Ⅱ設備(14.照明設備) ①重要項目の解説 2回以上繰り返し出題されている重要項目(H8~H27)を以下に示す(出題問題一覧表の色分けと連動)。 過去2回(選択肢問題としては10問)、「平均照度」を計算させる問題が出ているので、計算について解説する。 (1)平均照度の計算 ※過去問として2回、選択肢問題では10回出題有 ・照度の計算式=(照明器具1台の光束×台数×照明率×保守率)/床面積 これで求める。 【参考例】 床面積100㎡の部屋で次の条件により計算した視作業面の平均照度を求める。 照明器具:Hf点灯方式蛍光灯32W2灯用 照明器具の設置台数:20台 32W Hf蛍光ランプ(定格出力)の全光束:3,500ℓm/灯 照明率:0.65 保守率:0.7 2灯用であるので、照明器具1台の光速は、 3,500×2=7,000 である。 従って、照度=(7,000×20×0.65×0.7)/100=637 ℓx (2)CEC/L ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・照明エネルギー消費係数(CEC/L)は、「年間照明消費エネルギー量」の「年間仮想照明消費エネルギー量」に対する比。 (3)照明率 ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・光束法の平均照度計算における照明率は、「ランプから発する全光束」に対する「作業面に到達する光束」の割合である。 ・照明率に影響を及ぼす要素には、室指数、室内反射率及び照明器具の配光は含まれるが、保守率は含まれない。 (4)保守率 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・照明計算の保守率は、照明器具の効率の低下をあらかじめ見込んだ定数であり、器具形式や使用場所等により異なる。 (5)照明効率 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・高出力の蛍光ランプは、20~25℃が最も効率が良く、それ以上でもそれ以下でも効率が下がる。 ・白熱電球は、蛍光ランプに比べて、周囲の温度変化による光束の変動が小さい。 (6)照度と距離 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・点光源による直接照度は、光源からの距離の2乗に反比例する。 (7)配電方式 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・事務所ビルの照明・コンセント系統の配電方式には、単相3線式100/200Vが採用されている。 (8)色温度の高低 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・色温度の高低は、高いほうから昼光色蛍光ランプ、昼白色蛍光ランプ、高圧ナトリウムランプの順である。 (9)適正照度維持制御 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・適正照度維持制御による照度差は、ランプの清掃の直後、又はランプの交換の直後の時点で最大になる。 (10)病院の照明 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・病院の照明設備は、事務所において使用する照明設備に比べて、演色性の高い光源が望ましい。 (11)全般照明の照度 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・全般照明と局部照明とを併用する場合、全般照明の照度は、局部照明の照度の1/10以上とすることが望ましい。
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