科学実験および科学機器操作による理系教員のスキル - 大阪教育大学

化学実験および科学機器操作による理系教員のスキルアップ講座
[2008-C14]
科学教育センター
任田康夫
科学技術振興機構(JST)の資金援助のもと、大阪府および兵庫県教育委員会の後援
の表記研修を 12 月 6 日(土)に行った。参加教員を公募し、中学校教員 6 名、高校教員
19 名、計 25 名の参加者があった。午前、午後に各二時間の研修を行い、引き続き、参加中
高教員と大学教員との 2 時間の交流会を開いた。交流会では兵庫県立伊丹西高等学校の二
名の教員に理科ネットワークの膨大なデータを編集利用した先進的なデジタル教育方法に
ついて紹介があり、活発な意見が交換された。
はじめに:
本研修の目的
生徒、学生の理科離れは、我々理系教員の懸命の努力に関らず、年々、深刻なものにな
っている。これは科学技術が 進展した結果、市民にとって自分たちが日常使用している科
学技術の正確な内容を知らなくても、その恩恵にだけは 浴することができるようになった
ためである。しかし、市民が現在の科学技術に無関心でいては、日本の科学技術立国は不
可能である。そこで、幼稚園、小学校から大学の教員までの理科(科学)に関する指導力
向上が強く求められている。
中学、高等学校理科指導要領では、「生徒の自然に対する関心を高める」ことを教育目標
にしているが、実際の授業では知識偏重、実験軽視になりがちである。そこで、本研修で
は、参加していただいた教員の方々に、大学教員の持っている技術、ノウハウ、施設など
を生かして、さまざまな自然現象の観察、実験の方法を学んで頂き、その中から受講教員
各自の「生徒の自然に対する多様な関心を高め、さまざまな生命に対する畏敬の念をもた
せる」教育スキルを高めていただくことを目的としている。
本研修のもう一つのねらいは、大学と中高理科教員の交流とネットワーク作りであり、
そのために、研修会の終了時間を例年より早めて、その後の交流会で、参加の中高理科教
員のさまざまな教育上の工夫などをご披露願う予定である。本研修会の意義を最大限に大
きくするため、できるだけ多くの参加者をつのる。そのため大阪府および兵庫県の教育委
員会と連携して参加者を公募する。
研修内容報告
前年度の反省から、今年度の研修に二つの大きな変更を加えた。
第一点は、これまでの研修時間が従来の 1.5 時間から 2 時間に時間延長を行ったことであ
る。これにより、より充実した実験と説明ができるようになったと評価した教員がいた一
方、時間を持て余したという教員もいた。研修時間はあらかじめ分かっていることなので、
後者の教員の方には研修計画を練り直していただきたい。
第二点は、交流会を設けて、この場で研修参加教員の兵庫県立伊丹西高等学校の安岡久
志先生と池田泰彦先生に教育実践を発表してもらったことである。この会を設けることに
より、大学教員と受講教員との交流が一層深められ、理科教員のネットワーク構築という
目標に一歩漸進した。
本研修会は 1 つの全体講演と21の個別研修テーマを用意して公募された。研修テーマ
ごとに講師名、実際の研修内容の報告と参加人数を以下に記す。なお、参加者がなかった
テーマについては公募のときの紹介文をカッコ内に示した。
全体研修テーマ
草木染の実習と中学・高校の教材への応用
任田康夫
前半は、タンニン酸と塩化鉄(Ⅱ)からブルーブラックインクを作り、媒染剤を使っ
た草木染めとインクとの類似点と相違点について説明した。また、濾紙および障子紙を使
ったスオウ試験紙、クルクマ紙、タマネギ試験紙、紅茶試験紙の作り方と使い方(金属イ
オン検出反応、水素イオン濃度測定)について説明した。また、適当な障子紙を板染めに
することにより、安価に生徒実験できる草木染めの方法についても説明した。後半は、実
際に様々な染料から染色液を抽出し、板染めで鉄媒染し、続いて防染している板の位置を
移動させミョウバン媒染することにより、同一の染料で三色の草木染め(すなわち鉄媒染
だけ、ミョウバン媒染だけ、およびその二つの色が混合した染色)が簡単にできる実習を
行った。(13名)
個別研修
1
液体窒素を用いた様々な演示実験
神鳥和彦
液体窒素を用いて、様々な物質の状態変化に関する演示実験や、さらに気体や液体
といった物質の状態変化に関する演示実験について実習した。生徒に分かりやすく興味の
わく実験の一端を研究して頂いた。詳細は以下の通りです。1)液体窒素の温度と気化
2)
液体窒素中での液体(水)の固化
4)
3)液体窒素中での風船の(空気の収縮・膨張)の観察
液体窒素中での風船の中での空気の収縮と液化現象の観察(液体空気)
5)液体窒素中
での風船の中での酸素の液化現象の観察(液体酸素)、液体酸素は磁性を有することの確認
6)液体窒素中での水の固化と凝縮熱の観察並びに体積膨張現象の観察
でのバナナや花の固化と固化した物質の堅さの確認
7)液体窒素中
8)液体窒素中での抵抗の低下の確
認(超伝導への発展)9)液体窒素中でのマイスナー効果の確認
10)液体窒素中での
エタノールの固化(水の固化との相違点・体積収縮の確認)11)臭素管を用いた物質の
三態の確認
12)乾電池と豆電球の回路を液体窒素中に入れて化学反応の抑制効果の確
認実験(2名)
2
ミクロンからナノへ -光学顕微鏡を超えた超微細構造をみる-
辻岡
強
(微細な物体の観察には学校の理科実験室では光学顕微鏡が用いられています。しか
し最先端の科学では、光学顕微鏡の能力(ミクロン程度)をはるかに凌駕する様々な顕微
鏡が用いられます。本講義では、その代表的な機器である走査型プローブ顕微鏡を用いて、
その解像度(ミクロン程度)を超えたナノの世界を観察します。これにより、科学の奥深
さを学んでいただきます。)
3
オパールの光学測定
中田博保
(オパールは虹色に輝く宝石であり、最近人工のオパールを光の制御に使用する試み
やピンクオパールの作製がおこなわれています。このように最先端技術と関係している美
しいオパールの実験を行います。見る角度が異なると色が変わる性質は遊色と呼ばれてい
ますが、これは直径数 100nm の石英の小球が規則正しく配列している構造のために起こり
ます。自作したオパールの反射スペクトルを測定し遊色が構造とどのように関係している
かを考察します。この研修により高校物理の「光の回折と干渉」の新しい指導法を習得し
ます。)
4
中・高等学校で作れる第 1 世代CT(Computed Tomography)モデル
鈴木康文
X線CTをモデル化した教材で,X線の遮蔽実験やあらかじめセットした塩ビパイプの
配置を探る実験を行った。今年度は手作り科学館教材の説明や手作りGM管による放射線
検出実験も行った。教材の製作方法やこれらを使った中学生・高校生実験の面白さ,X線
教育などにも言及した。
(1名)
5
サイクリック・ボルタンメトリーによる金属錯体の酸化還元特性 横井邦彦
高校で「イオン化傾向」として定性的に学習している内容について、定量的に理解する
ために、標準酸化還元電位を用いて解説した。また、化合物の標準酸化還元電位を簡便に
測定するための一つの方法としてサイクリックボルタンメトリーを用い、2 価鉄の化合物に
ついて測定した。さらに、鉄イオンの酸化還元電位が配位子の種類に応じて異なることを
理論式に基づき解説した。高校でのイオン化傾向に関する授業を行う上での知識基礎の充
実をはかることができた。(1名)
6
比色定量法による河川中のリン酸イオン濃度測定
久保埜公二
河川中のリン酸イオンの定量実験を行った。この際、ピペット類、安全ピペッター、メ
スフラスコなどの器具の使い方や、分光光度計による吸光度の測定、並びに標準溶液によ
る検量線の作成について習得した。さらに、授業や部活動で活用可能な簡易分析法である
比色管を用いた方法についても習得した。(3名)
7
CHN元素分析の測定原理と実際
安積典子
研修に用いたCHN元素分析装置は去年更新された新しい装置と予備のため保管して
ある旧型の装置の 2 台が同じ部屋にある。そのため、旧型の装置の部品を手に取りながら
測定原理を説明し、並列して新型の装置で分析を行えて、大変効率的な学習が出来た。ま
た本年は昨年のテキストを大幅に改編し、原理や計算法と共に、試料の流れを装置の写真
を使って実際的に説明する事に力を入れた。そのことによって高校の教科書に掲載されて
いる元素分析の出発点であるプレーグル法から現在の分析法がどのように発展してきたの
かが、より理解しやすくなったのではないかと思う。本年は実習時間が長くなったので参
加者に測定作業を実際に体験してもらえてその点もとてもよかったと思う。(2名)
8
紫外可視分光光度計を用いたアゾ色素の色調測定
織田博則
アゾ色素(オレンジ I 、オレンジ II、メチルオレンジ)の合成説明、ならびに発色機
構の説明、アゾ、ヒドラゾン体の分光学的な特徴説明、メチルオレンジの Ph 変化による構
造変化と色調変化の説明を行った。その後、実際にメスフラスコを用い試料の調整、なら
びに紫外可視分光光度計を使ったスペクトル測定、吸収スペクトルから最大吸収波長の分
子吸光係数の算出などを行い、アゾ色素の吸収スペクトルに及ぼす置換効果を解説・体験
していただいた。(1名)
9
谷
フェノールフタレインとラインマーカに使用されている色素の簡便な合成
敬太
フェノールフタレインは、中学・高校の理科の実験室で中和反応の際の指示薬として
広く使用されている。本講習では、フェノールフタレインとその誘導体を無水フタル酸、
フェノール類、硫酸(試薬類)と試験管、アルコールランプなどの中・高校の理科の実験
室に常備されている実験器具から簡便に合成することを体験して頂いた。また、フェノー
ルフタレイン類の電子吸収スペクトルならびにフルオレセインの蛍光スペクトル測定によ
り、吸収と発光の相違についても解説を行った。(1名)
10
光学異性体と旋光度
~香料から液晶テレビまで~
堀
一繁
高校化学の学習指導内容である「光学活性化合物」に関して、視覚・嗅覚などの五感
により理解してもらうだけでなく、現代のハイテク分野での応用例、更に発展として次世
代ディスプレー技術に関して説明した。
上記を通じて、高校化学の学習指導内容が現代社会を支える上で重要な役割を果たして
いることを説明し、実際の授業で活かすためのヒントを提供できた。
(4 名)
11
化学的視点からみた食品機能性の検証
井奥加奈
(近年注目されている植物性色素の一種であるフラボノイドは、生活習慣病を予防す
るフェノール(ポリフェノール)です。しかし、健康面に重点がおかれ、フラボノイドそ
のものの性質に関する理解はまだまだ低い現状です。ここでは野菜や果物からフラボノイ
ドを抽出してフェノールの性質である塩化第二鉄との反応をみせたり、市販飲料中のフラ
ボノイドを比色法により定量したりする実験を行います。この研修は、生活に身近なフェ
ノールの存在を生徒に認識させる教材の提供を目的とします。)
12
分光光度計を用いたタンパク質濃度の測定
鵜沢武俊
本研修では、生体物質の中で重要な位置を占め、生体触媒としての役割を担うタ
ンパク質の、生体内での濃度を測定する実験を行った。タンパク質濃度の測定法には、多
くの種類があるが、この中の色素結合法により、高等学校に設置されている紫外可視分光
光度計を用いて、溶液中のタンパク質濃度が容易に測定できることを示した。食料品とし
て身近な鶏卵を材料にして、卵白中のタンパク質の濃度を、短時間に測定できることを示
した。このように、分光光度計を利用した色素結合法が、日常接する食品中のタンパク質
濃度の測定に、有効であることを示した。(2名)
13
アミラーゼを題材とした酵素反応の実際
川村三志夫
中学校理科や高校生物で酵素実験の教材として取り上げられるデンプン分解酵素アミ
ラーゼを題材とした講習を行った。まず、基質であるデンプンの構造と酵素であるアミラ
ーゼの種類や作用様式の多様性について説明し,講習で行う実験のねらいと操作について説
明した。本実験では、だ液および微生物由来のα-アミラーゼ、大麦由来のβ-アミラーゼの
3種の酵素を用い、各酵素を様々な濃度で可溶性デンプンと反応させ、分解生成物を薄層
クロマトグラフィー(TLC)を用いて分析した。同時に各反応液のデンプンの分解度を、
教科書で使われる呈色による検出法、すなわち、ヨウ素デンプン反応、ベネジクト反応、
DNS 法を用いて調べた。その結果、TLC 分析において、3種のアミラーゼ各々でデンプン
の分解パターンに違いがあること、さらに、それらと3種の検出法の呈色度を比較するこ
とで、作用様式の異なるアミラーゼにおけるデンプンの分解パターンと呈色による酵素活
性の検出原理との関係を確認・理解してもらった。(3 名)
14
薬物の代謝実験
片桐昌直
化学IIの領域である、薬物の理解のため、薬物代謝の基礎の理解のため、酵素反
応と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による解析の実習を行った。具体的には、
ミクロソームとテストステロンとの酵素反応を行った後、抽出操作をおこなった。生成物
の乾固操作の間に、薬物代謝の基礎についての説明、及び質問を受け付け、その後逆相H
PLCの基本操作を行った。得られたチャートの解析方法の説明も行った。(3 名)
15
走査型電子顕微鏡を用いた生物試料の観察
出野卓也
走査型電子顕微鏡の像形成の原理と生物試料作成法を説明した後、ムラサキツユクサ
の葉(気孔や葉の断面)、大腸菌、ヒトの血球、アリを観察した。また、ヒトの毛髪および珪
藻土を用いて試料を実際に作成し、観察した。それぞれ各自に顕微鏡を操作してもらって
観察した後、写真撮影を行った。(3 名)
16
蛍光顕微鏡による細菌の観察
広谷博史
蛍光顕微鏡を使用した環境試料の観察の実習を行った。具体的には,池の水に生息
する細菌の全菌数測定を,DAPI 染色により行った。また,呼吸活性を示す細菌の観察を
CTC による染色法と INT による染色法で試みた。細菌を濃縮するため,メンブランフィル
ターを用いて試料水のろ過を行った。蛍光顕微鏡によって,葉緑素を持つ藻類も赤く発色
するため,形態やサイズから細菌と区別する方法について実習を行った。(1 名)
17
FISH 法による遺伝子の可視化
向井康比己
高等学校生物では遺伝子を抽象的な概念で教えており、また、染色体上に遺伝子が
のっていると言っても生徒には実感がわかない。本研修で実際に蛍光顕微鏡での観察に重
点をおき、染色体上の特定の遺伝子を可視化することで、遺伝子というものを身近に感じ
ることができた。また、染色体を観察するにふさわしい材料やその技術についても詳しく
説明した。(2名)
18
ダイヤモンドダストと雪結晶成長実験
小西啓之
雲やダイヤモンドダストを作る実験から、水の蒸発、凝結、凍結などの相変化につ
いての理解を深めた。また、雲の中で生じていることを理解するため、過冷却水を使って
種々の実験を行った。これらの実験を通じて、相変化は状態の変化だけでなく、大きな熱
の出入りが(必要で)あることを伝えた。(1 名)
19
偏光顕微鏡の原理と鉱物鑑定法
山口 弘
偏光顕微鏡は,鉱物や岩石に関して広い情報を与えてくれる。しかしながら,非常
に高価で,中・高等学校現場に台数を揃えていないのが現状である。そこで,生物顕微鏡を
利用して,偏光顕微鏡を作ることがテーマである。生物顕微鏡と偏光顕微鏡の大きな違い
は,偏光装置と,ステージの回転である。偏光装置で,下方ニコルは,集光レンズに貼り
付け,花崗岩中の黒雲母の多色性から,入射光の振動面を設定した。上方ニコルは,フィ
ルムケースを使って,接眼レンズに装着した。同心円盤状にくり抜いたスチレンボードを,
生物顕微鏡のステージに取り付ける方法で回転ステージの代用品とした。非常に安価で生
物顕微鏡を偏光顕微鏡として使うことができる。
今回は偏光顕微鏡下での鉱物鑑定の方法を重点的に体験した。(2 名)
20
小型天体望遠鏡の仕組みと操作法
定金晃三
天体観察・観測に用いる望遠鏡の仕組みと使い方の手順について、実際の器械を用
いながら詳しく説明し、受講者に器械を操作してもらうことにより確実に身につくよう講
習を行った。生徒を対象として操作を行う場合に特に注意を要する点を強調し、事故や怪
我を起こさないための工夫を指導した。今回の受講者はある程度の経験がある教員で、具
体的な質問を多く出してきたので講習としてはやりやすく、かつ受講者に満足してもらえ
たものと考えられる。(1 名)
21
塩基性染料の吸着性を利用した木材内部への着色と利用法
荒井一成
毛管圧浸透法を用いて,一部の組織だけを選択的に着色する木材内部への「部分着色」
実験を行った。塩基性染料の中には,木材実質へ強い吸着性を示すものがあり,またその
吸着の大きさにも違いがある。この塩基性染料と木材との関係に着目して,液体の流動方
向に2色,3色に,色分けされる着色法を,そのメカニズムを推察し,偶然にできる神秘
的な紋様を楽しんだ。出来上がった着色木材を利用して,インテリア向けの照明器具製作
を行った。
(2 名)
交流会の内容報告
兵庫県立伊丹西高等学校の安岡久志先生からは理科ネットワークの膨大なデータから自
分の化学の授業用に編集した分かりやすいデジタル教材の紹介があった。また、これらの
教材がCDとして希望した参加教員に配布された。続いて同校の池田泰彦先生から、最新
の高速度撮影が可能なデジタルカメラを使った教材の例について報告があった。また、参
加していた教員全員から熱心な質疑応答が行われた。
まとめと改善点
参加教員のアンケートからはおおむね好意的な回答が得られた。今年度の研修も所期の
成果を上げたと考えられる。しかし、参加者アンケートの中には、「研修によってレベルの
差が大きい」との指摘もあった。
講師の先生方の努力により、中学校あるいは高校の現場に役立つような研修にするとい
う研修目的にできるだけ添うよう、研修内容を改善してこられていることに感謝いたしま
す。今後もさらに講師の先生方には、研修内容の検討と向上をお願いいたします。
また、教員間のネットワークを作る新しい試みとして、研修参加教員の発表を含む活発
な「交流会」を持つことができました。しかし、大学の教員の参加が少なかった点が反省
点です。また、研修会の参加予定数が 42 名のところ、参加者が 25 名しか集まらなかった
のは残念なことでした。
これまでの経験で、研修会の広報については、講師の教員一人一人の地道な努力が最も
強力なものであることが分かってきまし
た。主催者としては、本研修の講師になっ
ていただけるだけでもありがたいと思い
ますが、このような研修会が真に社会的に
真価を発揮するには毎年の定期的な開催
と参加者の十分な確保が必要です。講師の
先生方が卒業生などへの参加呼びかけな
どをこれまで以上に熱心に行って頂くよ
うにお願いいたします。
参加教員の取り組み発表(懇親会)
-参加者アンケート回答-
○ 今回の研修全般について、お尋ねします。
Q1
今回のような大学・研究機関等の研究者による研修の受講は、直近3年間で今回は何回目
ですか?
1 回目
11
44%
2 回目
8
32%
3 回目
4
16%
8 回目
1
4%
9 回目
1
4%
(平均 2.24 回)
Q2
今回の研修参加の目的は何ですか?(複数回答可)
①
研修内容を授業に生かすこと
21
84%
14
56%
0
0%
① 達成できた
12
48%
② どちらかといえば達成できた
12
48%
② 自己研鑽
③ その他
Q3
当初の研修参加の目的を達成することができましたか?
③ どちらともいえない
0
④
Q4
どちらかといえば達成できなかった
0
⑤ 達成できなかった
0
(無回答)
1
4%
今回の研修は、あなたが授業の中で生かすことができる内容でしたか?
① はい
②
いいえ
22
88%
1
4%
2
8%
③わからない
(無回答)
Q5-1 Q4で「① はい」と回答した方にお聞きします。具体的にどのような面で、授業に
活かすことができるとお考えですか? (複数回答可)
①
児童生徒の興味・関心を喚起する話題や方法論等の工夫を
習得することができた
②
12
児童生徒の学習意欲や自主的探究心を喚起する話題や方法
論等の工夫を習得することができた
③
48%
7
28%
児童生徒が実験・観察等の体験活動を行うことの重要性や
効果を認識することができた
5
20%
④ 実験・観察等の実施方法、あるいは実験器具等の利用方法
を習得することができた
11
44%
⑤ 児童生徒へ提示する教材を、学校へ持ち帰ることができた
5
20%
⑥ 児童生徒へ提示する教材の作成方法を習得することができた
4
16%
⑦ 児童生徒へ効果的に教材を提示する方法を習得することができた
⑧ その他(
)
5
20%
0
0%
Q5-2 Q4で「② いいえ」
、
「③わからない」と回答した方にお聞きします。その理由はな
ぜですか?
(複数回答可)
① 今回の研修内容をまだ自分なりに咀嚼できておらず、
授業での活用方法を今後検討する必要があるから
② 実験・観察等に必要となる器具や設備等が、
学校には整備されていないから
1
4%
③
実験消耗品等に要する費用を負担することが難しいから
④
授業時数の関係上、実験・観察等に要する時間を割くことが難しいから
⑤
少人数の児童生徒を対象とすることは可能だが、クラス全員を対象にすることは難し
いから
⑥
研修内容が高度であり、児童生徒にとっては難しい内容であるから
⑦
自分が授業を担当する教科では取り扱わない内容であるから
⑧
自分が授業を担当する学年では取り扱わない内容であるから
⑨ その他(
Q6
今回の研修はあなたの能力あるいは知識を向上させる内容であったと思いますか?
① 思う
18
72%
② どちらかといえば思う
7
28%
③ どちらともいえない
0
0%
④
0
0%
0
0%
どちらかといえば思わない
⑤ 思わない
Q7
)
Q6で「① 思う」
、
「② どちらかといえば思う」と回答した方にお聞きします。
今回の研修はあなたにとって、以下のいずれの能力や知識を向上させる内容でしたか?
該当する選択肢を選び○で囲んでください(複数回答可)。
① 授業における実践的な指導に関する能力や知識
19
76%
② 授業では直接活用できないが、先端科学技術に
9
36%
0
0%
0
0%
2
8%
3
12%
1
4%
関する自己研鑽的な能力や知識
③ 学校長や他の教員等(児童生徒を除く)に対する
プレゼンテーションのための能力や知識
④ 学校長や他の教員等(児童生徒を除く)とコミュ
ニケーションをとるための能力や知識
⑤ 他の教員や保護者等(児童生徒を除く)に対して
相談にのったり援助したりするための能力や知識
⑥ 学校内外の活動を目的に沿って効果的に働くよう
調整するためのコーディネーション能力や知識
⑦ その他
(科学部での活動に使う)
Q8
Q7で「① 授業における実践的な指導に関する能力や知識」と回答した方にお聞きしま
す。
具体的にどのような場面で、実践的な指導力を発揮することができると思いますか?
該当する選択肢を選び○で囲んでください(複数回答可)。
① 授業での教科指導に用いる教材の収集・選択・分析
16
64%
② 学習目標にむけた教材化の工夫や教材の組み立て方
13
52%
③ 学習指導案の作成
1
4%
④ 教育カリキュラムや学習目標に合わせた授業設計
0
0%
⑤ 児童生徒の理解度や生活経験に合わせた授業設計
2
8%
⑥ 児童生徒の学習意欲を高める課題設定や発問
4
16%
⑦ 資料や教材等の効果的な提示方法
3
12%
⑧ その他
1
4%
(科学クラブの実践)
Q9
今回の研修では、授業における活用方法についての講義や実習等が設定されていました
か?
①
十分に設定されていた
12
48%
② ある程度は設定されていた
12
48%
1
4%
③ 設定されていなかった
Q10 今回の研修において、講義や実習等を担当してくださった講師は、以下のうちどのよう
な方でしたか?
① 理系の大学・大学院の教員(退官・退職者を含む)
② 教育系の大学・大学院の教員(退官・退職者を含む)
6
24%
19
76%
③ 高等専門学校の教員(退官・退職者を含む)
0
④ 博物館・科学館等の学芸員(退官・退職者を含む)
0
⑤ 企業の研究者・技術者(退官・退職者を含む)
0
⑥ 小学校・中学校・高等学校あるいは教育委員会・教育センター等の教員(退官・退
職者を含む)
0
⑦ その他
0
Q11 今後も機会があれば、今回の「理数系教員指導力向上研修」のような研究者が講師役と
なる研修を、受講したいですか?
① 受講したい
21
84%
② どちらかといえば受講したい
3
12%
③ どちらともいえない
1
4%
④ どちらかといえば受講したくない
0
⑤ 受講したくない
0
Q12 今回の「理数系教員指導力向上研修」の実施方法・手順について、あてはまるものをご
回答ください。
Q12-1 実施日数・時間数: ①
長すぎる
②
ちょうど良い
③
短すぎる
実施時期
: ①
②
ちょうど良い
別の時期が良い
⇒望ましい時期は(夏
Q12-3 参加者人数
: ①
0%
21
84%
4
16%
2 日、2,3 日、年 2 回 各 1 回答)
⇒望ましい日数・時間数は(
Q12-2
0
24
96%
1
4%
)
多すぎる
②
ちょうど良い
③
少なすぎる
24
96%
1
4%
⇒望ましい人数は(もう少し多くても良い)
Q12-4 開催周知方法
: ①
②
今のままで良い
別の周知方法が望ましい
24
(無回答
96%
0
1)
Q13 今回参加した「理数系教員指導力向上研修」の感想や今後この研修の充実を図るために
必要なことなどについて、ご意見等を自由に記入してください。
•
少人数で色々お話を聞けるのがとてもありがたかった。
•
紹介で終わってしまったような感じです。もう少しじっくりやってみたいです。
•
少人数なので分からない事を気軽に質問できて良かった。
•
中学校の、最新の科学技術に関する内容の研修があればと思います。
•
毎年たいへんよい研修になっており、教育活動に役立っています。今後も是非続けて下さ
い。
•
学校にある器具、薬品で可能な実験を紹介して頂けたので、高校に戻り確認し、授業に取
り入れて行きたいと思います。ありがとうございました。
•
おかげさまで 1 日楽しめました。ありがとうございました。よかったです。
•
少人数で受講できましたので細部を聞くことが出来ました。ありがとうございました。
•
諸先生方に大変お時間とお手数をお掛けしたなあと思います。どうも有り難うございまし
た。
•
教員により準備、対応に差があるように感じた。
•
全体研修1+個別研修と言う構成であったが、時間をかけた割には内容的に少なかった。
全体研修は特に理由がなければ必ず参加しないといけないと思ったが、参加されない方も
多かったので、個別研修を 2 つ選択すれば良かった。
せっかく 1 日つぶしているのだから、
昼休みを半分くらいにして 10 時スタートでよいのでできれば 3 つの個別研修を自由に選
択する形にして欲しい。
•
感想:内容、時間共に適切でとても良い。必要なこと:高校の指導要領(の発展)と対応
した内容か、分かりやすい案内(ちょっと甘えすぎました)
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自分が観察させて頂いた内容を生徒に体験させるための高大連携の具体的な提示があれ
ばなおすばらしい。
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興味深い内容で参加してよかったと思います。
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大学は工学部の電気工学科出身ですが、中学では物理・化学・生物・地学の 4 分野を教え
ています。生徒達の多様な興味関心に応じて、系統的に教えようとすると、教える側に充
分な知的背景がないと、すぐにゆきづまってしまいます。実際にはその 4 つの専門分野に
ついて分からないことだらけで困っています。インターネットや集いを通じて理科の質問
に答えていただける機会があればとてもありがたいのですが。今日は色々とお世話になり
ました。
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走査電顕について、2 時間の研修は時間もたっぷりあり質問も自由に出来、参考になりま
した。
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普段出来ない実験の資料や、すぐに導入できる実験ができた。
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液体窒素を用いて物質の三態の他、多様な物質の存在のしかたをどう教えるか、大変参考
になりました。有難うございました。
•
少人数で丁寧に指導していただき、実験方法や反応についての説明等もよく理解できた。
免許更新がらみでなく、積極的に研修を受講しようとする教員のためにも、このような機
会を確保して頂きたい。
○
あなたご自身のことについて回答ください。
A
所属する学校の種別
B
① 中学校
②
高等学校
③
その他
7
28%
19
76%
1
4%
担当教科
(1)中学校
① 理科
7
②
数学
0
③
その他
0
①
物理
0
②
化学
10
③
生物
7
(2)高等学校
④ 地学
⑤ 数学
⑥ 情報
⑦
その他
2
(
(3)その他
C
性別
総合的な学習1、理科基礎、総合理科1
1
①
男性
24
96%
②
女性
1
4%
)