事業税の損金算入時期

(平成1
6年6月)
事業税の損金算入時期
公認会計士・税理士
西田隆夫
事業税の損金算入時期
区 分
損 金 算 入 時 期
事業税の申告書に記載された税額
事業税の申告書が提出された日
原則的取扱い
根 拠
法基通9−5−1
(債務確定基準)
事業税の更正又は決定に係る税額
特例的取扱い
2年以上の連年修正申
告・更正が行われた場
事業税の更正又は決定のあった日
翌事業年度において損金算入(認容)
OK
直前事業年度分の未納事業税
法基通9−5−2
翌事業年度に事業税の申告、更正又
合の担税力等を考慮
は決定がされていない場合
② 当事業年度の中間申告に係る事業税
れています。
当事業年度中に事業税の中間申告書を提出し
〈例〉
ますので、当事業年度において損金の額に算入
年1回9月決算法人が、平成16年6月に平成
されます。
13年9月期から平成15年9月期の3期分につい
法人税における事業税の損金算入時期は、原
期末現在未納付の場合でも未納事業税として
て修正申告する場合
則的には事業税の申告等のあった日の属する事
申告減算することができます。
当該修正申告による事業税額が確定するのは
業年度ですが、特例的に直前事業年度分の未納
また、中間申告に係る事業税のうち確定申告
平成16年9月期ですが、平成13年9月期の修正
事業税について、翌事業年度の損金の額に算入
によって還付される金額を未収還付税金として
申告により増加する事業税の額はその翌期であ
することが認められています。
経理した場合には、当該額を申告減算すること
る平成14年9月期の法人税の修正申告書におい
ができます。
て申告減算することができ、平成14年9月期の
③ 修正申告書に係る事業税
事業税の修正申告による増加額はその翌期であ
申告納税方式による租税の損金算入時期は、
原則的な取扱いとしては事業税の修正申告書
る平成15年9月期の法人税の修正申告書におい
いわゆる債務確定基準にもとづき、納税申告書
を提出した日の属する事業年度の損金の額に算
て申告減算することができます。
に記載された税額については当該納税申告書が
入されます。
なお、税務署長が2期以上の連年更正又は決
事業税の損金算入時期
原則的取扱い
提出された日の属する事業年度、更正又は決定
に係る税額については更正又は決定のあった日
特例的取扱い
定をする場合、この特例によって損金算入する
事業税の額は、事業税の標準税率によって計算
(法基通9−
の属する事業年度とされています。
事業税の損金算入時期については、法人税基
し、その後事業税につき申告等があったことに
5−1(1))
本通達9−5−2により、債務確定基準につい
より、その損金の額に算入した事業税の額につ
具体的な取扱いは次のようになります。
ての特例が認められています。
き過不足額が生じたときは、その過不足額は申
① 当事業年度の確定申告書に係る事業税
具体的取扱いは次のようになります。
告等又は納付のあった日の属する事業年度にお
債務確定基準にもとづき、事業税の確定申告
◎前事業年度分の事業税
いて調整します。(基通9−5−2後段)
書を提出することとなる翌事業年度において損
当事業年度末までにその全部又は一部につき
一方、法人が修正申告するときは、この特例
金の額に算入されます。
申告、更正又は決定がされていない場合であっ
によって損金算入する事業税の額は事業税の実
したがって、事業税の課税標準である所得金
ても、当該事業年度の損金の額に算入できるも
際税率によることができます。
額等が発生し、これに係る事業税を未払法人税
のとされています。
また、直前事業年度分の事業税の損金算入だ
等に計上した事業年度においては損金の額に算
これは、法人税について2期以上の連続した
けを内容とする減額更正は、原則としてこれを
入されず(法人税別表加算)、その翌事業年度
事業年度についての連年修正申告又は更正が行
行わないものとされています。(基通9−5−2
において損金算入(認容)されます。
われた場合の担税力等を考慮した取扱いといわ
(注)3)