第27号 第27号 アラック21 アラック21 春 め いて き ま し た。 積雪量 が多 く今 年の農 作 業 は、 ま ず 雪 切り から 始 ま る よ うな もの 培地の役割 今 年は 3 月も 彼 岸 過ぎ に な っ て よ う やく で す が、 雪の下 からや っと 顔を 覗かせた土 を見る につけ 、改め て作 物の根が生育する 培地に ついて 考えさ せられま す。 昨 年 の 3 月 発 行の 本 紙 第 1 5 号 で 土壌 が、水と養分は一般には 根を通して培地から吸収 されます。 培地が土である場合、 物が利用できる水は土 粒子に吸着保持され、 分は無機物や有機物の で土壌中に存在してい す。有機物の養分の大 分はそのままでは作物 吸収されないので、化 作 壌 養 形 ま 部 に 作物が生育していくた めには、光、温度、空気、 水、養分などが必要です 平成17年3月25日 平成17年3月25日 発行 発行 分 析がも たら す 成果に つ いて 特集 し ま し た て培地は養水分の蓄積機能と 作物の要求に応じて供給する 機能を併せ持っています。 また、作物の根は地上部を 支え、養水分を吸収するもの ですから、根が健康でなけれ ば作物は充分に生育できませ ん。適当な地温や、根の呼吸 に必要な酸素の存在、根に対 する有害因子のないことなど は、根の 生育にとっ て必要な条件 です。 培地はこ れらの条件を 作り出し、 根の保 護をする役割を一方で担っています。 学的な作用や微生物の働きに よって分解されて利用できる 形に作りかえられ、さらに水 に溶けて根から吸収されるこ とになります。このようにし が 作物 にとっ て良好 であ る とされ てい ます。 しか し これは 培土の 種類 によ っ て大き く異な ります 。 し かも液 相と気 相は灌 水 な どの環 境状件 によっ て 変動 します 。培 土が土 壌 粒子 間に充 分な水 分を 保 持し 、同時 に作物 の根に 必要 な酸素 が十分 に供給 でき るよう に配列 されて いる場 合、そ の培 土の物 理性は 良好で あると いえ ます。 このよ うな物 理性 の良い 培土で は団粒 構造 部 分 ( 液 相 )、 空 気 の 部 分(気 相) があり 、これ を三相 分布と いい ます。 一般に は固相 %、 液相 % 、気 相 %( 容 積 で ) か、その役割や物理性、化学性について 考察し て みたいと 思います 。 培 土は黒くな っているの が多いのです が 、これは腐 植というも のが多く蓄積 し て いるからです 。腐植は動 物や微生物の 排泄 物や遺体な どが分解さ れて生成され ます が、これは 培土の肥沃 度に関係して います 。つまり、 培地の中の 有機物(腐 植)に は作物の栄 養源、生育 効果、団粒 化促進 機能、さら には培土中の 微生物に 対する栄養源などの機能があります。 ②培土の三相分布 培 土 に は 固 体 の 部 分 ( 固 相 )、 液 体 の ①培土の有機物生物 培土の物理性 が 、 そも そ も 作物 に と っ て 培 地 と は 何な の 30 40 が 発達 してい ます。 団粒 構 造とは 土壌粒 子が 集合 して 固まりにな った状態を 言いますが、 一般 に1~5㎜ の団粒が作 物にとって好 まし いといわれ ています。 このように土 中の三 相分布は培 土の性質を 根本的に支 配し、 植物の生育 に重要な意 味を持って います。 ③培土の中の水分 土壌に含 まれる水は 、その土壌と の結 合力の違 いで次㌻の 表のように分 類され ます。培土 の中の水分 の全部が作 物に利 30 pF 吸 着 水( 無 効 水 ) 土 壌 中 に 強 く 結 合 し て 結 合 力 が 強 い た め 植 物 は 利 用 で き な い 。 pF 10 大量に投 入すると還 元化して作 物の生育 を著しく 阻害します 。土壌の酸化 還元状 態の指標と して酸化還 元電位(O RP) があります 。ORP値 が大きければ (2 00mV以 上)酸化の 状態、小さけ れば なげやでトマトを買いました。まっ赤な綺 麗なトマトに惹かれて買いましたら、とて もおいしいのと生産地が青森津軽の木造町 しかも亀ヶ岡とあって思わずお便りしまし た。数年前に太宰 治の「津軽」をたどっ 古館に立ち寄り、木造の町も少し歩きまし たので懐かしかったのです。遙か遠くから 驚きました。おいしい物をありがとうござ いました。 東京都立川市 福田 濱子様 ( 100mV 以下)では 還元状態です 。 励みのことと存じます。昨日、スーパーい 培土の化学性 Mg 用される ものではあ りません。 作物が利 用できる 毛管水を増 やすことが重 要で、 このことは培土の物理性改良 の目的の一つであり、具体的 には土壌団粒構造を増加させ pF 2.7 ①陽イオン置換容量(CEC) 培土の養分 は粘土鉱物 や腐植からなる 土壌コロイ ドにイオン 交換によって 保持 されます。 これは土壌 コロイドの表 面が マ イナスに帯 電されてお り、これに陽 イ オ ンの や 、Kなどが 結びつくため で す 。この陽イ オンを最大 保持できる量 を 陽イ オン交換容 量(CEC )といい、土 壌 1 0 0 g 当 た り の ミ リ グ ラ ム 当 量( ) で表 します。通 常の培土で は ~ で あり、 粘質培土で は大きく、 砂質培土で は小さ くなります 。ちなみに 有機物が多 いとCEC値は大きくなります。 ②リン酸吸収係数 土壌によ る陰イオンの 吸収はリン酸 以 外ではほ とんどありま せんが、リ ン酸は 速やかに土 壌に固定さ れ、作物にと って 不加給化し てしまいま す。土壌 が 5以 下の場合、 鉄やアルミニ ウムと結合 し、 消費者の声 お暑うございます。お忙しく野菜作りにお 今号 は土壌につ いての 用語解説の ようになっ てしま いましたが、作物 の根が生育する環 境として培土の善 し悪しは栽培の上 で極めて重要です 。 耕起や灌水の仕 方一つひとつに注 意深く観察する目 が必要です。 今は新鮮野菜がこちらまで来ているのにも 0172-73-2451 0172-73-3205 [email protected] http://arrack21.sakura.ne.jp/ arrackindex.htm TEL FAX mail URL て旅をしました。その折り亀ヶ岡遺跡の考 発 行 : ア ラック21事務局 〒 038-3661 青森県北津軽郡板柳町福野田 字実田 51-2 曙産業(株)内 30 me me mg Ca が 6以上の場 合はカルシ ウムと結合す る 傾向にあり ます。土壌 のリン酸固定 の 程 度はリン酸吸 収係数を求 めることによ って わかります 。リン酸吸 収係数は風乾 細土 100gが 吸収するリ ン酸の量を 数で表したものです。 ③酸化還元電位(ORP) 下の方 に積んである 培土の色が青 灰色 になって いることが ありますが 、これは 培土が還 元状態にな っているた めです。 また、畑 でも未熟な 堆肥や有機質 肥料を pF pF 1.6 10 ること が大切です。 培土の種類によっては同じ 水分量でも利用されやすさは 異なりますので共通の単位と して を用います。 とは水 分と土壌との結合力の強さを 表す値で大きいほど結合力が 大きい事になります。 0と は最大容水量を表し、土壌三 こ うげ き 相でいう孔隙が全て水で埋ま った(気相が0)状態です。 作物が容易に利用することが 出来る水分は ~ の範囲 です。 ④培土の中の空気 0.1 pF 培土中の空気は大気と異な り、酸素が2~8%(大気は 約 %)と少なく、反対に炭 酸 ガ ス は ~ %( 大 気 は 0 . 0 3 % )と 多 く な っ て い ま す 。 培土中の酸素濃度が6%程度 以下では根の伸長が阻害され 、 2~3%程度ではほとんど停 止します。炭酸ガス濃度は1 ~2%が根の伸長に最適で、 1%以下や4%以上では抑制 されます。 21 毛 管 水 ( 有 効 水 ) 毛 管 引 力 に よ っ て 土 壌 中 に 保 持 さ れ て い る 水 。植 物 に よ く 利 用 さ れ る 。 重 力 水 ( 過 剰 水 ) 降 雨 後 土 中 の 粗 孔 隙 内 に 存 在 す る が 、重 力 で 下 方 に 流 去 し て し ま う 水 。
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