ダムの重大事故例と破壊例 「ダムと公共の安全」アメリカ内務省開拓局

ダムの重大事故例と破壊例 「ダムと公共の安全」アメリカ内務省開拓局 R.B.Jansen著 より要約した一覧表
A:アーチダム、B:バットレスダム、E:アースダム、F:フィルダム、G:重力コンクリートダム、GA:重力式アーチダム、R:ロックフィルダム、
H:高さ、V:貯水容量、L:堤頂長
S: サーチャージ(越流高),
2007.1.26
ダム名
国名
ダム形式と規模、年齢
太田川ダム研究会
発生日時、型
誘発要因
事故原因
Alla Sella
Zerbinoダム
イタリア
(北部)
G、H:12m, L:68m
12年 V:1800万m3
1935/8/13
決壊
暴風雨、洪水圧力
S:5m
岩盤地層の不良
(侵食性)
Austinダム
アメリカ
ペンシルバニア
G、H:15m, L:166m
2年
1911/9/30
滑動→決壊
湛水圧力
基礎(頁岩砂岩互層)と
堤体の結合不良
Babii Yarダム
ソ連
E
1961/3/25
暴風雨による越波
?
Baldwin Hills
ダム
アメリカ
E, H:71m, L:198m
ロスアンジェルス 12年
1963/12/14
漏水→決壊
貯水池の底部に断層線
一帯に地盤沈下あり
Bila Densaダム
チェコスロバキア E、H:17m
1年、(フィル材中にコア)
長期にわたる地盤の変位
(122mm/13年)
→断層の移動→基礎の変位
放水管まわりの漏水
1916.9
決壊
洪水圧力
警報の有無と
死者数(人)
>100
無警報
80
145
5 損壊1000戸
1時間前に警報 65 ?
Bouzeyダム
フランス
直線式石造重力ダム 14年 H:20m, L:528m
1895.4.27
決壊
底面滑り、漏水
設計ミス
欠陥材料(モルタル)
Bradfield
(Dale Dike)ダム
英国
シェフィールド
E, H:29m, L:382m
1年
1864.3.11
決壊
暴風雨、波浪
施工不良(締め固め)
余水吐容量不足
無警報(段波:29m/s)
Buffalo Creek
ダム
アメリカ
F, H:不明, L:152m
ウエストバージニア2年
1972/2/26
決壊
降雨(94mm)
設計、材質不良
(炭坑廃棄物)
(洪水波高10m)
Canyon Lake
ダム
アメリカ
サウスダコタ
E, H:6m
1972/6/9
決壊
豪雨(250mm)
越流
大洪水
(余水吐漂流物で閉塞)
決壊6分前避難命令 237
(初期段波高数フィート)
Dnjeprostroi
ダム
ソ連
G、H:40m, L:800m
Ederダム
ドイツ
Eigiau(17年)
とCoedtyダム
英国
G, H10.7m, L992m,V450万
ノースウエールズ F, H11m, L262m, V31.1万
El Habraダム
アルジェリア
G粗石積み,H33.5m,L325m
9年
Fontenelleダム
アメリカ
ワイオミング
E, H:39.6m,
1年後湛水中
Frfasダム
アルゼンチン
R, H15m, L62m,V20万
G、H:48m, L:399m
1941.9
破壊口200m
1943/5/17
破壊口 50m
物損
(14km)
>100
238 損壊4000戸
(11km)
125 4000人の家屋
5000人の家屋
6000万ドル
自爆(火薬900トン)
戦争
戦争
空爆
1925/11/2
Cダム(1年)決壊
Eigiauダムの漏水397
m3/s →Cダム越流
施工不良(コンクリート
劣悪、基礎浅過ぎ)
1881.12
破壊100×35m
豪雨(165mm)、越流
骨材不良、
不良なモルタルの劣化
(10km) 1965.9
部分破壊
湛水による漏水
右岸アバットメント:頁岩砂岩節理
迅速な応急活動
1970/1/4
決壊
暴風雨、洪水越流
基礎岩盤の応力解放性ひび
割れとグラウト浸透不完全
(複数列のグラウト孔必要)
余水吐容量不足
堆砂→取水口閉塞
静水圧の急上昇?
欠陥材料、施工技術不良
岩盤基礎整形溝掘りせず
コンクリート手塗り
静水圧による自然崩壊
常時は乾燥、
豪雨
Glenoダム
イタリア
複合A, H43.6m, L263m
V540万、湛水開始後30日
1923/12/1
決壊
Grenobleダム
フランス
E, (地滑り自然堆積ダム)
1219.9.14
決壊
Hyokiriダム
韓国
不明
1961/7/12
決壊
大豪雨
不明
Khadakwasla
(Poona)ダム
インド
粗石積G, H40m, L1046m
82年(植民地時代最古)
1961/7/12
大豪雨(1780mm/23日)
上流ダムの決壊、越流2.7m
設計に問題
揚圧抵抗力不足、
排水孔なし
lower Otayダム
アメリカ
カリフォルニア
捨石R, H40m, L172m
18年、 鋼板コア*
Mzchu II ダム
インド
石積み兼E, H26m
7年
1916/1/27
決壊 *裂ける
大豪雨(232mm/8日)
(年間雨量243mm) 越流
1979/8/11
決壊
大洪水、越流(+2.9m)
(530mm/21h)
(1.6km)
(20km)
16
209
100
(19km) 600
(標高差1300m)
127 損壊425戸
(16km)
避難勧告まにあう
設計水位を超える洪水
48km上流のMIダムも2.4mの越流
(8km〜)>2000
30
損壊19000戸
ダム名
Malpassetダム
国名
フランス
ダム型式と規模、年齢
コンクリA, H61m,V2200万
5年 半径105m, 121°
発生日時、型
1959/12/2
回転崩壊
(右岸Abが軸)
1874.5.16
決壊
MillRiver ダム
アメリカ
E, H:13m, L:183m
マサチューセッツ 9年
Moeneダム
ドイツ
G, H40.3m,
Nanaksagar
インド
E, V:>2.1億
5年
1967/9/8
決壊
漏水→沈下→越流
(モンスーン期)
Orosダム
ブラジル
1960/3/25
決壊
Panshetダム
インド
E, H54m, L620m, V40億
半円形r150m, 工事中
,
E,zone型、H51m,V270万
竣工直前
1961/7/12
決壊
Puentesダム
スペイン
粗石積みG、H50m, L282m
11年
St.Francisダム
ロスアンジェルス
アメリカ
アーチ型G, H62.5m,V4690万
<2年 L213m, r152.4m
San Idefonso
ダム
ボリビア
H8m, L500m, V43万
Semporダム
インドネシア
ジャワ島
R、H54m, L228m (日本工営)
完成直前
South Forkダム
アメリカ
(Johnstown)
ペンシルバニア
E, H21.9m、L284m, 頂厚6m
1853年完成後
62年部分破壊
79年流失、再建1881年、8年
Tetonダム
アメリカ
アイダホ
E, 中央コア式ゾーンタイプ
初回満水時、H93m,
8ヶ月
Tigraダム
インド
R, 石灰モルタル漬け
H26m, L1341m
Vaiontダム
イタリア
A(薄肉, H265m, V1億5000万
V:1億3400万
1943/5/17
破壊77m×22m
1802.4.30
決壊
1928/3/12
崩壊
コンクリート堤体分断
1926.3中頃
Valparaisoダム
チリ−
E, H17m, 事故時貯水6.44万
Van Normanダム
(San Fernand)
アメリカ
カリフォルニア
F, H43m,L634m, V2530万
53年
Vega de Terra
スペイン
コンクリートスラブと
石積み壁
2年 H34m、V780万
Walnut Grove
ダム
アメリカ
アリゾナ
R、H34m, L122m
Walter Bouldin
ダム
アメリカ
アラバマ
E, H50m, L2268m
8年 Zgorigradダム
ブルガリア
E, H12m
ダム
設計、施工不良
(1人の技術者もなし)
警報なし143
補償費100万$
高さ10mの段波)1200
(150km下流でも4m)
工業地帯に
致命的打撃
設計:基礎の透水性対策不足
(止水壁なく基礎から破壊)
警報伝達あり 32町村破壊
豪雨(635mm/week)
越流
行程遅れ累積4ヶ月
警報あり 死者不明
豪雨(1778mm/21days
越流
不完全な附属設備
放水路ゲートの半開、振動
湛水位上昇47m、貯水が
ダム下堆積層貫通噴出
設計:基礎を岩盤迄掘らず
沖積層に木製杭を打込むだけ
28.3.5満水位
(全貯水が70分で流出)
基礎岩盤:右岸凝灰岩の水侵
食→膨張→変位、貫通
(圧力グラウト、ドレイン、遮水壁も無効)
空爆 戦略目的:
ル−ル工業地帯の水没
100
被災5000戸
事前警告警報なし 450
段波高2.4km下流>38m
26km下流で80
61km下流被害
3.2km下流の町で4000
95%の水車被害
豪雨(250mm/36h)
当初設計からの逸脱
越流, (最大流入283m3/s
(余水吐容量が1/2)
満水位到達
酷い節理のアバットメント岩盤
高度のカーテンクラウト工にも欠陥
両岸壁は第3期層の溶結凝灰岩
岩盤、キ−トレンチ中の透水
性間隙閉塞不良→パイピング
コア、キートレンチ充填材
(粘土質シルト)の高侵食性
11〜14
1917/8/4
決壊
洪水越流(850m3/s)
静水圧と引張応力
層状砂岩盤内に十分な遮水壁
を設けず。底部掘削不十分?
不明
1963/10/9
豪雨→地滑り→山津波
貯水池左岸地質(石灰岩、
超巨大規模越流
(天端上100m)
強烈な爆風を伴う
容積:2億4000万m3
粘土岩、泥岩を挟む
地下水侵食で滑り面発生、クリープ
全容積2億m3、9.18以降10mm/day
洪水波高70m,
2600
地滑り斜面からの
避難勧告
1971/2/9
下部ダム滑り崩壊
(主に上流側斜面)
1959/1/10
突如決壊 100m
1890.2.22
1975.2
2209 14km下流の
johnstown廃墟
4億$
数10km下流まで
町村壊滅
対応策取られず。>100
間隙水圧増大で底面近くの
フィル材が流動化、上流側滑落
部分崩壊で洪水に至らず
(8万人に避難警報発令)
コンクリートと石積み壁の間
無警告 144
の弾性係数の差異
越流(集水面積1300km2)
余水吐の容量不足
施工不良
弱体化した基礎、地滑りに
配急峻、フィル材締め固め
でダム内部排水に欠陥)
よる堤体の弱体化、堤体勾
不足 (設計、施工共に不良
ダム上流面の一部池に滑落
決壊
91m
200
長期の豪雨
地震(震源は北14km)
M=6.4, 加速度=0.5g
(490ガル)
豪雨満水位到達 越流
被災5万人
608
1889.5.31
1988/8/11
1966/5/1
決壊
警報の有無と死者数(人)
(〜11km)
421
警報なし
豪雨
1976/6/5
決壊 付け根から漏水、爆発
音と共にパイピング
決壊
事故原因
左岸アバットメント岩盤の
脆弱性(断層部で変位)、
ダム底部変位17mm/許容限界10mm
石造コア壁と基礎地盤の接
着不良、フィル材の透水性
1967/12/1
決壊
決壊 128m
3年
誘発要因
豪雨→漏水増加
12.2午後常時満水位に。
豪雨で上流ダム決壊?
150
0 22.5万kwの
発電所破壊
>120
段波5m
被災 196戸