こちら - 福島市教育実践センター

Center for Educational Research and Development, Fukushima City
連
載
2012(H24).12.7
№45
「こころを育む」③~絆~
11月9日の福島民友に,震災後に生まれた『絆』をテーマとした「ふくしま・きず
な物語」の最優秀賞に,南相馬市原町から市内に避難してきたA君(小2)の作文が選
ばれたとありました。そこには,原町の友だちとの別れ,新しい学校の入学式の朝に不
安で泣いたこと,家族の励まし,ドキドキして入った教室,先生や友だちに温かく迎え
られたことで学校が楽しくなっていったこと,そして原町に帰る時にお別れ会でまた泣
いたこと,友だちも一緒に泣いていたこと,ありがとうの気持ち,その時の手紙が今も
宝物だということ…。文面には当時1年生だったA君の心の光景が鮮明に書かれ,家族
や先生,友だちとの『絆』をもとに成長していった様子が見てとれるようでした。
最近,市内のある小学校のことを聞きました。昨年度,自主避難で友だちが去ってい
くたびにお別れ会が続いていたようです。あるお別れ会のこと,普段は泣くことのなか
ったB君は,お別れの言葉を読みながら号泣し,友だちも一緒に泣きました。見せてい
ただいた記念撮影の写真には,B君に隣の友だちが寄り添って写っています。このクラ
スで子どもたちが話し合いながら決めた文集の題は『絆』だったそうです。
震災で多くを失い,環境の変化を強いられました。しかし,この子どもたちは困難な
状況下で生きながら,人として生き抜くために大切なことを体感し,成長したのではな
いでしょうか。そして,そこには この 子 どもたちの 想 いと 成長 を 温 かく 守 る 大人が必ず
大人
いました。避難している子,また,これから,多くのことを経験して戻ってくる子もい
るかもしれません。労いも含め,温かく迎えたい,そう切に願います。
福島市スクールカウンセラー
橋本
恵
適 応 指 導 教 室
祝~1名学校復帰しました!
1名学校復帰しました!
「ふ れ あ い 教 室 」 は , 9 月3 日 ( 月 ) から 2 学期 が 始ま り まし た 。現 在 17 名 (男 子 11
名 , 女 子 6 名 ) で 個 々 に 目 標 を も っ て 活 動 し て い ま す 。 そ の 中 か ら , 今 回 は ,「 ア ク ア マ リ
ン見 学」と 「美 術教 室」の ふれ あい 広場の 様子 を紹 介し ます。
【 K・ Y】 ア ク ア マ リ ン 見 学 で バ ッ ク ヤ ー ド ツ ア ー に 行 っ て 水 族
館の裏 側を 見れ てよ かった です 。
【 R・ K】 ア ク ア マ リ ン は , と っ て も 楽 し か っ た で す 。 ゴ マ ア ザ
ラシ の 「希 望 ちゃ ん 」, と っ ても か わか っ たで す 。ナメ
ダンゴ もか わか った です。
【 R・T】 美術 教室 をがん ばり まし た。油 絵は ,最 初は難 し
かった けど ,慣 れてく ると 楽し かった です 。学 校で も,
体験で きな いと いうこ とだ った ので, とて も貴 重な 体験
ができ たと 思い ます。 また ,絵 の中の 猫は 完全 想像 です。
とは言 え, 毎日 見てい る猫 なの で,そ れな りに 描け たと思 いま す。 がんば りま した 。
福島市教育実践センター
〒960-8001 福島県福島市天神町11番31号
電話 024-536-6500 / 024-536-7700【教育相談専用】 FAX 024-533-2033
ホームページ http//www.fukushima-jissen-ec.fks.ed.jp/
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Center for Educational Research and Development, Fukushima City
2012(H24).12.7 №45
福島市教育実践センターだより
「 同 じ 阿呆(
阿呆 ( アホウ)
アホウ ) なら・・・」
なら・・・ 」
福島市教育委員会教育長
今年の夏,機会を得て四百年の歴史を有する徳
島の阿波踊りを観賞することが出来た。祭りが行
われる徳島市は,人口約26万人余で我が福島市
よりはすこし少ない。四国一の大河吉野川をはじ
め,市内を縦横に流れる大小の川が育てた三角州
に発達した街である。市民や関係の皆さんが,8
月12日から15日までの4日間のため,一年掛
けて準備をしてきた祭りだ。例年,推定で約120
万人とも1
3
0万人とも数えられる観光客が全国各
地から集まり,
地から集まり,真夏の夜の祭典が繰り広げられる。
真夏の夜の祭典が繰り広げられる。
祭り2日目の13日から2日間続けて観ること
が出来た。1日目の13日,珍しく天気予報が大
当たり。
当たり。午後から雷鳴が響き,
午後から雷鳴が響き,激しい雨となった。
激しい雨となった。
夕刻には激しさは収まったが,相変わらず降り続
いていた。
いていた 。「この様子では,人出は少なく寂しい
祭りとなるかな」
祭りとなるかな 」「本当に30万人を超す人が集
まってくるのかな」など,邪推に似た余計な心配
をし傘を差して踊り場に出掛けてみた。湿気を多
く含んだ蒸し暑さにうんざりしながら。踊り場に
着くと,緋色の蹴出し(けだし)を見せた鳥追い
姿の女衆やねじり鉢巻きをキリリと締め裾を帯に
端折った男衆が,
端折った男衆が,軽快なお囃子に乗って狂喜乱舞。
軽快なお囃子に乗って狂喜乱舞。
降る雨は全くお構いなし。全ての踊り手は見物人
にニコヤカに笑顔を振り撒き,踊りに熱中してい
る。肩を触れ合いながら行き交い,取り巻く見物
人(観光客)は,折角ここまで来たという想いも
然ることながら,踊り
手の真剣さ,誠実さ,
夢中さ,そして,その
行いを心底愉しもうと
する姿に圧倒されなが
らも,手にした団扇で
拍子を取りながら,足
元も調子に合わせてス
テップを踏んでいた。
佐藤
俊市郎
これらの光景によく似たことを昔見たし, 味 わ っ た
ことがあったと思い出した。それは,二本松市の
提灯祭りである。この祭りは,確か10月上旬ご
ろ3日間行われたように記憶している。この間学
校は地域の祭礼行事で休みであった。ここの子ど
も達は大人になっても,特に他市や他県に出た者
でも,この時季になると都合を付けて帰省し祭り
に出る。そして3日間郷土の祭りにどっぷり浸か
り,ふるさとの「良さ」に浸って,又厳しい現実
の世界に戻って行く。彼らは(彼女らも含む)異
口同音に「この祭りが俺たちの故郷だ」
口同音に「この祭りが俺たちの故郷だ 」「この祭
りがあるからいつでも故郷を想っている」と,言
っていた。
阿波踊りを紹介するパンフレットには,
阿波踊りを紹介するパンフレットには ,「踊る
阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら 踊らにゃ損・
損」と在った。
4日間踊り続ける連《同じ目的を持って集団で
踊る人々を「連(レン)
)」という》の人々を見て
踊る人々を「連(レン
「何事も前向きに受け止め,常に自ら取り組んで
いた」
いた 」「その成否については丸ごと受け止め,楽
しいひと時を過ごしていた」と心から思えた。そ
して,心の奥底に眠っていて久しく忘れかけてい
た「夢中になる」
た「夢中になる 」「熱中する」という想いが湧い
てきて,昔,度々経験した身体中が「カー」と熱
くなったことを,63歳になった今,再び味わえ
た。
豊臣秀吉の天下取りに加担してきた蜂須賀小六
(本名正勝:野武士集団の頭領)の長男・蜂須賀
家政が,天正年間に阿波に入国し,城郭を築き以
後14代にわたり文化・風土を培ってきた。その
文化・風土の一つである「阿波踊り」に触れて,
いろいろな想いや感慨を持つことが出来た旅であ
った。
CONTENTS
特集:自己を高める研修のあり方
○ 巻頭言 :「 同 じ 阿呆 ( アホウ ) なら・・・ 」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○ 特集 : 自己 を 高 める 研修のあり
研修 のあり方
のあり 方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○ 2 学期 の 研修 から 「 受講者 の 声 」 等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○ 連載 「 こころを育
こころを 育 む 」 ③ ・ 適応指導教室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2
3
4
Center for Educational Research and Development, Fukushima City
特集:
特集:自己を
自己を高める研修
める研修
1 本実践センター講座・研修会へ市内の先生方が多数参加 ~参加・利用率350%!
今年度も数々の講座や研修会を開催いたしましたが,「自ら,教職員としての自分を高めよ
うとする熱き先生方」が,たくさん受講し,学んでいかれました。本センター参加・利用率を,
市立幼・小・中・特別支援学校95校ごとに算出(※算出方法参照)してみたところ,1校あた
り平均50%となりました。つまり,所属している教職員(校長・教頭・事務を除く)の半分は,
利用したということになります。最も高かったのが,350%の小規模校小学校2校でした。こ
の2校は,教職員が数名ですが,教育課題講座や授業創り講座に必ず参加し,出前講座(スク ー
ルアシスタント等)を積極的に利用しています。市内幼稚園は,参加・利用率100%以上が10園もご
ざいました。3~4名の職員で,旅費が厳しい中,教育課題講座等に参加してくださいました。
また,公開を予定し,校内研究が充実している学校からは,授業創り講座に十数名の参加が…
学校規模の大小や公開の有無は,全く関係ないようです。皆さんの学校は,いかがですか?
「今年度
受講された先生方のすごさ」
受講された先生方に,次のすごい点を発見いたしました。
すごさ:1 多忙感を理由にしない① 様々な講座に,多数参加している。
(自ら参加料を支払い東京等にまで出かけ受講した。県教育センター等の講座に参加した。
本実践センターの講座や研修会に,年間2回以上参加している。等)
すごさ:2 多忙感を理由にしない② 校内研修が盛んな学校に所属している。
(公開がある学校,講師を招聘し校内研修を充実させている学校等に所属している。等)
すごさ:3 講師の話や講座内容から,明日の指導に生かそうという観点を必ず見つける。
すごさ:4 常に自分を高めようという前向きな気持ちをもち,年齢や経験を理由にしない。
すごさ:5 課題をもって参加しているので,質問や意見が,次々にわき出てくる。
私たちが選んだ職業「教職員」には,完成はありません。よりよいものを求めれば求めるほ
ど,課題が生まれ,目の前の子ども,保護者,教育に求めらるもの等,様々なものが変化して
いきます。その中で常に学び続けることが必要であり,使命と考えます。年齢や経験に関係な
く,年齢や経験を重ねている先生方ほど,研修の大切さを実感しているのではないでしょうか。
○
○
○
実践センター参加・利用率算出方法
対
象:市立幼・小・中・特別支援学校95校
(a)講座や研修会参加・事業利用総数(悉皆除く)
計 算 方 法: 参加者・利用総数(a)
所属教職員数 (b) ×100 (b)教諭+養護教諭+常勤講師
参加・利用率:市平均50%
最高350%・最低0%
100%以上27校・50%以下16校
2 校内研究の工夫・改善に取り組んだ御山小学校
~校内研修のあり方についての研究~
~平成23・24年度 福島市教育実践センター研究協力校10月26日公開~
御山小学校は,本センターの研究協力校として「校内研修のあり方についての
研究」というテーマで,校内研究の課題を洗い出し,自校の実態に合わせ,
「校内
研究の改善点」を6つ掲げ,全職員で取り組んできた成果を,去る10月26日
に,公開していただきました。
「自己課題の設定」「ワークショップ型を取り入れ 【スクールアシスタントの方々】
た事後研究会」
,また「外部指導者を継続的に招く」
では,本センターの「スクールアシスタント事業」
を活用するなど,現場でもすぐ活用できる研究内容
です。何より,御山小学校の先生方全員が,生き生
きと輝いていたのが印象的でした。研修に取り組む
前向きな教職員のお手本を見せていただきました。
【国語科の授業】
【ワークショップ型の事後研究会】
2012(H24).12.7
№45
3「第2回授業創り講座」より ~熱き先生方の声~
学校教育指導委員の提案授業をもとに実施した第2回授業
創り講座を受講した先生方の前向きな声をご紹介いたします。
管理職に推薦されたことに対して
=受講生の声=
校長先生に「受講するように」と言わ
れ,参加した。研修って,自分からは参加しないのだが,
今回,背中を押していただき校長先生に感謝している。
【学校教育指導委員による社会科授業】
実際の授業参観できたことに対して
講師の指導に対して
講師の先生方の資料も充実してお
り,詳しく専門的な指導が,とても勉
強になった。第1回の講座と関連させ
た内容で,分かりやすかった。
学校教育指導委員の実際の授業を通しての研修
に刺激を受けた。教材研究や児童・生徒との関係,
学習訓練,板書や発問等の指導技術が素晴らしい。
教科について学ぶことについて
教科の本質を学ぶことができた。専門
としている教科や専門外の教科,最近は学
校で学ぶ機会がない教科等(生活科・音楽
科・美術科・家庭科・総合的な学習の時間・特
別活動等)についての話合いが楽しかった。
研修へ参加したことについて
「こんなこと聞いていいかな?」という
ことも聞ける雰囲気がよかった。自分の実
践や授業をする上での悩みなどを聞いてい
ただき助言いただいたので,大満足。明日
から,生かしていきたい。
授業創り講座への参加について
学校に戻ると忙しく仕事に追われる日々だが,少し
でも学んだことを心に生徒と共にがんばりたい。気軽に
参加できる講座を今後も希望する。来年も参加したい。
学校教育指導委員(授業提案者)にも研修意欲の高まり
学校訪問で見る側だけにな 授業はこれでよいという
ってはダメ。授業を見てもら ことはなく,それを求めて
う側の気持ちを再認識した。 日々励むことの大切さを実感。
【総合的な学習の時間の提案授業】
【家庭科の事後研究会】
【美術科の提案授業】
【音楽科の事後研究会】
4「保育改善講座」
4「保育改善講座」「ふくしま教師塾」より ~2年間を通して学ぶ熱き先生方~
この2つの講座には,自ら進んで,または校長先生の推薦を受け,15名のこれからの教
育を担う先生方が研修を行っています。どちらの講座も,担当の指導者に厳しい指導を受け,
年に数回研究授業を行ったり,本センターの講座等に積極的に参加したり,自ら掲げた教師
像に向かって努力しています。校内での研修や日々の指導等の中,教職員として自らを高め
ようとしている熱き先生方の成長が楽しみです。
【保育改善講座】
ふ南幼 副主 二階堂奈々
ふ東幼 副主 武藤 清香
森合幼 教諭 森
香菜
渡利幼 副主 吉田いづみ
【ふくしま教師塾】
1期生-2年目
一 矢野目小 阿部 博之
福 二 小
期 北沢又小 君島慎一朗 二 南向台小
生 松 陵 中 髙野 幸恵 期 佐 倉 小
生 平 野 小
※ 全て 教諭
2期生-1年目
竹田 朋彦
福三小
五十嵐洋之
福一中
曳地 晃一
信夫中
今野 宏哉
福二中
大内 久美
佐藤いずみ
尾形 詩織
甚野 隆洋