過去の地域推進計画ガイドライン等のレビュー [PDF 131KB]

資料3-1
過去の地域推進計画ガイドライン等のレビュー
1.ガイドラインからマニュアルまでの背景
2-1.ガイドライン等の内容の変遷(1/3)
2-2.ガイドライン等の内容の変遷(2/3)
2-3.ガイドライン等の内容の変遷(3/3)
※区域全体の温室効果ガスの排出抑制のための計画は、か
つて「地球温暖化対策地域推進計画」の名を用いていましたが、
平成20年6月の温対法改正を機に「地球温暖化対策地方公共
団体実行計画」とされています。
1.ガイドラインからマニュアルまでの背景
年
国内外の主な動き
1990年
地球温暖化防止行動計画 策定
(平成2年)
地球環境保全に関する関係閣僚会議において策定。温暖化対策を計画的・総合的に推進していく
ための政府方針と今後取り組むべき対策の全体像を明確化。
1992年
気候変動に関する国際連合枠組条約 採択
(平成4年)
92年5月採択、94年3月発行。日本は93年5月に締結。
1997年
京都議定書 採択
(平成9年)
97年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)で採択。いわゆる先
進国が6つの温室効果ガスを削減する数値目標と目標達成期間が合意された。
1998年
地球温暖化対策推進法 制定
(平成10年)
地球温暖化対策の基本方針、各主体の責務、国・地方公共団体の自ら出す温室効果ガスの排出
抑制等のための実行計画等について規定。
2002年
京都議定書 締結 ・ 地球温暖化対策推進法 改正
(平成14年)
地球温暖化対策推進法を京都議定書の国内担保法として位置づけ。国による京都議定書目標達
成計画の策定や地方公共団体による地域推進計画の策定について規定。
2005年
京都議定書 発効(法的拘束力の発生)
(平成17年)
2003(平成15)年6月同
(第2版)に改定
2007(平成19)年3月同
(第3版)に改定
京都議定書目標達成計画の閣議決定
地方公共団体に期待される事項を明記
地球温暖化対策推進法 改正
温室効果ガスを一定量以上排出する者に対し、「温室効果ガスの算定・報告・公表制度」を導入。
2006年
地球温暖化対策推進法 改正
(平成18年)
京都メカニズムの活用に関する基本的事項(算定割当量の管理等)について規定。
2008年
地球温暖化対策推進法 改正
(平成20年)
都道府県、指定都市、中核市、特例市に対し、「地方公共団体実行計画」の中で「地域の自然的社
会的条件に応じた施策」について盛り込むこと(いわゆる「区域施策編」の策定)を義務化。
2010年
地球温暖化対策基本法案 提出
(平成22年)
1993(平成5)年8月「地
球温暖化対策地域推
進計画策定ガイドライ
ン」(第1版)を策定
2009(平成21)年6月
「地球温暖化対策地方
公共団体実行計画(区
域施策編)策定マニュ
アル」(第1版)を策定
2010(平成22)年8月同
(第1版)簡易版を策定
1
2.ガイドライン等の内容の変遷(1/3)
マニュアル等
平成5年8月「地球
温暖化対策地域推
進計画策定ガイドラ
イン」(第1版)を策
定
平成15年6月同(第
2版)に改定
背景・目的
改定内容
平成2年に決定された
「地球温暖化防止行動計
画」を踏まえ、地方公共
団体において地球温暖
化対策の実施に関する
包括的な計画(マスター
プラン)を策定するに当っ
ての指針として策定。
【対 象】都道府県・政令指定都市が先導的役割を果たすことを期待。また、二酸
化炭素を主な対象とした(メタン等他の温室効果ガスは、可能な範囲内で適宜対象
に加える)。
【現況推計】エネルギー転換、産業、民生、運輸、廃棄物、石灰石の6部門について、
既存の統計資料に基づくエネルギー消費量をマトリクス形式で整理する手法を提示。
統計資料ごとの整合(年で集計・年度で集計など)や購入電力の扱い(エネ転部門に
入れるか、需要側に転嫁するか)、鉄道・船舶等の配分方法などの課題についても
記述。
【目標設定】設定例として、対策の事業量や普及水準を目標とすることを提示。また、
国の目標を地域の目標として活用する場合については、そもそもの設定方法の違い
や、国の各施策を地域ごとに配分することの困難さなどの留意点を示した。
【対策・施策】地域冷暖房や太陽エネルギー利用、電気自動車、リサイクルなどの10
項目の対策技術の事例について、成立要件や導入効果、関連法令などの項目に
沿って整理した。
【体制・管理】計画の策定、推進、フォローアップなどの協議・調整のための、計画地
域内の市町村や学識経験者、民間事業者や市民団体などで構成される体制につい
て記述。
平成14年の「地球温暖
化の推進に関する法律」
の改正により地域推進
計画策定が法的に位置
づけられた。
具体的には、温対法20
条“都道府県及び市町村
は、京都議定書目標達
成計画を勘案し、その区
域の自然的社会的条件
に応じて、温室効果ガス
の排出の抑制等のため
の総合的かつ計画的な
施策を策定し、及び実施
するように努めるものと
する。”となった。
【対 象】都道府県・政令指定都市による地域推進計画策定に資するものとする。
対象となる温室効果ガスは、部門ごとに整理されているが、二酸化炭素、メタン、一
酸化二窒素、HFC等3ガスなどが記述されている。
【現況推計】エネルギー転換、産業、民生、運輸(自動車)、廃棄物の5部門で整理。
既存の統計データに基づいた現況推計では推計結果を基に施策の評価がしづらい
問題を受け、アンケート等の調査に基づく算定方法も記述した。
【目標設定】総量目標、部門別総量目標、原単位目標、及び主体別の総量目標につ
いて例示した。
【対策・施策】部門別に対策及び施策を例示した。
【体制・管理】対策・施策に対応する形で、評価方法について記述。地球温暖化対策
推進法に基づく、地方公共団体や地球温暖化防止活動推進員、事業者、住民等が
構成員となり、温室効果ガスの排出の抑制に関して協議をする場として「地球温暖化
対策地域協議会」の設置について記載した。
2
2.ガイドライン等の内容の変遷(2/3)
マニュアル等
背景・目的
平成19年3月同(第
3版)に改定
平成17年4月の「京都議
定書目標達成計画」が閣
議決定で、“国、地方公
共団体、事業者及び国
民の基本的な役割”が定
められ、温暖化対策を推
進するにあたり地方公共
団体に期待される事項
が明記された。
【対 象】第2版が都道府県・政令都市向けとされていたこともあり、計画策定に大
きな負荷が発生した状況を受けて、現状把握及び将来推計の手続きを簡素化するこ
とで、中小規模の市区町村もターゲットに入れた。対象となる温室効果ガスは、改訂
前と変わらず、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC等3ガスである。
【現況推計】現況推計に過度な労力をかけることがないよう、統計資料の活用や、現
在の按分法の元ともいえる、市町村別ガイドライン(資源エネルギー庁)に準拠した
算定方法を記載。また、要因分析の考え方についても整理した。エネルギー転換部
門は対象外となり、森林吸収源の記述が追加。
【目標設定】総量目標、部門別目標、原単位目標、及び事業量目標について用途及
び地方公共団体の規模別適性を整理した。
【対策・施策】部門別に、運用改善、機器導入、エネルギーの質の改善に分類し、対
策・施策の事例を整理した。
【体制・管理】地域の協議会の運営事例を記載。さらに、(Plan)検討会の設置や住
民からの意見聴取、(Do)予算措置のための検討、(Check)モニタリングや自己評
価・第三者評価、(Action)予算措置や計画へのフィードバックについて、都道府県・
市区町村ごとにスケジュールイメージを記載。
平成20年6月の「地球温
暖化対策の推進に関す
る法律」改正で、都道府
県と指定都市、中核市、
特例市に対し「地方公共
団体実行計画」の中での
“地域の自然的社会的条
件に応じた施策”につい
て盛り込むことが義務化
された。
【対 象】基本的には全ての地方公共団体が対象。ただし、実行計画策定の義務を
負う都道府県、指定都市、中核市、特例市に照準。対象となる温室効果ガスは、地
域推進計画の時と変わらず、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC等3ガスであ
る。
【現況推計】運輸部門で、鉄道・船舶・航空が復活。部門ごとに案分法・積上法など
の複数の推計手法を提示した。
【目標設定】短期(2012年まで)・中期(2020~2030年)・長期目標(2050年)の設定
と、長期目標とBAUに基づく中期目標の設定の考え方について記載した。
【対策・施策】温対法の義務的記載事項4項目ごとに、取組の意義と対策・施策例を
提示した。
【体制・管理】推進体制としての地方公共団体実行計画協議会の役割や、構成員で
ある地球温暖化対策防止活動推進員及び地域地球温暖化防止活動推進センター
の役割、地球温暖化対策地域協議会の役割について整理した、改定前同様に、
PDCAサイクルの考え方を記載し、さらに進捗管理のために対策効果指標を例示し
た。
平成21年6月「地球
温暖化対策地方公
共団体実行計画
(区域施策編)策定
マニュアル」(第1
版)を策定
改定内容
3
2.ガイドライン等の内容の変遷(3/3)
マニュアル等
平成22年8月同(第
1版)簡易版を策定
背景・目的
実行計画(区域施策編)
策定が努力義務となる市
区町村で策定自体が大
きな負荷となる場合を想
定して作成された。
改定内容
【対 象】実行計画策定の努力義務が課せられる(特例市未満の)市区町村。温室
効果ガスはCO2のみ。
【現況推計】排出量推計方法には比較的簡易である按分法を採用。合わせて、部門
別CO2排出量を算定するための支援ツールとして「部門別CO2排出量計算シート」
を作成してWebサイトで公開。
【目標設定】政府の目標等を踏まえて総排出目標量を設定する方法を記載。(本体
マニュアルには地域独自の試算に基づく設定とあり)
【対策・施策】温対法の義務的記載事項4項目ごとに対策例と、費用・効果の計算方
法の例を記載
【体制・管理】特に記載なし。
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