株式会社パルメトリクス OmniCalテクノロジーのコンサルタント Website http://www.palmetrics.co.jp e-mail: [email protected] Technical Note テクニカルノート No.TN-55 ‘08-09-07 Title: Mini-CRC について SuperCRC の 姉 妹 機 で あ る Mini-CRC は 15mLバイアルに代えて、4mLバイアルを使用 する小型反応熱量計です。 炉制御機能やマグネチック攪拌機能がな く、測定用途は限定されます。 しかし利点として検出器が小さくなる分、 時定数が小さく、高速型SuperCRCeより も応答感度が優れています。 左写真の赤色セプタムのバイアルが Mini-CRC用4mLバイアルです。単4電池 より一回り、大きいサイズです。 オリジナル曲線 測定データ01 26.5℃に設定されたMini-CRCに 水1.266g(38.5℃)を落下・注入した。 時定数補正後曲線 時定数補正後曲線 攪拌は手動による Mini-CRCには時定数補正用の校正ヒータ が装備されていませんが、スパイク法による 時定数補正ができます。 Mini-CRCを使って比熱容量測定する場合、 ドロップ方式(落下式熱量計の手法)を使い ます。この測定手法は時定数補正のスパイ ク方式の測定手法とほぼ同じです。 Mini-CRCに付属するWinCRCソフトウエアの Dynamic Correction 機 能 を 使 っ て、測 定 データ01のオリジナル曲線のピークが一番 早く、ベースラインに戻る1次のパラメータを 検索します。 サンプルの水が1.266g充填されている状態 でτ1=1.25min、τ2=0.50min と求まりました。 Mini-CRCの溶解熱測定によるバリデーショ ンの例です。 この測定データはスパイク法で求めた時定 数補正値(τ1=1.25min,τ2=0.50min)を 使って時定数補正した測定データです。 高速型SuperCRCeによる測定データよりも ピークがシャープに測定されていることがわ かります。 こ の Mini-CRC が SuperCRC と 同 じ く マ グ ネ チック・スターラ機能や昇温制御機能や校正 ヒータ内蔵などが加わると、SuperCRCを超 える高性能小型反応熱量計になるのではな いでしょうか? Mini-CRCがSuperCRCの下位機種という位置づけでしたが、熱量検出の性能・精度は決して 低いものではないことがわかります。
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