局所進行乳癌における術前化学療法としての docetaxelと - PierOnline

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Docetaxel and high-dose epirubicin as neoadjuvant chemotherapy in locally advanced
breast cancer. E Espinosa S, M orales, P Borrega,
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局所進行乳癌における術前化学療法としての docetaxel と高用量 epirubicin との
併用効果
局所進行乳癌症例では 患者の生存率の上に病理学的完全寛解(pCR)が重要であるので 乳
癌に有効な epirubicin と docetaxel の 2剤を併用して有効性を検討した。局所進行型または炎症
性の乳癌患者に対し epirubicin 120mg/m と次いで docetaxel 75mg/m を day1に投与し 21
日ごとに繰り返し全 4回投与した。全 51例について検討したが 50例が合計 188サイクル投与さ
れ 患者当たりの中央値は 4サイクルであった。患者年齢の中央値は 47歳 患者の腫瘍状況は 14
名が stage ⅢA 36名が stage ⅢB であった。estrogen receptor
(ER)
は 65名の癌で陽性であっ
た。10例で CR(20%)が 29例で PR(58%)が得られている。外科的処置として 40例に乳房
切断術が実施され 6例で腫瘍摘出が行われた。pathological CR(pCR)は 9例(18%)に得ら
れている。1例は化学療法終了後 増悪し死亡した。追跡期間中央値 22か月の後 無症状生存期
間の中央値は 33.7か月となった。grade 3または 4の好中球減少は 32%
血は 6% 血小板減
少は 4%にみられた。毒性によるものまたは grade 4の非血液系毒性による死亡はなかった。これ
らの結果を踏まえて 著者らは docetaxel プラス高用量 epirubicin の投与は 局所進行型で炎症
性乳癌患者に対して 毒性は激しいものでなく期待できる有効性を示した と述べている。
(塚 越
茂)