バイオマス品質検定実習 - GRENE NC-CARP

NC-CARP実習シラバス
実習名
バイオマス品質検定実習
(Course Title)
Laboratory Work on Biomass Properties
講師
近藤 昭彦(神戸大学大学院工学研究科・教授)
(Lecturer)
荻野 千秋(神戸大学大学院工学研究科・准教授)
川口 秀夫(神戸大学大学院工学研究科・特任助教)
寺村 浩(神戸大学大学院工学研究科・学術推進研究員)
概要
(Description)
植物バイオマスを微生物発酵の原料として利用するためには、細胞を構成するセ
ルロースを単糖(グルコース・キシロース)に糖化することが求められる。植物バイオ
マスの前処理は、セルロースの酵素糖化を促進するために植物体構造の一部を破
壊する、バイオマス利活用における重要な工程である。しかし、糖化効率は用いる植
物バイオマスの種類に大きく依存するため、各バイオマスについて前処理効率・酵素
糖化効率を評価する必要がある。本実習では、植物バイオマスの前処理効率・酵素
糖化効率の評価法を理解することを目的に、さまざまなバイオマスを用いて前処理と
酵素糖化を行い、得られた酵素糖化液の組成を解析する。
学習目標
(Learning Goals)
どのような手 法 で植 物 バイオマスの前 処 理 効 率 ・酵 素 糖 化 効 率 の評 価 が行 われ
ているのか理解する。また、原料として用いる植物バイオマスの種類の差が、前処理
後の固体画分に与える影響について学ぶ。加えて、植物バイオマスを単糖へ変換す
る工程 を実 際 に体 験することで、植 物バイオマスを工 業 利用するために必 要な技術
についての知見を深める。
実習内容
(Contents)
植物バイオマスの前処 理 効率・酵 素 糖化 効 率を評 価するための一 連の作 業 を行
う。そのために 2 つの実習を行う。
1) 植物バイオマスの前処理と酵素糖化
2) 酵素糖化液の糖組成解析
これらの実 習 を通 し て、植 物 バイオマスの品 質 を評 価 するた めの手 法 を習 得 す
る。また、植 物 バイオマスを微 生 物 発 酵 の原 料 として用 いる場 合 に生 じる問 題 点 や
克服すべき課題などについての知見を深める。
1) 植物バイオマスの前処理と酵素糖化
様 々な植 物 バイオマスを材 料 に、希 硫 酸 を用 いて前 処 理 する。前 処 理 後 の植 物
バイオマスをろ過により固体画分と液体画分に分離し、前処理後の固体画分の形状
を観察する。また、これらの固体画 分を用 いて酵 素糖 化を行い、酵素 糖化 中の植物
バイオマスの様 子 も観 察 する。これらの結 果 を基 に、植 物 バイオマスの種 類 の差 が
前処理効率に与える影響ついて考察する。
2) 酵素糖化液の糖組成解析
実習 1)で得た酵素糖化液について、GC/MS を用いてグルコース濃度の測定を行
う。その結果を基に植物バイオマスの種類に依存する酵素糖化効率の差を明らかに
する。また、本実習を通して、GC/MS を用いた糖濃度解析の手法を習得する。
成績評価方法
(Grading policy)
出席点および・レポートの得点により評価する。