ナトリックス錠 - 大日本住友製薬 医療情報サイト

医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。
使用上の注意改訂のお知らせ
2011年1月
持続型非チアジド系降圧剤
、
日本薬局方 インダパミド錠
このたび、標記製品の
「使用上の注意」
の記載内容を改訂しましたので、お知らせいたします。
今後のご使用に際しましては、下記内容をご参照くださいますようお願い申し上げます。
本件に関するお問い合わせは、大日本住友製薬のMRまたはくすり情報センターにお願いいたします。
なお、改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数を要しますので、ご了承くださいます
ようお願い申し上げます。
【改訂内容】
改訂後
( :改訂箇所)
改訂前( :削除箇所)
4. 副作用
(1)
重大な副作用
(頻度不明)
1)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
、
多形滲出性紅斑
(詳細略)
2)低ナトリウム血症
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障
害等を伴う低ナトリウム血症があらわれること
があるので、観察を十分に行い、異常が認めら
れた場合には、投与を中止するなど、直ちに適
切な処置を行うこと。
3)低カリウム血症
倦怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血
症があらわれることがあるので、観察を十分に
行い、異常が認められた場合には、投与を中止
するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
4. 副作用
(1)
重大な副作用
(頻度不明)
皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群(Stevens-Johnson症 候 群)、
多形滲出性紅斑
(詳細略)
←追記
←追記
(2)
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に
応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
(2)
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に
応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
代謝
異常
0.1 ∼ 5%未満
低クロール性アルカ
ローシス、総コレス
テロールの上昇、高
尿 酸 血 症※1)、高 血
糖症※1)
0.1%未満
中 性 脂 肪 の 上 昇、
高カルシウム血症
代謝
異常
※1)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、
減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
0.1 ∼ 5%未満
0.1%未満
※1)
低カリウム血症 、 中 性 脂 肪 の 上 昇、
低 ク ロ ー ル 性 ア ル 高カルシウム血症、
カ ロ ー シ ス、総 コ 低ナトリウム血症
レステロールの上
昇、高尿酸血症※2)、
高血糖症※2)
※1)
カリウム剤の併用により低カリウム血症の改善
が認められない場合には、投与を中止すること。
※2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、
減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
次頁以降に改訂理由を記載していますので、あわせてご参照ください。
改訂後の
「使用上の注意」
全文は改訂添付文書をご覧ください。
1
【改訂理由】
厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡 及び 自主改訂
「低ナトリウム血症」及び「低カリウム血症」につきましては、以前から「その他の副作用」の項に記載し、
注意喚起を行ってまいりました。
今般、
「低ナトリウム血症」
及び
「低カリウム血症」
の重篤な副作用症例が集積されたため、
「重大な副作用」
の項に移行し、注意喚起することとしました。
(厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡による改訂)
また、上記の改訂に伴い、
「その他の副作用」
の項のこれらの記載を削除しました。
(自主改訂)
症例概要
(低ナトリウム血症)
患者
性
年齢
使用理由
(合併症)
女
高血圧症
70代 (洞不全症候
群、便秘)
副作用
1日投与量
投与期間
経過及び処置(下線:発現日)
1mg
21日間
低ナトリウム血症
既往歴:上室性頻脈、心臓アブレーション。
洞不全症候群、高血圧症、アブレーション治療後などにて通院中。
投与開始日
投与20日目
投与21日目
(投与中止日)
中止 1 日後
中止 3 日後
白衣高血圧の傾向もあるが自宅血圧でも収縮期血圧が
150mmHg程度あり、洞不全症候群のためカルシウム
チャンネル拮抗剤の使用を控え、本剤1mgを投与開始。
予定採血で血清ナトリウム値122mEq/L。
(低ナトリウム血症発現)
来院時には自覚症状はなかった。
その後、全身倦怠感、嘔気が発現。
外来受診時に血清ナトリウム値107mEq/Lと更なる低下
を認めたため、本剤による低ナトリウム血症と診断し、
緊急入院。
本剤を中止し、約1.0%NaCl溶液負荷を行う。
血清ナトリウム値122mEq/Lと速やかに改善。
退院(回復)。
臨床検査値
検査項目
投与
約5ヵ月前
投与
20日目
投与
中止日
中止
1日後
中止
2日後
中止
6日後
血清Na(mEq/L)
137
122
107
122
133
134
血清K(mEq/L)
4.5
5.0
4.9
4.2
4.4
3.9
併用薬:オルメサルタン メドキソミル、一硝酸イソソルビド、テモカプリル塩酸塩、ファモチジン、酸化マグネ
シウム
2
症例概要
(低カリウム血症)
患者
性
年齢
使用理由
(合併症)
副作用
1日投与量
投与期間
1mg
女
高血圧症
70代 (高脂血症、
約7ヵ月間
肝機能異常)
経過及び処置(下線:発現日)
低カリウム血症、心室細動
既往歴:白内障。
以前より高血圧症に対してロサルタンカリウム、アムロジピンベシル酸塩が
投与されていた。
血圧コントロール不良のため本剤が追加で投与開始さ
れた。
同時期に手指の痺れを自覚していたため、芍薬甘草湯も
同時に投与開始された。
早朝外出時に数分間の意識消失を認めたため近医に救急
搬送。
著しい低カリウム血症に加え、心電図にて心室期外収縮
の頻発及びQT延長を認めたため当院へ搬送。当院搬送
時、血清カリウム値1.5mEq/L、QTc490msec。心電図後、
心エコーを行う際に突然の意識消失。モニター上心室
細動を認めた。(低カリウム血症、心室細動発現)
直ちに心臓マッサージと補助呼吸を開始。270Jで除細動
施行。一回で洞調律に復した。
カリウム投与を開始。それ以降、QTc延長は持続したが
心室性不整脈の出現はなかった。
血清カリウム値4.3mEq/L。回復。
カリウム補正を終了し、以降低下しないことを確認。
退院。
投与開始日
投与約 7ヵ月目
(投与中止日)
中止 5 日後
中止 7 日後
中止 8 日後
臨床検査値
検査項目
投与
中止日
中止
1日後
中止
2日後
中止
3日後
中止
4日後
中止
5日後
中止
7日後
中止
8日後
血清K(mEq/L)
1.8
2.6
2.9
3.3
3.5
4.3
4.2
4.3
併用薬:芍薬甘草湯
(被疑薬)
、アムロジピンベシル酸塩、ロサルタンカリウム、ランソプラゾール、アスピリン、
メコバラミン、テプレノン
この「使用上の注意改訂のお知らせ」
は、大日本住友製薬の医療関係者さまサイトでもご覧になれます。
(アドレス:http : //ds-pharma.jp/medical/index.html ヘアクセスし、
「製品情報−各種改訂のお知らせ」をご覧ください。)
なお、この改訂内容は医薬品安全対策情報
(DSU)No.196に掲載される予定です。
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