解力・表現力、コミュニケーション能力・ディスカッショ
ン能力・プレゼンテーション能力などを伸ばし、幅広い「教養」
を身につけさせる。
使用教材は、ケンブリッジ出版のTOK教科書(英文)を中心
に、国内外のニュースやコラムなど様々な資料を使用している。
(3)外国人留学生を招いた「グローバル・カフェ」を実施し、校
内環境をグローバル化する
- 2 ー
写真3;ケンブリッジ大学の様子